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500Wのポータブル電源でも炊飯可能! 1合までの少量炊飯に特化したELECOMの「LiFERE 小型IH炊飯器」は車中泊・キャンピングカー旅行に最高

車中泊での旅行の際、美味しいご飯を簡単に炊く方法を確立するのは、実は旅行のクオリティを上げる大きなポイントです。そんな簡単美味しいを実現してくれそうなELECOMの1合IH炊飯器「LiFERE 小型IH炊飯器」は500Wのポータブル電源で使用できるというので実際に試してみました。

ELECOMの「LiFERE 小型IH炊飯器」とは?

「LiFERE 小型IH炊飯器」本体と付属品。フタや内釜はもちろん、低糖質モード用のザル釜、計量カップにしゃもじまでが付属します。

パソコン周辺機器メーカーが販売する1合までの少量炊き専用IH炊飯器

みつけてきた筆者も「なんで?」とは思ったのですが、「LiFERE 小型IH炊飯器」(型番HAC-RCIH01)は、大阪に本社を置く大手パソコン周辺機器メーカーであるELECOMが販売している1合までの炊飯に特化した小型のIH炊飯器です。実勢価格は12,800円前後。

取っ手の付いた湯沸かしポットのような外観で大きさは幅約169mm×奥行約127mm×高さ約228mmと、とても炊飯器とは思えないコンパクトさ。重さも約1.3kg(内釜、電源コード含む)しかありません。カラーバリエーションは写真のブルーのほかにホワイトとブラックの3色が用意されています。

1合までの少量炊飯に特化した商品で、一般的な炊飯器の内釜に比べて細く深い形状のため、少量のお米を炊くときにも水位が高く保てて加熱ムラが起きにくいといいます。さらに内釜にはアルミとステンレスを合わせた、4層からなる独自の「複合クラッド厚釜」を採用し、釜の内側はフッ素樹脂コーティング、外側には耐熱塗装を施し、お手入れしやすく耐久性に優れているといいます。

炊飯時間は通常の炊飯なら約50分、早炊きなら約35分、ご飯100gあたり最大20%の糖質をカットする低糖質モードでも約50分。さらに炊飯後は自動で保温に切り替わり12時間の保温が可能となっています。

少量炊きにこだわった一人暮らしや2台目の炊飯器向けの設計された「LiFERE 小型IH炊飯器」ですが、車中泊やキャンピングカーでの旅行、キャンプ好きの筆者が「LiFERE 小型IH炊飯器」が気になって仕方がない理由はなんと「500W以上のポータブル電源にも対応」していることです。

要は500W以上の大容量ポータブル電源を持って歩いていれば、どこでも「LiFERE 小型IH炊飯器」で美味しいご飯が炊けるということ。車中泊やキャンピングカーの旅行では美味しく簡単にご飯が炊ければ、食事問題は大半は解決すると思っている筆者は、この「LiFERE 小型IH炊飯器」が非常に気になり、実際にキャンピングカーでの炊飯を試してみました。

おすすめのポイント

  • IH炊飯器のためか、炊き上がるご飯はかなりおいしい
  • 500W以上のポータブル電源が確保できればどこでも使える
  • 早炊きなら約35分とかなり短時間でご飯が炊き上がる
  • 12時間のご飯保温機能が搭載されている
  • 内釜が外れるので使用後の清掃も簡単

気になったポイント

  • 実勢価格11,000円と車中泊用炊飯器としてはやや高価
  • 圧力IHの上位バージョンがあるとうれしい

主なスペックと評価

項目LiFERE 小型IH炊飯器(型番HAC-RCIH01)
電源AC100V
定格消費電力400W
製品寸法幅169mm×奥行127mm×高さ228mm(ふた、釜なし:幅169mm×奥行127mm×高さ195mm)
質量約1.3kg(内釜、電源コード含む)
カラーブルー/ホワイト/ブラック
付属品内釜、ザル釜、計量カップ、しゃもじ
安全装置あり(温度異常検知)
搭載機能炊飯、低糖質、早炊き、保温
炊飯容量炊飯:0.09~0.18L(1/2~1合)、早炊き:0.09~0.18L(1/2~1合)、低糖質:0.09~0.135L(1/2~3/4合)
炊飯時間炊飯:約50分、低糖質:約50分、早炊き:約35分 ※目安。実際の時間は環境温度などによって前後することがあります。
加熱方式IH電磁誘導式
保温機能あり(最大12時間)
内釜アルミ・ステンレス鋼材、フッ素樹脂コーティング
Outdoor Gearzine 評価
デザイン★★★★☆
おいしさ★★★★☆
使いやすさ★★★★☆
洗いやすさ★★★★☆
コストパフォーマンス★★★☆☆

詳細レビュー

自宅での炊飯と変わらない非常に簡単な炊飯手順

キャンピングカーの調理スペースにポータブル電源といっしょに置いたところ。「LiFERE 小型IH炊飯器」が小さいのがよくわかります。

実際に我が家にやってきた「LiFERE 小型IH炊飯器」。筆者は最近、小型家電は普段自分が選ばない色を選択することにしているので、もっとも目立つブルーを選びました。大きさはちょっと細長いT-falのケトルといった印象です。

炊飯などの操作は、取っ手の部分に集中していますが、この取っ手があることで持ち運びやすさが劇的にアップしています。外釜、内釜、フタに、電源コードというのが基本的な構成パーツですが、しゃもじと計量カップも付属します。

「選択」ボタンを何度か押して「炊飯」が点灯したら、そのまましばらく待つと炊飯がはじまります。特殊な作業や操作はなにもなく、本当に簡単。

計量カップは一般的な1合の計量カップなので、普段自宅で使っているお米用の計量カップでも問題ないようです。これでお米を計量して、内釜に入れ、必要ならお米を洗い、内釜の線に合わせて水を入れて、フタをして、「選択」ボタンを押すと「炊飯」「低糖質」「早炊き」「保温」の順に選択しているコースのランプが光るので選択したい場所で「選択」ボタンを押すのをやめると5秒後に選択したコースでの炊飯などがはじまります。

炊飯をはじめる前に電源コードをしっかりと電源に差し込む必要がありますし、「LiFERE 小型IH炊飯器」のフタはしっかりと回転させてロックしておく必要があります。多少の注意点はありますが、基本的に無洗米なら内釜にお米と水を入れて「炊飯」もしくは「早炊き」を選択するだけなので、自宅の炊飯器よりも簡単といえる操作で炊飯がはじまります。

1度の「炊飯」で約1,000Whポータブル電源の23%の電力を消費

100%に満充電した状態から「LiFERE 小型IH炊飯器」で炊飯を行った結果、電池残量は77%になりました。1度の充電で4回炊飯できるなら期待値以上です。

筆者は「LiFERE 小型IH炊飯器」を車中泊やキャンピングカーでの旅行で使用しようと考えて導入しましたので、もっとも重要なポイントは500W以上のポータブル電源で使えることです。筆者は車中泊やキャンピングカーで出かける際には「EBL ポータブル電源 1000W 999Wh」を使っています。定格電源は1,000Wで電気容量も999Whあるので、500W以上のポータブル電源という「LiFERE 小型IH炊飯器」の規定を満たしていますし、純正弦波の交流(AC)電源も2つ装備しています。

この「EBL ポータブル電源 1000W 999Wh」を100%まで充電した状態で、通常の50分の炊飯コースで1合のお米を炊き上げました。炊飯コースを選択して、炊飯がはじまると数分で3%程度ポータブル電源の電気量が低下したので、かなり電気を消費するのでは? と心配しました。しかし、炊飯開始から約25分で電気の残量は83%、そのあと約50分後の炊き上がりの時点では77%まで電気の残量は低下しました。単純計算で考えるなら「LiFERE 小型IH炊飯器」の1度の炊飯には約230Whの電気量が必要ということなのでしょう。

それぞれのポータブル電源の電池容量にもよりますが、500Wクラスのポータブル電源だと1度の炊飯で電気容量の半分くらいを消費することになることもあるので留意しておくとよいでしょう。1,000Wクラスであれば1/4程度なので、さほど気にする必要はないかもしれません。

炊き上がったご飯はかなりおいしいが、保温はあまりおすすめしない

炊き上がったご飯を付属のしゃもじでかき混ぜたところ。キャンピングカーの車内には炊きたてのご飯の香りが広がります。

普通「炊飯」、炊飯時間約50分で炊飯したご飯を軽く、かき混ぜて、わずかに蒸らしてから試食してみました。1合炊いたので、目検討でだいたい半分0.5合程度を取り出して食べたのですが、炊きたてということもあり、かなりおいしい。普段自宅で使っている圧力IHで炊いたときのようなふっくら感やモチモチ感はさすがに弱いですが、吸水時間もとらずにそのまま炊いたのにまったく問題なくおいしく食べられるレベルのご飯に仕上がっています。

このレベルであれば、自宅以外の出先でスイッチを入れるだけで炊けるご飯としては及第点以上です。素晴らしい仕上がりです。白いご飯に納豆や海苔、ふりかけだけでも十分なレベルでお味噌汁などがあれば、しっかり1食として成立します。

「LiFERE 小型IH炊飯器」で炊きたてのご飯はかなりおいしいです。保温すると味が落ちるので、少量ずつ炊きたてを楽しむ炊飯器ともいえるでしょう。

ご飯を半分残したのは、保温の効果がみたかったため、意図的に0.5合残したご飯は1時間ほど保温してから食べてみました。残した量が0.5合と少なかったこともあるのでしょうが、わずか1時間の保温だったのですが、炊きたてに比べると乾燥が進み、味が落ちているように感じました。

食べきれる量を炊きたてで味わうための少量向け炊飯器なので、あまり保温には期待せず、炊き上がったら食べきるのがおすすめでしょう。ちなみに1時間の保温で電気の残量が77%から60%と17%も減っていたのでポータブル電源の電量の節約といった面でも保温はおすすめできない結果といえます。

保温状態1時間で電池容量が17%もダウン。ポータブル電源の電気量をかなり消費するので、この点からも保温はおすすめできません。

また約35分で炊き上がる「早炊き」も試してみたのですが、基本的に硬めのご飯が好きな筆者にとっては美味しさ的にも「早炊き」で十分といった結果でした。柔らかめが好みの場合は、少し吸水させるなどするとよいでしょう。

どちらにしても「LiFERE 小型IH炊飯器」では炊きたてで食べてしまうことをおすすめします。

まとめ:後片付けも簡単で、炊き込みご飯にも対応する「LiFERE 小型IH炊飯器」

圧力IHの上位バージョンが出ないかと期待してしまう

炊きたてご飯にふりかけがあれば、ひとりでの撮影旅行の朝ご飯はこれで十分。おいしくてコストパフォーマンスも高いわけです。

車中泊やキャンピングカーでの旅行で美味しいご飯を簡単に炊く方法を手に入れると、旅のクオリティは格段に上がります。おいしい炊きたてご飯さえあれば、朝ご飯はご飯+インスタントみそ汁で十分でしょうし、夕ご飯だって炊きたてご飯と地元のスーパーで半額になったお刺身やお惣菜でかなり豪華なメニューが楽しめます。

そのため筆者は家庭用の炊飯器をキャンピングカーに持ち込もうと考えたことは何度かあるのですが、基本的に家庭用の炊飯器はポータブル電源での使用が禁止で、消費する電気量も多く、あまりポータブル電源向きではありません。そのため筆者を含め、多くの人が車中泊炊飯の定番であるJPNの「タケルくん」といった直流炊飯器を使っていると思いますが、クルマを停止してエンジンが動いている(アイドリング)状態でしか炊飯ができないといった弱点がありました。

「LiFERE 小型IH炊飯器」は実勢価格11,000円と「タケルくん」の約2倍と高価な点は気になりますが、条件を満たす500W以上のポータブル電源を使えば、どこで炊飯が可能で、しかも35分での「早炊き」などにも対応。また、内釜とフタが外釜から外れる構造なので、オートキャンプ場などの水場のある場所では洗いやすいですし、水場のない道の駅などの条件でも内釜とフタを外して、食器用のウェットティッシュで拭き上げるなどの後処理も簡単で車中泊炊飯の新しいスタンダードになりそうな予感すら覚えます。

炊き上がるご飯は十分以上においしいのですが、使用頻度などを含めたコストパフォーマンスの向上を考えると、値段は上がってもいいので、自宅の圧力IH炊飯器を「LiFERE 小型IH炊飯器」シリーズに入れ替えてもよいと思えるレベルの上位機圧力IHモデルの登場を期待してしまいます。

大容量500W以上のポータブル電源をすでに所有している方はもちろん、どちらにしても大容量ポータブル電源を購入することになるであろう車中泊旅行の初心者にも「LiFERE 小型IH炊飯器」はおすすめできる炊飯器といえます。ぜひ車中泊用の炊飯器としても検討してみてはどうでしょうか。

「LiFERE 小型IH炊飯器」の詳細と購入について

製品の詳細についてはELECOMの公式サイトをご覧ください。

齋藤千歳(サイトウ チトセ・Saito Titoce)

元月間カメラ誌編集者。北海道の絶景や野生動物の姿を追い求めているうちに、キャンピングカー・車中泊でのアウトドアライフにどっぷりハマっていました。現在2歳の息子、そして妻と全道を巡っているうちにカメラ・レンズはもちろん、アウトドア・キャンプ、子育て、PCガジェット、料理に、ダイエットまで経験したすべてを撮影し、執筆するフォトグラファーライター。OUTDOOR GEARZINEではキャンプ及びキャンピングカーでの生活クオリティを上げる「QOCL(Quality of camping life)向上委員会」を中心にさまざまな記事を執筆していく予定です。

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