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ツェルトなのに立てやすくて広い!快適なテント生活を妥協したくない軽量派のためのエバニュー新作スリーシーズン自立式ツェルト「Ledge highat / carbon」を実践レビュー

チタン製クッカーや調理器具を中心に汎用性の高いアイテムからニッチで尖ったアイテムまで豊富に扱うエバニュー。100年以上の歴史を持つ日本の老舗アウトドアブランドが2026年に作り出したLedge highat / carbonは一見テントのようにも見えますが位置付けとしては「ツェルト」。クロスフレーム構造で丸みのあるシルエットですが尖ったコンセプトのもと設計されたLedge highat / carbonをフィールドで試してきました。

軽量化を優先させたい人にとってまた一つ、選択肢が増えたと言っていい魅力的なアイテムだったためレビューします。

EVERNEW 「Ledge highat / carbon」の主な特徴

エバニューのLedge highat / carbonは、軽量化と居住性を両立した、クロスフレーム構造によるスリーシーズン対応の自立式ツェルトです。

極小スペースでも設営できるよう短辺側に入口を配置。長さ220cm、幅125cm、高さ105cmの室内空間は最大2人が横になれる広さがあり、シングルウォール構造の本体メイン素材には耐水圧1,500mmの10Dリップストップナイロン、フロアには15Dナイロンを採用し、総重量は930gで、すべてにシームシール加工が施されています。ポールは軽量なカーボン製を採用し、風速20m/sの耐風試験をクリアするほどの高い強度を誇ります。

吊り下げ式とスリーブ式のハイブリッド構造により直感的な設営が可能であり、前後左右に高低差をつけて配置された4箇所のベンチレーションが結露を最小限に抑えます。ハイカーやトレッカー、クライマーなど、軽量装備での宿泊を想定した経験者向けのテクニカルなツェルトです。

お気に入りポイント

  • 2人が寝れるサイズながら1000gを切る軽さ
  • シングルウォールだから設営が早い
  • 長辺側に設けられたウィングで横からの風にも強い
  • 4箇所設けられたベンチレーションで高い通気性
  • 長身に嬉しい長辺220cmのサイズと高さ105cmあることによる空間の広さ
  • テント内から外の様子が確認できる入り口のベンチレーション

気になったポイント

  • カーボンポールは固い地面や局所的な衝撃に対して注意が必要
  • 欲を言えばきりがないが、快適性を考えると前室的なスペースが欲しくなる
  • 2人分としてはかなり攻めた重量だが、ソロで使用と考えるとここまで広くなくても十分で、その分軽い1.5人サイズがあってもよかった !?

主なスペックと評価

アイテム名 EVERNEW Ledge highat / carbon
就寝人数 1~2名
質量 930g ( 本体 + ポール + 張り綱:835g )
素材
  • フロア:15Dリップストップナイロン(耐水圧1,500mm)
  • メイン:10Dリップストップナイロン
ポール素材 カーボン
室内サイズ 長さ2200mm × 幅1250mm × 高さ1050mm
出入り口の数 短辺に1
収納サイズ (実寸)
フロア面積 2,75 ㎡
Outdoor Gearzine評価
居住快適性 ★★★★☆
設営・撤収の容易さ ★★★★★
耐候性 ★★★★☆
耐久性 ★★★★☆
重量 ★★★★☆
携帯性 ★★★★☆
汎用性 ★★★★★
適したアクティビティ 軽量化を重視した登山・ハイキング

詳細レビュー

クロスフレーム構造で広い居住空間、2人が寝れるサイズながら1000gを切る軽さ

「テント」と「ツェルト」はどちらもフィールドで寝るための「家」であり、テントが英語なのに対し、ツェルトはドイツ語でテントを意味する言葉です。ちなみに日本語で言うと天幕(てんまく)になります。しかし、日本で「ツェルト」と言うとテントとは意味合いが変わり、簡易シェルターや緊急用のビバーク用品として用いられることが多く、一般的な山行では「テント」に分類されているものを使用するのが主流です。

Ledge highat / carbon は自立式ツェルトとして位置付けられています。日本でツェルトと呼ばれる製品の多くは、居住空間よりもコンパクトさや携帯性が優先されたモデルが多いですが、その中で、Ledge highat / carbonはツェルトでありながらも「軽量化と居住性の両立」というコンセプトの元に設計された、非常にユニークなシェルターです。構造はシングルウォールのクロスフレーム。設営すると、大人2人が快適に過ごせるほどのスペース(長辺220cm × 幅125cm × 高さ105cm)が確保できます。これだけの広さながら、総重量は1kgを切るわずか939g(本体、ポール、張り綱、収納袋の実測値)。この軽さと広さを両立したモデルは、現在の市場にもそう多くはありません。

2人が横になるのに十分なスペース

実際にフィールドではソロ用として使ってもましたが、1人が眠るスペースの左右にそれぞれ約35cmもの余裕ができるため、ゆったりとしたテント生活を過ごせました。また、長辺が220cmあることで足元に空間が生まれ、長身のハイカーでもシュラフがシェルの外壁に触れにくくなります。これにより、シングルウォール特有の結露でシュラフが濡れてしまうリスクを回避できるのも大きなメリットです(結露について詳しくは後述します)。

ソロで使うと広すぎると感じるほどスペースに余裕がある

天井高が105cmあることで実質的な空間が広くなるだけでなく、エアマットを使用する際も圧迫感がなく快適に過ごすことができました。クローズドセルマットを愛用する人なら天井高が低くてもさほど気になりませんが、厚みのあるエアマットを使う場合、その上に腰掛けた際に天井に頭がついてしまったり、圧迫感を感じたりすることがあります。天井が高いLedge highat / carbonはそうしたストレスとは無縁で、非常に快適でした。

シングルウォール構造で無駄を削ぎ落とした設計のため、前室はありませんが、テント内の空間自体が広いため前室のないことのデメリットはそれほど気になりませんでした。(シューズは就寝時にテント内にいれました)短辺入り口があることで、稜線上の狭いスペースであっても難なく設営できるという大きなメリットもあります。

2人が余裕を持って眠れるテントとしては非常に軽量

居住性を高めるテント内の機能

テント内には小物を収納しておくことができるポケットが2つと、天井から吊り下げできるループが全部で5箇所ついています。天井部の4角にあるループにあらかじめコードを通しておけばウェアや手ぬぐいなどをテント内に干すことができます。

出入り口には縦方向と横方向にそれぞれ独立して動くジッパーが設けられており、閉じた状態にすると必ず同じ場所にジッパーのスライダーが来る構造になっています。すごく細かく地味ですが、スライダーがいつも同じ場所にあることでいちいちスライダーを探す必要もなくスムーズに出入りできるので気に入っています。

ジッパーのスライダーは必ず同じ位置の戻る構造

自立式シングルウォールだから設営・撤収が容易

シングルウォール構造のシェルターは、インナーとフライシートを備えたダブルウォールテントと比較すると、幕一枚で外界と隔てられているため、結露をはじめとする居住快適性の面ではどうしても劣ってしまいます。しかし、設営・撤収の圧倒的なイージーさはメリットです。

Ledge highat / carbonは、自立式のクロスフレーム構造を採用しているため、ペグダウンせずともしっかりと形になり、シビアな微調整も必要としません。慣れてしまえば、5分もかからずスピーディーに設営を完了することができました。

吊り下げ式とスリーブ式のハイブリッド構造になっており、入り口側からポールを滑り込ませるように差し込んでいきます。ポールには軽さを優先したカーボン素材が採用されていますが、この軽さと引き換えに、耐衝撃性の面では少しデリケートな扱いを要求されます。もし地面に落とした際に、尖った岩などに当たって一点に強い衝撃を受けてしまうと、破損やクラックの原因になりかねません。そのため、あらかじめ長く伸ばしたポールを押し込むのではなく、スリーブに滑らせながら順繰りに組み立てていくのが確実です。奥まで差し込んだら、手前のポールジョイントに接続するだけで設営は完了します。

軽量化を重視したカーボンポール

非自立式のシェルターと比べると非常に扱いやすいため、初めてツェルトを使ってみたいと考えている人のスッテプアップとしてもおすすめだと感じました。

4箇所設けられたベンチレーションで高い通気性

Ledge highat / carbonには、短辺側の上部に2箇所、長辺側の下部に2箇所、計4箇所のベンチレーションが配置されています。この高低差を利用して効率的に空気を循環させることで、室内の通気性を高めるとともに、シングルウォールの宿命である結露の発生を最小限に抑えてくれます。

天井とドア部のベンチレーション

特に長辺側に設けられたベンチレーションは非常にユニークです。一般的なロールアップ式ではなく、コードを引き上げることで持ち上がる構造になっています。さらに、ベンチレーション部の外側にはしっかりとした屋根(雨庇)が張り出しているため、雨天時であっても雨をシャットアウトし、換気機能を維持できる実用的な仕組みです。

長辺側のベンチレーション。開閉はユニークな構造になっている

出入り口に設けられたベンチレーションはテント内から外の様子を確認できるようになっていて、状況を確認することができる仕様です。テント内から外の状況を確認できるのは思っていたよりも便利でした。

テント内から外の様子を確認できる出入り口のベンチレーション

シングルウォール構造であるゆえ結露はする。結露を防ぐのではなくどう対策をするかが快適に過ごすポイント

結露は温度差によって発生するため、外気と隔てる幕が1枚しかないシングルウォールテントは結露しやすく、4箇所のベンチレーションが設けられているLedge highat / carbonも例外はなく結露は発生します。あらかじめ結露は発生するという理解がないと、こんなはずじゃなかったと後悔するでしょう。もし結露の影響を極力受けたくないのであれば、ダブルウォールテントをチョイスするのが無難です。

朝起きたらテント内はしっかりと結露していた

シングルウォールテントやシェルターはモデルによって透湿性のある生地を使用しているタイプもありますが、いくらテクノロジーを駆使した生地であってもテント内と外気の温度差が発生すると程度の差こそあるとしても必ず結露してしまうため、結露の発生を抑えるよりは、「結露とどう付き合っていくか」が重要です。結露はシュラフや衣服など、ドライな状態を保ちたいものを濡らしてしまうリスクがあるため、シュラフカバーなど濡らさないための工夫や、ドライバックを用いるなど対策が必要になります。Ledge highat / carbonの場合は先述したとおりテント内の空間が広いため、シュラフやウェアが結露した幕に干渉しにくく、カバーなしでもシュラフを濡らさずに過ごすことができました。

天気の崩れがなければ非常に快適に過ごせますが、悪天候時はテントが風を受けることにより結露の雨が降ることは想定し、シュラフカバーは携帯しておくのがベターでしょう。あくまでもシングルウォールのシェルターであることは理解し、対策は打てるようにしておくことが必要だと感じました。

シングルウォールテントはダブルウォールテントに比べ乾きやすい

テント内の結露は手ぬぐいなどで拭き取ってしまえばあっという間に乾く

シングルウォールは結露しやすい反面、幕が1枚しかないため乾きやすいというメリットもあります。手ぬぐいなどでおおまかな結露を拭き取ってしまえば、すぐにテントは乾いてくれました。ダブルウォールテントの場合、結露はフライシートの内側に発生するため、これを拭き取るのはなかなか難しく、フライシートをひっくり返して拭くのは非常に手間のかかる作業です。完全に乾かすにはそれなりの時間がかかってしまうため、濡れた状態での撤収を余儀なくされ、テントの重量が増してしまうことはある程度仕方のないことですが、シングルウォール構造のLedge highat / carbonは撤収までに完全に乾かすことができました。

長辺側に設けられたウィングで横からの風にも強い

Ledge highat / carbonはテントの4角にペグダウンし、さらに4箇所張り綱が設けられているのに加え、長辺側のベンチレーションの屋根(雨庇)2箇所もペグダウンするためトータルで10箇所をペグダウンすることで風に煽られにくくなる構造です。

横風でもテントの揺れを最小限に抑えてくれサイドベンチレーションの張り綱

まるで羽のように広がる両サイドベンチレーションの屋根は長い長辺側に風を受けてもテント内の空間をしっかりと維持してくれ、テントの揺れを最小限に留めてくれるため悪天時も安心してテント内で過ごすことができます。さらにこの構造はサイドリフターの役割もしてくれ、テント内の空間を最大限に有効活用することができました。

ポールの耐風テストでは風速20mの耐風テストにクリアしていますが、メイン生地は10Dという薄さである以上、頑丈な4シーズン用のテントと比べれば耐風性が劣ることは明らかで、その特性を理解した上で、強風時は避難という判断を常に選択肢に入れることができる経験者向けであることにご留意ください、

もう少し尖らせてほしいという期待は否めない

軽量化と居住性を両立した自立式ツェルトとしての完成度は極めて高く、快適な睡眠環境を確保するという意味では、完璧に近い設計のLedge highat / carbonですが、普段からミニマムなソロテントを使い倒し、狭い空間に慣れきっている身としては、どうしても「一回り小さいモデル」への期待を抱いてしまいます。

快適性が損なわれないギリギリラインである「1.5人分」までサイズダウンし、その分さらに重量を削ぎ落とした、より尖ったモデルがラインナップに加わることを、密かに(しかし強烈に)期待しています。

まとめ:軽量なテントで耐候性も求められる厳しい環境でも快適に過ごすことを目的とするならぜひ持ち出したい一幕

居住性、結露しにくさ、耐候性など全てを高いレベルで求めるならダブルウォールテントに軍配が上がります。しかし、シングルウォールのデメリットや、生地の薄さに対しての特徴なども理解し、異なる天候に対処できる人にとってこのLedge highat / carbonは魅力的な一幕と言えるでしょう。軽量化を妥協せずに広い空間を手に入れ、風の強い稜線でも積極的に幕営し、しっかりと休息をとって翌日に備えたいハイカーにとっておすすめです。

執筆:Yosuke.C(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

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