
【忖度なしの自腹レビュー】arata「AHL-250」ヘッドランプ:驚きの軽さに隠された規格外のスタミナ。「最後まで暗くならない」常識を覆した実用性の高さに迫る
常識にとらわれず毎回独自の視点でアウトドアギアを再定義する気鋭の国内ブランド、arata が手掛けた初めてのヘッドランプ「AHL-250」をレビューしていきます。
一見するとこのランプ、軽さを重視するハイカー好みの超軽量なスペックが魅力に見えますが、よくよく調べてみるとだた軽いだけではありませんでした。エンジニアでもあるデザイナーがゼロから設計し、完成させた AHL-250 は小さなボディからは想像もできないようなスタミナを持つパワフルなヘッドランプでした。明るさや重量といった数値で表記されたいるスペックだけでは分からない実用性の高さを徹底的に調べ、arata AHL-250 の実力をフィールドで確かめてきました。
目次
arata AHL-250の主な特徴

arataのAHL-250は独自設計によりHIghモードで100lm以上を約2.5時間出力、Midモードで7時間提供し、ブーストモードで最大250lmの光量を放ち、高効率回路とユニークな点灯パターンの組み合わせを実現させたことにより重量が23.5gと世界最軽量クラスのヘッドランプです。
USB Type-C端子が採用された充電端子は最高水準の防水・防塵性能のIP68を獲得しており、悪天候での使用も対応。白色光メインLEDに加え、人間は視認しやすく、虫が視認しにくい波長の光であるアンバーカラーのLEDを採用し、さらに目への刺激が少なくなる微弱な明るさに設定されたアンバーLOWモード機能を備えています。ヘッドバンドは簡単に取り外すことができ、付属のストラップを使えばショルダーベルトやウエストポーチ等に取り付けることも可能な汎用性の高いヘッドランプです。
お気に入りポイント
- 圧倒的な軽さで装着してることを感じない付け心地
- にもかかわらず夜間行動も不可能ではない実用的な明るさが長く続く出力
- 嵐にも耐えるIP68の防水性
- 赤色灯よりも視認性が高いアンバーカラーライト
気になるポイント
- 昼のように明瞭な明るさを求める人には不向き
- 頭に直接装着するとゴム頭部に喰い込みがち
- スイッチはサイドにあった方が操作しやすい
- バッテリーインジケーターがない
主なスペックと評価
| アイテム名 | arata AHL-250 |
|---|---|
| サイズ | 35(W) × 33(H) × 21(D)mm |
| 重量 (g) | 24g(本体重量19g) |
| バッテリー容量 | 620mAh |
| 防水等級 | IP68 |
| ライト種類 |
|
| 最大光量 | 250lm |
| 照射時間 |
|
| Outdoor Gearzine評価 | |
| 遠距離照射 | ★★★☆☆ |
| 近距離照射 | ★★★★☆ |
| 使いやすさ | ★★★★☆ |
| 体感重量 | ★★★★★ |
| バッテリー寿命 | ★★★★☆ |
| 防水性 | ★★★★★ |
| 耐久性 | ★★★☆☆ |
arata AHL-250の実力テスト
詳細レビューをする前にまずはこのAHL-250がどれほどの実力を持っているのかを独自のテストにより測定してみた結果をお伝えします。テストは可能な限り厳密に行っていますが、結果について客観性や再現性を保証するものではありません。ただ、当サイトはメーカーにも依存せずほぼ同条件で使い比べたテストとレビューという意味では、このテストの結果は公平性のある結果になっているものでヘッドランプ選びに役には立つものだと考えています。みなさんのヘッドランプ選びの参考になればと思います。
明るさ減衰グラフで分かる「つけ始めからずっと変わらず明るさを保ち続ける」ユニークかつ合理的な出力設計
まず光源から約1m離れた壁に設置した照度計で計測された明るさ(単位はルクス)を10秒おきに計測したグラフを見てみます。
①Highモードでの点灯グラフ

Highモード:点灯から約2時間の間出力を維持、その後も消えることなく点灯
②Middleモードでの点灯グラフ

Middleモード:点灯から8時間の間ほぼ変わらない出力を維持。その後10時間を越えても微弱な点灯を続けた
次に参考までに、これまで当サイトでいくつかのモデルで計測した光量の減衰グラフがこちらです。これまでのヘッドランプは一部のハイエンドモデルを除くと、徐々に明るさが落ち続けるのが一般的であることが分かるかと思います。
③一般的なヘッドランプの明るさ減衰グラフ
一般的なヘッドランプの減衰グラフでは、どのヘッドランプも差はあるものの点灯直後にまず急激に光量が落ちていきます。そこからの減衰傾向は徐々に明るさが落ちるものもあれば、点灯後にガクッと光量が落ち、そこから一定の明るさを維持するものまでさまざまですが、どれひとつとして点灯時から変わらずに一定の光量を維持しているヘッドランプはありません。それに対しAHL-250は点灯時から消灯時まで光量がほぼ変わらずに点灯し続けています。
「最大出力の大きさ」ではなく、いかに「実用的な光量が最大限長く続く」かが重要(しかもできる限り軽量で)という合理的なコンセプト

ここからわかるのは、光量の大きさを特徴としているヘッドランプも最大光量を出力する時間はそこまで長くはないということ。ここではそれが悪いということを言いたいのではなく、独自開発によりゼロベースから作られたarata AHL-250の光量の減衰推移が他のヘッドランプにはない一線を画す性能を持っているということです。現在市場に出回るヘッドランプにはない唯一無二の性能を備え、それを極限まで軽量なボディに仕上げているということです。
点灯から消灯まで同じ光量を放ち続ける上で超軽量なAHL-250がフィールドでどこまで使えるのか、ここからは実際にフィールドで使用してみて感じたことをレビューしていきます。
詳細レビュー
装着してることすら忘れる軽さ

本体とバンドを合わせても24g。実測値で25.7gです。ヘッドランプとしては間違いなく最軽量クラスですが、この軽さは単に装備が軽くなるだけではありません。ヘッドランプが軽いことによるアドバンテージは装着している時間が長くなればなるほど大きくなります。出力の大きなヘッドランプはその出力を維持させるためにバッテリーを大きくしたり、点灯中に発する熱を処理するためにボディが大きくなることに比例して本体重量も重たくなります。いくつかのヘッドランプを調べてみると、一般的なモデルは80g〜120gほどであることが多く、さらに高出力なモデルになると重量を分散させるためバッテリーを後頭部に配置するモデルもあります。たかが100gであっても長時間装着していれば当然疲労してきます。
重量25.7gというAHL-250の軽さはたとえ出発から帰宅まで装着していたとしても全く気にならないレベルでした。自分が普段使っていた夜間行動用のヘッドランプは重さが約85gほどですので比較すると1/3以下の重量になり、装着していることすら忘れてしまうほどでした。

軽すぎてつけていることを忘れるため、キャップなど外した際に落下や紛失に注意が必要です。
頭に直接装着すると頭部に喰い込むゴム

バンドのゴムは約2.1mm
極限まで軽量な仕様になっているため、バンドは約2.1mm(実測値)のバンジーコードが使われています。頭に直接装着する場合、ズレないようしっかりと固定すると細いバントが喰い込みます。自分は基本的にキャップの上から装着したり、フードの上から装着するため気になりませんでしたが、頭部に直接取り付ける人は注意が必要です。
最高レベルの防水・防塵等級
AHL-250は防水防塵等級が最高レベルのIP68を獲得しており、悪天候での使用はもちろん、渓流釣りやカヌーなどウォーターアクティビティでの使用にも適しています。大自然の中に身を置き、アウトドアを楽しむのにヘッドランプは登山の必携品です。そんな道具はタフであることに越したことはありません。
歩行レベルのスピードであれば暗闇で行動することができる照射力

最大光量が250lmであるAHL-250は市場に出回るヘッドランプと最大光量を比較してみると明るいヘッドランプとは言えません。最大光量が1000lmを超えるような出力を放つヘッドランプもありますし、250lmという光量は出力の小さいヘッドランプと言わざるを得ません。机上にスペックを並べてみると出力が足りないのではと感じてしまうAHL-250ですが、実際にフィールドで活動するために必要な光量はどのくらいなのか。それを確かめるべく暗闇の山で試してきました。
結論から言うと、AHL-250のミドルモードでナイトハイクは不可能ではありませんでした。歩行レベルのスピードであればミドルモードでも路面状況を確認して歩くことができます。ミドルモードは足元の路面状況は把握できるほどですが、遠距離照射に対応するほどの出力ではないため、状況に応じてハイモード、ブーストモードを使い分けることでナイトハイクに対応可能でした。暗闇の中をミドルモードで歩き続けることは難しいにしても状況に応じてモード切り替えを行うことで闇夜のトレイルで行動することができました。

左がミドルモード、右がハイモード
AHL-250はどちらかと言えば光を集結させるスポットビーム照射ではなく全体を満遍なく照らすワイドタイプのため、活動スピードを上げるには出力不足を感じました。舗装された道をランニングするのであれば対応できますが、トレイルを「走る」には自分にとって光量が足りないと感じました。25.7gという世界最軽量クラスの軽さでありながら夜間行動が可能な出力を備えていることは大きなアドバンテージですが、暗闇の中において登山道であっても不整地のコンディションを走るにはもう少し出力が高く、遠距離照射力あるモデルの方が適していると感じました。そして暗闇の中で「明るさ」は精神面の安心にも関わるためここはどこまで許容できるか個人差があるところ。夜間行動をする場所がどのようなフィールドなのかによってもチョイスすべきヘッドランプは変わってきます。
バッテリーインジケーターは付いてない
AHL-250はバッテリー残量を確認するためのインジケーターがありません。日帰り登山や短期のテント泊であればさほど気になりませんが、長期の山行になるとインジケーターがあることでバッテリー残量を視認できるため使いやすいと思いました。また登山やハイキングの準備をする際もインジケーターがあればバッテリー残量に対して充電が必要か判断ができるので不安は減らせます。

インジケーターが搭載されているモデルはバッテリー残量がわかりやすい
圧倒的な軽さ・長時間照射を実現しているユニークな回路による点灯プログラムは慣れが必要
AHL-250は点灯プログラムが少しユニークです。ダブルクリックで点灯後、Low、アンバーLow、Middle、アンバーMiddle、Highという順番でプログラムされているため、白色モードのMiddleからHighに素早く変えたくても一度アンバーを経由しないとモード切り替えができません。どのモードからでもダブルクリックでブーストモードにできますが、ブーストモードは1分間で元のモードに戻るため、モード変更の時は手間がかかります。
しかし、少し手間だと感じるこの点灯プログラムこそが異常なほどの軽量化を実現させている仕組みです。AHL-250は既存のヘッドランプとは全く異なる回路を独自開発し、回路効率を高めることによりバッテリーの重量を低減させているとともに発生する熱量を最低限にとどめており、大きな熱を発生してしまうヘッドランプは熱にエネルギー(電力)を奪われてしまうためバッテリーの容量を大きくするという悪循環が生まれることで本体が肥大し、重量が大きくなってしまうのに対し、高効率回路とユニークな点灯パターンの組み合わせにより発熱量の少なくすることに成功し、熱による電力消費を抑えることで極限まで軽量化することと、長時間の点灯を実現させています。
スイッチはサイドに欲しかった

これだけ軽いのだから文句いうなよと言われそうですが、行動中にモード切り替えをおこないながら気になったのがスイッチの位置です。ボディのサイドにあった方が頭に装着した状態でのモード切り替えがしやすいため、気になったところでした。
テント内で活躍する「アンバーカラー」

ヘッドランプは緊急時のためや、夜間の目の保護のため赤色モードを設けているモデルも多くありますがAHL-250には赤色モードが付いていない代わりにアンバーカラーモードが備わっています。アンバーカラーは白色に比べて優しい光であるため、夜のテント内でリラックスした時間を過ごす際に最適でした。赤色灯は目への刺激を和らげてくれることは理解しつつも普段の生活の中で赤いライトで生活することはないし、テント内で赤色モードを使っていても違和感しかありません(慣れの問題もあるかと思いますが)自分としては電球色に近いアンバーカラーはお気に入りになりました。
アンバーカラーは虫が視認しにくい波長の光であるらしく、虫が苦手な人や夜の食事をテントから出て楽しみたい人にとってはありがたい機能。虫が活動を始めるグリーンシーズンにおいてアンバーカラー効果がどれほどなのかも楽しみです。
TYPE-C、煩わしい端子キャップがないのは個人的に超使いやすいポイント
AHL-250はUSB Type-C端子が採用されています。スマートフォンにカメラなど複数のデバイスを持っていく自分にとって充電端子の統一はマストといってもいいポイントです。使用するデバイスの充電端子を同一にすることでコードを統一させれば携帯するコードを減らすことができます。スマホが普及したことで地図アプリを使うようになり、スマホのバッテリーを確保するためモバイルバッテリーも必需品となりました。モバイルバッテリーを持っていれば行動中の充電も可能になりますから。ですが、充電端子が特殊なタイプだと専用のケーブルを携帯する必要があり、その分だけ装備点数は増えてしまいます。できるだけスマートに装備をまとめるにはケーブルは使いまわせるように充電端子を統一させたほうがベターです。

Type-C端子の充電
ちなみに、AHL-250は外部から電力を供給しながら点灯はできませんでした。
まとめ:これまでのヘッドランプの「常識」を覆すヘッドランプだった
メインのヘッドランプとしてナイトハイクに対応できる光量を持ち、点灯から消灯まで同じ出力を維持できるスタミナを備えていながら驚異的な軽さのAHL-250。ただ軽量なだけでなく、軽量な上で実用的な出力を放ち続け、ゼロベースから独自開発されたヘッドランプは業界の常識を覆すヘッドランプかもしれません。手のひらに収まるサイズですが、これまで他のヘッドランプが為し得ることのできなかったことやってのけてくれていました。
執筆:Yosuke.C(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。
春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。
20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。
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