失敗しないインサレーションウェア選びのための質問3つとおすすめの15着

冬のアウトドアウェアのなかでも、防寒・保温(断熱)の役割を担うのがインサレーションウェアと呼ばれるジャケット。主に中間着としてインナーに着るものから、防風・防水機能も備えたアウターにもなるものまでそのバリエーションはさまざまです。

ここでは多くの候補のなかから自分にとってベストな1着をどうやって選んだらよいかを、3つのシンプルな質問の形でご紹介します。後半では編集部のおすすめインサレーションウェアをご紹介していきますので、すぐにおすすめが知りたい方は以下の目次から直接ジャンプしちゃってください

目次

はじめに:軽くて暖かければそれでOK、では終わらない

ベスト・インサレーション選びのために考えるべき3つの質問

編集部おすすめインサレーションウェア(2015-2016秋冬モデル)~ダウン・ハイブリッド編~

編集部おすすめインサレーションウェア(2015-2016秋冬モデル)~化繊編~

まとめ

はじめに:軽くて暖かければそれでOK、では終わらない

はじめにインサレーション(ウェア)という名前についてですが、「遮断する」という意味の “insulate” に由来し、文字通り外の冷たい空気と体表面の暖かい空気との間を遮断して熱を逃がさないようにする、主として保温が目的のミドルレイヤーウェア。表地の下に中綿が混入されているものがほとんどで、まぁ平たく言えば防寒着ですね。ちなみにインシュレーションとも呼んだりもするようです。ちなみにフリースも防寒のできるミドルレイヤーではありますが、一般的にはこちらよりも保温力が低く嵩張るため、単体ではインサレーションの方が冬の防寒具としてはより適していると言われています。

次に”最適なインサレーションウェア”とは何かという問題ですが、実はこれが思ったよりもはるかに複雑で悩ましい問題。理由を端的にいうと、冬のアウトドアではアクティビティの種類によって「暖かい」にプラスしてさまざまな機能や特性が求められ、それに従ってとにかく多種多様な防寒着がリリースされているからです。

冬のアウトドアといっても雪原のハイキングやスノーシューから、冬山縦走、アイスクライミング、ゲレンデスキー、クロスカントリー、バックカントリー、スノートレランまで、季節や場所を含めれば非常に多岐にわたるアクティビティがあり、当然それぞれに求められる特徴は少しずつ違ってきます。このため「これさえ買っておけば冬は間違いない」という決定版は未だ存在していないのが現状です。

ベスト・インサレーション選びのために考えるべき3つの質問

ということで無数にある選択肢の中から自分にとってベストなアイテムを選ぶ、あるいは現状の装備で十分だと判断するためには、選ぶ側でどんな基準をもっている必要があるのか。さまざまな情報ソースと経験とを照らし合わせた結果、自分にとってベストなインサレーションを選ぶ時に考えるポイントは以下の3つに整理できることが分かりました。

1:行動中にも着る(可能性がある)のかどうか

P2150251まず考えるべきはインサレーションを行動中にも着る可能性があるかどうかです。もし行動中にも着られるようにという汎用性を少しでも考えているのであれば、悪いことは言いませんのでダウンジャケットはやめた方がいいでしょう。ダウンは極端に濡れに弱いので、万が一濡れてしまったときや、汗で湿ってしまった時でさえ、その性能がダダ下がりしますので、使い物になりません。冬で防寒具が役に立たなくなればそれは即、死を意味しますので、正直ぼくらのようなシロウトには危険きわまりないです。

そのような理由から、ダウンは「基本的には」不要だと思ってます。ただ一方で、それでもダウンが大活躍する場面がないわけではない、とぼくは思います。それは「小屋・テントなどで誰よりも快適に過ごしたい」場合と、「スキーでの滑降時など、発汗が少なく風を受けるような運動時」です。ダウンはその軽さと、軽さに比した保温力(ふかふかした着心地)で言えば最強ですので、それを活かさない手はありません。メインの防寒着としてはインサレーションを持っている、そしてどうせ1つ荷物を増やしたところで100gちょっと、大した影響はない、と考えてみてください。1日ラッセルしてどっと疲れた後、テントに入ってから少しでも快適に過ごせたらそれは極上の幸せ。あるいは汗まみれで頂上まで登りつめ、ちょっと休憩して冷えた身体をダウンで保温しながら快適に滑れたら、最高じゃないですか。そんな理由から、ぼくはフリースや化繊インサレーションに、プラス1枚の保温着としてのダウンは相当便利だと思っています。

その他、最近では Marmot Complete QUIX DOWN Jacket のような表面やダウン自体の撥水性が強化された、濡れに強いダウンというものも出てきています。まだ価格も高く、純粋なダウンよりは保温性能などは落ちるようなので何ともいえませんが、どうしてもダウンにこだわりたい場合にはそうした選択肢も検討してもいいかもしれません。

 

2:アウターとしても着たいのかどうか

二つ目は、インサレーションに付加されている機能をどこまで割り切れるかという問題。最近ではダウンも化繊も、単純な保温機能ではなく、弱点を補ったり、より多様なシーンで汎用的に使える製品がたくさん出ています。当然多機能であるに越したことはないのですが、それによって本当に必要な機能が削られたり、高価格で手が届きにくくなってしまっていては本末転倒です。そんなとき、ぼくが考えた方がいいと思っているのは、「アウターとしても使いたいのかどうか」ということ。たとえばMONTANE の ICE GUID JACKET や Patagonia の DAS Parka などは、インサレーションであると同時にアウターとして十分な機能(防風性・耐久性・防水性・十分な保温力)を備えてしまっているので、ミドルレイヤーを探している場合には選択肢からは外れます。もちろんこれは優れているとか劣っているという問題ではないので、アウターとして着られる1枚を探しているのであれば逆にこちらの方がマッチする可能性は十分にあるわけです。

大切なのは最低限、中に着ようと思っているのに防風性・耐久性とか、外に着るものを持っていかないつもりなのに防風性のない製品とか、そんなちぐはぐな選択をしないようにすること。でも最近ではアウター用・ミドルレイヤー用とハッキリ分かれいているケースは少なく、どちらの機能も万遍なく備えているモデルも意外と多いため、判断が難しいのも事実です。今のぼくの目安としては、カタログなどで「アウターとしても使える」と謳っている程度までは、大体においてアウターとしてハードに使えるほどではないことが多いので、それらはミドルレイヤーとして考えていますが、実際のところはやはり使ってみないと分らないのがもどかしいところです。

3:どれくらいの寒さで着ることを想定するのか

ダウンか、化繊か、必要な機能はどれかをきめたら、最後に考えるのは「どれくらいの嵩(かさ)が必要か」です。ダウンや化繊のジャケットは、その中綿の嵩(厚み)において大まかにヘビーウェイト・ミドルウェイト・ライトウェイトの3段階くらいに分かれます。一日中重い荷物でガンガン歩くようなケースでヘビーウェイトは暑すぎますし、雪原をカメラ片手にぶらぶら歩く程度でライトウェイトでは心許ないでしょう。また、そこが新潟なのか、北海道なのか、1月なのか3月なのかによっても最適解は違います。端的に言うと「どのくらい寒いところで、どのくらい動くのか」ということが、どの程度のウェイトを選ぶかにとって大切です。個人的には、日本で使用するミドルレイヤーとしてなら(外側に透湿防風防水ジャケットを着る前提で)ライトウェイトクラスが最も守備範囲が広く使えると思います(足りない場合は他の手持ちのウェアをやりくりしたりできますし)。また冬山まで使える1着をということでも、ミドルウェイトクラスで十分なんじゃないかと思います(年末年始のアルプスや八ヶ岳などを経験したことはありますが、厳冬期の北海道などの極限条件を経験したことはないので、サンプルとしては十分とは言えないかもしれませんが)。

補足:フードありかなしか

これについては主観の部分が大きくなりがちなので、あくまでもぼくの場合の話ですが、インサレーションとしては間違いなくフードありを選びます。確かに中に着るものにまでフードがあるのは邪魔だし、ちょっとだけ値段も高いし、という人もいるかもしれません。でもその煩わしさ等を考慮しても、それ以上ににフードありは首回りという特に寒気を感じやすいところが保温でき、非常に助かります。もちろんハッキリした信念で不要だという人もいるかもしれません。でも迷うのであれば間違いなくフードはありを選ぶと損はないかと思います。

編集部のおすすめインサレーションウェア(2015-2016秋冬モデル) ~ダウン・ハイブリッド編~

ここからは編集部が選んだおすすめインサレーションウェアをいくつかご紹介します。ダウン・化繊・ハイブリッドとバラエティ豊富なため、絞りきれずに15着になってしまったのはご愛敬。ピックアップの大まかな基準を以下に挙げていますが、基本的には「これは欲しい!」と思わせたかどうかという直感がどうしても強く出てしまうのはご了承ください・・・。 ※価格は2015年12月現在、重量は参考までに。

  1. 日本(本州)の気候で冬場にオールラウンドなアクティビティに使う
  2. インナーで着る(アウターにハードシェルやレインウェアを羽織る)
  3. 価格は大体5万円程度まで

Arc’teryx Cerium LT Hoody

保温性★★★ 快適性★★★ 重量★★★ 耐候性★☆☆ 透湿性★★☆ スタイル★★★

多くの優秀なバリエーションをもつアークテリクスのなかでも完成度の高さで総合的に頭1つ抜きんでた逸品。潤沢なダウンによる高い保温性と、汗抜けが必要な部分にマッピングされたオリジナル化繊(Coreloft)による透湿性。軽量かつスタイリッシュなデザインも見逃せません。

Rab Continuum Hoodie

保温性★★★ 快適性★★★ 重量★★★ 耐候性★☆☆ 透湿性★☆☆ スタイル★★★

NIKWAX 社の耐久撥水加工が施された850Fill のヨーロッパ産グースダウンは、多少の雪や水分であれば濡れることなく保温性をキープ。恐ろしく快適でスタイリッシュな外観の裏に最先端の技術が隠されています。

Mountain Hardwear Hooded Ghost Whisperer

保温性★★☆ 快適性★★★ 重量★★★ 耐候性★☆☆ 透湿性★☆☆ スタイル★★★

超軽量ダウンの中で抜きんでた保温性能(800Fill)と、撥水処理を施した独自技術(Qシールドダウン)によるちょっとした濡れに対する安心感。スタイリッシュなデザインにも満足。

MILLET DOME DU GOUTER WR H-DOWN JK

保温性★★★ 快適性★★★ 重量★★★ 耐候性★☆☆ 透湿性★☆☆ スタイル★★★

アウターにも十分使える嵩高と、中綿に仕込まれたアルミニウム薄層が熱の損失を最小化する高機能ダウンは、保温性抜群かつ耐久撥水仕様。さらに特筆すべきは脇下のベンチレーションが適度な通気性を実現するので、厳冬期から秋冬ハイキングの防寒具まで幅広く活躍可能。

Black Diamond Hot Forge Hybrid Hoody

保温性★★☆ 快適性★★☆ 重量★★☆ 耐候性★★☆ 透湿性★★☆ スタイル★★★

身頃部分に軽くて保温性の高い PRIMALOFT GOLD INSULATION DOWN BLEND、肩・袖・フードに通気性と濡れの強さをもったPRIMALOFT GOLD INSULATIONをマッピング。さらに動きやすさを考えた細身のシルエットや調節式フードは、まさにクライマーのためのブランドらしい機動性抜群のハイブリッドインサレーションウェアです。

Marmot Megawatt Jacket

保温性★★★ 快適性★★☆ 重量★☆☆ 耐候性★★☆ 透湿性★★☆ スタイル★☆☆

身頃部分には高性能撥水ダウン(800Fill Power Goose down DEFENDER)、片・袖・フードには高い通気性の化繊綿(Polartec Alpha)と、スマートなコンセプトのもと、高品質な素材をふんだんに使用。雪の侵入を防ぐカフゲイターがアウターとしても大活躍。唯一重さがやや気になるところ。

THE NORTH FACE FUSEFORM Light Heat Jacket

保温性★★★ 快適性★★☆ 重量★★★ 耐候性★☆☆ 透湿性★☆☆ スタイル★★★

ノースフェイス(ゴールドウィン)の最新テクノロジーが盛り込まれた2015年モデル。表地と裏地を点で止めることで中わたの偏りを抑える「ドットバッフル」仕様は攻めたデザインもさることながら、さらなる着心地・保温性アップ、軽量化に成功。中綿には保温性と耐候性のバランスがいいPRIMALOFT GOLD INSULATION DOWN BLENDを採用。

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