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【TMR industries】缶クーラーにもクッカーにも水筒にもなる!? 噂の超新星A.L.Boilith330を徹底レビュー!

缶に装着する喜び、歩く時間のワクワク、探す楽しみと所有する事でその可能性は無限に拡がっていく。

今までも数々のギアリリースと同時に業界をざわつかせてきたTMR industries(以下TMR)。これまた発表があった時にはまたまたとんでもないものを出してきたなと。これは速攻テストしたいなと入手したものの、その奥ゆかしさに随分な長期テストとなってしまいました(苦笑

ここにその徹底レビューを記したいと思います。

 

A.L.Boilith330とは?

それは「まさか」の缶クーラー、只350ml系飲料缶を保冷するだけにあらずその使命を果たした後にクッカーとしても機能する事で今までの製品におけるある意味の欠点、デッドウェイト化しないというのが一番大きいのではないでしょうか。そしてリリース時の機能はそこまででありましたが現在は別売りの蓋、A.L.Boilith Pot 330 Lidを購入する事で更に沸かせる水筒、湯たんぽとしても使えるようになりもはやマルチクッカーと呼ぶにふさわしい、いやクッカーと形容するのもひょっとしたら? かもしれない今や可能性の塊のようなギアへと変貌しつつあります。

 

お気に入りポイント

  • 大体のカップ麺等に必要な水を沸かせる容量
  • そこそこが効いてる保冷缶能力
  • 世界初のアルミ削り出し缶クーラー
  • クオリティに妥協なし
  • アルミ製なのでクッカーとしても使いやすい
  • なにより手にしたときの所有欲が満たされる
  • 丁寧に使えば一生物

気になりポイント

  • とはいえもう少し保冷力はあるといい(個人で工夫の余地あり)
  • 極薄の削り出し品なので扱いはそれなりに気を遣う
  • よって軽いからと雑に使いたい方には向いていない

 

主なスペックと評価

ギアネームA.L.Boilith330
サイズ最大外径・φ80.3 mm/内径・φ75.0 mm/高さ・109.4 mm
容量最大・360ml
素材本体・削り出しアルミ(厚み0.4mm)/保温材・アストロフォイル
重量リッドあり50g(保温材含め60g)/リッドなし最小30g
備考Made in Tochigi Japan
Outdoor Gearzine評価
独創性★★★★★★
重量★★★★★
保冷力★★★☆☆
収納性★★★★☆
耐久性★★☆☆☆
使いやすさ★★★★☆
汎用性★★★★★

 

詳細レビュー・基本説明

まずは基本セット内容、A.L.Boilith 330(以下ボイリス)としては本体・トップリッド・側面用と底面アストロフォイル各1、シンプル。シングルウォールでそれぞれが独立している事で缶クーラーからクッカーへと使用可能となっております。大体の保冷缶と言われるものは保冷力重視で真空二重構造となっていると思われますがその部分を大胆に省く事で保冷力は落ちるもののクッカーとしても使用出来るワケでございます。

 

 

本体は板厚0.4mmになるまでアルミ無垢の円柱素材を削り込んだ逸品、あえての素材そのままでアルマイトはかかっておりません、その辺りは他TMR製品でも限定発売のあるブラックアルマイトver.が出る可能性もあるかもしれません。

削り込んだ結果、極薄最軽量クッカー(単体30g!)としても成立しているのですがそれは強度的には弱いという部分を含んでいます、クッカー部分単体では恐らく男性なら両手でクシャっと潰せる位の強度。落としたりぶつけたりしたらすぐへこむのでそれなりに気を遣わないとベコベコになってしまうかも。なので単体クッカーとして使う時が一番注意で、段差がある事でそれなりに強度のあるリッド部分を装着している場合はある程度の強度確保は出来ていますが基本、落下・衝突は避けたい所。という位の強度なのでパッキングする際はそれなりに考えた位置に置かないと駄目ですが缶飲料を開けないでセットしている時はトータル強度が一番あるのでそこまで神経質にならなくても。収納自体はコンパクトなので楽。

そのリッド部分は装着する事で350ml缶類をほぼスッポリ覆う、アストロフォイル保持の役目を果たします。クッカー単体だと高さ約89mm、リッドが30mmで装着する事で合計高さは109.4mmになります。

 

 

温度変化を確認しながらテスト

ではまずは里山でテスト、今回のテストにはこの非接触型温度計を使いましたがちょっと本来の用途とは違うのでしっかり温度を測るとはいきませんでしたのでその温度変化部分だけ参考にしてもらえますと。

 

 

丁度入山ポイント前に自動販売機がございましたのでこちらで缶飲料を購入して参考テスト品とボイリスにセット。現在の缶温度はこちら、ちょっと高くない? と思いましたアナタは正解。後に解ったのですがアルミ缶TOP部分で測るとその板厚の所為で非接触系温度計では少し高めの表示になってしまうのでした。ですが温度変化の部分では正確でございますのでテストとしては十分と判断します。

 

 

山歩きを始めて約一時間半経過、ここで温度変化を見ていきます、今回のテストに知人を無理やり引っ張ってきたので比較3バリエーション。左からサーモス保冷缶+コーデュラ生地保冷パックのソラチタニウムギア製のB.P.C、たまたまあったワークマンのフローズンブレイクジェルペットボトルクージー、ボイリスをバンダナで包んだものです、中身は全部350ml缶。

 

 

まずはボイリス+バンダナ。

 

 

ワークマン、意外や高し。上からの温度抜けが激しいのか?

 

 

流石に真空二重の専用品が一番保冷力はあります、ですがその差わずか約3℃。ここをどう見るか。TMRさんの公式コメントでもボイリスによる保冷は工夫が必要、普通に保冷するだけなら専用品に分があると申しておりますのでボイリス裸のままで手に持っているような状態だとアルミの熱伝導率のおかげであっという間にぬるくなってしまうのは事実。

基本は一時間程度ならほぼ温度変化なく運用できるそうで工夫を凝らす事で二時間~三時間は持たせる事が出来るようです。よって半日かかった先で頂きたいような山行には缶クーラーとしては向いてないです、その途中で喉を潤すなら全然アリ。

 

 

そして缶クーラーとしての役目を終えた後は昼食湯沸かし用クッカーへと。お湯を使う系の役目で済む場合は余計にクッカーを持っていかなくてもいいので結果軽量化に繋がるとも言えますね。ただしメモリ等はついていませんので使用量は把握する必要あり、そしてその薄さ故に空焚きは厳禁。

その330という名称、それはTMRが提唱するBetter Lifeを表すという事で単体クッカー使用時「丁度いい水位」でイケる付近が330ml、満水付近で最大の360mlになるそうです。

 

 

街中や様々な場所で運用テスト

缶クーラーモードなら山に限らず街中だって使えるし使いたい。先程の山行ではピッタリ入る保冷缶でしたがそれより一回りちょい大きいボイリスはこちらのB.P.C付属のアストロフォイル下側をとらないと入りませんがボイリスを直接持たなくて済むので温度変化の部分では有利。

 

 

幅が350ml缶サイズならセットできますのでこういったキャップ付き缶にも使えます。で、街中で使っていて思った事なのですが普通だと喉が渇いたなあと思った時に自販機を見つけたらすぐ購入して飲むのものだと思いますが、ボイリスを持った状態だとそれがいつ買おうか? どこで買おうかな? とどこかその行為全体が「楽しみ」になっている事に気付いたのですね。

それって実は凄い事なんじゃないかと、そんな風に思考が変わるギアってあるのかなと。

 

 

だから買ってすぐ! よりも買った後どこで? どういうシチュエーションで飲んだらいいかななんて思っちゃうんですよ、それは山でも同じでそれって思考が豊かになっているのかなと。いい景色と冷たい飲み物、これ贅沢なひと時だなと。

 

 

こちら後にしっかり缶側面で測った温度、まあ自販機で購入直後だとこれ位みたいです。

 

 

約一時間後、大体3℃~4℃上昇みたいです、よって通常運用なら一時間~一時間半ならいい感じに冷たさキープの状態で頂ける模様。

 

 

そしてA.L.Boilith Pot 330 Lidも登場!

こちらがオプション別売りのA.L.Boilith Pot 330 Lid。

 

 

裏側には取り外し可能なシリコンパッキン付き、ネジ式なので中身を閉じ込めたまま運用が可能。

 

 

通常トップリッドと交換するとこんな感じ、蓋が17~18gという事で約50gと十分軽量! こちらのモードなら水筒としても使えますし湯沸かしクッカーとしてならさらに早く沸かせます、取り外し可能なシリコンパッキンは装着のままでも一応大丈夫だそうですが万が一を考えますと湯沸かし時は蓋をネジから外して裏返しで上に置く事を推奨、その際はパッキンそのままでもいいそうです。

さらに沸かしたお湯を閉じ込めて湯たんぽとしても。筆者は湯たんぽモードで使った事はありませんのでなんともですが就寝時に一緒の場合はちょっと強度的に心配ではあります。ですのでちょっと寒い就寝時に使うなら湯たんぽにしたボイリスを寝袋に先入れして温めておく。寝る時は別でという使い方の方が寝相の悪い筆者ならいいかなと思います。

それと蓋があるなら液体以外も使い道が出来るワケで行動食を入れてもいいし単純に物入れとしてもいい。まさに蓋一つで可能性は無限大、使い手次第でどうとでも使えるのです!

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうかA.L.Boilith 330。缶クーラーでありながら缶クーラーで終わらない拡張性能、けっしてお安いものではない(参考価格13200円)ですが丁寧に使えば一生物。山にわざわざ一本冷えた飲料缶を持っていく楽しみ、それをお気に入りのシチュエーションで頂くだけでちょっと特別で格別。そしてどうも蓋のその先もありそう!? とまだまだ全貌が見えないボイリスに可能性とワクワクしかない筆者です。

ちなみにですが缶セットをしてそのまま裸で放置するとこういう感じで霜が付くのですがここを個人でどうするのか!? というのもある意味楽しみだったりします。そこにTMRのスローガン、Better light・Better Lifeという「丁度いい」塩梅を探して。

こんな(いい意味で)ヘンテコなものを作り出したTMRがまた気になってしょうがないので近々続・真岡とTMR編としてお送りしますのでそちらもお楽しみにして頂けると幸いです!

 

 

yans

ギア好きが高じてとうとうギアジンで文章を書くことになった人。ギアマニアを拗らせて改造・自作大好き、アウトドアイベントも大好き。ブランド探訪、ショップレビューに重きをおいていきたいと思います。

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