もはや先行ブランドと遜色ない実力。Amazfitの2大フラッグシップ「T-Rex 3 Pro & Cheetah 2 Ultra」を山で使い倒し、プロフェッショナルに取材して見えてきた真価
トレイルランニングや自転車をはじめ、今では登山でもスマートウォッチを着用することは珍しくなくなりました。思えば Outdoor Gearzine がスタートした約10年前は、まだまだ「カシオのアナログ腕時計」が主流でしたが、気がつけばもはやスマートウォッチは安全性とペース配分を支える重要な装備のひとつとして、アウトドアでも欠かせない存在となっている人も多いのではないでしょうか。
筆者のアウトドア向けGPSウォッチ遍歴を大まかに振り返ってみると、「Suunto(スント)」→「CASIO(プロトレックスマート)」→「Garmin(ガーミン)」→「COROS(カロス)」と乗り換えてきました。
そんな山愛好家と同じ目線でスマートウォッチ市場を見てきた自分にとってのここ最近の注目が、独自のセンサー技術とこなれたソフトウェア開発によって急速に存在感を高めている「Amazfit(アマズフィット)」です。
2年前にOutdoor Gearzineでレビューした時もそうでしたが、かつてはコストパフォーマンス重視のブランドと見なされることもありました。しかし現在ではサファイアガラスやグレード5チタンによる外装剛性、デュアルバンドGNSSの測位精度、オフラインマップ機能、そして業界トップクラスのバッテリー寿命など、スペックではもはや先行ブランドのハイエンドモデルと真正面から渡り合える実力を備えるまでに急成長を遂げています。
そこで今回は、その Amazfit が昨年~今年にかけてリリースしたアウトドア・エンデュランス向け2大フラッグシップ「T-Rex 3 Pro」と「Cheetah 2 Ultra」を数カ月山や沢で使用してのレビューをたっぷりとお届けします。
登山や沢登りといった数ヶ月にわたる実践でのフィールドテストと、さらには現在 Amazfit ユーザーとなった、第一線で活躍するプロフェッショナルへの取材をもとに、実際のフィールドにおける実力と、それぞれがどのようなシーンに適しているかについてまとめてみました。さっそくいってみます。

Amazfit「T-Rex 3 Pro / Cheetah 2 Ultra」の主な特徴
Amazfit T-Rex 3 Pro は、山岳・アウトドアに対応するタフネスと幅広い温度対応、そしてロングバッテリーを兼ね備えた高耐久・高機能GPSスマートウォッチです。グレード5チタン合金ベゼルとサファイアクリスタルガラスを採用し、耐低温性(マイナス30℃動作保証)や水深45mダイビング対応の10ATM防水を備え、バッテリーは高精度GPSモードで最大38時間(48mm)の駆動が可能です。ダウンロードして使えるオフラインマップや高精度デュアルバンド衛星測位、夜間行動に役立つLEDフラッシュライトを搭載しながら、競合製品をはるかに凌ぐコストパフォーマンスを実現しています。
一方 Cheetah 2 Ultraは、過酷な自然において限界に挑戦し続ける、経験豊富なトレイルランナーやウルトラランナーのためにデザインされた、レースでのパフォーマンス特化型モデル。チタン製フレームによる高強度を維持しながら本体重量を約52gに抑え、高精度GPSモードで最大60時間という長時間の連続駆動を実現。GPU強化による高速な地図描画や、荷物重量に応じた運動負荷補正、地図や音楽を保存するストレージは64GBと十分に確保し、日常に溶け込む洗練されたベゼルデザインなど、日々の体調管理から本番まで、24時間365日をコントロールするアスリートにとって必要なあらゆる機能と特徴を網羅しています。
おすすめポイント
T-Rex 3 Pro:
- グレード5チタン合金フレームとサファイアガラスを採用し、ミリタリー規格に準拠した軽量かつ優れた堅牢性
- 直射日光下でも視認性抜群な超高輝度AMOLEDディスプレイ
- 3泊4日の登山でも高精度GPSトラッキングし続けられたロングバッテリー
- デュアルバンドGPSによる精度の高さと、オフラインマップ・ルートナビゲーション機能
- 10ATM防水やマイナス30℃環境での動作保証など、厳しい自然環境に対応する耐候性
- 「Zeppアプリ」によるAIを利用したオン・オフ通したきめ細かい体調管理機能
- 厚手グローブをしたままでもタッチ操作が可能な「グローブモード」
- テントの中でヘッドランプを探すわずらわしさを過去のものにする「フラッシュライト機能」
- 腕の細い人にもありがたい 44mm サイズが選択可能
- かなり抑えられた価格設定

Cheetah 2 Ultra:
- チタン合金のボトムケース・フレームとサファイアガラスによる、軍用規格の耐久性と高級感を両立したデザイン
- 直射日光下でも視認性抜群な超高輝度AMOLEDディスプレイ
- トレイルランニングモードで最大33時間(通常使用で最大30日間、GPSモードで最大60時間)駆動する超ロングバッテリー
- 勾配プロファイル表示、接地時間、荷物重量を加味した加重負荷補正など、ランニングやレースに特化した機能が充実
- デュアルバンドGPSによる精度の高さと、よりスムーズな地図表示
- 「Zeppアプリ」によるAIを利用したオン・オフ通したきめ細かい体調管理機能
- 厚手グローブをしたままでもタッチ操作が可能な「グローブモード」
- テントの中でヘッドランプを探すわずらわしさを過去のものにする「フラッシュライト機能」
- スタイリッシュなラバーバンドに蒸れにくく着け心地抜群のバンドと好みで使い分けられる付属バンド

気になったポイント
T-Rex 3 Pro:
- ややゴツい(厚い)ボディサイズ
- マップ表示に関しては Garmin の登山地形図の詳細さに比べるとやや粗い
- 電子決済機能(Suica等)に対応していない
Cheetah 2 Ultra:
- 防水性能が 5ATM(水深50m相当)、低温対応温度も0℃にとどまり、またベゼルがフラットのため T-Rex 3 Pro ほど耐候性・堅牢性がない
- 価格が Amazfit の中ではやや高価
- 電子決済機能(Suica等)に対応していない
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クーポンコード:AMAZFIT_OUTDOOR_GEARZINE
| アイテム名 | Amazfit T-Rex 3 Pro (48mm) | Amazfit Cheetah 2 Ultra |
|---|---|---|
| カラー | ブラックゴールド/タクティカルブラック | チタン |
| 重量 | 48mm:約49g(バンド除く) 44mm:約46.8g(バンド除く) | 約52g(バンド除く) |
| 本体サイズ | 48mm:約48×48×16(心拍ベース含む) 44mm:約44.8×44.8×15.2mm(心拍ベース含む) | 約47.4mm×47.4mm×13.3 mm(心拍ベース含む) |
| ディスプレイ | 1.5インチ HD AMOLED | 1.5インチ HD AMOLED |
| タッチスクリーン | サファイアガラス | サファイアガラス |
| 最大輝度 | 3,000 nit | 3,000 nit |
| 解像度 | 480×480 ピクセル | 480×480 ピクセル |
| ボディ素材 | ケース:ガラス繊維強化ポリマー ベゼル & ボタン:TC5チタン合金 | フレーム・ベゼル・ボタン:TC5チタン合金 |
| ストラップ | 素材:シリコン 幅:22mm(48mm)、20mm(44mm) | 素材:シリコン(黒)、ナイロン(緑ストライプ) 幅: 22mm |
| バッテリー※ | 時間標準的な使用でのバッテリー駆動時間:最大25日間 ハードな使用でのバッテリー駆動時間:最大10.4日間 精度GPSモード 44mm:26時間/48mm:38時間 GPS長時間バッテリーモード 44mm:60時間/48mm:85時間 | 標準的な使用でのバッテリー駆動時間:最大30日間 ハードな使用でのバッテリー駆動時間:最大15日間 GPSモード:最大60時間 |
| 内蔵ストレージ | 約26GB | 約64GB |
| オフラインマップ | ○(要ダウンロード) | ○(要ダウンロード) |
| MIL規格 | 低圧・高温・低温・熱衝撃・湿度・振動・衝撃・液体汚染・着氷性、レポート:H202505284651-01EN | 低圧・高温・低温・熱衝撃・振動・衝撃 |
| 最低動作可能温度 | -30℃(超低温モード) | 0℃ |
| 防水機能 | 10気圧防水、最大45m潜水対応 | 5気圧防水 |
| センサー | 3軸加速度センサー、3軸ジャイロスコープ、温度センサー、環境光センサー、地磁気センサー、気圧高度計 | 3軸加速度センサー、3軸ジャイロスコープ、温度センサー、環境光センサー、地磁気センサー、気圧高度計 |
| 測位システム | デュアルバンド 6衛星測位(GPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSS、NavIC)屋内位置サービスはサポートされていません。 | デュアルバンド 6衛星測位(GPS、GLONASS、Galileo、BDS、QZSS、NavIC)屋内位置サービスはサポートされていません。 |
| その他機能 | 内臓フラッシュライト(2色対応) グローブモード 180以上のスポーツモード トレーニングモード 加重負荷補正 3D距離補正 バックトラック フィニッシュタイム予測 ナビゲーション・バックトラック Zeppコーチ Zepp アプリ(スマホアプリ) Zepp Flow(AIアシスタント) PAI 170以上のウォッチフェイス 表面温度測定 音楽再生 コンパス 気圧高度計 心拍数 血中酸素レベル ストレスレベル Hybrid Charge 睡眠モニタリング | 内臓フラッシュライト(2色対応) グローブモード 180以上のスポーツモード トレーニングモード 加重負荷補正 3D距離補正 バックトラック フィニッシュタイム予測 ナビゲーション・バックトラック Zeppコーチ Zepp アプリ(スマホアプリ) Zepp Flow(AIアシスタント) PAI 170以上のウォッチフェイス 表面温度測定 音楽再生 コンパス 気圧高度計 心拍数 血中酸素レベル ストレスレベル Hybrid Charge 睡眠モニタリング |
| 価格(税込) | 59,900円 | 99,800円 |
※バッテリー持続時間は設定、操作条件、およびその他の要因によって異なる場合があります。実際の結果は、実験室のデータと異なる場合があります。
実際に登山・トレイルで使用してみた詳細レビュー
ボディの洗練された外観と装着感、優れた耐久性
T-Rex 3 Pro:スマートさよりも頑丈さを前面に押し出したデザイン

T-Rex 3 Pro はチタン製の八角形ベゼルとアウトドア時計らしい無骨なシルエットが印象的。色はゴールドのインパクトか、ブラックのさりげなさか、好みに合わせて2色のカラーリングから選ぶことができるのは嬉しい。ただでさえ堅牢なサファイアガラスの画面周囲を立ち上がりのあるベゼルが守る構造(裏側のケース部分は樹脂製)によって、岩稜帯やクライミング、沢登りなど、硬い岩肌に接触しやすい山岳アクティビティで手荒く使っても、風防に傷がつくことはありませんでした。
ボディサイズは小さめの44mmモデルも用意され、こちらは手首の細い人や、アウターやベースレイヤーの袖口に引っかかりが気になる人にとってありがたい大きさとなっています。ただその代わりバッテリーの持ちが短くなってしまうため自分は迷わず48mmを選び、それで後悔はしていません。

どちらのモデルもですが、裏面には心拍数センサーと充電用のコネクタが配置されています(上写真)。充電時はUSB-Cのケーブルとマグネット式の専用アダプターを使用しますが(充電が必要な山行では忘れずに)、過去の先行メーカーの専用USB充電ケーブルは使っているうちにすぐ接触が悪くなったりして充電時にストレスが溜まっていましたが、Amazfitではそのようなことはなく、セッティングは非常にスムーズ。
Cheetah 2 Ultra:タフな素材使いに、滲み出る高級感と洗練さ(ただし岩場での手荒い使用には注意)

一方 Cheetah 2 Ultra はケースを含めた全面がチタン製。ベゼル幅も極限まで狭く、そしてフェイスは凸凹もなくフラットでこれ以上なく高級感の漂う洗練されたデザインが非常に好感触。これならばスーツでの仕事や普段着でのプライベートな時間でも違和感なく装着していられます。またベゼルが狭い分、同じ1.5インチのディスプレイなのにこちらの方が画面が大きく見え、視認性も高く感じられます。
もちろんアクティビティにおいても、高い剛性を備えながら本体52g、厚さ13.3 mmという軽量かつ薄型構造によって、腕振りでの遠心力を感じにくく、長時間のランニングにおいてストレスの少ないデザインです。
またサイドのボタンは突起が低めに設計されているため、デザイン性の高さだけでなく、手首を返した際やザックを背負った時のストラップなどでの誤プッシュが起こりにくくなっていました。
ただ、この極力控え目なベゼルによって、サファイヤガラスは T-Rex 3 Pro と違って無防備にさらされています。もちろん非常に硬くて傷がつきにくいサファイヤガラスですから、ちょっとやそっとでは傷の心配はありませんが、やはり硬い岩場などで強く当たったり擦ったりした場合でも無傷でいられるとは限りません(実際、自分はこの3カ月の登山や沢登りでの使用で、いつの間にか軽く一筋の線が入っていました)。一般登山道のハイキング程度ならば気にする必要はありませんが、筆者のように岩場や渓谷などのバリエーションルートによく行くという人は要注意です。

ストラップは、T-Rex 3 Pro の方はスタンダードはシリコンストラップ、一方でCheetah 2 Ultra の方は薄手でデザイン性の高いシリコンバンドと、通気性が高く着け心地抜群のナイロンストラップの2種類が標準で付属しています(上写真)。
特にこのカラフルなナイロンストラップは、日ごろシリコンバンドの濡れたり汗ばんだ時の不快感や蒸れによるかぶれやすさに辟易していたので、自分は文句なしに気に入ってしまいました。

とてつもなく明るいディスプレイと、スムーズなマップ描画性能
この時計を試用して何よりも驚いたのは、その視認性の高い画面表示です。両モデルとも最大3,000nitの1.5インチAMOLEDディスプレイを採用しており、画面表示はこれまでつけてきたどんなスマートウォッチよりも明るく、高精細でした。

快晴時や直射日光の当たる稜線上(雪山でもおそらく)でも、サングラス越しに地図や行動データを明瞭に確認できます。この視認性に関しては、スペック的にも現状 Garmin や Suunto の最上位AMOLEDモデルと比較しても遜色ありません。

また、地図の描画性能に関しては、2機種の間では若干の差が見られました。Cheetah 2 Ultra はGPU処理能力が高く、縮尺の変更や地図スクロールによる画面表示や追従性が(T-Rex 3 Pro と比べると)滑らかです。これはトレイルランニングなどのスピード感のある競技でのストレスフリーな地図確認に繋がります。この点などからも、Cheetah 2 Ultra は実際のランナーの視点をしっかりと踏まえてあることが感じられます。
ただ地図操作のレスポンスに関しては Cheetah 2 Ultra が一歩リードしているとはいえ、 T-Rex 3 Pro も地図表示がもっさりしているという分けでは決してなく、通常のペースであれば問題なく実用的でしたので、よく山でも街でもよく走るという人以外は、それほど気にする必要はないかもしれません。
間違いのないボタン構成とタッチパネルとジェスチャーによる優れた操作性
両モデルともに、タッチパネルに加えて4つの物理ボタンを備えています。T-Rex 3 Pro は厚手のグローブでも押し込みやすい立体的なボタン形状、対する Cheetah 2 Ultra は衣服やギアへの引っかかりを避けるロープロファイル形状となっており、想定される使用環境の違いが反映されています。

そして画面は今や当たり前となりつつありますが、タッチパネルをスワイプやタップによってボタンレスで操作も可能です。

ここまでならば、普通によくできたスマートウォッチだねということで終わりなのですが、この2モデルに関してはそこからさらに、山で使用するためのさらなる進んだ機能が隠されていました。それが「グローブモード」です。

このモードを「ON」にしていると、雨天や秋冬時期などでグローブを着用している状態のままでも、素手の時と同じように画面操作が確実に行えてしまうというスグレモノ。冬用のスキーグローブでも試してみましたが、問題なく反応したのにはびっくりしました(下動画)。積雪期登山などでは「どんな時でもグローブを絶対に外さない」という山岳ガイドがいる程、素肌を外気にさらすことは極力避けるべきなのが冬山の鉄則でもあります。その意味でこの機能ひとつとっても、他の競合にはない優位性を感じました。
驚異的なバッテリー寿命
このレビューでもう一つ、素直に驚かされたのがバッテリーの持続力。Amazfit が先行メーカーに対してもっているアドバンテージ要素のひとつと言われているのは知っていましたが、実際には果たして本当なのかと半信半疑でしたが、今回さまざまな耐久テストをしてみて、その疑念はまったくの杞憂であったことが分かりました。
T-Rex 3 Pro
スペック上では高精度GPSモードで最大38時間(48mm)の駆動が可能とのことですが、登山をしているときでも38時間ずっとGPSでトラッキングし続けるような使い方はしないわけで、こうしたスペックは一見しただけではどのくらい持つのかは分かりません。
そこで実際に3泊4日の山行にて実測テスト(高精度モード)してみたところ、1日大体(休憩含めて)7~9時間程度の行動を毎日行った結果、4日目のゴール時点ではまだ20%程度残っていました。行動が終了したら「後で再開」としてトラッキングを切りますが、時計自体は動いたままなので、わずかながら消費していきます。それを含めて考えても、毎日20%程度消費すると考えてよいかと思われます。
つまり「日帰りから3泊程度の山行であれば、モバイルバッテリーからの途中充電を行わずに運用できる」ということです。もちろん他の各社のフラッグシップ機と比べてこれが最高に長寿命というわけではないかもしれませんが、この価格帯を考れば十分な高パフォーマンスといえるのではないでしょうか。

Cheetah 2 Ultra
さらに驚きなのが Cheetah 2 Ultra で、こちらは夜間行動を含む100マイルを越えるようなウルトラディスタンスのレースを想定しているだけあって、高精度GPSモードで「最大60時間」の連続駆動、実践で使用する想定の「トレイルランニングモード」使用時でも最大33時間という稼働時間を実現しています。こちらももちろん他社のさらに高額なフラッグシップ機と比較しても引けを取らないレベルですので、このスタミナは正直驚きです。

トップクラスに精度の高いGPS
デュアルバンドGNSSによる位置捕捉の精度と速度は非常に高く、深い樹林帯や急峻な谷筋でもログの乱れは最小限に抑えられています。測位の信頼性という点でも先行ブランドと同等水準に達しています。

登山で利用するためのオフラインマップは、専用アプリ「Zepp」を通じて時計に該当地域をダウンロードし、Wifi経由で保存することで利用できます。はじめは(Garmin などのプリインストールモデルに比べると)ちょっと面倒だなと思いましたが、一度ほぼ日本全国の地図を時計に保存してしまえば、あとはいちいち山行前にダウンロードする必要はありません。ちなみに日本全国の地図をダウンロードするだけのストレージ容量は十分に確保されています。

これだけでも行動中に自分の現在地を等高線つきの地図上で確認できるようになりますが、さらに「YAMAP」や「ヤマレコ」などからダウンロードしたGPXルートデータを取り込むことで、さらに地図上で予定のルートを確認するだけでなく、ナビゲーション機能も利用することができます。ルートから外れた際に振動と音で知らせるルート逸脱アラートや、辿ってきた軌跡を戻れる「バックトラック機能」など、万が一視界が無くなった際でも安全に行動するのに役立ちます。
各種アクティビティ・ナビゲーション・その他アウトドアに便利な機能たち
どちらの機種にも、あらかじめ用意された「アクティビティモード」が180以上もプリセットされています。これらはそれぞれのアクティビティを行う際に起動することで、それぞれに適した内容の情報を記録し、行動中すぐに確認できるように表示してくれます。

例えば「登山」モードであれば、地図表示と歩いた軌跡はもちろん、行動時間と行動距離、標高、速度、累積上昇・下降高度、心拍数などが確認できます(しかもこの内容は自分好みにカスタマイズ可能)。

そして、あらかじめ設定したルートでナビゲーション機能を使えば、コース全体の上り下りを傾斜とともに細かく解析してくれます。さらに行動中は現在位置を基に次の経由地やピークまでの距離と高低差といったルートの進捗を視覚的に把握でき、ペース配分の組み立てをサポートします。
さらに地図上の2次元距離ではなく標高差を考慮したより正確な距離を計測する「3Dデータモード」や、実際に背負っている荷物の重さなどを考慮してより正確に運動負荷を補正する「加重負荷」機能、そしてランニング系のモードでは接地時間、垂直振動、乳酸閾値(心拍ゾーン)など、より効率的なフォームや身体への負荷などを客観的にトラッキングする機能など、登山やファストパッキング、ランニングやトレイルランなどの実際のアクティビティを想定したきめ細かい機能もしっかりと搭載されています。
どこまでも高機能を追求したい人にとってはまだ物足りないという人もいるかもしれませんが、自分のようなアマチュア~ハイアマチュアレベルの人にとっては十分すぎる程の充実度でした。

10気圧防水と、厳冬期の低温下でも稼働できる耐候性(T-Rex 3 Pro)
苛酷なアウトドアで使用するのであれば欠かせないのが「防水・低温耐性」ですが、まず前提としてどちらのモデルもアメリカ国防省の軍事規格であるMILスペックをクリアしています。
ただそのうえで、T-Rex 3 Pro は10気圧防水とマイナス30℃環境下でも動作する低温モードを備えているため、厳冬期の山行でも安定した動作が期待できる一方で、Cheetah 2 Ultra の方は5気圧防水、そして低温保証も最低0℃と、(厳冬期の雪山登山や過酷なウォーターアクティビティで使用するには)やや不安を感じざるを得ません。
(意外にも)出番が多くて便利だった「フラッシュライト機能」
時計の側面前方にはボタンを長押しすることで点灯し、明るさと色を調節できる「フラッシュライト」の機能がどちらのモデルにも搭載されています。最初は「こんな程度のライト何に使えるんだ?」となかば馬鹿にしていましたが、ゴメンナサイ、今では大活躍してくれています。

就寝中に、ふと目が覚めて夜のテント内で水筒やヘッドランプなどを探す、テントを出てちょっとトイレにいく、夜明け前に着いた登山口で、車内の荷物を探すとき、日常でも夜間にちょっとしたものを探したいときなど「ヘッドランプを使うほどではないけど暗闇を照らしたい」という時は意外にも多くありました。そんな時にこのライトをつけておくと、うまい具合に手元を照らしてくれて、非常に便利であることが分かりました。ちょっとした機能ですが、重宝しています。

スマホ連携・AI・コンディショニング機能
最後に説明するのがアクティビティ以外の日常レベルでの便利な機能たちですが、正直なところ、これが最もインパクトがあったかも。自分がスマートウォッチを24時間着けっぱなしになった大きな理由でもあります。
Hybrid Charge(コンディションの可視化)
日々の食事摂取から睡眠の質、活動時の心拍変動(HRV)などをもとに、身体の疲労度から回復度合いまで、あらゆる活動データを統合して解析し、数値化して可視化し、それに基づいてアドバイスしてくれる機能です。

毎週のように山に入っていると、知らず知らずのうちに無理をしがちです。そこでどれくらいの運動量(疲労)だったのか、ちゃんと休めているか、ちゃんと食べられているかなどをしっかりと記録し、把握してくれるので、身体のコンディションを常に保つのに大助かりです。
AI食事画像解析
これはスマートフォンで撮影した食事の写真から、カロリーや三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)のバランスをAIが自動で推定し、計算してくれる機能。最近のAIは本当に賢い。

これによって毎日の栄養バランスを管理できるので日頃の体調管理や(アスリートの皆さんにとっては)レース前の栄養管理、ダイエット中の方にとっては日々のカロリー管理に役立ちます。もちろん厳密には正確な数字ではないかもしれませんが、これまでまったく意識していなかった栄養バランスを記録することで少しでも意識できるようになることで、日々の食事意識は確実に変わるものです。
現場のプロフェッショナルが語る使用感
ここからは、実際に Amazfit のスマートウォッチを使用している、過酷な自然環境やレースの現場で活躍するプロのガイドやアスリートの皆さんに取材した際のコメントを抜粋してみます。
これらのコメントの全文は、Amazfit 公式サイトの「ユーザーインタビュー」に掲載されているので、興味のある方はぜひご覧いただければと思います。
登山ガイド・山岳フォトグラファー:石川 貴大 氏

以前使用していたスマートウォッチはほぼ毎日充電が必要で、就寝時に外さざるを得ず睡眠ログが取れませんでした。T-Rex 3 Proは週に1回程度の充電で済むため、常に装着したまま生活できます。新機能のHybrid Chargeによって身体の回復度合いが数値化されるようになり、数値が低い日は十分な休息を取るなど、生活リズムを客観的に見直すきっかけになりました。悪天候時のバックトラック機能も含め、山岳現場での安心感があります。
トレイルランナー・山岳ガイド:横山 峰弘 氏

Cheetah 2 Ultraの大きな利点は、高精度GPSで最大60時間持つバッテリー性能です。100マイルレースでも途中で充電する手間がなくなりました。GPUの処理能力が向上したことで地図の描画が速く、行動中でもスムーズにルートを確認できます。コースを外れた際に振動で警告するルート逸脱アラートは、競技でのタイムロス防止はもちろん、一般の登山者が道迷いを防ぐためにも有効な機能です。食事解析やトレーニング負荷の可視化も含め、日々のコンディショニングに役立っています。
登山ガイド:岩田 京子 氏

手首が細くデジタル機器の操作に苦手意識がありましたが、T-Rex 3 Proの44mmモデルは手首への収まりがよく、ウェアの袖口にも干渉しません。睡眠ログによって中途覚醒の有無や休息の質が可視化され、疲労の理由を把握しやすくなりました。また、食事の写真を撮るだけで栄養バランスを推定してくれる機能は、アスリートフードマイスターの視点からも日頃の体調管理に役立っています。
山岳ガイド・登山家:杉本 龍郎 氏

ヒマラヤの6000m峰遠征や国内の岩稜ガイドでT-Rex Ultra 2を使用しました。標高5000m地点や6451mのピークで計測したGPS標高が看板や地形図と正確に一致し、測位精度の高さを実感しています。高所では体感以上に身体へ負荷がかかりますが、心拍数や血中酸素濃度を数値で確認することで、感覚に頼らない冷静なペースコントロールが可能になりました。氷点下のテント泊でもバッテリーの消耗が安定しており、休憩中のわずかな時間で素早く充電できる点も過酷な山行において実用的です。
プロハイカー:斉藤 正史 氏

何ヶ月も歩き続けるロングトレイルでは、バッテリーへの不安がないことと、オフラインで現在地を確実に把握できることが重要になります。T-Rex 3 Proは長期間のハイクでもバッテリーの消耗を気にせず使用できます。 また、個人的に重宝しているのがアプリの家族共有機能です。高齢の母親にAmazfitを装着してもらっており、遠方のトレイルに出ていても、母親の起床や歩数が手元で確認できます。自然の中での自己管理だけでなく、日常における家族の安否確認ツールとしても信頼しています。
T-Rex 3 Pro と Cheetah 2 Ultra 、それぞれ何が違って、誰におすすめ?
最後に今回の2モデルを想定されるフィールドや用途などから、それぞれのおすすめユーザーとシーンをあらためてまとめてみます。
【Amazfit T-Rex 3 Pro】が適していると感じたシーンやユーザー
おすすめシーン:無雪期・積雪期登山・ハイキングをはじめ、アルパインクライミング、沢登り、トレイルラン、ウォーターアクティビティ、キャンプなどの幅広いアウトドア
- 岩場や沢、雪山など、タフな環境で行動する人:10ATM防水(ダイビング対応)、マイナス30℃耐寒性、チタンベゼルとサファイアガラスによる堅牢性は、過酷な山岳や水辺において高い安心感を提供します。
- 本格アウトドアスマートウォッチ入門者などコストパフォーマンスを重視する人:6万円を切る価格帯でチタン、サファイアガラス、オフラインマップ、LEDライト、デュアルバンドGPSが揃う点は、現在の市場において大きなアドバンテージです。
【Amazfit Cheetah 2 Ultra】が適していると感じたシーンやユーザー
おすすめシーン:100km〜100マイルのトレイルランニング、マラソンなどのロードの長距離ラン、ファストパッキングやスピードハイクなど、過酷さよりもスピードと長距離を重視するアクティビティ
- 100マイルレースを無充電で完走したいアスリート:高精度GPSで最大60時間駆動するバッテリー性能は、一昼夜を超える長距離レースにおいて充電管理の負担を解消します。
- 走行中など高速移動中でも素早く地図や標高プロファイルを確認する必要のあるランナー:高速GPUによるスムーズな等高線マップ描画と、次のポイントまでの高低差表示などにより、レース中など時間にシビアな場面でのペースマネジメントでストレスを軽減してくれます。
- ランニングダイナミクスやトレーニングデータを詳細に管理したい人:こちらの方がよりランナーに適した特徴を備え、トレーニングプランやランニング時のデータが管理しやすいUIをはじめから備えているので、よりランナーの人にとって使いやすさが行き届いています。ただ実際のところ、機能的には T-Rex 3 Pro も Cheetah 2 Ultra もほぼ同じと考えてよいものでしたので、T-Rex 3 Pro でもトレイルランなどで詳細なナビゲーションやデータ解析を利用することは可能です。
- アウトドアでも日常でもスマートウォッチを気持ちよく使いたい人:より高速なGPUと大容量バッテリーとストレージに加え、何よりも日常でも使いたくなる洗練されたデザインを備えた Cheetah 2 Ultra は、日常を含めたどんなシーンでも違和感なくマッチし、気持ちよく着けていられます。

まとめ:もはや実力は先行ブランドと遜色なし。驚きのコストパフォーマンスは山でのスマートウォッチ入門者にもぴったり
今回比較した Amazfit を代表する2モデルは、ハードウェアの質感、GPS測位精度、バッテリー駆動時間など、いずれにおいても十分に肩を並べる完成度に達しており、どちらも本格アウトドアで使用するのに十分すぎるパフォーマンスを提供してくれました。もはやこれを低価格だけがウリの廉価モデルと片付けるのは、まったく実態を見誤ることになるのがしみじみと実感できました。個人的には、機能は確かに優れているけど価格がもう一般人を対象にしているとは思えないほど高価になってしまった Garmin、なかなか登山向けの新機種が出ない COROS、目立った特徴がない Suunto、そうした先行ブランドを横目に、新機種が出るたびにどんどん実力と魅力が進化してきている Amazfit に乗り換える時期は、ちょうどいい時期なのかもしれないと今回のレビューを経て思いました。
厳しい自然環境や悪天候に対応し、岩壁や水辺を含めた幅広い山岳アクティビティでタフに使い倒したい場合は「T-Rex 3 Pro」。日常から、長距離・長時間のエンデュランスアクティビティにおいて、地図の操作性や駆動時間、走行データの分析を重視したい場合は「Cheetah 2 Ultra」を選ぶのがいいでしょう。
各々がメインに想定するアクティビティや、使用するフィールドの季節や環境、目的等に応じて、最適なモデルを選択することをおすすめします。
Amazfit「T-Rex 3 Pro & Cheetah 2 Ultra」の詳細と購入について
製品の詳細についてはAmazfit 公式サイトまたは下記の製品ページをご覧ください。
T-Rex 3 Pro:https://www.amazfit.jp/products/amazfit-t-rex-3-pro
Cheetah 2 Ultra:https://www.amazfit.jp/products/amazfit-cheetah-2-ultra
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【圧倒的なタフネスが与えてくれる安心感】真冬の北海道の雪道ランニングでも問題なし! 「Amazfit T-Rex Ultra」はミリタリーレベルの堅牢さ
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