キャプテンスタッグ「CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」+コロナコラボレーション石油ストーブ「SL-51CSA」と「SZ-32CS」を真冬の北海道で試してみた!
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当たり前ですが、筆者の住む北海道の冬は激烈に寒い。テントでそのまま寝ていたら確実に凍死します。
できれば、テントの中でもストーブが使えるといいのですが、ほとんどのテントは、ストーブの使用は厳禁です。しかし、キャプテンスタッグの「CS クラシックス ワンポールテント DX オクタゴン 460UV」と「同400UV」は同社が有名暖房器具メーカーコロナとコラボレーションした石油ストーブの使用を可能としています。この実力をクリスマスの北海道で検証してみました。
目次
キャプテンスタッグの「CS クラシックス ワンポールテント DX オクタゴン 460UV」「同400UV」とコロナコラボレーション石油ストーブ「SL-51CSA」と「SZ-32CS」とは?
テントの中でストーブを使うのは、非常に危険な行為です
最初にお断りしておきますが、テントの中でストーブを使うのは、非常に危険な行為です。一酸化炭素中毒や火災の危険があるので、いくら寒くても安全が確保できない条件でテントの中においてストーブを使うと命の危険があります。
基本的に日本で普通に販売されているテントのマニュアルには、火気厳禁であることが明記されているはずです。当たり前ですが、テントの中でストーブを使っていいと書いてあるテントはほぼありません。しかし、キャプテンスタッグの「CS クラシックス ワンポールテント DX オクタゴン 460UV」「CS クラシックス ワンポールテント DX オクタゴン 400UV」(以下、400UV)は、同社が人気暖房器具メーカーのコロナとのコラボレーションモデルである「キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SL-51CSA(ダークグリーン)」(以下、SL-51CSA)や「キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SZ-32CS(ダークグリーン)」(以下、SZ-32CS)の使用が可能であると明記されています。
メーカー公認で使用できる数少ない石油ストーブとテントの組み合わせというわけです。今回は「CS クラシックス ワンポールテント DX オクタゴン 460UV」(以下、460UV)との組み合わせでその暖房効果を検証してみました。なお「460UV」については過去記事「【危険な暑さは回避できるか?】キャプテンスタッグの広々快適テント「CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」とスポットクーラーで夏キャンプをどれだけ快適に過ごせるか試してみた【QOCL向上委員会 #003】」で詳細に紹介しているので、本記事では石油ストーブ「SL-51CSA」「SZ-32CS」を中心に紹介します。なお、「SL-51CSA」の実勢価格は34,800円程度、「SZ-32CS」は35,800円程度です。
おすすめのポイント
- キャプテンスタッグ×コロナだけの限定カラー・ダークグリーンカラー(両モデル)
- ワンポールテント460UV及び400UVでの使用が可能(両モデル)
- 燃焼継続時間が約12時間と長時間の連続使用が可能(両モデル)
- 15畳程度のリビングクラスまでの暖房が可能な暖房出力5.14kW(SL-51CSA)
- 10畳程度寝室クラスまでの暖房が可能な暖房出力3.19kW(SZ-32CS)
- 燃料の入手が容易で準備も後片付けも容易な石油ストーブ(両モデル)
- 乾電池式点火スイッチで簡単に点火できる(SL-51CSA)
気になったポイント
- フロアシート外し、下部の通気口を開ける必要がある(両モデル)
- 点火装置がないので、点火用ライターが必要(SZ-32CS)
主なスペックと評価
項目 | キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SL-51CSA(ダークグリーン) | キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SZ-32CS(ダークグリーン) |
---|---|---|
外形寸法 | 高さ553mm、幅460mm、奥行460mm(置台を含む) | 高さ475mm、幅355mm、奥行355mm(置台を含む) |
質量 | 約9.9kg | 約6.3kg |
油タンク容量 | 約6.0L | 約3.8L |
型式 | SL-51CSA(基本型式SL-5123) | SZ-32CS(基本型式SZ-32) |
種類 | しん式・自然対流形 | しん式・自然対流形 |
点火方式 | 電池点火 単一形/2個使用 | 点火用ライター |
使用燃料 | 灯油(JIS1号灯油) | 灯油(JIS1号灯油) |
燃料消費量 | 5.14kW(0.500L/h) | 3.19kW(0.310L/h) |
暖房出力 | 5.14kW | 3.19kW |
燃焼継続時間 | 約12.0時間 | 約12.3時間 |
暖房のめやす | 木造 21.5㎡(13畳)まで、コンクリート 29.5㎡(18畳)まで | 木造 15.0㎡(9畳)まで、コンクリート 20.0㎡(12畳)まで |
しん/種類 | 普通筒しん、呼び寸法:内径105mm、厚さ3.5mm | 普通筒しん、呼び寸法:内径75mm、厚さ2.8mm |
安全装置 | 対震自動消火装置 | 対震自動消火装置 |
Outdoor Gearzine 評価 | ||
暖房出力 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
デザイン | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
燃焼時間 | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
使いやすさ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
コストパフォーマンス | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
詳細レビュー
氷点下の北海道でテントの中がどれだけ暖かくなるのか実際に試してみた!
「SL-51CSA」、「SZ-32CS」ともに有名暖房メーカーであるコロナとキャプテンスタッグのコラボレーションモデルであり、「SL-51CSA」はベースモデルが「SL-5123」、「SZ-32CS」は「SZ-32」がベースモデルとなっています。どちらもコロナの定評がある石油ストーブでどちらもガソリンスタンドや燃料店などで一般的に灯油として販売されているJIS1号灯油を燃料としているので、燃料の入手も容易でコストパフォーマンスも高いのがうれしいところです。なお、両モデルともに採用されたダークグリーンのカラーリングはキャンプなどのアウトドアシーンに非常にマッチしますが、キャプテンスタッグ×コロナのコラボレーションモデルのみの限定カラー。どちらのストーブも自然対流形で熱した空気を上昇させ対流を起こし、部屋全体を暖めるタイプになります。
2つのコラボレーション石油ストーブの大きな違いは大きさ・重さと暖房出力、そして点火方式です。「SL-51CSA」が高さ553mm、幅460mm、奥行460mm(置台を含む)で質量約9.9kg、暖房出力5.14kWに対して、「SZ-32CS」は高さ475mm、幅355mm、奥行355mm(置台を含む)で質量約6.3kg、暖房出力は3.19kW。点火方式については「SL-51CSA」は別売りの単1形乾電池2本を使う電池点火なのに対して「SZ-32CS」は市販の点火用ライターが必要で、こちらを別途用意する必要があります。点火については利便性では「SL-51CSA」、雰囲気があるという意味では「SZ-32CS」が優位といった感じでしょうか。個人的にはデザインも「SZ-32CS」のほうが好きです。
燃料タンクについては「SL-51CSA」が6.0L、「SZ-32CS」は3.8Lですが、燃焼継続時間については、どちらも約12時間となっています。両モデルともに1度の給油で半日ほど燃え続けるので、頻繁に灯油を入れる必要もありません。老舗暖房メーカーとのコラボレーションモデルなので、どちらも非常に安定した使いやすい石油ストーブとなっています。
今回のテストの前において、もっとも重要なポイントは「SL-51CSA」と「SZ-32CS」に同梱されている「キャプテンスタッグ製の限定テント(UA-47・UA-46)およびお使いいただけるテント内で使用する場合の取扱説明書(注意書)」をしっかりとチェックすること。「UA-47」=「CS クラシックス ワンポールテント DX オクタゴン 460UV」、「UA-46」=「CS クラシックス ワンポールテント DX オクタゴン 400UV」の中で「SL-51CSA」や「SZ-32CS」を使用する場合の取り扱い方と注意点が細かに記載されているので必ず熟読してください。大きなポイントとしては4つがあり、フロアシートを使用しないこと、インナーテントを設置しないこと、テント内の上下2カ所の通気口を開けること、テントから周囲および上部に100cm以上の距離をあけた水平な場所にストーブを設置すること、となっています。
「SL-51CSA」での検証・外気温マイナス1度のなか約30分でテントのなかは約15度に
注意点を守りながら「460UV」の中に「SL-51CSA」を配置して火をつけ、テントの内の温度を約15分おきに計測しました。このときのテントの外の気温は約マイナス1.2度です。昼間とはいえ、氷点下のなかでテストを行った結果は下記のとおりです。
■「460UV」×「SL-51CSA」のテント内温度変化
時間(分) | 気温(℃) |
---|---|
0 | 約9.5 |
15 | 約11.5 |
30 | 約15.0 |
45 | 約15.0 |
60 | 約15.0 |
75 | 約15.5 |
テントの外の気温は氷点下ですが、天気はよかったので太陽光の力もあり、テントの中は約9.5度と屋外よりはかなりマシです。ここに「SL-51CSA」を設置して火をつけたのですが、テント内の温度は順調に上がって、15分で11.5度、30分で約15.0度になりました。しかし、換気のために「460UV」の上下それぞれのある通気口(ベンチレーション)は全開なので、失われていく暖かさと新しく発生する暖かさがバランスしてしまうのか、45分後も60分後もテントの中の温度は約15.0度、75分後に約15.5度をマークしましたが、誤差の範囲でしょう。
しかし、テントの外の氷点下の世界に比べて、「SL-51CSA」で暖房された「460UV」の中は非常に快適。15度というとちょっと寒めの室内といった温度なので、アウトドア用の軽装といえる防寒着レベルで、気持ちよく過ごすことができます。実験のためにテント内にいたのですが、快適過ぎて、外に出たくないレベル。友人にも実験に付き合ってもらったのですが、「SL-51CSA」で暖房された「460UV」の中で座ってしまうと動くのが嫌になってしまいます。「SL-51CSA」はその上で煮炊きができる仕様なので、ここでお湯を沸かして暖かい飲み物や食事を作るとさらに幸せ度が上がりそうです。
「SZ-32CS」での検証・約2.5度から約8.5度までテントの中の温度を上げるが……
「SL-51CSA」の暖房出力5.14kWに対して、3.19kWと約60%の出力しかない「SZ-32CS」で460×460×高さ300cmの「460UV」の中を暖めるのはかなり大変だと思っていました。そして「SL-51CSA」のテストが終わった後に「SZ-32CS」のテストを行ったのですが、開始時刻はだいたい15時で、前のテストで暖まった空気を入れ換えたので開始時のテント内の気温は約2.5度。しかも16時4分予定の日没に向けて気温の下がる時間帯であったことも考慮してご覧いただきたいのですが、「SZ-32CS」でのテスト結果は以下になっています。
■「460UV」×「SL-51CSA」のテント内温度変化
時間(分) | 気温(℃) |
---|---|
0 | 約2.5 |
15 | 約6.5 |
30 | 約8.5 |
45 | 約6.0 |
60 | 約5.0 |
75 | 約5.0 |
「SZ-32CS」でも開始から30分程度は順調にテントの中の温度が上がったのですが、45分後からストーブはついているのに気温が下がりはじめました。テストを開始したときにはマイナス1度であった外気温が、実は日没の時間である16時4分前後にはマイナス3度とさらに下がり、下に掲載した写真のように、いい感じの夕暮れとなってしまい、太陽の日差しの助力も受けられなかったのが原因でしょう。
また「SZ-32CS」を使うのであれば、北海道のような極端な寒冷地ではなく、テントも「460UV」よりも小さな400×400×高さ250cmの「400UV」のほうが向いているように感じました。暖房出力を重視するなら「SL-51CSA」ということになるのでしょう。
ちなみに安全性が確保されている組み合わせとはいえ、テントの中で石油ストーブを使用するので、一酸化炭素検知器を配置していたのですが、2〜3時間で前頭の軽度の頭痛を感じるという最低レベルの0.02%の警告も出ないレベルでテント内の空気の安全は保たれていました。上下それぞれ2つの通気口を全開している効果はこんなところにも表れているといえます。
まとめ:安心して石油ストーブを使用できるテントとの組み合わせは非常にありがたい
ベンチレーション全開でも予想上に暖かくなることに感心
結論から言うなら、筆者にとって「460UV」と「SL-51CSA」や「SZ-32CS」の暖房テストの結果は予想以上でした。実際に使う前からテントの上下にそれぞれ2つずつあるベンチレーションを全開して使用しなくてはならないことを知っていたので、氷点下の北海道でどこまで暖かさをキープできるのか? 実は結構心配していたのです。
「460UV」と「SL-51CSA」のテストでは太陽光による支援もありましたが、外気温マイナス1度前後の状況でテント内の気温は15度前後まで上昇。室温で考えるなら氷点下と15度では防寒着はもちろん、使用する寝袋などのクラスもまったく違うものになるでしょう。ただし寝るときには消火しなくてはならないので火の番的なローテーションなどを考えなくてはならないかもしれません。また、今回は大きな「460UV」を使用しましたが、より小さい「400UV」との組み合わせなら、さらにテント内の気温は上昇するでしょう。
「SZ-32CS」と「460UV」の組み合わせでのテストは、氷点下3度の夕刻の北海道とかなり過酷でしたが、それでもテント内は5.0度くらいになりましたので、外気温度との差は8度。外気温が氷点下にならない寒さなら十分に効果を発揮してくれるでしょう。また「SZ-32CS」こそ、ひとまわり小さな「400UV」と組み合わせた方が、実用性が高いように感じました。
薪ストーブのように準備や後片付けの大変さがなく、カセットガスストーブのように燃焼時間が短くなく、ひと晩などと考えても頻繁に燃料を補給・交換する必要もない石油ストーブはとても便利です。しかも、それがメーカー公認でテント中で使えるとなると安心感もひとしお。そして、冬場はテントの中に火の気があるだけで、実際の温度差以上に暖かさを感じます。雪の中にテントを立てて、そのなかで暖房の暖かさを感じながら、友人や家族とゆったりと過ごす時間はなんともいえず豊かなものです。テントの中でストーブを使うのは心配だけど……という方はぜひキャプテンスタッグのテント「460UV」「400UV」や石油ストーブ「SL-51CSA」「SZ-32CS」との組み合わせでの購入を検討してみてはどうでしょうか。北海道に住む筆者の場合は、より暖かい「400UV」と「SL-51CSA」がベストのように感じました。
「キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SL-51CSA(ダークグリーン)」と「キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SZ-32CS(ダークグリーン)」の詳細と購入について
製品の詳細についてはキャプテンスタッグ公式サイトをご覧ください。
撮影協力
新千歳空港からすぐ!「フォーエバーキャンピングパラダイス」
齋藤千歳(サイトウ チトセ・Saito Titoce)
元月間カメラ誌編集者。北海道の絶景や野生動物の姿を追い求めているうちに、キャンピングカー・車中泊でのアウトドアライフにどっぷりハマっていました。現在2歳の息子、そして妻と全道を巡っているうちにカメラ・レンズはもちろん、アウトドア・キャンプ、子育て、PCガジェット、料理に、ダイエットまで経験したすべてを撮影し、執筆するフォトグラファーライター。OUTDOOR GEARZINEではキャンプ及びキャンピングカーでの生活クオリティを上げる「QOCL(Quality of camping life)向上委員会」を中心にさまざまな記事を執筆していく予定です。