冬の隠れた重要アイテム!スノーグローブの選び方とおすすめの10組

快適な冬のアウトドアは指先から

冬のアウトドアにとって、大敵は何といっても冷え(濡れ)と寒さ。油断をすると最悪の場合、凍傷という重い代償がすぐ隣に待っています。このため常に氷点下での行動を強いられる冬のアウトドアでは、身体の部位のなかでも特に凍傷にかかりやすい手足の保温は至上命題。保温性が高く、風や雪を完全にシャットアウトするグローブを使い、手や指先を常に暖かくドライに保っていなければなりません。

最適なスノーグローブ(冬用手袋)を選ぶことは、旅が快適で喜びに満ちたものになるか、あるいは過酷で凍傷の恐怖に怯えながらのものになるかの大きな分かれ目だといっても言い過ぎではないでしょう。

そこで今回は、冬のアウトドア・アクティビティで使用するスノーグローブ選びについて、どんな種類があるのか、どんなポイントに気をつければよいのかについてお伝えします。後半ではポイント別編集部のおすすめグローブをご紹介したいと思いますので、すぐにおすすめが知りたい方は以下の目次から直接ジャンプしちゃってください。

目次

ポイント1:形状「五本?三本?二本?」

一般的に冬用のグローブはどれも高い保温性が特徴ですが、目的やスタイルによって3つの形状パターンに分かれています。これらはどれが一番優れているということではなく、メリット・デメリットを理解した上で自分の志向や状況に合わせて選択していくのが賢い選び方の第一歩といえます。

タイプ 五本指(グローブ) 三本指(ロブスター) 二本指(ミトン)
参考イメージ アウトドアリサーチ アウトドアリサーチ OutdoorResearch ARETE GLOVES, MEN\'S M\'s アレートグローブ 19840049-CYT 014-コヨーテ 014-コヨーテ M【Mens】 ブラックダイヤモンド(Black Diamond) ソロイストフィンガー BD73012 ブラック XS OUTDOOR RESEARCH(アウトドアリサーチ) Mens Alti Mitts Chili Lサイズ
メリット
  • 手先が器用に扱いやすい。
  • 各メーカーから多くの製品がリリースされ、選択肢が多い。
  • 保温性が高い。
  • ある程度手先の細かい操作は可能。
  • 指同士がまとまっているため、保温性が最も高い。
デメリット
  • 指同士が生地によって分断されているため他2つと比較すると保温性は劣る。
  • 五本指ほど器用には扱えない。
  • 手先の細かい作業は行えない。
  • ピッケル(アイスアックス)がもちにくい。
おすすめのアクティビティや使い方
  • 基本的にはオールラウンド。
  • バックカントリースキーやアイスクライミングなど、ウェアの着脱や、ギアの操作を頻繁に行うアクティビティ。
  • クロスカントリーなど、激しい活動の時間が長いアクティビティ。
  • 基本的にはオールラウンド。
  • 手先の操作がより少ない雪山縦走やレッキング、スキー・スノーボード。
  • スノーハイキングやスキー・スノーボードでもほとんど手先の操作を必要としないコース。
  • メインで五本指や三本指を使い、さらに一時的に保温性を高めたいときに。

選ぶときのポイント

  • はじめて購入する場合には、五本指か三本指を購入するのが安心。
  • そこまで手先の繊細さは必要ない雪山縦走や登攀要素の少ないバックカントリーには三本指タイプの方が暖かくておすすめ
  • 保温性よりも指先の器用さを優先したい場合には五本指タイプを。その際、操作性と保温性のバランスを考えてグローブの厚さを選ぶ
  • 特に手先が冷えやすい体質や、低温下でじっとしていることが多いと予想される場合には二本指も検討。

ポイント2:構造「一体型か、セパレート型か」

一般的な手袋と違い、スノーグローブは「保温目的のライナー層」と「防風・防水目的のシェル層」の多層構造にすることで、保温力や耐久性、透湿性を最大限に高めています。

そして現在多くのメーカーが展開するグローブには、それらの層が一体型になっているモデルと、そうでないセパレート(3-in-1)モデルがあり、これについてもメリットとデメリットを知っておくことで、より自分に合ったグローブを選択することができます。

タイプ 一体型 セパレート(3-in-1)
参考イメージ
メリット
  • すべての素材がまとまってしているため、内部で指が比較的滑りにくい。
  • 一体型なので紛失しにくい。
  • インナーのみ・アウターのみ・両方と3通りの使い方ができ、インナーを必要に応じて変更すれば、保温性や使い勝手を自由に調節できる。
  • 濡れたらその都度インナーを取り替えれば常にドライの状態を保てる。
  • 分離して乾かせるので速乾性がある。
  • 一体型よりも保温性を高めることができる。
デメリット
  • 脱いだら素手となるため単体では温度調節がしにくい。
  • 一度濡れると中だけ取り替えることもできず、使い勝手が悪い。
  • 乾きにくい。
  • 器用さを重視したモデルが多いので、どちらかというと、保温性はやや犠牲に。
  • インナーとアウター同士が分離しているので、内部でズレやすい。
  • 装着に手間がかかる。
  • 頻繁に分離して使うので紛失しやすい。

選ぶときのポイント

  • 幅広い用途・季節などに対応したい場合には、汎用性が広いセパレートタイプがおすすめ
  • より手先の繊細さが必要とされる場合やシンプルさを優先する場合は操作性が高く携行も楽な一体型がおすすめ
    ※ゲレンデスキー用グローブをはじめとしたベーシックなモデルの多くは一体型なので、その意味ではすべての一体型グローブが高度で繊細な指使いを意識して作られているわけではありません。

【補足】一体型でもインナー(ライナー)グローブは必須?

一体型グローブは素手のまま装着することができますが、氷点下での細かい作業を、素手で行うのは禁物。雪に触れば一気に体温を奪われ、金属などに触れると指の皮が貼り付いたりして怪我をしてしまいます。その意味では一体型のグローブを使うにしても、薄手のインナー(ライナー)グローブは必ず用意しておいた方が安全です。

ここで面白いのは、人によってインナーを「常時はめておく派」「ポケットに忍ばせておく派」に分かれること。あるショップの店員さんは一体型でもインナーは常時はめておくからサイズはそれを考慮して選ぶべし、と説明していましたが、一方でとあるガイドさんは、作業した後の濡れたインナーをずっとはめていたがために凍傷になったお客さんの例を挙げ、インナーは作業時にその都度はめて使うというやり方を推奨していました。どちらの考え方にも良し悪しがあり、間違いではありません。実際に使う人がそれぞれの考え方で責任を持って危険を回避するのがアウトドア。さまざまな情報や経験を糧に、自分のやり方を見つけていきましょう

ポイント3:ライナー(インナー、断熱素材)

スノーグローブの保温性を大きく左右するのが、ライナー(インナー)部分に使われている絶縁素材。一部の極地向けグローブを除けば、現在のところライナーで使用されている素材の多くは化繊インサレーション(断熱)素材、フリース、そして古くからの定番である未脱脂ウール(例えばハンガロテックス)、さらにそれらの混紡素材というように、多種多様のアプローチが見られます。

素材の質だけでなく、その嵩(量)の大きさによっても保温力は大きく異なります。このためどれが一番暖かいというのは一概に決められるものではなく、ここがスノーグローブ選びの難しい部分でもあります。

もちろん保温性だけでなく、肌触りやフィット感、薄さなど、実際に試着することでしか見えない使い心地も重要な選択基準のひとつです。

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保温性はもちろんのこと、肌と直接触れ合う部分でもあるので着心地やフィット感も大切。後悔しないように実際に試着してみるのがおすすめ。

選ぶときのポイント

実際にはメーカーやモデルによって強弱はありますが、経験的にいえることをまとめてみます。

  • ウール系のライナーは昔からの信頼性と保温性は問題ないが、肌触りが硬めでフィット感も薄い
  • フリース系のライナーは保温性と速乾性・フィット感のバランスがよく、快適さ重視
  • 化繊インサレーション系は最も進化の激しい分野で保温性・軽さ・肌触りが日々進歩している。ただ厚みがあったり、ライナー表面がスベスベ(セパレートタイプの場合)な分、細かい作業はやや苦手

【補足】自分のお気に入りインナーグローブを常に使うという選択もアリ

自分の場合、グローブによってフィットしたりしなかったりが気になるので、ほとんどのグローブで自分が気に入ったインナーグローブを使うようになりました。こうするとどのグローブを使うにしてもフィット感や感触が変わりにくいのでおすすめです。ただそのとき注意としては、購入時にそのインナーを必ずはめた状態でフィッティングすることです。

ポイント4:シェルレイヤー(アウター)

アウトドアでの着こなしについて、基本的な考え方である「レイヤリング(重ね着)」はグローブでもまったく同じです。外界との接点であるシェルレイヤーでは、保温性を維持するために何よりも高い防風・防水・防寒性能が求められます。

さらに手指を凍傷から守るためにはグローブ内を濡れたままにすることは絶対に避けなければならないため、水分や湿気を外に排出する透湿性能も同じく重要です。このため冬山用グローブのシェル部分には、レインウェアやハードシェルで採用されているのと同じレベルの防水透湿生地が使用されていなければなりません。

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スキー向けにはポールを握る部分に補強があったり、クライミング向けには手の甲にプロテクションがあったり、ロープワークで摩耗しないようなレザー補強がなされていたり、補強部分を見ることでそのグローブが適したフィールドが分かる。

もうひとつ、グローブのアウターで特徴的なのは、風・雪・雨を防ぐという対候性能だけでなく、岩や氷、ロープとの摩擦といった物理的な障害にも耐えられるよう、用途に合わせて各所に強靱な補強がなされていることです。これは必要に応じてですが、特にロープワークがあるようなスタイルでは、必ず手袋のサイドまでしっかり耐久性の高いレザーで覆われたグローブを用意しましょう。

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手のひらは最も摩耗・消耗する部分であり、その代表的な補強素材がレザー。革の種類や二重にしてあるなしなどの違いによって耐久性はさらに変わってくる。

その他、バックカントリースキーなどに特化したグローブはポールの握りやすさを高めるための立体裁断形状をしているなど、ややクセのあるフォルムをしているものもあります。こうしたモデルは別の用途では使いにくかったりすることもあるので、シェルの形状についてクセがないかどうか、試着して確かめておきましょう。

選ぶときのポイント

  • シェルレイヤーには単なる防水だけでなく、しっかりとした防水透湿素材が使われているモデルがおすすめ。
  • 防水透湿素材の中でも耐久性、しなやかさ・伸縮性、通気性などそれぞれ強みが違うので、できる限りアクティビティに合わせたシェルを選ぶ。
  • 手のひらや指周りは特にすぐ(下手をすれば1年で)解れたり擦り切れたりする弱い部分。レザーなどで補強されている耐久性が高いモデルを選ぶ

ポイント5:その他細かい機能

長めのカフ(袖口)・ガントレット

グローブのカフ(袖口)が長いことによって、グローブとウェアの間からの雪の侵入を防ぐことができます。特に日本のような多雪地域では大雪の中をラッセルする機会が多いため、大きな動作により手首の間から雪が侵入するリスクが高く、こうした長めのカフは用途によっては想像するよりずっと有り難い特徴です

長いカフ、そして袖口をピッタリ締めるドローコードがあると、雪の侵入はほぼ完全にシャットアウトできる。ただし脱ぎ着が面倒なのが難点。

一方でバックカントリースキー向けグローブなどでは、袖を極端に短くしてアウターの下に入れられる構造のモデルも多く存在しています。これはラッセルでの雪かきなどは想定せず、着脱の手間や収納性、デザインなどを優先した結果です。どちらの方が自分に合っているか、自分の目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

タッチスクリーン対応

最近では登山中のスマートフォン操作もすっかり当たり前になってきました。しかし冬になるといちいちグローブを脱ぎ着しなければならず、そこには手を冷気に晒す、グローブを紛失するなど、細かいけど無視できないリスクが生まれてしまいます。グローブを脱がずにスマホが操作できることで凍傷・紛失のリスクは減り、時間短縮にもなります。どうしてもなければならない機能ではありませんが、どうせなら楽で安全な方が良いですよね。

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インナーグローブでのスマホ操作だけでなく、今ではアウターをはめたまま写真のようにスマホが操作できるものが多く登場。

手首調節用ベルクロ・ドローコード

フィット感の向上と外の冷気の侵入予防のために、手首の締め具合を調節するためのベルクロやドローコード。グローブによっては手首部分に内蔵されたゴムが適度に締めつけてくれるモデルもあり、こうした機能がまったく無いグローブを探すのは今では難しいぐらいです。ただ万が一ないなんてことがないように、必ず何かしらが備わっていることを確認しておきましょう

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ゴーグルワイパー

スノーグローブの中には、主に親指の背のあたりにスエードのように起毛した生地が配置されているモデルがあります。これはゴーグルに付着した雪や水滴などを拭き取る役割があります。ただ、個人的には実際あまり便利に思ったこともなく、しかも結構選択などで劣化してボロボロになった経験もあるため、あってもなくても気にしないことが多い機能です汗。

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リーシュコード(流れ止め)

これは地味に大切な部位。強風の中でアウターを外して作業することが多いスノーグローブでは、油断するとあっという間にグローブが飛ばされてしまうことが往々にしてあります。それを防ぐために重要なのがこのリーシュコード(流れ止め)と呼ばれる紐ですが、要するにグローブと手首を結びつけるための細引きまたはゴム紐のことです。最初から付属していればもちろん便利ですが、万が一付属していなかったとしても、それを取りつけるためのリングはついているはずなので、なければ自分で作るなどして本番では必ずつけておきましょう

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