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エレコム、グリーンハウス、国内有名メーカーの本格参戦が続く、半固体(準固体)電池モバイルバッテリー最新4機種を実際に使ってみた結果

高温や低温に強く、安全性の高さでも注目される半固体(準固体)電池。そんな半固体モバイルバッテリー市場にエレコムやグリーンハウスといったメジャーメーカーも参戦。これにハマケンワークスやハイディスクを加えて、日本メーカーの最新半固体モバイルバッテリーの使い勝手を比べてみました。

なぜ、日本メーカーの半固体電池なのか?

エレコムやグリーンハウスといった老舗日本メーカーの参入は大きい

安心感と信頼性がさらにプラスされるから

半固体(準固体)電池(以下、半固体電池)のモバイルバッテリーに関心のあるアウトドア好きのほとんどは、冬の零下を下回るような低温のフィールド、夏の閉め切った車内といった高温になるシーンを想定。より安全に爆発や発火というリスクを回避し、安心して、モバイルバッテリーを使いたいと考えています。

そんななか、日本メーカーのなかでもいち早く半固体電池のモバイルバッテリーを市場に投入したハマケンワークスは、保存温度−40℃〜80℃、動作温度−20℃〜60℃を実現。それまでモバイルバッテリーの動作温度が0〜40℃程度であったことから、多くのアウトドアユーザーの注目を集めました。

また、温度の問題だけでなく、落下などの外部からの衝撃でショート(短絡)が発生した際にも、電解質に液体をほとんど含まない半固体電池のモバイルバッテリーは、発火や爆発に至りにくいという点も現在半固体電池が注目されている理由の1つです。

そして2026年の春には、モバイルバッテリーにおいて、国内最大級のシェアをもつ、エレコムも半固体電池モバイルバッテリー市場に参入。さらには、老舗パソコンサプライメーカーの一角ともいえるグリーンハウスも参戦しています。また、ダイソーといった100円ショップに多くのモバイルバッテリーを供給するハイディスクも、ひと足先に半固体電池のモバイルバッテリーを供給しており、安心感のある国内メーカーの半固体電池モバイルバッテリーの選択肢が充実している状態です。

冬のアウトドアフィールドは簡単にマイナス20℃を下回り、クルマでの移動が基本なので、閉め切ると真夏は50℃を超えてくるような北海道で、常時モバイルバッテリーを使いたい筆者は、かなり早い時期から半固体電池モバイルバッテリーに注目。すでにハマケンワークス、エレコム、グリーンハウス、ハイディスクの半固体電池をすべて所有している筆者が、使い勝手の違いなどをお伝えします。

比較にあたってのチェックポイント

  • 対応温度帯
  • バッテリー容量
  • 大きさと重さ
  • 実勢価格
  • プラスαの機能

ハイディスクやハマケンワークスといった日本メーカーは早くから参入

今回比較した4つの半固体電池のモバイルバッテリー

  • エレコム「半固体リチウムイオンモバイルバッテリー(10000mAh)」
    (以下「エレコム 半固体バッテリー 10000mAh」)
  • グリーンハウス「準固体(半固体)電池 モバイルバッテリー20000mAh PD20W」
    (以下「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」)
  • ハマケンワークス「マグネット付きワイヤレス充電対応SSPB 5000mAh」
    (以下「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」)
  • ハイディスク「長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー」
    (以下「ハイディスク 準固体電池」)

動作保証温度や使用温度、保管温度などに違いがある

ショート(短絡)時の安全性やサイクル回数についてはほぼ同じ

最初に導入した半固体電池モバイルバッテリーは初代SSPB。

筆者が半固体電池のモバイルバッテリーに注目したいちばんの理由は、使用可能な温度問題です。普段から何気なくモバイルバッテリーを使っていたのですが、一般的なリチウムイオンモバイルバッテリーの使用可能な温度が0〜40°であることを意識していなかったのです。

そして、意識しないで冬はマイナス20°以下、夏は閉め切ったキャンピングカーに置き忘れたりすれば、容易に40°を超える環境で使っていました。そして、それが発火や爆発につながるリスクがあり、最悪火災につながることも、それほど真剣に意識していなかったのです。

しかし、ここ数年でリチウムイオンバッテリーによる事故や火災が報道されるようになり、筆者だけでなく、家族や5歳の息子もモバイルバッテリーを常用するようになるとモバイルバッテリーのリスクを意識せざるを得なくなったというのが本音です。

なお、北海道の冬のアウトドアフィールド、夏の閉め切った車内を意識して導入した最初の半固体電池のモバイルバッテリーはハマケンワークスの初代SSPBで動作温度−20〜80℃、保存温度−40〜80℃です。現在は2世代目となる「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」を愛用していますが、動作温度−20〜60℃、保存温度−40〜80℃となってます。

現在スマートフォンの充電のメインは「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」。

その後、追加した半固体電池のモバイルバッテリーには、さらなる広温度対応を期待したのですが、「エレコム 半固体バッテリー 10000mAh」の使用温度範囲の充電時が0〜35℃、放電時が−15〜45℃、「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」が動作温度範囲−10〜45℃。「ハイディスク 準固体電池」についてはスペック表などから確認できていない状態です。

真冬の北海道のアウトドアフィールドから、真夏のクルマのダッシュボードの上といった過酷な条件を想定すると、ハマケンワークスの保存温度である−40〜80℃を動作温度としてクリアできるとありがたいのですが、さすがにそこまでの製品は登場していないのが現時点です。

<表>各メーカーの動作温度

「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」  動作温度−20〜60℃、保存温度−40〜80℃
「エレコム 半固体バッテリー 10000mAh」  使用温度範囲 充電時0〜35℃/放電時−15〜45℃
「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」  動作温度範囲−10〜45℃
「ハイディスク 準固体電池」  スペック表から確認できず

※温度の呼称はメーカースペック表に準拠

選択可能なバッテリー容量

日本メーカーの半固体電池で選択できる容量の選択肢は意外と少ない

もっともスタンダードといえるのが10000mAhクラスです。

モバイルバッテリーを購入する際に、絶対にチェックするポイントといえば、電池容量です。電池容量をチェックしないでモバイルバッテリーを購入することはないと思います。そして、多くの方が選択するのが、スマートフォンを1台でほぼ1日動かせる10000mAhでしょう。

しかし、筆者は複数のモバイルバッテリー、半固体電池以外のものも含めて使っていますが、実は10000mAhのものをもっとも使っていません。理由は、筆者にとって現在、いちばん中途半端な容量になっているからです。

正直なところ、スマートフォンはMagSafe対応のモバイルバッテリーをローテーションして常時充電。最近では充電ケーブルを接続することはほぼありません。この使い方では10000mAhは大きすぎて邪魔なのです。そのため、薄型の5000mAhがメインに。

20000mAhクラスの半固体電池モバイルバッテリーは選択肢が限られます。

一方、筆者は電源を確保できないモバイル環境でノートパソコンを毎日のように使っています。そして、ほぼ半日といった長時間動作させることがほとんど。そのため、多少大きくても20000mAhクラスを2本程度持ち歩く方が充電の管理といった手間を含めても効率的だと感じています。

もしも1つのモバイルバッテリーですべてを賄うのならば、汎用性の高い10000mAhクラスはおすすめです。しかし、使用シーンに合わせて複数個を使い分けているのならば、20000mAhが選択できるグリーンハウスや5000mAhのMagSafeモデルが選択できるハマケンワークスが優位といえます。

各メーカーの選択可能な電池容量

「グリーンハウス準固体電池」 10000mAh/20000mAh
「エレコム 半固体バッテリー」 5000mAh/10000mAh
「ハマケンワークス SSPB MagSafe」 5000mAh/10000mAh
「ハイディスク 準固体電池」 10000mAh

大きさに対して容量が大きいのも魅力のひとつ

MagSafe対応については厚みが重要なポイント

同じメーカーの20000mAhクラスのリン酸鉄リチウムモバイルバッテリーと比べても小さい。

半固体リチウムイオンバッテリー以外にも、最近ではリン酸鉄リチウムイオンやナトリウムイオンといった安全性の高いバッテリーが市場に投入されています。それでも、半固体電池がモバイルバッテリーにおいて注目される理由のひとつが、エネルギー密度です。

最新のナトリウムイオンやリン酸鉄リチウムイオン電池は、一般的なリチウムイオンバッテリーよりも、重さや体積に対する電池容量、エネルギー密度が低く、安全性とコンパクトで高電力が両立できていないのが現状です。

これに対して半固体電池は、一般的なリチウムイオンバッテリーと同等、もしくはそれ以上のエネルギー密度を実現できるのが大きな魅力になっています。実際に使う際にも大きさと重さは使い勝手に大きく影響します。

10000mAhクラスのバッテリーとスマートフォンに装着した5000mAhクラスのバッテリーの厚さがほぼ同じです。

具体的なサイズは下記の表を参照ください。同じ10000mAhクラスだと大きさは、さほど変わらないというのが素直なところです。特にMagSafe対応のハマケンワークスとハイディスクの10000mAhはほとんど変わらないサイズになっています。

しかし、筆者はMagSafe対応のモバイルバッテリーは「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」が圧倒的にお気に入りです。理由は10mmを切る厚み。スマートフォンの背面に貼り付けて使用するのですが、例えばiPhone 16eは厚さが約8mm。10000mAhクラスのモバイルバッテリーを貼り付けると厚みが3倍以上になるのです。

結果、常時貼り付けて使用することを考えると電池容量が小さくても厚みが半分以下の「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」がとても使いやすいのです。また、大容量については「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」が厚みも約22mm、重さも約320gと10000mAhクラスを2つ持ち歩くよりも、楽なことはいうまでもありません。

各バッテリーのサイズと重さ

「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」 約105×68×9.5mm・約130g
「グリーンハウス準固体電池 10000mAh」 約130×62.5×12.2mm・約190g
「ハマケンワークス SSPB MagSafe 10000mAh」 約105×68×17mm・約230g
「ハイディスク 準固体電池」 約109×69×19mm・約220g
「エレコム 半固体バッテリー 10000mAh」 約114.6×70×19mm・約220g
「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」 約130×62.5×22mm・約320g

サイクル回数は多いが、割高なのは否めない

サイクル回数が約2,000回のためランニングコストは安い

純粋な価格という点では、非常に優位な「ハイディスク 準固体電池」。

半固体電池のモバイルバッテリーのサイクル回数(充放電可能回数)は、一般的なリチウムイオンバッテリーの約500回に対して、4倍の約2,000回なので、イニシャルコストは高いのですが、ランニングコストは安くなります。

とはいえ、低価格がウリのものに比べると、よいお値段といえるでしょう。ですが、「ハイディスク 準固体電池」は10000mAhクラスで実勢価格5,500円とかなり健闘してます。また「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」は20000mAhで実勢価格9,900円前後と容量の割にはコストパフォーマンスの高い半固体電池のモバイルバッテリーということができます。

容量当たりの価格で考えると非常に優位な「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」。

これに対して「ハマケンワークス SSPB MagSafe 10000mAh」は実勢価格10,000円前後と容量が2倍の「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」と変わらない価格。動作温度−20〜60℃、保存温度−40〜80℃という点を考慮しても高性能・高級ラインの半固体電池のモバイルバッテリーという印象です。

各バッテリーの実勢価格

「ハイディスク 準固体電池」  実勢価格5,500円前後
「グリーンハウス準固体電池 10000mAh」  実勢価格7,700円前後
「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」 実勢価格8,000円前後
「エレコム 半固体バッテリー 10000mAh」 実勢価格8,500円前後
「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」  実勢価格9,900円前後
「ハマケンワークス SSPB MagSafe 10000mAh」  実勢価格10,000円前後

MagSafeにHealth Monitorなど個性的な機能も搭載

アウトドア好きならカラーリングや質感にもこだわりたい

スマートフォンで使う前提なら、もう手放すことができないMagSafe対応。

実際に使っている半固体電池のモバイルバッテリーをプラスαの機能で分類するなら、もっとも大きな機能はMagSafeへの対応です。もう筆者は、この機能のないモバイルバッテリーでスマートフォンを充電する気が起きません。

そして、対応しているのはハマケンワークスとハイディスクです。スマートフォンの常時充電に使うなら外すことはできない機能といえます。逆にスマートフォン以外に充電するのがメインならいらない機能です。

サイクル回数が多いが故に、実際にどのくらい使ったかがわかるのは便利です。

次に注目しているのが、エレコムのHealth Monitor。サイクル回数の多い半固体電池では今後重要度が増すと考えられます。簡単に説明するなら充放電回数が約250回を超えると青色に点灯、その後約501回を超えると橙色に点灯して、バッテリー状態を教えてくれる機能です。買い換えの時期の目安として便利だと思います。

さらにハイディスクはスマートフォンの背面に貼り付けたまま使用できる収納式スタンドなども搭載。長時間の動画の視聴などに便利な機能になっています。また、個人的には選択できるカラーリングや本体の質感も気になるところです。

サイクル回数が多いが故に、実際にどのくらい使ったかがわかるのは便利です。

ほとんどの機種で選択可能なブラックやホワイトにプラスして、エレコムはピンクやブルー、ハマケンワークスはピンクゴールド、グリーンハウスはグリーン、パープル、ブルー、ブラウンが選択可能です。

気を付けたいのは、グリーンハウスやハマケンワークスが採用するアルミ筐体の色や質感がWebページでの写真ではわかりづらい点。この点にもこだわるなら、店舗で実物を確認したいところです。なお、アウトドアフィールドにもマッチするアースカラーのブラウンの「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」が筆者はかなりお気に入りです。

各バッテリーのおもなプラスα機能

「ハイディスク 準固体電池」 MagSafe+収納式スタンド
「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」 MagSafe
「エレコム 半固体バッテリー 10000mAh」 Health Monitor
「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」 アルミ筐体+ブラウンカラー

実際のところ、どれを買うべきなのか?

条件により異なるが、毎日持ち歩いているのは2機種

ほぼ毎日持ち歩いている「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」と「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」。

結論として、一体どれを買うべきなのか? となるわけです。これはかなり難しい。モバイルバッテリーのヘビーユーザーで極低温から超高温までの過酷な環境で使う筆者が、常に持ち歩いているのは「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」と「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」になっています。

「ハマケンワークス SSPB MagSafe 5000mAh」はローテーションして、常にスマートフォンの裏に貼り付け、最近では有線のケーブルでスマートフォンを充電することはありません。これだとスマートフォンが常に使える状態なので、本当に便利。

ノートパソコン用になっている「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」。

またカフェや温泉などのモバイル環境でノートパソコンを使うときには、ほぼ毎日「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」を使っています。こちらは同社の20000mAhクラスのリン酸鉄リチウムモバイルバッテリーと2本持ち歩いている状態です。

おそらく常に4つのモバイルバッテリーを持ち歩いているヘビーユーザーで、しかも北海道の真冬から夏の閉め切ったキャンピングカーの車内までを想定しているので動作温度−20〜60℃、保存温度−40〜80℃のハマケンワークスがメイン。室内などの落ち着いたシーンでは「グリーンハウス準固体電池 20000mAh」となっているわけです。

汎用性の高さという点では10000mAhクラスの利便性に変わりはありません。

使用温度を気にする必要がなく、リーズナブルに半固体電池デビューをしたいなら、実勢価格が5,500円前後の「ハイディスク 準固体電池」も魅力的。またHealth Monitorといった新たな機能を搭載した大手「エレコム 半固体バッテリー 10000mAh」も信頼性という面では、気になるところです。

個人的には1つですべてを賄うなら10000mAhクラス。複数個を使い分けるなら5000mAhクラスと20000mAhクラスの併用をおすすめします。また、イニシャルコストは高めなので、アウトドアユースなら広温度対応の必要なものから、半固体電池のモバイルバッテリーに順次買い替えていくのが現実的です。