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パタゴニア キャプリーンの新作「キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツ」日常から雪山、トレイルランニングもOKな超万能ベースレイヤー【実践レビュー】

今シーズンのパタゴニアは、ベースレイヤー・キャプリーンシリーズに「メンズ・キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツ」を追加しました。

現在、キャプリーン・クールシリーズは全5種がラインナップされています。中でももっとも優れた速乾性を持つとされるこの新作が気になり、さっそくフィールドで試してみることにしました。

汗によるベタつきや濡れはストレスの元。さらに大量の汗をかくサマーシーズンは「ニオイ」も気になるところです。キャプリーン最高峰の速乾性を誇るメンズ・キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツが、登山やランニングにおいてどのようなパフォーマンスを発揮してくれるのか。残雪期から新緑、そして初夏の山でその実力を検証してきました。

パタゴニア「メンズ・キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツ」の主な特徴

パタゴニア「メンズ・キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツ」は、通気性と吸湿発散性に優れた、パタゴニア製品の中で最も軽量かつ速乾性に惹かれるテクニカルTシャツです。

2.2オンス・リサイクル・ポリエステル100%のテクスチャード・ニット生地を採用し、吸湿発散性と柔軟性を高めるミドリ・バイオソフトに加え、ハイキュ・ミント防臭加工を施しています。さらに、ハニカム構造の採用により、発汗時でも肌に張り付かず、快適な着心地をキープします。

セットイン型の袖、すっきりとしたフラットシーム仕上げ、そしてまち付きの袖ぐりにより、摩擦を抑えて幅広い動きに対応する構造に仕上げられたテクニカル・ベースレイヤーです。

お気に入りポイント

  • 汗をかいてもベタつかないサラッとした着心地
  • あっという間に乾く抜群の速乾性
  • 着ている感覚すら忘れるほどの軽さ
  • 速乾性の高さによる臭いにくさ

気になるポイント

  • 急速な速乾による汗冷えしやすさ

主なスペックと評価

項目 パタゴニア メンズ・キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツ
重量 76g(Lサイズ実測)
カラー Black 、Aqua Stone 、Blue Sage 、Bobcat Brown 
サイズ XS / S / M / L / XL
生地 2.2オンス・リサイクル・ポリエステル100%のテクスチャード・ニット。吸湿発散性と柔軟性を高めるミドリ・バイオソフトを施し、ハイキュ・ミント防臭加工済み。フェアトレード・サーティファイドの工場で製造
バリエーション
  • タンク
  • シャツ
  • フーディ
機能
  • 超軽量なリサイクル素材100%のニットは瞬時に乾き、激しい運動中も快適な着心地を維持
  • ハニカム構造により通気性を促進し、熱と水分をすばやく発散
  • セットイン型の袖、すっきりとしたフラットシーム仕上げ、まち付きの袖ぐりを採用し、摩擦とは無縁の快適さで幅広い動きに対応
  • 吊り下げて乾かすのに便利なループ付き
参考価格(税込)
  • 8,030円
Outdoor Gearzine評価
快適性 ★★★★★
保温性 ★★☆☆☆
動きやすさ ★★★★★
通気・速乾性 ★★★★★
機能性 ★★★★☆
重量 ★★★★★
耐久性 ★★★☆☆
UVプロテクション ★★☆☆☆
適したシーン
  • よりアクティブで常に汗をかくようなトレイルランニング
  • 気温が高い季節のトレッキング・ハイキング
  • 濡れることが前提とされるウォーターアクティビティ
  • 夏の日常着

フィールドで実際に使用した詳細レビュー

ハニカム構造によりベタつかないサラッとした着心地と程よいフィット感、日常着にも使えるシルエット

身長185cmで普通体型の自分はLサイズを選択

キャプリーン・ウルトラは程よくゆとりのあるレギュラー・フィット。タイトすぎないため、普段の日常着としても活躍してくれます。無地ベースの左裾に小さな織りラベルがついているだけなので、非常にシンプルで着るシーンを選びません。

非常に薄く、しなやかでサラサラとした質感は、素肌に直接着ても不快感はゼロでした。フラットシーム仕上げによって縫い目が肌に擦れてしまうこともなく、伸縮性も抜群で、激しい動きにもストレスなく追従してくれるため、低強度の登山やハイキングから高強度のランニングまで幅広く対応してくれました。

この快適な着心地を支えるキャプリーン・ウルトラは、生地にハニカム構造を採用することで、肌に触れる面積を最小限に抑えていることにより、行動中に大汗をかくようなシチュエーションでもベタつきを徹底的に軽減。ウェアが肌に張り付く不快感を抑え、長時間の行動でも快適性をキープしてくれました。

気温が高いなかでの長時間行動など、汗がウェアの保水限界を超えて飽和状態になるようなシチュエーションではさすがに生地は肌に張り付きますが、ハニカム構造が完全に肌に密着してしまうのを防いでくれます。フラットな素材のウェアのように、肌全体を覆うように張り付くあの独特の不快感がありません。さらに、生地自体の優れたしなやかさと伸縮性によって、大量の汗をかいた状態でもベタつきによるストレスを最小限に抑えてくれました。

飽和状態になると張り付きはするが不快感は少ない

着ている感覚すら忘れるほどの軽さとびしょびしょに濡れていてもあっという間に乾く速乾性

ハニカム構造により、汗をかいていても張り付かず快適な着心地であることをお伝えしましたが、キャプリーン・ウルトラのもっとも優れた特徴はやはり「速乾性」の高さです。ウェアの保水限界を超え、絞れるほどにびしょびしょに濡れてしまうようなシーンでも、あっという間にサラサラな状態に戻りました。

この速乾性の高さにもハニカム構造が大きく関係しています。肌に触れている箇所から汗を吸い上げつつ、肌に触れていない凹凸の隙間から熱と水分を発散することで、驚異的なスピードの乾きを実現してくれました。

この速乾性の高さは、高強度の運動時だけでなくウォーターアクティビティにおいても大いに活躍してくれます。渓流釣りを楽しむ自分は、濡れることを前提としたウェットウェーディングスタイルで釣り上がりますが、その際に上半身まで水をかぶってしまうこともしばしば。そんな状況でもベタつかず、あっという間にサラッとした状態に戻ってくれるキャプリーン・ウルトラは、本当に重宝してくれました。

釣りなどウォーターアクティビティで活躍してくれる

また、キャプリーン・ウルトラは驚くほどの軽量性も兼ね備えています。今回レビューで使用したTシャツタイプのLサイズはわずか76g(実測値)。公式ホームページによると「キャプリーン・クール・デイリー・シャツ」が128gあるため、それよりも52gも軽量ということになります。

着ていることを忘れるほどの軽さと、ハニカム構造による圧倒的な速乾性。この2つの強みを持つキャプリーン・ウルトラは、あらゆるアウトドアアクティビティにおいて、まさにシーンを選ばず着用できる一着でした。

高い速乾性による汗冷えに注意

一方で、これだけ急速にウェアが乾くとなると、気化熱による「汗冷え」には注意しなくてはなりません。

風が通り抜ける稜線などに出ると、キャプリーン・ウルトラの超速乾パフォーマンスはさらに加速します。驚くほどのスピードで衣服内がドライになる反面、急激に体温を奪われてしまうリスクもあるため、ウィンドシェルなどを上手に組み合わせたレイヤリングによる防風・温度調節は必須です。

ちなみに自分は同ブランドの「エアシェッド・プロ・プルオーバー」との組み合わせが気に入っており、この組み合わせでスタートから下山まで歩き切ることが多いです。

薄手のシェル素材との相性が良かった

保温性はないけど冬の山でも使える手応え

キャプリーン・ウルトラに保温性はほとんどありませんが、雪山でのバックカントリー(BC)や登山でも非常に使いやすいベースレイヤーでした。低温下のアウトドアでは「保温性」が重要視されますが、汗をかきやすい自分が冬のレイヤリングを組み立てる際、保温性はミッドレイヤー(中間着)に任せ、ベースレイヤーには何よりも「吸汗速乾性」を重視しています。スノーシューを履いてのハイクアップや、アイゼン歩行は運動負荷が非常に大きく、行動が長くなるとまさに滝汗状態になります。キャプリーン・ウルトラは濡れてもすぐに乾いてくれるため、こうした雪山のハードな局面でもポテンシャルを発揮してくれました。

極寒の厳冬期というよりは、気温は低くても陽が差すとポカポカと暖かさを感じられるような「残雪期」のシチュエーションにおいて、キャプリーン・ウルトラは最高のベースレイヤーでした。

速乾性が高い=ニオイにくい

汗の量が増える初夏から夏にかけて、どうしても気になるのが「ニオイ」です。特に長期縦走など、フィールドにいる時間が長くなるほどニオイは気になりやすく、不快感やストレスの元になります。快適に山行やランニングを楽しむためにも、ニオイ対策は重要なポイントです。

一般的に、ポリエステルなどの化繊ウェアは臭いやすく、メリノウールなどの天然素材は防臭性が高く、防臭性を最優先するならウール製を選ぶのがセオリーです。しかし、ウール素材は高い防臭性がある反面、速乾性は化繊に劣る弱点も持ち合わせているため、トレイルランニングなど高負荷のアクティビティにおいては防臭性を犠牲にしてでも化繊のウェアを選ばざるを得ませんでした。しかし、今回のテストで意外な発見だったのが、化繊ウェアであるキャプリーン・ウルトラが、長時間の着用でも優れた「ニオイにくさ」を発揮してくれたことでした。

化繊素材は吸汗速乾性に優れる反面、バクテリアが繁殖しやすく、ニオイの原因になりやすいという弱点があります。キャプリーン・ウルトラには植物由来の「ハイキュ・ミント防臭加工」が施されているため、もとも防臭性が備わっている仕様になっています。ただ、実際に着用して感じたのは、その圧倒的な速乾性の高さゆえにニオイの原因(水分や分泌物)が衣服内に留まりにくく、結果としてバクテリアの増殖を抑えているのではないか、という点です。

高負荷運動のトレイルランニングにおいて臭いにくい化繊は重宝する

自宅を出発してから帰宅するまで丸3日間ほど着続けたこともありましたが、不快な臭いを発することはありませんでした。これはあくまで主観的な感覚であり個人差もありますが、キャプリーン・ウルトラのニオイにくさは、個人的にかなりのお気に入りポイントです。

まとめ:どこにでも着ていける使いやすさで持っていて損はない一着

パタゴニアの「メンズ・キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツ」は、高機能でありながらシンプルで程よいシルエット・フィット感で場所を選ばずに着ることができます。

おすすめのシーン&スタイル

  • 長時間の行動により汗をかきやすい登山やハイキング
  • 市街地とトレイルを行き来するロングトレイルやセクションハイキング
  • 大量の汗をかくトレイルランニングなどの高負荷運動
  • 濡れることが前提とされるカヌーやパックラフト、SUP、釣りなどウォーターアクティビティ
  • 蒸れや暑さが気になる季節での日常着

    自然のフィールドで快適な行動をするためには暑さ対策をし、涼しく行動することに加え、発汗時にどれだけ不快感を感じにくくするかも重要になってきます。年々厳しくなる暑さに対し、かいた汗にストレスを受けないためにメンズ・キャプリーン・クール・ウルトラ・シャツはぜひおすすめの一着です。

    執筆:Yosuke.C(ヨウスケ)

    不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

    春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

    20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

    山道具図書館(Mountain GearLibrary)