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【危険な暑さは回避できるか?】キャプテンスタッグの広々快適テント「CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」とスポットクーラーで夏キャンプをどれだけ快適に過ごせるか試してみた【QOCL向上委員会 #003】

フォトグラファーライターの齋藤千歳です。暑いですよね。というか、毎日「命にかかわる危険な暑さ」レベルではありませんか。北海道に住む筆者すら、夜も暑くて熟睡できないレベルです。とはいえ、子どもたちは夏休み、家族でキャンプに行くことも多い季節といえます。

しかし、30度を超える炎天下の中、なんの対策もなしに、子どもたちをキャンプに連れて行けば、それこそ熱中症などの危険性も考えられます。そこで筆者が思いついたのがスポットクーラーでテントのなかを冷やしておき、暑さが厳しいときはスポットクーラーで冷やしたテントのなかに逃げ込むというもの。これは早速試してみるべし、ということで今回はこの「スポットクーラー(エアコン)を真夏のテントに導入してみたらどれくらい快適に過ごせるのか?」について実験してみたので、その様子をお伝えしたいと思います。

実験に使用したテントは、自分が(後述する)とある理由で前々から気になっていたキャプテンスタッグの「CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」をピックアップ。今回のレポートは実験とテントレビューとの2本柱でお送りします。

キャプテンスタッグ CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UVの主な特徴

収納状態の「CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」。約17kgあるので、コンパクトにバッグに収納できますが、かなり重いです。

キャプテンスタッグ CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」(以下、DXオクタゴン460UV)はキャプテンスタッグのテントのなかでもかなり大型で、サイズは約460×460×高さ300cmとなっています。一般的には息子と妻との3人家族である筆者にとってかなり大きすぎるテントともいえるのですが、それでもこのテントのことが気になっていたのには大きな理由がありました。それは「キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SL-51CS」といった石油ストーブが使用できること。

言うまでもなく筆者がメインフィールドとしている北海道の寒さはちょっと想像を超えるレベルです。春は4月くらいまで自宅でもストーブを使うことは珍しくないですし、秋は9月の後半くらいからストーブをつけることもしばしば。そのためキャンプにおいてもテントでストーブが使えることは大きなアドバンテージであることは間違いなく、筆者のような北海道在住者はもちろん、ウィンターキャンプが大好きな人にとっても非常に貴重なメリットであるといえます。他にもこのテントは約10.7畳の広々とした居住空間に優れた通気性、プライベート空間と共有エリアを分けるインナーテントなど、心地よいキャンプ生活を演出する特徴が数多く備えながら、手ごろな実勢価格も魅力です。

ちなみにこの限定石油ストーブが使用できるキャプテンスタッグのテントは「460UV」と「400UV」の2サイズあり、筆者はせっかくならば広くゆったりとキャンプの楽しもうとより大きなDXオクタゴン460UVを選択しました。人数や好みに合わせて、小さな「400UV」サイズを選択するのもアリでしょう。

大きさの割に設置は予想以上に簡単だった「DXオクタゴン460UV」。打ち込まなくてはならないペグの数が多いので、意外と時間が掛かりました。

おすすめのポイント

  • 室内で「キャプテンスタッグ×コロナ 石油ストーブ SL-51CS」が使える
  • 約460×460×高さ300cm、フロアサイズ約10.7畳と非常に広い
  • 大型テントですが実勢価格は4万円前後とリーズナブル
  • テントの組み立ては思った以上に簡単
  • 室内インナーテントが標準装備でプライバシーを確保できる

気になったポイント

  • 組み立ての際に打ち込むペグの数はかなり多いのが大変
  • テントのサイズが大きいので片付けの手間はそれなり

主なスペックと評価

項目キャプテンスタッグ CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV
製品サイズ約460×460×高さ300cm
収納サイズ約77×35×35cm
重さ約17kg
材質(幕体)
  • ウォール=ポリエステルリップストップ210T(PU2,000mm)
  • メッシュ=ポリエステルノーシームメッシュ
  • フロア=ポリエステルOXF210D(PU3,000mm)
材質(インナー)
  • ウォール=ポリエステル(通気性撥水加工)
  • メッシュ=ポリエステルノーシームメッシュ
  • フロア=ポリエステルOXF150D(PU2,000mm)
    材質(ポール)
    • スチール(粉体塗装)
    付属品
    • ガイドロープYタイプ8本・(短)4本
    • アルミペグ32本
    • ハンマー1本
    • ポール用収納袋1枚
    • ペグ用収納袋1枚
    • キャリーバッグ1枚
    広さ★★★★☆
    組み立てやすさ★★★☆☆
    暖房性能★★★★☆
    片付けやすさ★★★☆☆
    居住性★★★★☆
    コストパフォーマンス★★★★☆
    満足度★★★★☆

    詳細レビュー

    暑さ指数31℃を超えるなかテント+スポットクーラーをテスト

    この日の千歳市の最高気温は32度の予想でしたが、実測した気温は36度オーバー、WBGT値(暑さ指数)も31℃と危険なレベルです。

    全国の天気予報を見ていると30度台後半の予報が並ぶなか、筆者の住む北海道千歳市では、さすがに30度台前半程度までしか気温が上がらないので、ちょっと参考になりづらいかと思い、最高気温が32度の晴天の日をねらってDXオクタゴン460UVとスポットクーラーのテストを行いました。

    温度などの計測は普段筆者がキャンピングカーのなかなどで使っている温度計にプラスしてケンコー・トキナーの「黒球付熱中症計」で温度・湿度・WBGT値(暑さ指数)を測定しました。測定方式の違いなどから温度計と黒球付熱中症計の示す温度などに違いが出ることが多いので本文中などには黒球付熱中症計の数値を記載します。

    新千歳空港からほど近い「フォーエバーキャンピングパラダイス」でより厳しい条件になるようDXオクタゴン460UVを直射日光の当たる日なたに設置しました。フロア面積が約10.7畳とかなり大型のテントであるDXオクタゴン460UVはフロアシートなどをしっかりとペグで固定すると、思ったよりもはるかに簡単に設置できます。ただし、気になったのは大きさのせいもあるのですが、打ち込まなくてはいけないペグの数の多さ、はじめてということもあり、ふたりで組み立てに数十分掛かりました。

    ちなみに完成したテントの隣の直射日光の当たる屋外で気温などを測定した結果がWBGT値(暑さ指数)31℃、気温36.3度、湿度55%、日常生活における指針は危険でした。日なたといえども風通しのよい芝生のキャンプ場で、この温度レベルなので、日なたの設置して密閉したテントのなかがどのくらい暑くなるかは、ちょっと想像したくないレベルです。

    意図的に日なたに設置したテントのなかは予想以上に暑くなりました。テスト以外では夏のキャンプのテントは日陰に設置することを強くおすすめします。

    密閉した日なたのテントのなかはなんと45.1度まで気温が上昇

    日なたの設置して密閉した「DXオクタゴン460UV」の中心部分に「CSクラシックス ヘキサグリルテーブルセット」を設置して、その上に温度計などを並べました。

    DXオクタゴン460UVを設置し、その中心部分にCSクラシックス ヘキサグリルテーブルセットをセット、この上に温度計と黒球付熱中症計を設置しました。さらに簡単フィールドGIベッドを2台、CSクラシックス アルミ背付ベンチトレッカー ザ ライトチェアCSブラックラベル ロースタイルソロベンチなどを配置し、お泊まりスタイルを整えたわけです。そしてDXオクタゴン460UVの出入口を閉め、密閉したあと、しばらくしてから観察した温度計などの結果が黒球付熱中症計でWBGT値(暑さ指数)34.8℃、気温45.1度、湿度32%、レベル危険でした。テントの中にいるだけ、汗が噴き出してくるような状態で、とても子どもといっしょに中にいることのできるレベルではありません。直射日光の当たる昼間の密閉されたテントのなかは、まさに「命にかかわる危険な暑さ」です。

    「簡単フィールドGIベッド」や「CSクラシックス ヘキサグリルテーブルセット」などをセットしても「DXオクタゴン460UV」の中は余裕の広さです。

    タンスのゲンの「スポットエアコン QL03」と「JH01サーキュレーター」で1時間冷却

    タンスのゲンの「JH01サーキュレーター」(左)と「スポットエアコン QL03」(右)。排熱ダクトはテントの外に出してあります。

    45度を超えるほど暑くなったDXオクタゴン460UVの室内を冷却するためにタンスのゲンの「スポットエアコン QL03」と「JH01サーキュレーター」を配置しました。スポットエアコン QL03については先日の記事【送料無料・実勢価格3万円以下】キャンピングカーでも、自宅でも本気で涼しいタンスのゲンの「スポットエアコン QL03」は我が家の夏に大活躍【Quality Of Camping Life 向上委員会 #002】でも紹介した持ち運び可能なスポットクーラー。キャンピングカーを冷やすには適度なサイズといえますが、フロアサイズ10.7畳のDXオクタゴン460UVを冷やすには少しパワー不足なのが気に掛かります。本来であれば、同じタンスのゲンのスポットクーラーでもより出力の高いモデルを選択したいところですが、今回はスポットエアコン QL03で実験を行いました。またスポットクーラーからの冷気をDXオクタゴン460UVの内部で拡散するために、横だけではなく、縦にも首振りが行える3D首振り対応のJH01サーキュレーターも設置しました。

    スポットエアコン QL03の冷風・強で約1時間冷却した際の約15分おきの結果が下記になっています。

    ■「スポットエアコン QL03」+「JH01サーキュレーター」の冷却結果

    時間(分)WBGT値(暑さ指数℃)気温(℃)湿度(%)レベル
    034.845.132危険
    1532.240.439危険
    3030.637.643厳重警戒
    4531.639.639危険
    6032.140.636危険

    だいたい昼の1時半くらいからという最も暑い1時間で冷却実験を行いましたが、スポットエアコン QL03JH01サーキュレーターを動かしたところから約30分前後で最高約7度程度気温が低下、WBGT値(暑さ指数)も最高の34.8℃から30.6℃くらいまで低下しました。ただ、最も日差しの強い時間帯ということもあり、最終的には熱中症の危険がなくなるほどにずっと下がり続けていったという結果にはなりませんでした。

    とはいえ、もしスポットエアコン QL03JH01サーキュレーターを使っていなければ気温45.1度からさらに暑くなっていった可能性は十分考えられるわけで、内部は人間のいられる温度ではなくなっていたでしょう。そう考えると「命にかかわる危険な暑さ」の中、密閉されたテントの中がいかに危険かがよくわかる結果とも言えます。

    「スポットエアコン QL03」の排熱ダクトをテントの外に出すことで熱気を外に逃がしています。これだけで使用できるのが「スポットエアコン QL03」のよいところです。

    もう少しハイパワーのスポットクーラー「Haier JA-SP25U スポットエアコン」でも試してみた

    「命のかかわる危険な暑さ」に対応して「フォーエバーキャンピングパラダイス」のレンタル機材に用意されていた「Haier JA-SP25U スポットエアコン」。

    今回の撮影に協力いただいた「フォーエバーキャンピングパラダイス」には、夏場の「命のかかわる危険な暑さ」に対応してレンタル機材として「Haier JA-SP25U スポットエアコン」が用意されていました。レンタル料金は1泊3,000円ということです。炎天下のテントの中は想像以上に暑くなるので、特に子ども連れなどの場合はWBGT値(暑さ指数)で危険や厳重警戒レベルではもちろん、その下の警戒レベルでも暑さを逃れるすべ、スポットクーラーなどを確保しておくと安心でしょう。

    Haier JA-SP25U スポットエアコンは60Hzで2.5kW、50Hzで2.2kWの冷房能力をもつので、「スポットエアコン QL03」の2.1kW(60Hz)、1.8kW(50Hz)よりもやや冷房能力が高く、よりよい結果が得られるのではないかと、こちらもお借りして実際に1時間ほど冷却実験を行ってみました。

    ■「Haier JA-SP25U スポットエアコン」+「JH01サーキュレーター」の冷却結果

    時間(分)WBGT値(暑さ指数℃)気温(℃)湿度(%)レベル
    033.442.336危険
    1532.342.430危険
    3032.440.533危険
    4530.839.833厳重警戒
    6030.740.231厳重警戒

    こちらは14時半くらいから15時半に掛けて計測した結果なので、13時半から14時半頃に計測したスポットエアコン QL03の時よりも日差しは多少和らいでいるかもしれません。とはいえ、この時期の北海道は日没が19時くらいなので、あまり変わりないともいえるでしょう。それでも開始時よりも気温で約2度、WBGT値(暑さ指数)で3℃程度の低下が見られ、ないとあるでは大きな違いがあると言えます。真夏のキャンプでは、危ないと思う前にスポットクーラーなど冷房システムが利用できる場合は積極的に利用するのがおすすめといえるでしょう。

    「Haier JA-SP25U スポットエアコン」の場合、本体から熱風が排出されるため冷風のみをテントのなかに送りこむスタイル。そのため冷気の密閉度は低く感じました。

    まとめ:夏場のテントは日陰に立てる、そして冷房などを積極的に利用する

    かなり広々とした「DXオクタゴン460UV」の内部。日陰ならばタンスのゲンの「スポットエアコン QL03」と「JH01サーキュレーター」で十分冷却できたように思います。

    今回のテストでは「北海道の涼しい環境での実験では参考にならない」という結果になることを気にし過ぎて、あえて真夏の直射日光が燦々と当たる日なたで実験しましたが、今シーズンは北海道とて異常な暑さに変わりはなく、結果的にはここまでやる必要はなかったかもしれません。

    おそらくテント設営の基本どおりテントを木陰や日陰に設置していれば、スポットエアコンとJH01サーキュレーターのコンビでも十分低い暑さ指数に抑えられ、テントの中で快適に過ごせる環境が維持できたと推測されます。というより、そもそも北海道であろうとも天気予報で気温が30度を超えるような予報の日は、キャンプ場の日なたやそこに設置したテントなどは基本的に「命のかかわる危険な暑さ」となります。このため大前提として、真夏のキャンプでは細心の注意を払ってテントの設置場所を選択してください。

    また、今回筆者はフロア面積が10.7畳もあるDXオクタゴン460UVをセレクトし、非常に広々とした快適な空間を味わうことができたのですが、スポットエアコン QL03は木造建築は50Hzで7畳、60Hzで9畳、鉄筋・プレハブは50Hzで8畳、60Hzで10畳に対応するスポットクーラーなのでテントで使うにはパワー不足といった部分もあったように感じました。DXオクタゴン460UVに合わせてスポットクーラーをよりハイパワーなものにするか、逆にテントをひとまわり小さなDXオクタゴン400UVにするといった選択もありでしょう。密閉度の低いテントではスポットクーラーの出力がより大きなものが必要になるようです。

    どちらにしても「命のかかわる危険な暑さ」レベルの夏のキャンプで真昼のテントのなかは、本気で生命の危険を感じる暑さになることが分かりました。テントの設置は風通しのよい木陰や日陰、そしてしっかりと温度管理をして、必要とあればスポットクーラーやサーキュレーターなどの冷房グッズを積極的に使って、気持ちよく過ごせるように準備することをおすすめします。

    また、キャンプ場の受付やフロントといった、いざというときに暑さから避難するスペースにクーラーなどが完備されているかをあらかじめ確認しておくことも重要です。キャンプなのだから……などと、こだわらず、必要以上に暑さを感じたら、すぐにスポットクーラーを使うなどの対処をおすすめします。

    キャプテンスタッグ「CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」の詳細と購入について

    製品の詳細についてはキャプテンスタッグ「CSクラシックス ワンポールテント DXオクタゴン460UV」をご覧ください。

    撮影協力

    撮影協力:フォーエバーキャンピングパラダイス

    齋藤千歳(サイトウ チトセ・Saito Titoce)

    元月間カメラ誌編集者。北海道の絶景や野生動物の姿を追い求めているうちに、キャンピングカー・車中泊でのアウトドアライフにどっぷりハマっていました。現在2歳の息子、そして妻と全道を巡っているうちにカメラ・レンズはもちろん、アウトドア・キャンプ、子育て、PCガジェット、料理に、ダイエットまで経験したすべてを撮影し、執筆するフォトグラファーライター。OUTDOOR GEARZINEではキャンプ及びキャンピングカーでの生活クオリティを上げる「QOCL(Quality of camping life)向上委員会」を中心にさまざまな記事を執筆していく予定です。

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