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秘境!ヨセミテのもう一つの顔。 絶景が広がる第二のヨセミテバレー「ランチェリア フォールズ トレイル」【歩かずに死ねるか!アメリカ国立公園への旅(42)】

皆さんヨセミテバレーにそっくりな双子と呼ばれる場所があるのをご存知ですか?

現在ヨセミテ国立公園の北西部に「ヘッチ・ヘッチー」と呼ばれるエリアがあり、かつてはそこはヨセミテバレーにも勝るくらい美しい谷が存在しました。

昔サンフランシスコの人口が急増し、水不足を懸念し、この場所に最終的にダムが作られました。

ダムになる前は実はヨセミテ周辺に美しい2つの渓谷が存在し、一つは観光と保護、経済発展のために、もう一つはダムへと活用されることになり、1925年にオショーネシーダムが造られ、ヘッチ・ヘッチー渓谷が半分ほど湖底に沈みました。

もちろん当時は自然保護団体との間で開発か保護かで大論争となったそうですが、第28代大統領ウィルソンがダム建設に署名し、ダムが建設されることになりました。このことがきっかけでアメリカの国立公園局が発足することになったと言われています。

自然保護という理由でダム開発に対しかなりの反対意見もあったそうですが、現在アメリカの経済の中心にもなっているシリコンバレーがあるサンフランシスコ周辺などの街の発展もこのヘッチ・ヘッチーの水と水力発電による電力があったからこそなんです。

そしてこの水は全米でも最も美しい水と言われています。

現在のヨセミテ渓谷と、このヘッチ・ヘッチー周辺は本当に双子のような景観をもちます。ヘッチ・ヘッチー渓谷が今も存在していたら、きっと現在のヨセミテ渓谷にも勝る大人気のスポットになったでしょうね。ヘッチ・ヘッチーはダムになり現在はヨセミテバレーと比べると知名度が低いので訪問する人はごくわずかです。だからこそ、人が少なくて穴場スポットなのです、そして本当に美しい秘境。

ヨセミテバレーもヘッチ・ヘッチー渓谷も氷河によって削られたV字谷と呼ばれる美しい渓谷。ヘッチ・ヘッチーは氷河化がヨセミテ渓谷より進んでいたため周りの岩岩が更に削られ、より丸みを帯びた景観になっています。

特に4月から6月の雪解けの時期は滝の迫力が素晴らしく、その時期に是非訪れて頂きたい場所です。

そのヘッチ・ヘッチーにある代表的なトレイルを今回はご紹介します。

Rancheria Falls Trail のトレイル情報

アクセス(車でトレイルヘッドまで)

Hetch Hetchy Trailhead California 95321 (電波状況が悪いので事前に地図をダウンロードしておくことをお勧めします)

ヨセミテバレーからは車で約1時間。ヘッチ・ヘッチーの駐車場はヨセミテ渓谷から38マイル(1時間15分離れた場所)です。

ヘッチ・ヘッチーロードは、ハイウェイ120号線の公園のすぐ外、ビッグオークフラットエントランスの近くから始まります。パークエントランスもここに入るためのエントランスが専用であります。

Hetch Hetchy Trailheadのすぐ横に駐車場やお手洗いもあります。

持ち物

ハイキングに携行すると便利な持ち物 関してはこれまで同様、一般的なアメリカのハイキングと同じような装備を準備して いきましょう。

  • 飲み物(夏は多めに、2リットル位)
  • 気温の調整できる防寒着(滝の勢いが多い時期には飛沫で濡れることも。必要な場合はレインジャケットなど)
  • 帽子 
  • サングラス 
  • 日焼け止め 
  • ハイキング中に食べるスナックなど 
  • 常備薬などがある場合は薬やバンドエイドなどのファーストエイド
  • その他、通常ハイキング装備で好みのものを

トレイルデータ

  • 中級者から上級者向け
  • シーズン:ベストシーズンは4月から11月(その年の積雪にもよります。ハイキングおすすめは4月から6月。今回の写真は4月です。)
  • トレイルヘッド標高:約 1120m ( 3,730 ft )
  • 往復距離:20km ( 12.76 mi )
  • 登山口からの標高差:800m ( 2,625 ft )
  • コースタイム:往復6時間から8時間 (休憩含む)

トレイルヘッド(登山口)からハイキング出発

トレイルの入り口は、オショーネシー ダムの南側にあります。ここには駐車スペースもありますが限られています。混んでいっぱいの時は少し離れているバックパッカー専用のキャンプ場の駐車場などに停める必要もあります。(そこにお手洗いなどもありますよ。)

この日は4月16日の午前10時でしたが駐車スペースにはまだ余裕がありました。駐車場のエリアには簡易トイレしかありませんが、少し手前にあるキャンプサイトには水洗のお手洗いがあります。

このダムはヘッチ・ヘッチー貯水池を造り、ヘッチ・ヘッチー渓谷に水を溜めて、渇いたサンフランシスコに水を供給しています。奥の渓谷の壁に沿ってトゥエウララ滝とワパマ滝が見えます。どちらもこのハイキングで通り過ぎます。この時期はまさに水の都です。

トレイル沿いには 3 つの名前のついた滝 (Tueeulala Fallsトゥエウララ滝、Wapana Fallsワパマ滝、Rancheria Fallsランチェリア滝) があり、この他にも雪解けの季節 (およそ 4 月から 6 月) には、いたるところで岩壁から水が流れているのが見受けられ、トレイルや下にある貯水池に流れ込みます。

トレイルヘッドから既に絶景です。

まずはダムをわたり、

渓谷の花崗岩の壁に掘られた長いトンネルを通ります。水滴や水たまりがあるので注意です。

トンネルの後も平坦な道が続きます。景色は絶景。

ダムによって半分が消えたというヘッチ ヘッチー渓谷の全体像を想像しながら歩いていきます。

トレイルは谷壁に沿ってうねりながら進みハイキング開始20分後くらいにヘッチ・ヘッチー渓谷の壁から流れ落ちる季節限定の滝のひとつが見えてきます。

4月から6月にかけて雪解けの水が一気に流れ出し、あちらこちらに期間限定の滝が現れます。更に進んでいくと初めての分岐があります。開始から約1.6km地点。

間違いやすい分岐ですが右方向へ下る方面へいきましょう。

分岐点では谷の壁に沿って進んでいくか、右方向へと降りることでミゲルメドウズまたはローレルレイクへ向かう道を選ぶことができます。

右方向へ進んでいきましょう。

トレイル沿いには花や苔などの植物も至るところに。

左上の岩壁の至る所から滝が流れてきているのが見えます。下の写真はトゥエウララ滝。

右手に広がる絶景。左手に広がる岩山。素晴らしい景色がずっと続きます。

そして更に進むと出てきましたワパマ滝。

この滝はルート上で最も大きな滝で、雪解け水が大量に流れている時期は、雨のようになることもあります。トレイルは滝のすぐ横を通過する形で、周囲にはたくさんの展望スポットがあります。

水飛沫を浴びてリフレッシュをし更に進んでいきます。

周りには紫色をしたルパインなどの花々や赤く染まった絨毯のようになっている場所もあり、湖の青と緑と植物は織りなす景色はカラフルでとても美しかったです。

ワパマ滝を過ぎると森に入り、ティルティル クリークの滝を横切るまで緩やかなアップダウンが続きます。ここからランチェリア滝まで最後の登りがあります。

眺めは本当に美しいです。

ティルティル クリークの滝

そして歩き始めて約3時間後、本日のゴールであるランチェリア滝が見えてきました。

15分ほど更に進み滝を過ぎた辺りの休憩できそうな場所でランチタイム、その後同じトレイルを歩いて戻っていきます。

トレイルはシンプルですが、距離はありアップダウンも後半にありますのでしっかりと体力を使うトレイルです。

絶景が広がる異空間なハイキングルートです。

ぜひお越しくださいね。

加藤 さやか

ヨセミテ国立公園をはじめとした、カリフォルニアのハイキング・旅行プランはお任せください。父の影響もあり昔からアウトドアアクティビティーが大好きで、日本にいた頃から登山、国立公園巡りをする中で、アメリカやカナダの大自然に魅了され、その結果念願だったアメリカに辿り着きました。現在は日本人ガイドと行く完全プライベートハイキングツアーなど、お客様と一緒に作る現地オプショナルツアーを提供するANAMI TOURSを営んでいます。現地在住だから知り得る、スペシャルなオプションをご紹介させて頂きます。ご興味ある方は下記HPから。

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