山歩きはこれ一着でOK!おすすめの登山向けレインウェア10着

雨対策だけじゃない、レインウェアの重要な役割

山の天気は読みにくく、変わりやすいもの──。日本の登山では、たとえ天気予報では晴れであっても山の上空だけは雲に覆われ残念な雨に見舞われるなんてことは、その逆の事象も含めて良くあること。そんな厄介な雨の多い日本でアウトドアを安全に楽しむために欠かせない装備といわれているのがレインウェア(雨具)。コレは大事なことなので何度でも書きます。

登山においてレインウェアの役割は雨を防ぐことだけではありません。雨だけでなく雪や風、寒さといった、体熱を失う恐れのあるあらゆる環境変化から身を守るシェル(外壁)として重要な役割を担っています。さらにウェアの内側にこもる湿気(水蒸気)を外に排出し、衣服内を蒸れさせないということも現代の登山では不可欠な機能となってきました。

ますます多様化する”防水透湿ジャケット”

このように多くの役割を担うレインウェアですが、用途やスタイルに合わせて防水性・透湿性・耐久性・重量・動きやすさなどさまざまな特徴をもったモデルが、ここ数年で加速度的に多様化してきており、そのなかから自分にとって最適なレインウェアを選ぶのは簡単なことではありません。

特に最近ではとにかく軽量で透湿性の高い「超軽量レインウェア」の新作が目白押し。今や山雑誌やアウトドアショップでも「レインウェア」のカテゴリのなかに超軽量と従来のモデルが普通に並列で紹介されていたりしますが、これらは(性能は確実に向上しているものの)決して従来のような長時間の激しい降雨にも耐えられるように作られた防水シェルとはいえません。その意味で本格的に登山をするのであれば、より過酷な状況で何日も過ごさなければならないような状況でも安心できるよりしっかりとした生地の雨具がいずれにしても必要になってきます。

最適なレインウェア選びのポイントについてはこちらの記事で詳細にまとめていますが、今回はそのポイントも踏まえて、厳冬期を除く春~初冬にかけての日帰りから本格的な長期縦走まで、最もオールラウンドに活躍できる「これ1着あればまず安心」という10着を、例によって編集部の独断と偏見で選出してみました。なおこの記事は昨年(2015年)版からの更新ですので、昨シーズンから引き続きおすすめのモデルに新しい注目モデルを追加して新たに選定し直した10着になります。

2016年編集部おすすめ「登山にはこれ一着でOK」のレインウェア10着

選定にあたっての基準

  • カタログ、店員情報と実際の試着によって選出。
  • 春夏だけでなく3シーズン(初冬・残雪期の軽微な積雪も含む)以上通して活躍できるタイプ。
  • どちらかというと軽量性・透湿性・運動性よりも防水性・耐久性を重視。そうなるとやはりまだ2.5層よりも3層タイプの生地を使用したモデルの方にやや分があります。
  • ウェアの特徴をあらわす★はあくまでも参考までに。
  • レインウェアとしては上下セットで揃えるのが基本ですが、紹介している中には同じシリーズのパンツが存在していないものもありますので注意(その場合は別のブランド・モデルから好きなものを揃えればよいと思います)。
  • 価格は2016年4月27日時点での参考価格です。

Arc’teryx Zeta LT Jacket

快適性★★★ 防水性★★★ 透湿性★★★ 機能性★★☆ デザイン★★★ コスパ★☆☆

昨年大きな話題を呼んだゴアテックスの新素材 GORE C-KNIT は、従来のゴアテックスの良さを保ちながら、さらに快適性・透湿性・重量を向上させた画期的な裏地素材。その特徴をアークテリクスらしく極力ミニマルなスタイルで具現化したのが Zeta LT。

しなやかで動きやすい立体裁断。ヒップベルトの邪魔にならない位置に配置された利便性の高い大きなハンドポケット。太さ40D(デニール)と十分な厚みの生地は、耐久性も問題なし。それでいて余分な機能を極力そぎ落としてびっくりするほどの軽さを実現したこのジャケットは、3シーズンはもちろん、雪の季節でも利用可能なレインジャケットです。

ただしフードの大きさやアゴのガードの深さ、体温調節用のピットジップの非搭載などは厳冬期向けのハードシェルとしてはやや物足りない部分ではありますので、あくまでも位置付けとしては秋冬ハイキングのための高機能レインウェアといったところです。それでも1年中使える防水透湿ジャケットとしては高価な値段に見合うだけの満足を得られる素質は十分にあります。

THE NORTH FACE クライムライト ジャケット

快適性★★☆ 防水性★★★ 透湿性★★☆ 機能性★★☆ デザイン★★☆ コスパ★★☆

このモデルの裏地に使われている Gore Micro Grid Backer Technology 自体は約10年前に登場した技術ではありますが、まだまだ捨てたものではありません。耐久性だけでなく肌触りの滑らかさ、軽量性など多くの面で優れたこの素材は、3レイヤーの裏地では先ほどの C-KNIT が主流になりつつある現時点で十分信頼のおける生地のひとつです。ただ、2016年現在、公式では何らかの事情で GORE-TEX Pro にしか使用されなくなっているらしい(つまり冬用のハードシェルのみで採用される)ので、この素材でのレインウェアはこれが最後かもしれません。

mont-bell ストームクルーザー ジャケット

快適性★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 機能性★★☆ デザイン★☆☆ コスパ★★★

昨年、他ブランドに先駆けて GORE C-KNIT を採用し大幅リニューアルしたモンベルの定番レインジャケットは、今年になってもまだ多くの理由で購入候補の先頭を走り続けています。

まず何より特筆すべきは GORE C-KNIT の特徴を存分に活かしたトップクラスの軽さ。20Dという生地厚は他モデルと比較して耐久性の面では万全とはいえないものの、温暖な3シーズン用と考えれば十分及第点。ポケットの位置や浸水しにくいカフの伸縮性など細かい点もさすがきちんと作られており、おまけに色のバリエーションも豊富。若干気になるゆとりのある身頃の野暮ったさも、中に防寒着を着るための余裕だと割り切れば、このコストパフォーマンスで勝てるモデルは無いと断言できます。まぁ買って損はない1着。

MAMMUT GORE-TEX THUNDERSTORM RAIN JACKET

快適性★★★ 防水性★★★ 透湿性★★★ 機能性★★☆ デザイン★★☆ コスパ★☆☆

もう少し GORE C-KNIT 採用モデルが続きます。マムートの定番レインジャケットであった THUNDERSTORM ですが、昨年までは Gore Micro Grid Backer テクノロジーを採用し、なおかつ上下セットで4万円台だったことを考えると正直お買い得感は薄れてしまいました。ただ、この素材のチェンジは耐久性から快適性へという時代の流れを考えるとやむなしと捉えるしかないのでしょうか(正直好みは分かれると思いますが)。とはいえ、今期のモデルも40Dの表地で耐久性が落ちているというわけではなさそうですし、相変わらず立体裁断の効いた細身のシルエットは着心地抜群。十分信頼に足る品質です。

Marmot Integral Jacket

快適性★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 機能性★★☆ デザイン★★☆ コスパ★☆☆

アメリカではかなりメジャーな総合アウトドアメーカーであるマーモット も、GORE C-KNIT を積極的に採用するブランドのひとつ。ただここもマムート同様、昨年まで Rainstorm Drysuit という名の Gore Micro Grid Backer テクノロジー採用の上下セットが販売されていたのが、今期 GORE C-KNIT 採用のセパレートタイプに変更というパターンです。昨年のモデルに比べればおそらく耐久性、お買い得感は減っていますが、快適性、透湿性、軽さなどは抜群に向上しているということでは相変わらずおすすめ。

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