
【忖度なしの自腹レビュー】 Rovy Von Aurora A7:小指サイズで17.6g ”なのに” 必要な機能が全て揃った便利すぎる超小型ライト
小さくコンパクトでさまざまな機能を盛り込み、持ち歩くことが苦にならないEDC(エブリデイキャリー)ツール。つい感心してしまようなギミックが隠された小型ツールはワクワクすると同時に男心がくすぐられてしまいます。
今回は小指サイズなのにパワフルなライト「Rovy Von Aurora A7」を紹介します。軽量でコンパクト、キーホルダーのように持ち歩けるサイズながらも多くのギミックが盛り込まれ、日常からアウトドアシーンまで幅広く活用できるアイテムでした。Rovy Von Aurora A7を本格的な山行で実際に使ってみてどうだったかをレビューしていきます。。
目次
Rovy Von Aurora A7の主な特徴

Rovy Von Aurora A7は本体サイズが60.5×15.6㎜で重量が17.6gと軽量ながら、LEDフラッシュライトやランタンライト、ブルー蓄光機能を備え、赤色モードのタイプかUVライトタイプをオプションで選択することができるコンパクトライトです。LEDフラッシュライトは最大で650ルーメンから0.5ルーメンまで4段階に調節でき、ランタンライトはLOW(10ルーメン)、HIGH(50ルーメン)に加え、赤色、赤色点滅モードに切り替えが可能。
付属品を使うことでハンドライト以外の活用の幅を広げることができ、付属のマグネットクリップを使えばキャップのツバに取り付けてヘッドライトとしても使用可能であり、クリップに内蔵されたマグネットや、底部に取り付け可能なマグネットを使えば金属に取り付けできるようになります。キーリングを装着すればキーホルダーとして毎日持ち歩くこともできる多機能ランタンです。
お気に入りポイント
- 圧倒的コンパクトさ・軽さ
- 最大で650lmsのパワフルなライト&ランタンライト
- キャップに取り付けてヘッドライトになる
- 付属品のマグネットで金属部に取り付けが可能
- ブルー蓄光が暗闇でも居場所をすぐに教えてくれる
- 濡れても問題なしの防水性
気になるポイント
- 最大光量で使用できる時間は短い
- バッテリー容量が小さい
- HIGH・MIdモードで照射時は熱対策として照射後すぐに光量が低くなる
主なスペックと評価
| アイテム名 | Rovy Von Aurora A7 |
|---|---|
| 本体サイズ | 60.5×15.6㎜ |
| 重量 | 17.6g |
| ボディ素材 | ポリカーボネイト、ステンレススチール |
| 重量 | 360g |
| バッテリー容量 | 330mAh |
| 充電方法・時間 | USB Type-C・1時間 |
| 防じん・防水性能 | IPX6 |
| 最高輝度 | 650ルーメン |
| フラッシュライト連続点灯時間 |
|
| ランタンライト連続点灯時間 |
|
| 照射距離(フラッシュライト) |
|
| 発光色 | 白色 |
| 付属品 |
|
| Outdoor Gearzine評価 | |
| 明るさ | ★★★★☆ |
| 重量 | ★★★★★ |
| 収納性 | ★★★★★ |
| 防水性 | ★★★★★ |
| バッテリー寿命 | ★★☆☆☆ |
| 耐久性 | ★★★☆☆ |
| 使いやすさ | ★★★★☆ |
| 汎用性 | ★★★☆☆ |
詳細レビュー
圧倒的コンパクトさ・軽さ “なのに” 650lmsのパワフルなライト&ランタンライト

小指程度の大きさで重量はわずか17.6g
まずなんと言っても Aurora A7の魅力は軽量・コンパクトであることなんですが、ただ軽量でコンパクトなアイテムは今や珍しくなくなってきた時代。すごいのはその小さなボディに備え付けられた機能です。

小指ほどの大きさしかないにも関わらず、LEDフラッシュライトとランタンライトを搭載し、LEDフラッシュライトは最大で650ルーメンの出力で照射距離は110m!その光量は日が暮れて暗闇になったトレイルをしっかりと照らしてくれるパワフルさでした。明るさは4段階に調節可能で、状況に適した光量にすることができます。もっとも出力の小さいMoonモードは何かを照らすことには適しませんが、大自然の中、暗闇に包まれて寝るのが苦手な人にとってありがたい豆電球の役割を果たしてくれ、本体は蓄光機能も備えているため、暗闇でもみつけやすく、ランタンライトモードはHighモードで50ルーメンの出力で、ソロテントであればテント内でストレスなく本が読めるほどの明るさ。

小さなボディからは想像もできないような出力を放つこと。このギャップこそが Aurora A7の最大の魅力です。付属のキーリングを使えば自宅の鍵などと一緒に常に持ち歩くこともできますし、テント泊登山やハイキングでは夜間にメインのヘッドランプの電力消費を抑えたい人にとって17.6gの追加で得られる効果は大きいでしょう。3分間点灯した時の光量をメモリーするため、次回点灯時にはメモリーされた光量が点灯してくれる機能もいちいち調節をする手間を省いてくれて便利でした。

バッテリー容量が小さく、最大光量で使用できる時間は短い

Aurora A7はバッテリー容量が330mAhと大きくないため、LEDフラッシュライトのHighモードで約1時間、ランタンライトのHighモードで約1.5時間と短い時間しか稼働させることができず、連続使用を想定するシーンには向きません。
ランタンライトとして使うことを目的に2泊3日の北アルプス山行で使用した時は1日目はHighモードとLowモードを使い分けることでバッテリーはもちましたが、2日目の夜にバッテリーがなくなりました。モバイルバッテリー等で充電でき、充電しながらの使用も可能なため2泊目も乗り切ることができましたが、バッテリー容量が小さく長期の山行には向かないと感じました。
電力の供給をせずに使用する場合、短期の山行や1泊程度であればちょうどいいでしょう。とは言っても日が沈んでから点灯し続けた場合、就寝までにバッテリーを使い果たしてしまうことは注意が必要です。日帰りのハイキングや低山登山など、明るいうちに行動を終えられるような山行での緊急用としてバックパックに忍ばせておくと安心です。
気になって点というか注意点として、Moonモードは非常に微弱な光量のため、消し忘れに注意しましょう。うっかり消し忘れてしまうとバッテリーを無駄に消費してしまいます。
キャップに取り付ければヘッドライトになり、付属品のマグネットで金属部に取り付けが可能

付属品を組み合わせることでAurora A7は付帯機能を増やしていく
Aurora A7には軽さ・コンパクトさの携帯性とパワフルな照射力のほかにも多彩なギミックを隠しています。このギミックにある人は男心をくすぐられ、またある人は舌を巻くでしょう。
まずは付属品のマグネットクリップ。胸ポケットなどに引っ掛けることができるクリップですが、その名の通り、マグネットが内蔵されていることで金属に取り付けることができます。クリップになっているため、ロープなどに引っ掛けることも可能。防じん・防水機能も備えているため、悪天候の中でも気兼ねなく使用することができます。
実際に使っていて便利だったのが登山開始前の準備の時でした。夜明け前の時間帯の出発準備には明かりが必要になりますが、車内灯ではいい具合にラゲッジスペースとその周辺を明るくすることができません。そこでAurora A7にクリップをつければ手元を照らすライトになってくれ便利でした。

車の金属部に取り付ければ準備の際に照らすライトになってくれる
このマグネットクリップはツバのあるキャップに取り付けることでヘッドランプのように使うことができます。両手がフリーになるため、調理など作業もしやすく、またテント場などからトイレに向かう際も両手がフリーになっていることで安心して歩けます。

マグネットクリップはヘッドランプのように使うほか、胸ポケットなどに取り付け、ランタンモードで照射することで手元を照らすこともできるためキャップに取り付ける方法以外にもアイデア次第で便利に使うことができました。
ヘッドランプとして使うこともできるでAurora A7ですが、先述した通り、バッテリー容量が少なく連続照射時間は短いため、メインのヘッドランプとしての使用はおすすめできません。角度の調整もできないことからヘッドランプとは別でテント場でランタンとして使ったり、サブのヘッドランプとして考えておく方がよいでしょう。

650ルーメンのパワフルなライトが暗いトレイルもしっかりと照射してくれる
もう一つ、底部脱着マグネットもかなり便利なアイテムで、マグネットクリップよりもさらに軽量に、且つコンパクトにマグネット機能を付帯させることができます。登山やハイキングでの使用を想定すると自分としてはやはり多少重たくなってもクリップの方が機能性が高く便利だと感じましたが、クリップ機能が必要ない人にとっては底部に取り付けるタイプのマグネットにすれば本体に1.4gの追加するだけでマグネット機能を得られます。(マグネットクリップは実測で4.4g)

底部マグネットクリップ使用時
フラッシュライトのHighモード熱対策として照射後すぐに光量が低くなる
気になった点としては高出力での持続時間。というのもAurora A7は熱対策として照射後、約1分ほどで光量が低くなり、夜道が見えにくくなるほど暗くなるわけではないものの、高出力が維持できる時間は短時間です。
この照射力の低下は何もAurora A7だけに言えることではありません。本格山岳用のヘッドランプやトレイルランニング用に作られたヘッドランプも同様に照射後には徐々に光量が低下する傾向になります。照射後、数時間でガクッと低下してしまうヘッドランプもあれば、ゆっくりと低下するヘッドランプもありモデルによってまちまち。そういった意味ではAurora A7の照射力の低下も当然ではありますが、山岳用のヘッドランプと比べればバッテリー容量が小さく、照射時間がそもそも短いために高出力を発揮できるのは短時間になってしまうことも納得できます。
まとめ:小指サイズのマルチライトはまさに「小さな巨人」だった!
Rovy Von Aurora A7を紹介しました。
小さくコンパクトで携帯性に優れながらもパワフルな光量を放つAurora A7。そして付属品と組み合わせることで次々と便利な機能が加わり、ハンドライトやランタンライトだけでなく、ヘッドランプや天井照明、キーホルダーなど多機能。山も街も関係なく毎日持ち歩くことのできるEDCツールでした。
山岳シーンでの使用を想定した場合、メインのヘッドランプとして使うのは難しく、あえてヘッドランプとAurora A7の2つを持っていく必要があるかはスタイルが分かれるところかもしれません。最低限の装備でまとめるなら照明はヘッドランプ一つに担ってもらえば済みますが、ヘッドランプの電力消費を抑えたい場合や、ランタンのようにしてテント内での時間を楽しみた人にとっては軽量で魅力的なランタンといえます。今回のテストで2泊3日の北アルプス山行や1泊2日のテント泊で使ってみましたが、ヘッドランプとは別でAurora A7を持って行ったことで夕暮れのテント場で快適に過ごすことができました。
またヘッドランプとして使うのは難しいとはいいましたが、夜間行動をしないことが前提のロングディスタンスハイキングであるならばAurora A7の「軽量・コンパクト」という魅力を活かせるかもしれません。
バッテリー容量などは小さく、ややチープさも感じたところはありましたが、用途や使用方法さえ間違えなければ登山やハイキング、キャンプなど幅広いアウトドアシーンで活躍してくれます。あなたのバックパックにも小さな巨人を忍ばせておきましょう。
執筆:Yosuke.C(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。
春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。
20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。
【忖度なしの自腹レビュー】最新テクノロジーと匠のデザインが凝縮した「PETZL スイフトRL」はパワー、実用性、ともに文句なしの傑作ヘッドランプ
【忖度なしの自腹レビュー】抜群に明るくて、丈夫で、使いやすい「LEDLENSER HF6R Core」ヘッドランプは山で使うために必要なすべてが詰まった一級品
【忖度なしの自腹レビュー】これはもう「着る」登山靴。さらに進化した次世代型トレッキングシューズ MAMMUT Ducan BOA® High GTX レビュー
【忖度なしの自腹レビュー】これぞトレッキングポールの現在進行形。絶妙な使い心地と信頼感で気がついたら手放せなくなる LEKI MCT 12 バリオカーボン