
テント泊山行での新たな必需品。超軽量・高出力エアポンプ「AEROGOGO GIGA PUMP Air」実践レビュー
ここ1~2年で次々と新製品が登場している、人気急上昇中の山道具のジャンルをご存じでしょうか。
それが「エアマット用小型電動ポンプ」。
日進月歩で進化し続け、今やありえないほど軽くてコンパクト、そして高い断熱性を実現し、もはや登山用スリーピングパッドのメインストリームとして不動の地位を築きつつある「エアマットレス」。「エアマット用小型電動ポンプ」とは、そのエアマットレスにモーターファンの力で空気を注入し、瞬く間に空気を充填させることができる便利ギアです。この小さなガジェットのおかげで、これまでは口あるいは専用のポンプサックによって手動で空気を入れなければならなかったエアマットのセッティングが、簡単スピーディに済むようになりました。
今回レビューするのは、これまで世界中の最新電動ポンプをほぼすべて試してきた僕が、総合的に見て現時点で最も評価しているお気に入りの1作「AEROGOGO GIGA PUMP Air」です。今やなくてはならなくなってしまったこの超小型・軽量エアポンプの、単なる軽さ・コンパクトさだけではない実用的な品質の高さについてさっそく書いていきます。
目次
AEROGOGO GIGA PUMP Air の主な特徴
2017年創業の Aerogogo は、15年にわたる空気力学の学術研究に注力してきたという深い研究開発力を武器に、アウトドアの幅広い分野で超軽量かつ高効率なインフレータブル技術の限界に挑戦し続けているカリフォルニア発、新進気鋭のアウトドアメーカー。その主力製品がエアポンプ。登山用マットレスだけに止まらず、これまで自転車やSUPなど幅広いアウトドアに対応するエアポンプを開発してきました。そんな彼らの最新作「GIGA PUMP Air」は、Kickstarter や Makuake など多くのクラウドファンディングで高い実績を残した、超小型軽量電動エアポンプ。掌に乗せても余りある小ささ、その重量なんと28グラム。バッテリーは一般的なモバイルバッテリーで代用することができ、しかもスマートフォンやアウトドアランタン、Bluetoothスピーカーなど、5V/2A出力に対応したあらゆる機器に接続することができるので、必要な電力さえ供給できればポンプを作動させることができます。最大圧力3.5kPaと高い空気圧に加えて180L/分の空気流量と、充填スピードも競合製品に比べてまったく引けを取らず、さらに静音性も高い。1+6種類のバルブアダプターを備え、主要なほぼすべてのメーカーのバルブをカバーします。この手軽さと利便性の高さを一度体験してしまうと、もう元に戻れません。
お気に入りポイント
- わずか28グラムで手のひらサイズ
- 最大圧力3.5kPa、毎分300リットルの高い風力
- ハイパワーにもかかわらず音が静か
- モバイルバッテリー他さまざまな電子機器から給電可能
- NEMO、サーマレスト、Rab、EXPED、arataなど主要なマットレスメーカーのサイズに適合
- ブロワーとして使えば焚火の火吹き棒代わりにも
- 5年間保証
気になったポイント
- 防水・防塵仕様ではない
主なスペックと評価
| アイテム名 | AEROGOGO GIGA PUMP Air |
|---|---|
| 重量 | 実測29.5g |
| サイズ | 43×43×36.3mm |
| カラー | シルバー、オレンジ |
| 風圧 | 3.5 / 2.8 kPa |
| 風量 | 300L / min |
| 消費電力 | 40mAh / min |
| 定格電力 | 15W |
| 付属品 | 収納ポーチ、ノズル6種類(19mm / 18mm / 17mm / 28mm / 23mm / 6mm) |
| Outdoor Gearzine評価 | |
| 重量 | ★★★★★ |
| 携帯性 | ★★★★★ |
| パワー | ★★★★☆ |
| 静音性 | ★★★★☆ |
| 消費電力 | ★★★★☆ |
| 多機能性 | ★★★★☆ |
| 耐久性 | ★★★☆☆ |
実際のフィールドでの詳細レビュー
わずか28グラム、手のひらサイズで持っていることを忘れるほど軽量コンパクト
AEROGOGO GIGA PUMP Air のパッケージには、本体の他、メッシュの収納ポーチ、そして6種類の各種ノズルが含まれています。
持ってみると噂通り、重さなんてあってないような軽さ。本体は親指大、ケーブルを含めても手のひらに収まるサイズです。
ちなみに公式の「28グラム」という重量と実測値の「29.5グラム」との差異については、表面に塗装加工を施しているため、個体差によって1g程度の誤差が発生する可能性があるとの回答でした。
全体の構造を見てみると、本体の片側は注入用の口(下写真)。この口はそれ自体がノズルとして機能しますので、付属の6種類のノズルと合わせると7タイプの注入口に対応しています。
もう片面は、逆に空気の排出用の口(下写真)となっています。こちらの口を利用すれば、空気をスピーディに抜くことができる他、後述するブロワーとしても使えます。
本体には短い(10cm)USB-Cケーブルが標準で付いています。通常はこのケーブルのジャックをモバイルバッテリー等につなげば、即座に空気の注入(or排出)が始まります。
またこの備え付けのケーブルで万が一届かない場合などには、もう一つ見えるUSB-Cポートに自前のUSB-Cケーブルをつなぐことでも操作ができます。
持ち運び時には、このUSB-Cポートにケーブルを差し込んで、カラビナにひかっけて持ち運べてしまいますので、もはや荷物として持っていることすら忘れてしまいます(下写真)。※ただし耐久性に関してはそこまで頑丈という感じでもなく、また防水・防塵仕様では無いのであまり外側に出してぶらぶらさせておくのはおすすめしません。
懸案だったNEMOのマットレスにも問題なくフィット。さまざまなメーカーの登山用エアマットレスにしっかりと適合
マットレスのノズル形状に合わせて6種類(19mm / 18mm / 17mm / 28mm / 23mm / 6mm)のアダプターが用意されています。アダプター無しの状態が20mmなので、合計7タイプのノズルに対応。さまざまなメーカーのエアマットレスの他、浮き輪などのレジャー用にも使えます。
自分の手元にあったマットレスの片っ端から合わせてみたところ、まず「NEMO」のマットレスにはアダプター無しの20mmがぴったり(下写真)。実は以前の最速レビューでは「NEMO」のマットレスに完璧には合致しないと紹介していたのですが、先日これが初期不良だったことが判明。最新ロットではしっかりと修正され、NEMOのマットレスにも問題なくピッタリハマってくれました。もっとも気になるポイントだっただけに、これは大きな前進です。
もちろん、サーマレストも問題なし(下写真)。
Rab や arata のマットレスも、ぴったりとハマったので、電源を入れてほったらかし状態でも外れずに注入できました。自分が調べた限りでは、合わないマットレスは無し。優秀!
エアマットが 1分とかからずにパンパンに。これだけ小さいのに風力も静音性も合格点
何はともあれ、この製品の価値はエアマットを自動的に膨らませてくれることです。まだまだ市場が若いからか、ここ最近登場している新興メーカーの電動ポンプは、とにかく「軽量・コンパクト」を売りにしている反面、期待して実際に使ってみると風力が全然足りなくて時間がかかる、また風圧も低くて最後の方はいつまでたっても空気が入れられないなんてことが本当にあるから困ります。
その点、GIGA PUMP Air の高いパフォーマンスには正直驚きました。
さっそくNEMOのテンサートレイルで使用感を試してみましたところ、エアマットの注入口に GIGA PUMP Air の注入ノズルを差し込み、モバイルバッテリーを接続。すると、この軽さからは考えられない強力な風が生まれ、ものの40秒ちょっとでNEMO のテンサーエリートがほぼ万充填に。下手したら電池内蔵型の本格モデルと同等レベルでの高出力を実現しています。ヤバすぎです。ちなみにサーマレストのネオエアーサーモで約1分10秒、RabのUltrasphere 4.5で約1分30秒ほどでした。
※その一連の様子はこちらの動画から確認することができます。
静音性に関しては、静寂の中でのテント場で使うにはちょっと気を遣う「静かさ」ではありますが、にぎやかなテン場や、自分のような沢登りなどで使用する分にはまったく気にするほどではありません。体感的には小さな掃除機といった程度。数十秒程度のことなので、テント内で使用すればそこまで気にするほどでもないレベルです。
そしてもう一つ気になる消費電力ですが、約1分間の膨張でわずか40mAhしか消費しませんので、エアマット1回で約25mAh程度。つまり標準的な10,000mAhのモバイルバッテリーでエアマットが何百回も注入できる計算。電力消費量に関しても気になる量ではありません。
2台連結させてダブルで使うとパワー倍増!?最大圧力を従来の2倍・7kPaに引き上げ可能
やるかやらないかは別として、どうしてもパワーが欲しいという場合には「2台連結」という裏技が使えます。それぞれ独立した電源が必要ですが、連結させてそれぞれに給電すると最大圧力が従来の2倍・7kPaに向上。実際にこれで空気を注入してみたところ、時間はきっちり2分の1という訳ではありませんでしたが、それに近い時間に短縮できました。スクリューキッドとケンダマンの地獄のネジ回しかよ。
オプションの防水コンプレッションバッグは旅行や長期遠征に最適
別売りの「Travel Vacuum Bag」は、旅行や長期の遠征に便利。20リットルほどの大きさのスタッフバッグはしっかりと空気を密閉でき、ノズルサイズに合った排出口にポンプの注入とは逆の口を連結し、空気を吸い出す(ポンプを起動させる)と、瞬く間に圧縮され、スペースを約60%ほど圧縮可能。シュラフやダウンジャケットなどを入れて使えばかなり省スペース化が可能です。防水仕様で生地もかなり丈夫な作りなのでアウトドアでの使用にも心配なし。
焚火のブロワーにも
さらにこの電動ポンプは、エアマットの空気入れの他にも、ブロワーとして火吹き棒の代わりにもなるとか。まだ渓流釣りのお供には携行していないのですが、この春試すのが楽しみです。
まとめ:一度使ったらもう辞められない便利さに、しかも装備はさらに軽量コンパクト。テント泊登山の新たな必需品が誕生した
これまでエアマット用の電動ポンプというと、デバイス自体にバッテリーが内蔵されているものが多かったのですが、さらなる軽量化を狙ってここ最近現れた、「外部電力利用型モデル」には「パワー不足」という弱点がありました。
今回の AEROGOGO GIGA PUMP Air は超軽量でありながら、そんな心配の要らない十分なハイパワーと省電力・静音性を実現し、これでようやく待ちに待った実用に足る超軽量ポンプが出てきたといえるモデルです。エアマットレスに付属しているポンプサックを削減すれば、重量と荷物の削減にもつながります。結論として、これまで使用してきた中でも最も使い勝手のいい電動ポンプサック。今のところテント泊ハイキング・沢登りでの標準装備リスト入り確定です。
「AEROGOGO GIGA PUMP Air」の詳細と購入について
製品の詳細についてはAEROGOGO GIGA PUMP Airの公式サイトをご覧ください。
なおメーカーのご厚意で10%割引の「クーポン」をいただきました!割引を適用して購入する場合、下記のリンク先から直接購入するか、
または、上記本国サイトでの購入時にクーポンコード「gearzine10」を入力して適用してください。
なお日本国内の代理店等から購入する場合は、以下などのお店をご利用ください。























テント泊山行での新たな必需品。超軽量・高出力エアポンプ「AEROGOGO GIGA PUMP Air」実践レビュー
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