
【ついにここまで来た】ワークマン「メリノテック クールアクティブインサレーション」レビュー:「メリノウール×COOLMAX」で実現する春夏のための清涼&快適ウェア【実践レビュー】
ご存じの通りここ最近、ワークマンのアウトドア向け製品に Outdoor Gearzine として開発にちょっと口出しさせてもらっていますが、今シーズンの新作を一言でいうならば「汗ばむ季節の不快感を吹き飛ばす『清涼&快適ウェア』」です。
そのびっくりするようなパフォーマンスの高さには、10年以上アウトドア・ギアの最先端を追い続けてきたものとして、あるいはこの10年ワークマンの躍進ぶりを見守り続けてきた者として「あのワークマンもついにここまで来たか——」としみじみせずにいられませんでした。そのくらい今回もいろいろな意味で衝撃的。
ただそうはいっても、今回は手放しでは喜べない重要な弱点も抱えていたり。そんな点も含めて正直にレビューしていきます。
目次
ワークマン メリノテック クールアクティブインサレーションの主な特徴
ワークマン メリノテック クールアクティブインサレーションは、高温で汗を大量にかきやすい環境でも涼しく、ドライで快適に過ごすための軽量ウェア。メリノウール(エクストラファインメリノ)とCOOLMAX®を組み合わせ「高通気3D多孔構造」で編立した生地は、天然の吸放湿性と温度調節性、防臭性による快適な着心地、優れた吸水速乾性、そして抜群の通気性など、蒸し暑い季節のアクティブなシーンで「オーバーヒートを防ぎ、なおかつ冷やしすぎず」という絶妙な快適さをキープするための複雑な機能を高いレベルで兼ね備えています。さらに特殊加工によって紫外線防止効果も備え、ダボつかないスリムなフィット感と優れたストレッチ性はノンストレスな着心地と動きやすさを提供。フロントのダブルファスナーやサムホール、チェストジップポケットなど、アウトドアでの実用性の高さもしっかりと配慮され、キャンプやウォーキングをはじめとしたライトなアウトドアをはじめ、旅行やレジャー、そして通勤やワークシーンなど、暑さが気になる幅広いシーンで活躍してくれます。
ラインナップにはフード付きジャケットをはじめ、プルオーバー、ベスト、クライミングパンツ、ショーツ、ネックウォーマー、バラクラバ、インナーグローブと、用途や好みに応じたさまざまなモデルが用意されています。
※以下の内容は、特に明示していない限りラインナップ中の「フーディー」タイプについてのレビューです。
お気に入りポイント
- メリノウールとCOOLMAXの融合による「オーバーヒートを防ぎ、なおかつ冷やしすぎない」優れた温度調節機能
- 高通気3D多孔構造の生地による高い通気性
- 天然の防臭性
- 軽さと立体パターン、ストレッチ性による動きやすさ
- フーディ、ロブスリーブ、ベスト、パンツ、ショーツといったバリエーションの幅広さ
- 圧倒的な低価格
気になるポイント
- 基本的に生地が繊細(引っ掻き、耐摩耗性が低くすぐにほつれるし、毛玉もできやすい)
- ところどころ縫い目が凸凹したりよれていたりして縫製の不安定さ、雑さが目立つ

主なスペックと評価(代表モデルのメリノテック クールアクティブインサレーションフーディ)
| 項目 | メリノテック クールアクティブインサレーション |
|---|---|
| 重量 |
|
| カラー |
|
| サイズ |
|
| 生地 |
|
| 機能 |
|
| ポケット |
|
| 参考価格(税込) |
|
| Outdoor Gearzine評価 | |
| 快適性 | ★★★★★ |
| 保温性 | ★★★☆☆ ※ベスト・長袖Tシャツ・ショーツは★★。また風の強さや上にシェルを羽織るかどうかでも大きく変わる |
| 動きやすさ | ★★★★★ |
| ムレにくさ | ★★★★★ |
| 機能性 | ★★★★☆ |
| 重量 | ★★★★☆ |
| 耐久性 | ★★☆☆☆ |
| コストパフォーマンス | ★★★★★★ |
| 適したシーン |
|
フィールドで実際に使用した詳細レビュー
保温性・通気性(ムレにくさ):熱を籠らせない爆通気と、常にちょうどよい温度を保つハイブリッド生地による絶妙の快適さ

昨秋冬シーズンから始まったこのワークマン「メリノテック アクティブインサレーション」シリーズの春夏版がこの「メリノテック クールアクティブインサレーション」であるわけなのですが、このトップスで最も度肝を抜かれたポイントは「春夏版」にアジャストされたその生地使いにあります。秋冬版と同じ「メリノ×化繊」のハイブリッド生地であるのは同じであるものの、今回は天然の吸湿放湿性や優れたメリノウール(30%)と、高い吸水速乾性をもつCOOLMAX(70%)を組み合わせたハイブリッド生地になっています。これはメリノウール100%を春夏で使う時に気になる弱点である「乾きにくさ」や「熱のこもり」「耐久性の低さ」などを、化繊の中でも特に吸水速乾性が高いCOOLMAX(ポリエステル)によって補う仕組み。なるほど、ポカポカ陽気の日に息が切れるほどガシガシ動いて汗を大量にかいてみたときには、ウール混としては感心するほどすぐに汗は乾き、蒸れ知らずでドライな状態をキープしてくれるように働いてくれました。
この抜群の乾きやすさとドライ感を後押ししているのが、ウェアの圧倒的な通気性の高さで、生地は単なるフラットな天竺編みではなく、裏が透けて見えるほどの薄手部分とある程度の厚みをもった凹凸の3D多孔構造で編立されています。メーカーによると一般的な布帛(ふはく)の10倍以上の超通気機能を持っているとか。ちょっと体が動かすだけで衣服の間を風が通り抜けるのが感じられるほどの通気性の高さによって、衣服内の熱や蒸れはすぐに外側に放出され、汗をかいても服の中に湿気がこもらずサラッとした肌触りが続きます。
逆に言うとむき出しで着ている限り基本的にはほとんど保温性は期待できません。ただここからが「メリノウールのアクティブインサレーション」の良いところなのですが、この生地は爆通気・速乾性によって風が抜けつつも100%化繊のように水分を飛ばしきらず多少の水分と熱とを保つ(メリノウールのもつ「天然の吸放湿性による温度調節機能」)ので、身体を冷やし過ぎるということが起きにくい構造。さらに上に風を通さない生地のアウターを羽織ればたちまち保温性を発揮して身体を冷やさないようにもしてくれます。その辺の絶妙なバランスが備わっているところが素晴らしい。

凸凹のある表生地によって汗染みも多少目立ちにくい。
メリノウールの強みである「優れた吸放湿性」と「消臭性」そして、COOLMAX の強みである「クーリング(吸水速乾性と気化熱による冷却)効果」、そして3D多孔構造による「通気性」、この3つが組み合わさることで、活動中は熱や湿気をすばやく放出し、クールダウン時(休憩時など)には清涼感が高められる優れた夏の温度調整ウエアとなっています。
ちなみにフーディモデルでは上下から開けられるダブルファスナーや、ベンチレーション(換気)として機能するメッシュ構造のポケットが採用されており、細部まで通気性に配慮されている点も忘れてはなりません。
動きやすさ:軽さとパターン、高いストレッチ性でノンストレス

着心地は相変わらずイカついネーミングとは裏腹に甘くて柔らかい。着ている感覚を忘れさせるほどの軽さに、肌にしっとりでなく「ふわっと」空気と共に優しく触れる感じがどこまでも爽やか。そして緩く編まれた生地は想像した通り優れたストレッチ性を備えており、ややタイトめで体にフィットするデザインでありながらも、窮屈感とは皆無のリラックス感のある着心地を実現しています。また行動時に腕上げや腿上げをしてもストレスが限りなく少ない可動域が確保されたパターンになっているので動きやすさは抜群です。まるで何も着ていないかのような軽やかさ(Lサイズで約250g)も、アクティビティ中の負担を軽減してくれます。

機能性・使い勝手:夏のアウトドアを安全・快適に楽しむための細やかな機能が充実
アウトドアをストレスなく快適に楽しむための細かな仕様もしっかりと盛り込まれています。自分が要望した点もかなり盛り込んでもらえてうれしい。
収納性:
まずアウトドア用としてはやはりあって欲しい、物が落ちにくいチェストジップポケット。ここには6.8インチの大型スマホもしっかりと入ります。フーディモデルでは左右の(ベンチレーションにもなる)ジップポケットと、最低限の収納が確保されています。


快適性:
フーディタイプはフロントダブルジッパーでより温度調節がしやすく、また頭にフィットしやすいバラクラバ式のフードは丸めて留められる2WAY仕様で、風でバタついたり邪魔になったりするのを防げます。



安全性:
フロントファスナーの引き手がホイッスルになっており、緊急時に役立ちます(ベストとフーディに搭載)。また、視認性を高める反射材(プリント)も付いているため、暗い時間帯の活動にも適しています。さらにはサムホールで手の甲まで覆える袖口や特殊構造によるUVカット機能を備えており、夏場のうっかり日焼けも防ぎやすい。長袖は防虫対策にも有効です。


豊富なラインナップも相変わらず

メリノテック クールアクティブインサレーションはフーディー・プルオーバーからパンツ・バラクラバ・グローブまで幅広いラインナップをそろえている。
豊富なラインナップの幅広さも健在。レビューでは主にフーディータイプについて言及してきましたが、たとえばもう少し気温の高い季節に合わせるなら、身体のカバーする範囲がより少ないスタンドカラーのタイプやベストタイプもおすすめです(下写真)。生地の厚みはどれも同じです。
また今回は試せていませんが、暖めやすく蒸れにくいこの生地で作ったネックウォーマーやバラクラバ、グローブなんて確実に使えるに決まっているので、このレビューの後実店舗に行ってゲットしてくる予定です。
気になった点:さすがに無視できなかった「耐久性」と「仕上がり」
絶賛せざるを得ない機能性の裏で、唯一「残念」と言わざるを得ないのが耐久性、特に生地の擦れや引っかきに対する弱さです。

低山ハイキングでは樹林帯歩きが多いと思いますが、その際、ちょっとした茂みや木の枝が飛び出ている道を通ることは少なくありません。今回のテストでもそういった場所を歩いたのですが、気がついたらあちこちにほつれができていました。はっきり言って岩場での引っ掛けや、激しい藪漕ぎにはまったく向いていません(特にクライミングパンツ)。また生地の薄さと繊細さゆえ、重いバックパックを背負って歩くとショルダーハーネスとの摩擦で毛玉(ピリング)ができやすい傾向にあることも気になりました。
もう一つは、試作品段階では気にならなかったのですが、量産したときの「縫製のクオリティ」もやや残念。今回は生地が薄く柔らかくストレッチも緩めなので特に縫製がしにくい生地であることは否めませんが、所々で縫い目のよれ(縫い目部分が縮んで波打ってしまっている部分)が無視できませんでした。このあたりの大手ブランドの製品と比べたときの「仕上げの粗さ」は、低価格を実現するためのトレードオフなのかもしれませんが、いつかクリアされることを願います。
まとめ:欠点もあるけど、充実した機能性と実用性の高さは2着買っても後悔しない
振り返れば10年前。当時のワークマンは、あくまで現場作業を支える「仕事着」の定番でした。このサイトがその機能性とコスパに目をつけて山へ持ち込み始めた頃は、まだ「登山にも使える作業着」という、いわば知る人ぞ知る代用品の域を出ないものだったのは確かです。コストパフォーマンス的には抜群でも、過酷な稜線で求められる性能には、どこか「割り切り」が必要だったのです。
しかし、この新作「メリノテック クールアクティブインサレーションフーディ」を前にして、その認識は名実ともに過去のものになった気がしています。今回試してみて実感したのは「登山にも使える」というよりも「登山で積極的に着たい」と言いたくなるほどのパフォーマンス面の進化です。
もちろん耐久性という一点においては課題を残しているのも事実。開発段階で一度でも現場で実際に着て行動すればすぐにフィードバックできそうなものですが、おそらくそれが足りていないのかもしれません。そこが本格アウトドアブランドとの差であり、彼らが信頼に足る所以です。それを踏まえても、それを補って余りあるコストパフォーマンスの高さは間違いありません。良い・悪いという二元論ではなく、それらのメリット・デメリットをユーザーがどうジャッジするかです。
いずれにせよ、ここまでのパフォーマンスを驚きの価格で提供するその姿勢には相変わらず脱帽です。夏のウェアは頻繁に洗濯もするので、元々消耗が激しい衣類ではあるので、個人的にはあくまで「消耗品」として割り切ってガシガシ使うつもりです(2着買ったとしても痛くない価格に感謝)。
本格的なシーズンに向けてさまざまなバリエーションモデルが順次お店に並んでいくようなので、興味をもった方はぜひお店でチェックしてみてはいかがでしょう。

「メリノテック クールアクティブインサレーション」の詳細と購入について
4月以降店頭等では順次発売されているようですが、製品の詳細については公式通販サイト等をご確認ください。
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