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比較レビュー:今、トレイルランで一番使えるレインウェアはどいつだ? ランナーが実際に使ってみた

トレイルランニングは山に入って行う活動である以上、どんなコースであってもレインウェア(雨具)は必需品です。標高が高い山であれば天候の急変は日常茶飯事、自分の命を守るためにも、決して欠かすことのできない装備といえます。年間通して数多く行われるトレイルランニングの大会では、一定の性能をもったレインウェアの携帯を義務付けているところも多くなってきました。

ここ最近の新作レインウェアは、この新しいアクティビティの人気にともなって、従来のように雨はしっかり防いでくれる代わりに重くて硬い着心地から、防水性はそれなりでも羽根のように軽くてコンパクト、そして汗の排出能力(透湿性)が高いといった、よりアクティブな性格のモデルが多くなってきました。毎年これでもかといわんばかりの画期的なスペックを備えた新製品が登場し、ここ数年は各ブランド同士の覇権争いが激化の一途をたどっています。

今回はそんな今シーズンも注目の最新超軽量レインウェアを、トレイルランニングやファストパッキングの視点で実際に使用し、さまざまな視点から評価してみました。

目次

今回比較したレインウェアについて

主にトレイルランニングで使用するということを念頭において候補を検討しました。使い勝手としてはファストパッキングやスピードハイキングなども範囲に入ってくるでしょう。

必要なものをすべて持ち歩かなければならないトレイルランニングにおいては、レインウェアを選ぶ際には機能・性能面もさることながら、重量なども重要な要素になってきます。ただ残念ながら、すべてを持ち合わせたスーパー雨具はまだ見たことがありません。

そこで、今回はある機能に特化したものからオールラウンドな使い心地のものまで、トレイルランニングに必要な機能を各ブランドそれぞれのコンセプトによって備えた個性豊かな5モデル(ほぼ2018SS新モデル)をピックアップして、実際使用する場面を想定した比較・評価をしていきます。

テスト環境

テストは9月に2つの環境下で行いました。発汗量なども変わるので、続けざまに他のウェアのテストはせず、別日にできるだけ同条件でテストしました。とにかく雨が降ってはテストするという感じだったので、にわか雨だったり台風直前であったり、同じ風雨の中でも多少環境にばらつきはありました。

  1. トレイルランニング:標高は0~1000mまでのトレイル。最低限の荷物を背負い、上りと下りで使用。もちろん降雨時です。
  2. ジョギング:降雨時の舗装路で、それぞれを着て1時間ほど走ってみた。トレラン時のみでなく、普段から使用できるかどうかも考慮して、ノンストップで軽く汗をかいてみました。まだまだ日中は暑かったので、基本的に夜間に行いました。

評価項目については、下記の通り7つの指標を設定。テスト結果の評価数値はテスターである筆者のインプレッションによります。

  1. 防水性 ・・・降雨から体の濡れを防ぐ性能です。レインウェアなので一番大事なポイントです。
  2. 透湿性・・・カタログのスペック値だけに頼らず、実際使用して蒸れにくさを評価。生地の透湿性のみでなく、ベンチレーションによる換気性能も含みます。
  3. 快適性・・・袖を通した時の感覚や、フィット感、動きやすさ。
  4. 機動性(動きやすさ)・・・着用時の腕振りなどトレラン時にするであろう動作がしやすいか、ストレスを感じないかを測りました。
  5. 重量・・・やはり気になるのは重量。とにかく重量の軽い重いのみでの評価です。
  6. 機能性・・・防水性や重さだけでは測れない、メーカーのこだわりや独特な機能など
  7. 使いやすさ

テスト結果&スペック比較表

正直なところ、どれもレインウェアとしての基本的な性能に関しては高いレベルにあり、各モデル間の性能差は甲乙つけがたく、非常に拮抗していました。デザイン性や値段なども考慮すればまた結果は違っていたかもしれませんが、今回それらは総合評価には入っていません。

総合評価 AAA AAA AA AA AA
アイテム MONTANE ミニマスストレッチウルトラジャケット NORRONA bitihorn Gore-Tex Active 2.0 Jacket mont-bell バーサライトジャケット RaidLight ハイパーライトMP+ジャケット Black Diamond ファインラインストレッチ レインシェル
参考価格 30,240円 46,440円 15,768円 23,544円 15,768円
ここが◎

快適性、機動性、使いやすさ

防水性、快適性、機動性

防水性、透湿性、重量、価格

重量、機動性

使いやすさ、価格
ここが△ 耐久性 価格 フードや袖のバタつき フードがタイトすぎる 重量
防水性 ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆
透湿性 ★★★★★ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆
快適性 ★★★★★ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
機動性 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★★ ★★★★☆
重量 ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★★ ★★☆☆☆
機能性 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆
使いやすさ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆
スペック
アイテム MONTANE ミニマスストレッチウルトラジャケット NORRONA bitihorn Gore-Tex Active 2.0 Jacket mont-bell バーサライトジャケット RaidLight ハイパーライトMP+ジャケット Black Diamond ファインラインストレッチ レインシェル
重量(実測) 192g(S) 183g(S) 133g(M) 103g(S) 280g(S)
生地 Pertex Shield GORE-TEX Active ゴア ウインドストッパー プロダクト ウィズウォーターレジスタンス2レイヤー MP+ BDドライ
防水性(mm参考値) 20,000 非公開(推定28,000) 30,000以上 20,000 10,000
透湿性(g/m2/24h参考値) 20,000 RET < 3 43,000 25,000 10,000
ストレッチ    
レイヤー 2.5層 3層 2層 2層 2.5層
ポケット 2 1 0 0 1
カフ(袖) ストレッチ ストレッチ ベルクロ+ストレッチ ストレッチ ストレッチ
フード調節 無し 無し 無し
収納 本体ハンドポケット内にパッキングが可能 無し 収納袋付き 無し カラビナループ付胸ポケットに収納可能

各モデルのインプレッション

MONTANE ミニマスストレッチウルトラジャケット

やはり一番の利点はそのストレッチ性、柔軟さにあると思っています。とにかく伸びる。「トレランのジャケットはタイトであれ」と日頃から思っています。強風の中移動することもありますし、稜線など走っているときの強風に恐怖を感じることは多々あります。そんな中このジャケットは抜群のストレッチ性でかなりタイトながら動きを妨げません。そのお陰か実際の重量192gにも関わらず、感覚的には一番軽く感じられました。また袖通し感も良く、走って汗をかいてもベトつきが少なく、快適度は抜群です。フードは程よい大きさで、顎あたりもなく快適です。

ストレッチがあるので頻繁に着脱するようなシーンでも、リュックの上から羽織ることができるので不要なストレスを省くことができます。

袖のバタつきを抑えつつ、換気性を高められる胸のスナップボタン。

一番気に入った小さな点は、胸のあたりにあるボタン。登りなどで暑くなってチャックを下げた時にこのボタンを留めておけば襟がバタつくことはありません。なぜ今までどこもつけてなかったんだと、思わず「おおーっ」と声が出ました。

マイナス点を挙げると、生地の耐久性に不安点を感じます。ストレッチという特性がある以上、ここは他のモデルと比べると劣るのはしょうがないのかと。しっかり走るレーサーにはバッチリの一枚ではないでしょうか。

NORRONA bitihorn Gore-Tex Active 2.0 Jacket

後ろのドローコード1点で調節可能なフィット感抜群のフード。全体的にタイトながら機動性も高い。

GORE-TEXの安心感。これは特に実際の雨天では圧倒的です。しっかり守られてる感じがして、不安要素はなく安心して走りに集中できます。裁断はかなり計算して丁寧に作られているようで、全体的にタイトなつくりではあるのですが、ランニング中に突っ張ったりするストレスを感じることはほとんどありません。顎部分もチャックを上まであげてもストレスになることはありません。フードは後ろのドローコード1点で全体を調節する仕様。額周りにゴムが入っていてちょうど良い感じに収まり、ツバ部分もワイヤーではないのですがしっかりしていて雨が向かってきても気になりません。重量はメーカー値は160gですが、実測値では183gでした。今回のモデル内ではちょうど中間ですが、GORE-TEX、3レイヤーでこの重量は十分軽量なんですよ!今回の5モデルの中では、一番安心感のあるモデルです。その分値段が突出して購入する時安心はできないですよね…そこを気にしなければ買って間違いはない、高スペック・高バランスの一枚でしょう。

mont-bell バーサライトジャケット

抜群の防水透湿性能を備えながらも超軽量。モンベルのレインウェアは相変わらず高性能。

まずmont-bellさんに一言謝りたいです。ごめんなさい。モンベルのトレイルランジャケットは、トレントフライヤーのみと決め込んでいましたが、今回これを試してみて180度覆されました。mont-belが本当に力を入れているのはバーサライトジャケットの方なんだと。羽織った時や畳んでスタッフバッグに入れるときは、紙のようなカサカサ感があって、ちょっと頼りなさを感じますが、実際に使ってみたときの印象は全く違いました。強めの雨の時もしっかりと守られてる感があり、しっかり風からも守ってくれます。しかも重量は今回の5モデルの中でも2番目に軽量の134g(実測133g)。言うことなしです。スタッフバッグに入れればげんこつサイズになるので、荷物量を気にするレースには良い選択肢になるでしょう。

ここまでべたぼめですが、気になる点ももちろんあります。まずトレイルランに特化してないので、全体的に余裕のある作りになっています。余裕がある分激しく腕を動貸してもつっぱり感はなく良いのですが、強風がくると結構バタつきます。気になる人にはストレスになることでしょう。フードも大きめの作りになっていて、ゴムを絞って調整するようになっていますが風が吹くと巻き込んでいるような気がします。ここはもう少し工夫して欲しかったところ。襟の顎アタリも少し気になります。そして生地はかなり薄いので、耐久性にやや不安があります。ポケットもありません。しかしそれらを差し引いでも、この値段でこの完成度は恐れ入ります。mont-bellさん、どうもありがとうございます。日本人でよかった。

RaidLight ハイパーライトMP+ジャケット

フランスのトレイルランニング用品のメーカーです。トレランに特化した商品作りをしているメーカーで、嫌なら使わなくていいよ。という強気な姿勢がランナーの心をつかんでいます。

袖の上から時計をチェックできる、日本モデルだけの特別仕様。

今回のレインウェア、メーカー値115gと、とにかく軽い。実際にキッチンスケールで計測したところ103gしかありませんでした。この軽さでしっかりと止水ファスナーのレインウェアとは恐れ入ります。作りはまさにトレイルランニングに特化していると言えます。右の袖の手首部分は時計が見えるように透明になっていて時計が常に確認できたり、薄い生地のおかげでゼッケンの上から羽織ってもしっかりとナンバーは確認でたり、肩にはリュック用の滑り止めまでついていて、本当にトレイルランナーが感じる様々なストレスを削ってくれています。最初に袖を通した時の肌感もすべすべして心地よさすら感じます。

ただ、作りはかなりタイトになっています。顎はかなりタイトで常に接肌してますし、フードも完全に頭に密着します。ファスナーを完全にあげると、ちょっと窮屈さを感じるかもしれません。汗をかいた時も生地が肌に密着して着心地の良さはあまり良くないです。ここはタイトな作りの分他の部分からの抜けが悪いのかもしれません。しかし強風でも全くバサつきませんし、適度なストレッチもあるので、「風雨の中を走る」という面では必要十分なレインウェアです。重量も軽く最低限の機能があればいいというシリアスレーサー向けのモデルだと思います。

Black Diamond ファインラインストレッチレインシェル

ポケットを裏返すことで収納できる、パッカブル仕様。ランニング中の脱ぎ着ではスタッフサックなどのパーツは無くしやすく、意外と重宝。

やはり300g近くなると今回の軽量レインウェアの中では重量感を感じてしまいます.着ているときはそこまで気にならないのですが、畳んでトレラン用のリュックに入れた時により感じました。ポケットも胸にあるのですが止水ファスナーではありません。もちろん雨はしっかり防いでくれますし、ちゃんと透湿力もあります。確かにメーカーの値の公表透湿性は低めですが、汗をかいた時の肌触りは良く、それほどストレスを感じませんでした。そこはトレイルランニ特化したモデルではないので値段との妥協点でしょうか。ただ、気軽に他のアクティビティーにも使用できる安心感があります。他のモデルは軽量・トレイルランニングに特化しすぎている分耐久性などに不安が残りますが、このウェアは耐久性もさることながらスタイリッシュなデザインと値段などとのバランスもしっかり取れている、コストパフォーマンスの高い一枚だと思います。思い切って高いウェアを一枚買うのであれば、予算内でこのジャケットと他のものをもう一枚買って使い分けるのも手だと思います。

次ページ:各項目の詳細レビューへ

前ページでは比較したモデルのランキングと、評価・スペックの一覧、そしてそれに基づくおすすめを紹介しました。ここからはその評価について、どのような基準で評価したのか、なぜそのような評価になったのかについて解説していきます。

各項目詳細レビュー

防水性

NORRONA ★★★★★
Black Diamond ★★★★☆
MONTANE ★★★★☆
mont-bell ★★★★☆
RaidLight ★★★★☆

防水性の性能に関しては、テストするまではGORE-TEX ActiveのNorrona,、Gore-windstopperのmont-bellが良い結果になると思っていましたが、実際にはどのウェアも大差はありませんでした。飛び抜けて長期間・激しい雨以外の一般的な雨であれば問題なさそうです。

当然のことながら全モデル止水ファスナー、シームシーリングしてあるため、縫い目やジッパーからの浸水もほとんど心配ありません。ただ、Black Diamondの胸のポケットのファスナーだけはフラップが付いた通常ファスナーですので、濡れて困るものは 注意が必要かもしれません。撥水に関しても、今回のテスト中に著しく撥水性が落ちるようなモデルはなく、特にがっかりするモデルはありませんでした。

透湿性

NORRONA ★★★★★
MONTANE ★★★★★
mont-bell ★★★★☆
Black Diamond ★★★☆☆
RaidLight ★★☆☆☆

メーカ値でみると43,000gのmont-bellが抜群で、続いてNarrona(RET<3)、Raidlight(25,000)、Montane(20,000)、Black Diamond(10,000)と続きます。ただ数値だけでなく各メーカいかに体から水蒸気を逃すか工夫をしているので、実際に使用してみると体感でその数値とは違った印象が感じられました。

実際に使用してみると、Narronaは使用している最中にべとついたりすることはほとんどありません。さすがは最新鋭GORE-TEX3レイヤー。続いてMontaneも多少蒸気がたまる感じはしますが、べとつくことなく不快に感じることはありませんでした。次にmont-bell。数字ではトップでしたが、実際に使用してみるとそこまで蒸気がたまる感じはしないのですが、2レイヤーということで多少ベトつく感じがありました。シルエットも余裕のある作りなので、余計肌にくっつく感じはぬぐえませんでした。これは実際の性能よりも肌に触れる部分の生地がNorrona、Montaneに比べると肌に吸い付きやすいからなのかもしれません。

Raidlight、Black Diamondは汗をかき出すと、もう肌にくっついてしょうがない。特にRaidlightは生地も薄く透けるので、肌に直にくっついてる感じが視覚からも捉えられるので、この感じが嫌な人にとってはストレスになるかもしれません。

快適性

NORRONA ★★★★★
MONTANE ★★★★★
mont-bell ★★★★☆
RaidLight ★★★★☆
Black Diamond ★★★☆☆

できればランニング中は余計なストレスは感じたくないところ。なるべくストレスなく来ていられるか。Norrona・Montane共に汗によるべとつきも少なく、快適でした。mont-bellはそのの2着と比べると登りで頑張ってる時や、平地でのランニングではベトつきを感じました。ルーズフィットなので、汗を大量にかいている状態だと余っている生地が干渉しあって少し違和感を感じるかもしれません。そういった状況のではファスナーを下げるなど積極的な換気が必要です。Raidlightは浸湿性のところでも述べましたが、やはり湿気の抜けが悪いので肌につくのですが、裏地に特殊な加工がしてあるのか、意外にそれが動きを妨げることはありませんでした。ストレッチ生地のおかげでもあると思います。Raidlightに関しては、フードのツバはとっても小さく頼りないのですが、実際に降雨の時に走っていても、なぜかそこまで顔にかからないようになっていて、ちょっと感動しました。環境が悪いほど、Raidlightは活躍するのではと思いました。

機動性

MONTANE ★★★★★
RaidLight ★★★★★
Black Diamond ★★★★☆
NORRONA ★★★★☆
mont-bell ★★★☆☆

やはりトレランではこのパートはかなり重要です。ストレッチが効くのは最高ですね!どうしてもストレッチなしで機動性を上げようとすると作りをゆったりとさせるか、裁断を工夫することになります。その分重量が増えたり、パーツが多くなって防水性が低下するなどの弊害が出てきます。

そんな中Montane、Raidlightのストレッチは着ているのを忘れさせるほどでした。これでレインウェアだとは……。Black Diamondはストレッチこそ効いてはいますが、前の2着と比べると若干ですがストレッチの弱さが気になりました。Norronaはストレッチこそありませんがタイトにも関わらず、通常の腕振り程度ではツッパリなどはなく、逆に感動したほどでした。 Mont-bellは作りがルーズなので腕振りなどでは問題はありませんでしたが、腰・肩周りなど余分な生地が多く、それが逆にゴワゴワして動きを妨げることがありました。

重量

RaidLight ★★★★★
mont-bell ★★★★★
NORRONA ★★★★☆
MONTANE ★★★☆☆
Black Diamond ★★☆☆☆

Raidlight軽すぎです。止水ファスナーを使用したレインウェアーでメーカー値115gは圧巻です。無駄を省き切った感が感じられます。重量を気にするシリアスランナーには安心感抜群のウェアになるでしょう。次点でmont-bell。この性能で135gにおさえてくるあたり、本気を感じました。重量だとこの2点に目がいきがちですが、他のウェアも200gを下回っているので、これでも十分な軽さですよね。その点Black Diamondは280gと他のウェアからは水をあけられていますが、レインウェアとしては軽い分類ですし、他の4枚と比べると生地は丈夫で、気にせずガシガシ使用できるのではないでしょうか。

機能性

MONTANE ★★★★★
RaidLight ★★★★☆
Black Diamond ★★★★☆
mont-bell ★★★☆☆
NORRONA ★★★☆☆

今回のモデルはトレイルランニングに特化しているものが多く、基本的にポケットはないものがほとんど。Norronaは胸に1か所(ベンチレーション兼)、Montaneは両腰に1つずつ計2つ(収納袋兼)、Black Diamondは胸にひとつ(収納袋兼)でした。やはり収納袋がポケット兼用だとなくす心配もなく簡単に収納できて便利です。

その他、Montaneは胸の裏側にスナップボタンがついていて、これを留めることによりファスナーを開いていてもバタつくことがないように設計されています。これが意外に便利で感動しました。その他フードも調節可能で、よりフィットさせやすい機能が保たれています。

サムホールはRaidLightのみついています。レインウェアにはめずらしいですが、あると便利な機能です。その他RaidLightは着た状態で時計がみられる袖口など、軽さと同時に個性的な機能を付加しているあたり、強烈な個性が感じられます。

一方mont-bell、Norronaは機能をそぎ落とすことで軽さを手に入れているためか、この項目ではやや不利です。

使いやすさ

MONTANE ★★★★★
NORRONA ★★★★☆
RaidLight ★★★★☆
Black Diamond ★★★★☆
mont-bell ★★★☆☆

着脱のしやすさは、Norrona、Montaneが一番でした。薄すぎでも厚すぎでもなく、ちょうどよい感じで走りながらでもさっと脱げ、ガサッとまとめてリュックに入れやすかったです。Raidlightは薄すぎなのでしょうか。タイトなのもあると思いますが、着脱にもたつくので、止まらざるをえませんでした。mont-bell、BlackDiamondはタイトさがないので脱ぐときは楽ですが、着るのにちょっともたつきました。あと、しっかりたたまないと結構かさばるのも減点ポイントでした。

ファスナーに関しては、Norronaが少し重たく咬みやすく感じましたが、他のものとあえて比べるならば、といった程度で、そこまで気になるほどではありません。

カフ(袖口)は唯一mont-bellのみベルクロ留めになっています。僕は袖口のベルクロ留めが苦手なのでマイナス点ではありますが、ここは人それぞれなので、ベルクロが好きな人にとっては、高得点になりえるのではないでしょうか。

その他、使い勝手といってよいのか分かりませんが、Black Diamondはそこそこの性能をもって値段も一番手ごろなので、本当の意味での使い勝手は良いのではないかとも思いました。

まとめ

今回はトレイルランニング用レインウェアということで、ランニング最中にどうなのか?という着眼点でレビューしました。レインウェアなのでもちろん雨の中で使用しましたが、トレイルランでのレインウェアは防寒も兼ねることも多く、生地の厚さだったり、熱の保持具合も選ぶのに必要になってきます。そのなかでも今回は降雨時の評価ということで参考にしていただければ。

もちろん評価には、僕の好き嫌いも入っていますので、実際に使用してみると、レビューではこう言ってたのに!となることもあるでしょう。世の中には他にも沢山のレインェアがあるなかで、どれをえらんでも性能自体は素晴らしいものです。そのなかから購入する際の1つの指標にしていただければ、幸いです。実際レインェアを沢山持つことなんてないですよね。こうやって実際にレビューすると、それぞれの長短が見えて、全部ほしくなってきちゃいますね…みなさんが良い一枚に出会えますように。

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横山貴史 (Yokoyama Takashi)

屋久島在住、この海あり山ありの素晴らしい環境で、素潜り、登山、サイクリング、ボルダリングからトレランまで自然をこよなく愛してやまない少年(心は!)です。現在はアメリカのトレラン文化に傾向中。アメリカのビックレース Western States Endurance Run・Hardrock100の完走を目標に、日々トレーニング中。「とりあえずやってみる。」 をモットーに様々な挑戦を続けます。無類のモグラ好き。

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