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【2026 JETBOIL 新作】”高速湯沸かし”のその先へ。繊細な調理を可能にする「トレイルクック1.2L」と、既存モデルを爆風から守る「ウインドスクリーン」の真価をフィールドで検証

小さな火力で最大限の仕事をさせることを実現すべく、研究開発されて誕生したJETBOIL(ジェットボイル)は、熱を逃さずに効率よく伝達させることで驚くべきスピードでお湯が沸かせ、少ない燃料で調理ができるストーブです。

そんなJETBOILのラインナップに加わった新作「トレイルクック1.2L」をいち早くフィールドで試させてもらう機会を得ましたのでレビューします。今回は新作トレイルクック1.2Lのレビューに加え、既存のシリーズであるフラッシュ1.0Lとジップ 0.8Lの耐候性を高めるアクセサリー「ウインドスクリーン」の実力も確かめてきましたのでその様子もあわせてお伝えします。

環境を変えてテストをする中で、トレイルクック1.2Lは従来のラインナップされているストーブの熱効率の高さは引き継ぎつつも、刷新されたデザインが汎用性を高め使いやすさが追求されていることが分かりました。そしてフラッシュ1.0Lとジップ 0.8Lにウインドスクリーンプラスして使えば暴風の中でもお湯が沸かせることができ、耐風性の高さを身をもって体感することができました。

JETBOILトレイルクック 1.2Lの主な特徴

JETBOIL トレイルクック1.2Lは、従来のフラッシュ1.0Lやジップ0.8Lクッカーと比較して、口を広く、高さを低く設計することで調理用に最適化されたストーブセットです。点火は操作が容易なターン&クリック式を採用しており、火力調整から消火まで直感的で簡単な操作を実現しています。また、ストーブのボディにはラバー素材のグリップを搭載することで、操作性と安全性を確保しています。

底面にフラックスリングを採用したクッカーは、フィン状のリングが熱損失を最小限に抑えてバーナーの熱を吸収し、小さな火力でも素早く沸騰させることが可能。通常のクッカーと比べ80%以上の高い熱効率を発揮し、ガスの消費量を抑え、低燃費での稼働を実現します。クッカーの内側には目盛り付きで必要な水が計量しやすく、セラミックコーティングが施されていることで、汚れが付きにくく、メンテナンスも容易におこなうことができます。容量が1.2Lある大きめのクッカーは、調理がしやすく、また複数人で使うのにも適しています。

独自設計のゴトク形状が採用されたことにより、専用クッカーを置く際に最も熱効率の良い位置に配置することが容易にでき、しっかりクッカーを支えます。調理中にゴトクからクッカーを下ろしたり載せたりする動作がしやすく、また専用のクッカーのみならず、さまざまなクッカーやフライパンが使用できることで汎用性の高い設計になったストーブです。

お気に入りポイント

  • 高効率で省燃費
  • 1.2Lあるクッカー容量は贅沢にソロで使う〜デュオまで対応
  • 浅型クッカーで調理しやすい
  • 専用のクッカー以外も使える汎用性の高さ
  • 火力の調節が視認できる
  • 直感で使える操作性の高さ
  • 必要なものをオールインできる緻密な設計

気になるポイント

  • やや風に弱い
  • 点火装置はあるけどライターは必須

主なスペックと評価

アイテム名 JETBOILトレイルクック 1.2L
容量 1.2L
収納サイズ Φ14.2cm x 高さ14.3cm (収納時、ハンドル含む)
重量 本体 550g、付属スタビライザー 27g
素材 クッカー本体:アルミニウム合金、コジー:クロロプレン
沸騰到達時間 約130秒(0.5L)
出力 1,511kcal/h
参考価格 ¥29,800(税込)
Outdoor Gearzine評価
燃焼力 ★★★★☆
耐風性 ★★★☆☆
 燃焼効率 ★★★★★
収納性 ★★★☆☆
使い勝手 ★★★★★
汎用性 ★★★★★
重量 ★★★☆☆

※沸騰到達時間:周囲温度20℃、水温20℃、海抜64m、無風の条件下において(ジェットボイル®社調べ)。

JETBOILトレイルクック 1.2Lの実力検証

詳細レビューに入る前にまずはトレイルクック1.2Lの実力がどれほどなのかテストをしました。

無風で300mlのお湯が沸くまでの時間を計測

通常のクッカーとJETBOILトレイルクック1.2Lを使って300mlのお湯が沸くまでの時間を計測してみる

まずは無風状態でのテストです。気温が約20℃の環境において、一食分に必要な最低限の量である300mlのお湯を用意できるまでの時間を計測したところ、70秒で完全沸騰させることができました。ここはさすがと言うべきか、熱効率の高さをしっかりと発揮してくれました。

すり鉢状になったストーブヘッドが熱を逃さずクッカーを熱し、底面のフラックスリングが出力された熱を効率良く伝えていることが分かります。試しに通常のクッカーを使い、同じく300mlのお湯が完全沸騰するまでの時間を計測してみたところ、108秒かかったため38秒もの大差がつきました。通常のクッカーと比較してみたことでトレイルクック1.2Lが高効率であることがわかりました。

すり鉢状になったバーナーヘッド

風速(1〜3m)で300mlのお湯が沸くまでの時間を計測

続いては、風のある状態で同じく300mlのお湯を用意できるまでの時間を計測してみます。およそ1〜3mほどの風が吹いている環境下において、完全沸騰にかかった時間は71秒。無風状態と比べても、沸騰までの時間はほとんど変わらないことが分かりました。

すり鉢状のバーナーヘッドとフラックスリングは、単に熱を効率良く伝えるだけでなく、耐風性(あるいは耐候性)の向上にも大きく貢献していることが分かります。

クッカー底面のフラックスリングは出力された熱を無駄なく伝えてくれる

1回に使う燃料を計測

短い時間でお湯が用意できるということは、省燃費にもつながります。そこで、300mlのお湯を1回沸騰させるのに必要な燃料が何gなのかも計測してみました。

使用前と使用後でカートリッジの重量を計ることで燃料の使用量を確認してみたところ、トレイルクック1.2Lの使用量は3.2g、通常クッカーは4.4gでした。1回あたりの差は1.2gと微々たるものですが、これが数十回となれば消費する燃料の総量に大きな差が生まれます。

フラックスリング付きの専用クッカーを使うことで、通常クッカーに比べ38秒も早く湯沸かしができるトレイルクック1.2L。調理のスピードに加え、優れた省燃費性能も兼ね備えていることが分かりました。性能には直接関係はありませんが、省燃費であることでコストパフォーマンスにも影響を及ぼします。

実際のフィールドで試した詳細レビュー

トレイルクック1.2Lの実力がわかったところで、ここからは実際にフィールドで使用してみて感じたことをお伝えします。

直感で扱える操作性の高さと、火力が視認できることによる使いやすさ

トレイルクック1.2Lは、点火と火力調節に「ターン&クリック式」が採用されています。この構造は多くの家庭用ガスコンロと同じであるため、直感的に扱うことができます。

この構造の利点は、調節つまみを180度回し、さらにひねることでイグナイター(自動点火装置)による点火ができることと、火力の出力レベルが視認できることです。通常のガスストーブはつまみの回転角に対して現在の出力がどの程度なのかを視認することが難しく、火力の調節は「慣れと感覚」に頼らざるを得ませんでした。

一方、トレイルクック1.2Lは点火から火力の調節、そして消火までをはっきりと確認しながら操作できます。これは単に調節がしやすいだけでなく、初心者にとっても非常に安心感のある構造だと感じました。

本格的な山用のストーブとしてはめずらしいターン&クリック式

さらに、ストーブ本体にラバーグリップが備わっていることで、点火や調節の際に本体を手で支えやすく、実際の使用シーンを想定した極めて使いやすい設計であることが分かりました。ラバーであることでグローブをしたままでもしっかりとホールドできることも使いやすいポイントです。

ガスカートリッジに取り付けるスタビライザーも付属しているため、安定感はさらに向上します。トレイルクック1.2Lは浅型クッカーを採用していることで、JETBOILシリーズの中では重心が低い構造ですが、フラックスリングを備えている分、どうしても一般的なクッカーに比べれば重心は高くなります。しかし、スタビライザーを併用することで、その弱点である安定性をしっかりと克服できていました。不整地での慣れない調理シーンでも、安心して使い進めることができました。

スタビライザーで安定性もばっちり

イグナイターは装備しているけどライターは必須

トレイルクック1.2Lにはイグナイター(点火装置)が装備されているため、基本的にライターは必要ありません。しかし、厳しい自然環境下においてイグナイターを盲信してしまうのは危険です。

本機に採用されているイグナイターは、芯が太く設計され、さらにその芯をセラミックで包み込む構造にすることで、環境に左右されにくいタフさを備えています。しかし一般的に電圧素子は標高が高くなると飛びにくくなることを想定し、ライターは携帯しておくのがベターです。今回のフィールドテストの限りでは、点火できない状況はありませんでしたが、高所や低温下ではイグナイターが機能しなくなるリスクも想定しておくべきでしょう。

トレイルクック1.2Lの点火部

これはトレイルクック1.2Lに限った話ではなく、イグナイターを備えたすべてのガスストーブに言えることですので、予備のライターを持つなどの備えを忘れないようにしてください。

行動中の小休憩でも使いたいと思える効率の高さ

トレイルクック1.2Lの気に入っているポイントは、やはりその「スピード」です。300mlのお湯をわずか70秒で沸かせるため、景色の良い場所で見つけた小休憩の時間に、思い立ったらすぐコーヒーを淹れることができます。

カップ一杯分であれば150〜200mlで十分なため、沸騰までの時間はさらに短縮されます。また、必要な道具をすべてクッカー内にオールインワンで収納できるため、バックパックからあれこれ取り出す手間もありません。セットアップから沸騰までが極めてスムーズなので、どんな場面でも「積極的に使おう」という気持ちにさせてくれました。

カートリッジも含め必要なものがオールインできる

山での食事にはさまざまなバリエーションがありますが、定番としてよく用いられるのがアルファ米です。お湯を入れてから完成まで約15分かかりますが、それはあくまで「注いでからの待ち時間」。実際にはお湯を沸かす工程も含めると、完成したアルファ米を口に運ぶまでにはさらに長い時間が必要です。

湯沸かしにかかる時間が大幅に短縮されれば、その分スピーディに食事にありつける。これもまた、トレイルクック1.2Lを実戦で使う大きなメリットといえます。

スタッシュやジップに比べ風に弱い

気になった点としては、JETBOILの「スタッシュ」や「ジップ」に比べ、やや風に弱いことです。記事前半の検証では優れた耐風性を証明しましたが、強風と呼べる環境下で強い横風を受けると、火が消えてしまうことがありました。

トレイルクック1.2Lは、バーナーヘッドの周囲に風を遮る構造が備わっていません。そのため、横からの強い突風には抗いきれず失火してしまいます。対してスタッシュやジップは、クッカーがストーブを覆うように装着されることで熱効率を高めるだけでなく、物理的な耐風性も確保されています。

強風下で無理にストーブを使うシーンは稀かもしれませんが、より厳しい環境下での使用を想定するならば、スタッシュやジップに軍配が上がると感じました。

余裕のある容量で調理向き、専用クッカー以外も使用可能な汎用性の高さ

風に対する弱点はありつつも、それを帳消しにするほどの大きな強みとなり得るのが「汎用性の高さ」です。

トレイルクック1.2Lのゴトクは、専用クッカーだけでなく、多くの市販クッカーやフライパンに対応可能です。3点で支える構造になっており、支柱の位置はストーブヘッドの中心から約6cm。構造上、使用できるのは底面の径が12cm以上のクッカーに限られますが、例えば専用クッカーに加えてフライパンを一つ携行すれば、山でのレシピのバリエーションは格段に広がります。

汎用性の高いゴトクの形状。大きめのクッカーにも対応が可能

高い熱効率を活かして燃料を節約しつつ、フライパンを併用して炒め物や肉料理を作れば、山の上で「ご馳走」を楽しむことだってできます。専用クッカーは1.2Lの容量があるため、500mlのお湯が必要な袋麺に豪華なトッピングだって可能でした。ソロから2人での山行まで十分に対応可能な容量です。

また、付属のシリコンカップは厚手でしっかりとした作りになっており、熱い料理やスープを入れても持ちやすく、実用性の高さを感じました。スタッシュやジップにはない高い汎用性を備えたトレイルクック1.2Lは、山での調理を存分に楽しみたい人にとって、まさに最適なストーブと言えるでしょう。

JETBOIL フラッシュ1.0L、ジップ0.8Lの愛用者必見!:爆風の中でもお湯が沸かせる心強いオプション「ウインドスクリーン」

横からの風に対しては、トレイルクック1.2Lよりもフラッシュ1.0Lやジップ0.8Lの方が耐風性に優れていることはお伝えしましたが、フラッシュ1.0Lとジップ0.8Lの耐風性をさらに引き上げるオプション「ウインドスクリーン」が登場しました。こちらもフィールドで試してきたインプレッションをご紹介します。

このウインドスクリーンはJETBOIL フラッシュ1.0Lおよびジップ0.8L専用の風防で、360度全方向からの風を遮る構造により、強風下でも沸騰速度と燃費性能を高いレベルで維持してくれます。

素材にはニッケルメッキスチールが使用されており、耐久性が高められ、クッカーの側面にはめ込むだけで装着できます。使用後はクッカー内にすっきりと収まる仕様になっており、パッキングの邪魔をせずスマートに携帯できる合理的な設計になっています。

収納時の状態。組み立ては容易

爆風の中でウインドスクリーンの実力を確かめてみる

ストーブとクッカーが接続できる構造により、ノーマルでも高い耐風性を誇るフラッシュ1.0Lやジップ0.8L。そこにウインドスクリーンを加えることで、一体どれほどパワーアップするのか。その真価を確かめるべく、強風の状況下でテストを実施しました。

テストに選んだ日は、東京湾を横断する道路が強風により通行止めになるほどの荒天。ウインドスクリーンを試すにはうってつけの状況でした。体感では常に10m以上の風が吹きつけ、外にいるのがやや辛いと感じる環境です。

トレイルクック1.2Lでは点火してもすぐに失火してしまう強風の中、ウインドスクリーンを取り付けたフラッシュ1.0Lは何の問題もなく完全沸騰しました。驚くべきはそのタイムです。300mlのお湯が沸騰するまでの時間を計測したところ、この強風下で112秒という記録をマーク。微風時(1〜3m)の92秒と比較しても、わずか20秒の差で沸騰させてしまうパフォーマンスには正直驚きました。

携帯の邪魔にもならず、フラッシュ1.0Lやジップ0.8Lの愛用者にとっては必携品

クッカーの溝にはめ込むようにして装着できる

ウインドスクリーンは、クッカーの溝にはめ込む形で取り付けることにより、360度全方向からの風を遮ります。使用後はクッカー内にスタッキングできるため、かさばることなく携帯が可能です。

風が強く厳しいコンディションでも安定した火力を発揮できるこのウインドスクリーンは、フラッシュ1.0Lやジップ0.8Lのユーザーにとって、必携品と言っても過言ではないオプションです。

まとめ:省燃費で調理を楽しむなら「トレイルクック 1.2L」、強風下でも安定した出力を求めるならフラッシュ1.0L&ジップ0.8Lに「ウインドスクリーン」を追加

JETBOILの新作、トレイルクック 1.2Lとフラッシュ1.0L&ジップ0.8Lに装着可能なオプション、ウインドスクリーンを紹介しました。

山の楽しみ方や山行の期間によってベストな装備はかわるものの、高効率で省燃費であることは装備の軽量化に繋がるだけでなく、コストパフォーマンスにも大きく関わってきます。効率よく、経済的にも優しいJETBOILは現代の山行へ持ち出すストーブとして適していることを体感することができました。

執筆:Yosuke.C(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

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