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パタゴニア「ショートスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツ」レビュー:これからの季節にピッタリのUV対応山シャツが万能すぎる

いよいよ夏本番。炎天下でのハイキングや登山、カヌー、サイクリング、フィッシングなど、どんなアクティビティでも夏はどうしたって一日中強い日差しを浴び続けるわけで、そんなときに避けて通れないのが「日焼け対策」。

標高の高い場所の紫外線は思った以上に強烈で、また水面や雪面に反射された光も容赦なく襲ってきます。うっかりケアを怠ってしまうと肌は一日でたちまち炎症を起こしてしまうので、夏のアウトドアでは日焼けへの備えは欠かせません。

日焼けから守る方法として、露出している肌には日焼け止めクリームが有効ですが、たとえ服を着ていたとしても紫外線が完全に防げているわけではありませんので、何らかのケアをした方がいいのは間違いありません。

そこで自分が最近気にするようになったのが、UVカット効果のある衣服を着ることです。これは生地にUVカット加工を施すことで紫外線を遮断し、肌や生地へのダメージを軽減してくれます。Tシャツやフーディ、長袖シャツなどいくつかのスタイルがありますが、ここ最近見つけたなかで「これは夏本番のトレッキングにちょうどいい!」と思ったのが今回紹介するパタゴニアの「ショートスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツ(以下サン・シャツ)」です。さっそくレビューしてみたいと思います。

パタゴニア ショートスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツの主な特徴

パタゴニア ショートスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツは、UPF40+のUVプロテクションを備え、蒸し暑い日でも涼しく快適に過ごせるボタンアップタイプのシャツ。伸縮性と速乾性に優れたリサイクル・ポリエステル素材はアクティブな動きを妨げず、風通しの良さとスタイルを兼ね備えたレギュラーフィットのフォルムはアクティビティにも日常にも溶け込みます。大型の耐腐食性ジッパー付きの縦型胸ポケット2つを含めた豊富な収納や日焼け防止効果を高める二重構造の襟、背中に開いたベンチレーションなど実用性の高い機能が満載で、アクセスしやすいレンズクリーナーなど夏のさまざまなアクティビティでオールラウンドに活躍します。

お気に入りポイント

  • UPF(紫外線防止指数)40+の高いUVプロテクション
  • サラッと爽やかで開放感のある着心地
  • 適度なストレッチによる動きやすさ
  • 多彩なポケット、レンズクリーナー、高くできる二重の襟など行き届いた実用性の高さ
  • 擦れ、洗濯などにも強い優れた耐久性
  • 街からピークまで着続けられ、さまざまなアクティビティにもフィットする万能さ

気になるポイント

  • せっかくの背中のベンチレーションはバックパックを背負うと隠れてしまう
  • ボタン留めはスナップボタンなど操作しやすい方がいい

主なスペックと評価

項目パタゴニア ショートスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツ
重量227g(Sサイズ実測)
カラーMarmot Field: Beeswax Tan, Rock Melon, Graze Green, Marmot Field: Seabird Grey
サイズXS / S / M / L / XL
生地吸湿発散性を備えたストレッチ平織りの3.5オンス・リサイクル・ポリエステル100%
ポケット
  • 防水性ジッパー式縦型ハンドウォーマーポケットが2
その他機能
  • 生地を二重にして高く立てられる襟
  • 背中にベンチレーション
  • UPF(紫外線防止指数)40+のUVプロテクション
  • レンズクリーナー
Outdoor Gearzine 評価
快適さ★★★★★
日焼け対策★★★★☆
通気・速乾性★★★★☆
汎用性★★★★★
機能性★★★★★
耐久性★★★★☆
重量★★★☆☆
★★★★★

詳細レビュー

風の通りやすいゆったりめシルエット。肌に直で着ても、Tシャツの上からでも羽織りやすい

速乾シャツだろうが、UVカットウェアだろうが、はたまた防虫シャツだろうが、何はともあれ行動着として重要なのは着心地です。どんなに機能が備わっていたとしても、長く着たいと思えるためには結局のところ着ていて気持ちいと思えるかどうか。それがなければ意味がありません。その点サン・シャツは何も心配いりませんでした。

176cm、64kg、Sサイズを着用。

襟先の裏側にボタンがついているボタンアップタイプのシャツで、両胸のボタンとしっかりとした襟周りが一見サファリシャツ風。袖を通した時のフィット感は、身長176cmで64kg、やや細身の自分がSサイズでも窮屈な感じはまったくなく、ややゆったりとした大きめ(かといって緩すぎもしない)サイズ感です。Tシャツや肌着の上から羽織ってもよし、肌に直で着たとしてもダボつかず風がここちよく抜けてくれます。

さらに快適性だけでなく、ハイキング中にザックのヒップベルトを締めたときにシャツがずり上がりにくい長めの裾など、アクティビティでの使い勝手も考えられています。

速乾サラサラな肌触り、背中にはベンチレーションと、爽やかさ満点

柔らかく滑らかで伸縮性のある生地は肌触りがサラっと爽やか。100%ポリエステル織物で作られているにもかかわらず、そこまで合成繊維の風合い(ガサガサ感)は感じさせず、アクティブな時もリラックスした時も、どんなシーンにも着ていたくなるような着心地の良さです。

さらに水を吸いにくく湿気もほとんど吸収しないポリエステル生地は汗をかいても、水で濡れてもサラサラ感をキープ。長時間汗をかきながらハイキングした後も、水遊びの後も、水分が効果的に生地全体に拡散されていき、気がついたらあっという間に乾いていたのには驚きでした。

生地はそこまで極薄という分けではないのですが、吸汗性の高い生地に吸い上げられた汗がそのまま生地に溜まるのではなく、効果的に周囲へと広がっていくので、水分が効果的に蒸散していきます。

登り直後の背中の汗のもよう。汗の境目の輪郭がぼやけているのは、生地の吸汗性・拡散性が高い証拠。

さらにこの速乾性をブーストしているのが背中のベンチレーション。ぶっちゃけサン・シャツはUV耐性が高いこともあって、生地は割と緊密に織られており、それほど通気性抜群という分けではありません。ただそれを補うかのように、シャツ前面からの空気を後ろに逃がすためのベンチレーション(換気孔)が背中のヨーク部分に備わっており、熱気や湿気を素早く排出できるようになっています。風通しの良いカッティングと相まってこのシャツで歩いていて、蒸れ感を感じたことは正直ありません。

ただしこのベンチレーションが最大限に機能するのは背中を遮らないことが必要で、その意味ではバックパックを背負ってしまった場合このベンチレーションの大部分が機能しなくなってしまうのがもったいない。

UPF40+のUVプロテクションと高く立てられる二重襟で紫外線を効率的にガード

UPF(紫外線保護指数)とは、衣類の紫外線カット性能を表す評価指標のひとつ。0から50+までの範囲で表示され、サン・シャツはこれが40+。これは簡単に言うと何も身につけていないときに比べて同程度の日焼けまでの時間が40倍になるということですから、日焼け防止効果は十分といえます。ちなみにポリエステルという生地自体も日焼けに強いといわれています。

そして半袖ながらやや長めの袖丈、さらに襟を立てられる二重襟デザインによって、デザイン面でも細部まで日焼け防止が意識されています。

やっぱり夏は半袖が着たい。そんな時にはアームカバーとの組み合わせがハマる

そこまで日焼け防止を言うのなら「袖は長袖の方がいいでしょう」っていう人も当然いると思います。もちろん日焼け防止をはじめよりプロテクションの高い長袖の方が好ましいことは自分も認めます。長袖タイプのサン・シャツがあればそれもいい。ただそうはいってもうんざりするような暑さでは、できることならやっぱり半袖が着たいもの。

日焼けと涼しさを両立する何かいい方法はないかとぼんやり考えていたところ、先日のオフラインイベントの参加者がしていたアームカバー(その時は保温用でしたが)をみて「これは」と思い、試してみたところこれがなかなかいい。半袖のサン・シャツに、UVカット機能と冷却機能のついたアームカバーのを組み合わせた「モジュール作戦」を合わせてみたところ、登り始めから最後まで細かく調節しながら快適に過ごすことができました。

このモジュール作戦の何が良いって、半袖部分から風が通るので長袖よりも風通しがいい。それでいてしっかり日焼けもガードしてくれる(もちろんアームカバーも日焼け防止効果付きを合わせる)。顔周りはキャップで、首は襟を立てて保護すれば、夏の涼しさを損なわずに日焼けも防げるという一石二鳥の効果を果たしてくれます。日差しが気にならなかったりするときには気軽に着脱もできます。

多彩なポケットにレンズクリーナーと実用性も抜群

毎度書いてますが、仕立ての良さとアクティビティに合わせたディテールの周到さはすべてのパタゴニア製品に言えることですが、今回もそこは健在。両胸に配置されたポケットは前面が通常のボタンポケット、そしてその後ろに容量の大きな、縦型で耐腐食性のジッパーポケットとなっています。特にフライボックスを収納することを想定しているらしいジッパーポケットは、大きいサイズのスマホが入るほど十分な大きさで、フライフィッシングをしない自分でも存分に役立ってくれました。

右胸ポケットのフラップの下には、隠しツール ドックがあります。クリップ付きのペンからサングラス、釣りで使う小物ギアなどを留めておくことができます。

また裾の右前側の裏には、レンズクリーナーが縫い付られており、メガネ拭き要らずでサングラスはいつもピカピカです。

まとめ:日常からハイク、ラン、バイク、フィッシング、パドリング…どんなアクティビティもこなせる、夏の究極の万能シャツ

軽くて快適な着心地、一日中涼しくドライな状態を保ち、必要不可欠なUVプロテクションと実用的な機能性にあふれたショートスリーブ・セルフガイデッド・サン・シャツは、今回ハイク、ラン、キャンプ、パックラフト、釣りと、いろいろなアクティビティで試してみましたが、合わないアクティビティはないというくらいほとんどすべてに素晴らしくフィットしてくれました。

今回は半袖タイプしか試していませんでしたが、正直今回のテストで春・秋に向けた長袖タイプの購入を本気で検討しています。ドアを開けてからフィールド、そして下山後の温泉までずっと違和感なく着続けられる究極の万能シャツが、これからのサマーシーズン、大活躍してくるに違いありません。