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アークテリクス2025春夏アイテムをチェック。徹底した機能への美学は健在だった
革新的な機能性と洗練されたデザイン性の高さで常にアウトドアギア業界をリードし続けるブランド、アークテリクスが、先日プレス向けに開いた2025春夏モデル展示会に参加してきました。
常に進化し続ける新作をサイトの立ち上げ当初からキャッチアップしてきたOutdoor Gearzineですが、今シーズンも相変わらずユニークで画期的なアイデアの詰め込まれた、一筋縄ではいかないアイテムが盛りだくさん。さっそく注目のアイテムを中心にレポートしてみます。
目次
- VERTEX SPEED:テクニカルな地形を一部含むマウンテンランに最適なランニングシューズ
- Atom SL Hoody:よりアクティブな使い方にフィットするようにアップデートした軽量インサレーション
- デルタ ジャケット:アークテリクスのこだわりがたっぷりと詰まった次世代フリースジャケット(24FWから)
- Kopec Gore-tex:ファストハイキングを想定して細部まで工夫が行き届いた軽量・快適・高耐久ハイキングブーツ&シューズ
- Serratus Hoody / Pant:計算されたアーティキュレーションパターンやストレッチ、生地使いなど、クライミングでの動きやすさや快適性に特化したソフトシェル
- GammaPant / Gamma SL Pant:細かな部分でアップデートされた汎用性の高いソフトシェルパンツ
- Norvan Jacket:ウォッチウィンドウやパッカブルポケットなど機能的な洗練さが増したファストハイク&ラン向けレインシェルジャケット
- Kragg Cotton Pant:普段使いに間違いなく活躍する4Wayストレッチのコットンナイロン平織り5ポケットパンツ
VERTEX SPEED:テクニカルな地形を一部含むマウンテンランに最適なランニングシューズ
めちゃくちゃ軽いのに硬い岩場でのグリップ力とトラクションを備えつつ、十分なクッション性のミッドソール、耐久性と通気性がベストバランスのアッパー、そして何より一体型のストレッチゲイター。
偏っていることは承知の上ですが自分の場合、トレランシューズの理想は普通の低山トレランだけではなくて、何なら沢登りのアプローチ&下山シューズとしても使えるような堅牢さと軽量さが兼ね備わったタイプだったりするのですが、そんな自分にとってこのシューズはぴったりです。ちなみにアウトソールは安定のVibram MegagripとLitebase!
Atom SL Hoody:よりアクティブな使い方にフィットするようにアップデートした軽量インサレーション
時代に合わせて細かくアップデートを重ねながらいつしかアークテリクスの代表的なインサレーションとして育っていった「Atom」シリーズですが、今シーズンの「Atom SL Hoody」は、無雪期の間長いスパンで活躍しそうな、薄手で行動中の快適さを想定したアクティブインサレーションです。身頃と背中に100%リサイクル薄手Coreloft™中綿、腕から袖までは通気性に優れたFortius™Air20ナイロンのみ、そしてサイドパネルにはアークテリクスでしか使われていない1mm起毛のOcta®フリースによって軽さと保温性と通気性を確保。
ポケットに本体収納が可能なパッカブルタイプだから、残雪期の行動着から夏のちょい足し保温着まで、長くなった日本のグリーンシーズンで使い勝手がよさそう。
デルタ ジャケット:アークテリクスのこだわりがたっぷりと詰まった次世代フリースジャケット(24FWから)
これは厳密には24FWシーズンから登場していたのですが、あらためてアークテリクスの本気が詰まった次世代フリースということでピックアップ。
OCTAで市場をにぎわしている帝人と緊密なタッグを組んで生まれたのは、耐久性を高めた表生地「DELTAPEAK™」に毛足の短い(1mm)OCTAを組み合わせた、登山やクライミングに必要な「軽さ」「保温性」「通気性」「ストレッチ性」「耐久性性」をバランスよく兼ね備えたミッドレイヤー。
この高度にカスタマイズされたOCTA生地が採用されているのはもちろん現在アークテリクスだけ。単に生地を使うだけでなく、さらに奥深く突き詰められるところがやはり違います。
Kopec Gore-tex:ファストハイキングを想定して細部まで工夫が行き届いた軽量・快適・高耐久ハイキングブーツ&シューズ
2015年にアークテリクスが画期的な2層構造でフットウェア分野へ参入し始めてから早10年ちょい。この軽量ハイキングシューズの最新モデル「Kopec Gore-tex」に足を通してみると、10年でここまで洗練されたかという感慨に浸らずにいられません。
なぜって、試履きして感じたのは、ごてごてせずシンプルながらフィット感よく圧迫感もない、ゆったりとしたトゥボックス、柔らかいパッド、などなど、クセがなくて恐ろしく快適な履き心地。初期の尖がったころとはうって変わって万人に受け入れられるような履きやすさを備えているんですもの。
軽さも申し分なく、アウトソールはMegagrip + Litebaseでグリップも安心、強い踏み込みにも強そうなソールパターン。価格もウェアと比べてシューズは他ブランドとの差も幾分小さいし、これは楽しみ。
Serratus Hoody / Pant:計算されたアーティキュレーションパターンやストレッチ、生地使いなど、クライミングでの動きやすさや快適性に特化したソフトシェル
これだけおしゃれブランドっぽくなっても、アークテリクスを依然としてリスペクトせざるを得ないと思わせてくれる理由の一つには、売れ線に全振りすることなく、相変わらずクライミングをはじめとするコアなアクティビティ向けの機能性に全振りした製品を追及し続けていることです。
25SSの新製品「Serratus Hoody / Pant」はこれまでの定番ソフトシェルシリーズであるガンマシリーズをさらにテクニカルなアクティブソフトシェルとしてブラッシュアップしたモデル。立体裁断の強く効いたパターンや、軽さと通気性を考慮した脇~袖下切り返し、ヘルメット対応のフードなどよりアクティブな状況での快適さが存分に考えられています。ウィメンズモデルやジャケットに合わせたパンツも発売されます。
GammaPant / Gamma SL Pant:細かな部分でアップデートされた汎用性の高いソフトシェルパンツ
何度も書いているのですが、自分のスタメントレッキングパンツは今も昔もアークテリクス。さまざまなモデルがありますが、最もオーソドックスで汎用性の高い定番といえるのがソフトシェルパンツのGammaシリーズ。
3シーズン向けのGamma、夏向けのGamma SLは微妙に軽量化されたり、背面のフィット感が高まったり、バックルが操作しやすくなったりと細かなアップデートがなされていました。
Norvan Jacket:ウォッチウィンドウやパッカブルポケットなど機能的な洗練さが増したファストハイク&ラン向けレインシェルジャケット
軽量ながら快適さと耐久性も妥協しないアークテリクスのレインシェルの中で最もミニマルで薄手軽量なランニング向けモデルと言えばこのNorvanシリーズですが、こちらも大きな変更はないものの、GORE-TEX ePEメンブレンへの更新とともに細かく着実に進化してアップデート。メンブレンが薄くしなやかになった分、生地を13D→15Dへと少し耐久性UP。
基本的なパターンは変わらずですが、単色デザインになってよりミニマルな印象に。脇下にパッカブルポケットがついて携帯がしやすくなりましたね。
また袖口には待望のウォッチウィンドウが(メンズのみ)。
フードの調節性も向上するなど、前モデルからさらに機能性が向上したといえるでしょう。
Kragg Cotton Pant:普段使いに間違いなく活躍する4Wayストレッチのコットンナイロン平織り5ポケットパンツ
最後に番外編的なグッときたアイテムを。日常使いも視野に入れたクライミング系のラインナップのなかで新登場の「Kragg Cotton Pant」がかなり刺さってしまいました。
4Wayストレッチのコットン・ナイロン混紡、パターンはアークテリクスだけに間違いなしで、極上の履き心地は約束されたようなもの。立体裁断ながら洗練されたシルエットで、仕事やライトなキャンプなどにすこぶる相性がよさそうに感じました。
以上、すべてではないですが、25SSシーズンで特に気になったアイテムを紹介してみました。いずれもさすがはアークテリクスと言えるような細部までこだわりが感じられる要注目のアイテムばかり、チャンスがあればレビューしたい。皆さんも気になったアイテムがあったらぜひ公式サイトなどをチェックしてみてはいかがでしょう!