トレイルライターの奥山です。日常生活では、on かファイブフィンガーズ、夏にはお手製ワラーチもかなりの頻度で履いています。ですが、ロードランやトレイルランの際は、某T社の厚底シューズやVibramソール系のシューズを好んでいます。
幅が若干広めで、外反母趾なため、一度相性が合うと、かなりのスパンで履き続けます。トレランの主なフィールドは丹沢か箱根、鎌倉。大会運営の会社に所属しながら、トレイルライターとしても活動しています。そんな私が今年の新作から昨年人気だったモデルも含め、気になっていた注目モデルを(恐れ多くも)ジャッジメントさせていただきました!
目次
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今回の比較候補となったシューズについて
ゼロドロップ、Vibram、厚底系……。
個性豊かなトレランシューズが多くなりつつある昨今。
一足で色々なトレイルや距離に対応できるのが理想的だ。
とはいえ、ロングレース用、マルチなフィールド用、ダメージ軽減用など、シューズの使い分けも、このスポーツの醍醐味の一つ。
今回は、実際に履き続けてみないと、知ることのない、実感コメントを記すことにした。シューズ選びの参考にしていただければ、幸いです。
テスト環境
自分の主なフィールドといえば、丹沢。がれ場や急な登り、下り。アップダウンが多く、パンチの効いたトレイルで知られ、首都圏から好アクセスなフィールド。その丹沢で、主にテストさせていただきました。また、OSJトレイルレース 奥久慈トレイルレースのフィールドや、丹沢最高峰の山荘 蛭ヶ岳山荘周辺でもテスト着用させていただきました。
- 重量・・・パフォーマンスはもとより、足上げにも影響するシューズの軽さ。とは言え、足への負担にも影響するので、単に、軽ければいいというわけでもない。
- グリップ・・・トレイルランニングで、パフォーマンスにかなり影響するシューズのグリップ。とりわけ、トレイルのコンディションや下りには欠かせない要素。
- ラスト・・・日本人の足の大半が幅広型の傾向にある。ラストが合わないと、シューズ選びは始まらないと言っても過言ではないだろう。
- アッパー ・・・シューズの先端部分。指周りを保護する役割がある。狭すぎる場合は、合っていない証拠。シューレースを締めると、快適なフィット感が得られれば、OK。
- 快適性・・・長時間、シューズを履いていても、快適であることが望ましい。通気性やラストの相性、アッパーの包み込むような感じなど、いろいろな要因から成る。
テスト結果&スペック比較表
評価結果 ~タイプ別おすすめ~
MERRELL TRAIL GLOVE 4 E-MESH
ベアフットトレイルランナーなら絶対に履いてほしい軽量シューズ
ココが◎
- 216gとかなり軽量。長時間履いていても快適
- ベアフットランニングしやすいアーチサポート
- つま先部分がふっくらしてて、着地しやすい
- アッパーのホールド感がたまらない
ココが△
- グリップ力が物足りない
- 雨天時には不向き
HOKA ONE ONE SPEEDGOAT 2
走るマシュマロになれる!?バリエーション対応の軽量厚底シューズ
ココが◎
- 厚底シューズらしさを感じない、着地感覚と軽量化
- 様々なトレイルコンディションでも抜群の安定性
- 下り、登りでも安定性が高いグリップ力
ココが△
- アッパーが若干狭めで、足指が動かしにくい
アディダスTERREX AGRAVIC SPEED
足幅細身ランナー限定!?グリップ力は登りも下りもかなりの強者
ココが◎
- 軽量化と通気性の高いメッシュ素材のアッパー
- グリップ力は高め。登りでも実感できる食いつき
ココが△
- ヒール部分がやや深めで、かかとが若干浮くくらい
- アッパーが若干狭めで、足指が動かしにくい
LA SPORTIVA AKYRA
オールマイティー高し!!安定のグリップとアーチサポートは、MOW病みつき!
ココが◎
- マルチなグリップ力と衝撃吸収のアウトソール
- ヒールカップがしっかりハマり、足首をサポート
- 指が上下に動かしやすい幅広系
ココが△
- もう少し軽ければもう天下一品
まとめ
総合的に高評価だったのが、LA SPORTIVA AKYRA(アキラ)。快適さ、アーチサポート、ヒールカップ、アッパー、日本人特有の幅広足にあった木型、そして、何よりもマルチに対応するグリップ力。どれも高得点だった。重さが若干割増だが、ロングレースであれば、全くの合格ライン内だ。HOKA ONE ONE SPEEDGOAT 2は、長年の厚底シューズのパイオニアだけあって、かなり改良されてきている。着地からの蹴り出しがとてもスムーズで、厚底特有のクセを感じさせない形状と軽量には驚いた。ミドルから、ロングレースに向いている。アッパーがもう少し、高ければ、快適さは増すはず。MERRELL TRAIL GLOVE 4 E-MESHは、日頃からファイブフィンガーズを愛用しているため、かなり期待していた。確かに、軽量モデルで、木型が幅広ゆえに、かなり快適。アーチサポートも心地よく、自然とベアフットランニングが楽しめる。ビブラムソールだが、そのグリップ力はもう少し、改良するべきだろう。特に雨天時のトレイルの下りには、かなり心許ない思う。最後にアディダスTERREX AGRAVIC SPEED。軽さと Continentalラバーを採用したアウトソールはかなり評価できる。トレイルの下りでも、上りでもその特長を実感せざるを得ない。残念なのが、木型とヒール部分。かなり細身のタイプなので、ユーザーは限られる。また、ヒール部分の切り込みが深すぎて、かかとが浮く感じは否めない。隙間から砂利などが入りやすい。今回のテストでは、LA SPORTIVA AKYRA(アキラ)とHOKA ONE ONE SPEEDGOAT 2が、買い狙いのシューズとして、マークした。とはいえ、相性があった上で、軽量好みのユーザーなら、MERRELL TRAIL GLOVE 4 E-MESHとアディダスTERREX AGRAVIC SPEEDとをオススメしたい。
奥山賢治
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