
arata ACP-500 / 700 最速レビュー:その軽さ、反則級。ご飯が炊けるのにチタンより軽い、登山用アルミクッカーの歴史を変える革命児【ギアジン限定コラボモデル情報あり】
登山用のクッカーといえばこれまで、軽さを最優先するならば素材はチタン製、軽さよりも調理のしやすさをとるならばアルミ製というのが一般的なセオリーでした。しかし、そんな山道具の「常識」が覆される瞬間が来たのかもしれない、そう思わずにいられない最新クッカーが、快進撃を続ける孤高のアウトドア・ブランド arata からついに発売されたのをご存じでしょうか。それが新登場の超軽量アルミクッカー、arata「ACP-500 / 700」です。
実は夏から最終サンプルを一足先に入手し実践投入していたのですが、なんと不幸にも直前で発売延期に。以来、ずっとこの情報をいつ皆さんに届けられるかとやきもきしていたところでしたが、このたびついに発売となりました。さっそくOutdoor Gearzineがその全貌をレビューしていきます。
※レビューした製品は最終サンプル品につき、実際の製品とデザインが一部異なっている場合があります。なお品質に関して問題となるような違いはありません。
目次
arata「ACP-500 / 700」の主な特徴
arata「ACP-500 / 700」は同社初のarata初のアウトドア調理器具にして、専用の蓋とハンドルが付いたアウトドア用ポットとして容積あたりの重量は世界最軽量を実現した超軽量アルミクッカー。パテント出願済の独自構造によってギリギリの強度を保ちつつ極限まで薄くすることに成功したアルミボディと、火にかけても熱くなりにくく持ちやすい着脱式のチタン製プレス成形ハンドルを組み合わせ、驚きの軽さと実用性を両立することに成功した革新的デザイン。チタンよりも熱伝導率の高いアルミ製ボディと専用の蓋によって燃料もより節約でき、このクラスの軽さを実現しながら、米の炊飯をはじめとした繊細な調理が可能です。OD缶のスタッキングを考慮したサイズ感や容量目盛りなど細かな使い勝手の良さもしっかりと確保され、重量にこだわるハイカーからしっかり調理した食事をとりたい登山者まで、どちらも満足させることができる使い勝手の良さを備えた、幅広いスタイルのユーザーを満足させることができる真の意味で汎用性の高いクッカーです。
気に入ったところ
- 驚きの軽さ!
- 燃料消費効率の高さ
- 炊飯などもしっかりできる調理のしやすさ
- 使いやすいチタン製の取っ手と専用蓋の標準装備
- 分離式の握りやすい取っ手
- 分かりやすいメモリ
- 軽量スタイルも、じっくり調理したい派にも対応する汎用性の高さ
気になったところ
- 決して手荒く扱っても大丈夫といえるほど「頑丈」ではない(底面が最も凹みやすい)
- チタン製の取っ手に直接火があたると変色しやすい
- チタンの取っ手は握りやすいけど縁のバリが気になるのでヤスリ掛けでバリ取りをおすすめ
主なスペックと評価
| 項目 | arata ACP-500 | arata ACP-700 |
|---|---|---|
| 材質 | アルミ | |
| 重量 | 58g | 68g |
| 容量 | 500ml | 700ml |
| サイズ | Φ9.8 × 8.8cm | Φ9.8 × 11.5cm |
| 付属品 | アルミ製蓋、着脱式チタン製ハンドル | |
| Outdoor Gearzine 評価 | ||
| 熱効率 | ★★★★★ | |
| 重量 | ★★★★★ | |
| 調理のしやすさ | ★★★★☆ | |
| 耐久性 | ★★★☆☆ | |
| 収納性・スタッキング性能 | ★★★★☆ | |
| 機能性 | ★★★★☆ | |
| 汎用性 | ★★★★☆ | |
詳細レビュー
重量と耐久性:「フタ・ハンドル付きクッカー」としては世界最軽量を実現
arata ACP-500 / 700(以下ACPシリーズ)は蓋とハンドルの付いたアルミ合金製のクッカー。とにかく驚きなのはなんといってもその軽さです。手に持った瞬間のあの味わったことのない羽根のような軽さに驚かない人はいないでしょう。
百聞は一見に如かずということで、実際の重さも計測してみました。この時テストしていたのは最終サンプル品でしたが、実測では公式発表よりもやや軽い500mlで56.7グラム、700mlで64.6グラムという結果でした。いややっぱり数字で見てもこの軽さは反則級!
これがどれだけ軽いかというと、現在「超軽量クッカー」として市販されている他社製品に比べても一目瞭然で、明らかに頭一つ抜きんでて軽い。軽すぎる。
| アイテム | arata ACP-500 | arata ACP-700 | EVERNEW Ti Mug pot 500 | EVERNEW Ti Pasta pot 750 | FREELIGHT Titanium Pot UL-600H |
|---|---|---|---|---|---|
| 材質 | アルミ | アルミ | チタン | チタン | チタン |
| 容量 | 500ml | 700ml | 500ml | 750ml | 600ml |
| 重量 | 58g | 68g | 75g | 95g | 72g |
| サイズ | 内径98 × 深さ88mm | 内径98 × 深さ115mm | 内径97 × 深さ87mm | 内径93 × 深さ111mm | 内径 96 × 深さ89mm |
秘密は極薄アルミ合金を可能にする革新的な構造にあり
これまでたいてい「最軽量」を達成するクッカーはいつもチタン製でした。
それはなぜか?ぼくは今まで単に「チタンはアルミよりも(同じ強度なら)より軽くできる」からだと素朴に考えていました。でも実はそれは間違いだったのです。
メーカーのHPによればその大きな理由は、クッカーの「ハンドル(取っ手)」を取り付ける際のリベット留めや溶接を十分な強度でで行うためにはどうしてもアルミ合金の場合、一定以上の板厚が必要だったから(板厚をそれ以上薄くできなかったから)なのだとか。チタン製の場合、同じ作りでも板厚をもっと薄くできたので、その結果チタン製クッカーの方が軽くできていたというわけです。
つまり、物質・材料として単純にチタンとアルミ合金を比べた場合、必ずしも常にチタンがアルミ合金よりも軽くて強いというわけではないということ。言い換えれば、確かに比強度ではアルミはチタンに劣るかもしれないが「素材として決して重くないのであれば、やり方によっては同じ強度でアルミの方が軽くできるはず」。そこに着目したarataがチャレンジしたのは、この仮説に基づいてクッカーの構造をゼロから見直すということでした。
※ちなみに何故にこれほど軽いアルミクッカーにこだわるのかというと、山に登る人ならばお分かりのように「チタンは熱伝導性が低いため熱が狭い一点しか熱することができず、(湯沸かし程度の単純な加熱ならば許容できるものの)炊飯などの凝った調理が非常にしづらいから」ということは念のため補足しておきます。
それによって生まれたまったく新しい構造が「ビード加工ポット+ワイヤー留めハンドル」というユニークな分離型構造です。
端的に言うと、ポット本体に二本のビード(溝)が掘られ、そのビードにチタン製のハンドル付きワイヤーがハマる構造。これならばハンドルを固定するためのリベット留めや溶接の必要がないので板厚を極限まで薄くすることができ、さらにこのビードは単なるワイヤーの位置を定める溝であるだけでなく、極薄アルミポット本体の強度を高める役割も果たすという、一石二鳥、いやそれ以上に細かな機能性が徹底的に突き詰められた構造なのです。
つまり専用蓋・ハンドル付きクッカー世界最軽量のアルミクッカーは、実際のところそれぞれを省略してポット本体だけで使用することだって(理論上は)できます。それぞれの重量はこのような感じ(下写真)。
すべてをそぎ落としたポット本体のみの場合、アルミクッカーにもかかわらずなんと重量は約35グラム(700mlで約43グラム)にまで削減可能。その分耐久性も限界ギリギリといった感じになりますが、これまで使っている限りでは通常使用で不都合が出るほど低い強度ではない印象。個人的にはそこまで利便性を捨てる気にはなりませんが。
この極薄・超軽量クッカーの耐久性でこれまで特に気になったことはありませんが、強いて挙げるならば「底部」は特に砂利やゴトクなど硬いものとの接触が多いことから凹みがちです。注意しして使用すれば問題ないですが、傷が気になるという人は気をつけた方がいいでしょう。
使い心地:軽いからといって決して妥協していない、機能的で快適な使用感
驚きなのは軽さだけには止まりません。細部まで「ハンドル・蓋つきクッカー」としての使いやすさにもこだわりや工夫が詰まっていました。
その一つがハンドル(取っ手)。一般的にクッカーのハンドルって、丸くて太めの針金(ワイヤー)で形作られているものですよね。これにはさまざまな理由がありますが、その方が金型が不要で製造コストも安いからというのが大きな理由のひとつ。
そこをACPシリーズではあえて金型を必要としてまでもプレス成形によるハンドルにこだわった。こちらの形状の方が握りやすいだけでなく、重量効率に優れ(つまり軽い)ているのです。
実際に握ってみると、まさにいわゆるマグカップに限りなく近い握り具合。同じ形状でワイヤー式のハンドルに比べると、ぶらぶらといった揺れが少なく、また握る面積も広い。形状的にもちょうど写真の薬指の部分が上手く引っかかってくれるため、安定感も素晴らしい。しかもこのハンドル(とワイヤー)はポット本体と違ってチタン製のため、熱伝導率が低く、つまり熱せられても簡単には熱くならずに握ることができます。
ただこのプレス成形ハンドルで自分がどうしても気になったのが、ハンドル内側の縁のバリが少々鋭利であったことです。これは量産モデルでは解消されているかもしれませんが、自分は気になったため金属用のヤスリ(粗い紙やすりでも可)で縁を削りました。こうすることでさらに握り心地が向上し、理想に近い快適なハンドルになりました。気になる人はぜひ試してみるといでしょう。
次に容量目盛りもしっかりついています。しかもこの目盛り、ビードの線が目盛りも兼ねており、ACP-500では100ml, 300ml, 500mlを、ACP-700では300ml, 500ml, 700mlを表しているというのですから、ここでもまた細部まで無駄のない作りに感服してしまいます。
ポットの注ぎ口はついていません(メーカーもつけるか否か慎重に検討したそうです)が、使っている限りではまったく不自由なく、少量の水もきちんと水切れよく注ぐことができました(下動画)。ただしコーヒーをドリップで飲むという場合でも最適といえるほどではないので、そこはさすがに専門の道具にはかないません。
そして個人的にもっとも気になっていた「生米の炊飯」が上手くできるかどうか、さっそく標高1500mにあるテント場で試してみました。米1合と水を入れ、火にかけていきます。
ほどなくして中は沸騰してきましたので、ここからとろ火でしばらく(米を炊くと分かっている場合は、あらかじめ湯切り穴はできれば塞いでおきたいところ)。焦げた臭いがするかしないかのところで火からおろし、タオルで包んで蒸らしました。つまりやったことはこれまでのアルミクッカーでやっていたこととまったく同じです。
十分に蒸らした後、ドキドキしながら蓋を開けてみました。おお~しっかりとおいしいごはんの証であり「カニ穴」ができてる!そしてちょっとおこげっぽいところもあって、狙った通りの炊き上がりです。700mlのクッカーなら2合は炊けそう。
ちなみに、何度か使っていてチタンのハンドルの一部が変色していることに気がつきました。熱によって表面の酸化被膜が変化しやすいチタン製品にはまぁありがちなことであり、強度に影響があるわけではないので問題はないのですが、気になる人は一応注意です。
収納性・スタッキング性能と相性
軽さ、耐久性、使い勝手ときて、クッカーの性能で最後に気になるのは収納性です。
ACPシリーズはどちらもOD缶がすっぽりとちょうどよく収まる内径98mmで、基本的なガスバーナーとの相性はばっちりです。ただOD缶に加えてストーブやカトラリー等他の小物も一緒にスタッキングしようとすると、特に500mlの方で高さがやや問題となってきます。下写真はOD缶にライターとプリムスの小型ストーブP-116を収納した様子。一見収まっていますが、高さが微妙に足りず、蓋がやや浮いてしまいます(写真では上向きで収納していますが、下向きに収納しても状況はほぼ変わらず)。個人的にはスタッフサックなどでまとめれば多少浮いていようがまったく問題ないと思う人間なのですが、何が何でも「しんでれらふぃっと」にこだわる人にとっては気になるかもしれません。その場合は潔く700mlを購入することをおすすめします。700でも十分に軽いし、使い勝手も収納性もよいので。
700mlタイプならば、110サイズのOD缶も、小型のガスストーブも、ライターも小さなカトラリーもすべて収納しておつりが来ます。個人的にはこれがベスト。
ちなみに、700mlで手元にあるいろいろなガスストーブを収納してみました。自分の持っているストーブと合うかどうか、参考にしてみてください。個人的にはSOTOのウィンドマスターがギリギリ入りそうで入らなかったのが残念ですね。
いずれにせよ、個人的には多少蓋が浮いてしまったって大体上手くまとめられれば良いじゃないかというスタイルなので、ポットにストーブ、カトラリー、ライター、折りたたみ式マグカップをすべてまとめて、メッシュのスタッフサックに収納するのが自分流。ちなみにスタッフサックはISUKAの「メッシュ クッカーバッグ S」が500・700mlどちらにも程よくフィットしてくれました。
※レビュー時点では専用のメッシュポーチは存在していませんでしたが、どうやらarataオンラインストアにて専用ポーチが販売されたようです。
まとめ
劇的な進化は、まったく予想していなかった形で生まれるもの。arata「ACP-500 / 700」はアルミクッカーでこれまでなしえなかった劇的な軽量化を、誰も考えつかなかったような見事なアイデアで可能にしたという意味で、まさにクッカーの革命といっていい製品です。最低限の耐久性を備えながら最軽量クラスの軽さ、おまけに熱効率の高いアルミ素材、ハンドルとフタを含めて実用性の高さまでも備え、ここまで山岳用クッカーとしての完成度が高められた競合を探すのは、現時点では難しい。重量にシビアなハイカーはもちろん、無駄を省きつつ快適さも失いたくないハイカーや登山者など、すべてのアウトドア愛好家が十分満足できるはず。日本から始まる登山用クッカーの新しい夜明けが見たい人はぜひ、手に取ってみてはいかがでしょうか。
製品の詳細と購入について
製品の詳細については arataの公式通販サイトをご覧ください。
Outdoor Gearzine初のコラボモデルを発売します!【各モデル限定23個】
今回なんとOutdoor Gearzineでは初の試み。
この革新的アルミクッカー「arata ACP-500 / 700」の側面にOutdoor Gearzineのロゴを刻印した、コラボモデルを「限定23個ずつ」発売することになりました!
ロゴ以外の製品自体はまったく同じです。
この記念すべき超レアモデルにご興味のある方はぜひお早めにチェックしてみてください。ご購入は下記「Outdoor Gearzineストア内の各製品詳細ページ」から!
↓↓↓
Outdoor Gearzineストアの「arata ACP-500」製品ページへ
Outdoor Gearzineストアの「arata ACP-700」製品ページへ






















arata ATP-125 レビュー:伸縮式・オールシーズンOK・高耐久にして重量126g!常識破りのトレッキングポール
arata ASP-R7レビュー:厳冬期OKの高い断熱性に携帯性と寝心地も抜群。しかも驚きの価格と、もはや死角が無さすぎて怖い山岳向けエアマット
驚くほど軽いのに強くて快適、価格も◎。斬新なアイデア盛り沢山の「arata AX シリーズ」は自立式山岳テントの新しい景色を見せてくれる【実践レビュー】
【最速レビュー】”わずか28グラム&手のひらサイズ”にもかかわらずハイパワーの超軽量エアポンプ「AEROGOGO GIGA PUMP Air」