【山好きは必見】ワークマン2025春夏新作「プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツ」レビュー：サラッと快適、動きやすく、デザインも◎。ランからハイクまでお任せの一本

2025年03月24日（月）

written by Yosuke.C

ワークマンのトレッキングパンツがついにここまで進化

コスト面と性能のバランスから毎度驚かされることが多いワークマン製品、2025年の春夏も、びっくりするようなアイテムが出ましたよ。

2025年の新作「プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツ」は、昨年の秋冬で発売された「プレミアム超撥水ソフトシェルトレックパンツ」の春夏向けバージョン。性能、着心地、デザイン、価格と四拍子そろったトレッキングパンツ。そしてこのパンツは秋冬版同様に、通算何度目かのOutdoor Gearzine開発協力アイテムでもあり、今回もできる限り現時点で私たちの考えている理想を詰め込んでもらいました。

毎度のことであまり驚かなくなっている自分が怖いくらいですが、このアイテムも2,000円でお釣りが来る（1,900円）コスパの良さ。これ一本あれば日常のランニングからハイキングまでこなしてくれる言うことなしの万能パンツ。さっそくレビューをお届けします。

プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツの主な特徴
主なスペックと評価
使用インプレッション
まとめ：履き心地、動きやすさ、コスパのそろったヘビーユーズできるパンツだった！

プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツの主な特徴

プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツ（以下トレックライトパンツ）は撥水技術薬剤メーカーと共同で開発されたオリジナル素材が使われており、この素材は洗濯を約100回繰り返しても撥水力を保持し、透湿度は70,000g/m²/24hと高い数値でありながら、ストレッチ性を兼ね備えています。

裾にむかってややテーパードのかかったすっきりとしたシルエットで、裾にはジッパーがあり、脱ぎ着を容易にしてくれます。また、右裾にはドットのリフレクターが設けられ、夜間の視認性を高めています。

シンプルなデザインで、前後に4箇所のポケットを配置され、右前のポケットに収納できるパッカブル仕様になっています。ウエストはシャーリングが設けられ、圧迫感のない履き心地。さらに調節紐を使えばしっかりとフィット感を高めることができるパンツです。

トレックライトパンツ生地に搭載されている10の特徴

気になったポイント

生地の薄さ等からくる耐久性の低さ
ウエストはバックルなどなく、ゴムとシンプルな紐で結ぶのみ（外側に露出して目立つ）

主なスペックと評価

項目	プレミアム超撥水ソフトシェルトレックライトパンツ
重量	189g（3Lサイズ実測値）
サイズ	S、M、L、LL、3L
材質	本体：ポリエステル100％リブ：ポリエステル100％
参考価格	1,900円（税込）
Outdoor Gearzine評価
快適性	★★★★☆
通気・透湿性	★★★★☆
耐候性	★★★★☆
動きやすさ	★★★★☆
重量	★★★★☆
機能性	★★★☆☆
スタイル	★★★★☆
適したアクティビティ	春夏の暖かい時期のハイキング・登山・クライミング・トレイルランニング

使用インプレッション

すっきりとしたシルエットで抜群の履き心地とフィット感

モデル：身長176cm、Lサイズ、ネイビーカラーを着用

トレックライトパンツはすっきりとしたシルエットで、シンプルなデザインになっていて誰でも合わせやすくなっています。多くのウェアは見てすぐにブランドがわかるよう、ブランドロゴが配置されていますが、トレックライトパンツは前のポケットに小さいタグがあるだけ。一見すると、ワークマンとは分からず、他のアウトドアブランドのトレッキングパンツと遜色のないシルエットです。

ポケットのところに小さくあるワンポイントのタグ

ジョガーパンツのようなすっきりとしたシルエットはスポーティーすぎず、だらしなくも見えにくく、カラーはブラック、ネイビー、モカの3色で、落ち着いた色合いから日常着としても活躍してくれます。

ウエスト部にはシャーリングが設けられているため、紐を結ばなくても基本的にはずれ落ちることはありません。緩い場合も調整紐をしっかりと結べばランニングなど激しい運動でもしっかりとフィットしてくれます。

ウエスト部のシャーリングと調整紐

ただ一方で（さすがに価格による限界もあるとは思うのですが）シンプル過ぎといえばシンプル過ぎと言えなくもない。できればバックルなどで緩みにくく、締めやすい仕様になっていたらと、あるいはせめて紐を内側にして目立たなくなっていればなお良かった。

日常でも山でも問題なしの機能

前後に4つのポケットがあり、前ポケットはジッパー式

トレックライトパンツは前後に合わせて4つのポケットがあり、ポケット内部はメッシュ生地が採用されたことでベンチレーションとしての役割も担ってくれています。アウトドア用の軽量なパンツは軽量化を図るためポケットの数が少なくなっているモデルもありますが、一般的なパンツと同様のポケットがあることでアウトドアシーンだけでなく、日常でも違和感なく着用することができます。

前ポケットはジッパー式のため、落としたくない小物を入れておくのに便利。ランニングなど激しい行動時も安心です。

またリブのついた裾の構造はバタつきを抑え、ジッパーがついていることで脱ぎ着しやすく、また行動中に暑くなってきたらジッパーを解放することでゆとりができ、換気しやすくしてくれます。

右側のジッパーには夜間の視認性を高めるためドット状のリフレクターも備えられています。

ジッパーの左側にドット状のリフレクター。目立たないがデザインにこだわりを感じる

立体縫製と高い伸縮性で動きの邪魔にならない生地

伸縮性が高く、動きの妨げにならない

登山やハイキングなどのアウトドアアクティビティでは動きの妨げになるような素材ではストレスになるだけでなく、可動域が限定されることによる危険すらあります。特に足の上げ下げは多くなりますから、動きやすさはパンツ選びには絶対に外せない条件です。

トレックライトパンツは立体縫製になっていることに加え、高いストレッチ性があり、全く動きの妨げになりません。フィールドでのテストでは、歩くだけでなく走ってみたり、足を大きく上げて岩を越えてみたりとさまざまなシチュエーションで試してみましたが、全くストレスを感じることはありませんでした。

多少の雨なら弾く撥水性

登山における「三種の神器」といえばバックパック、登山靴、レインウェアです。レインウェアが必携品である以上、パンツには防水性や撥水性を求めるのはマストではありません。

ですが実際のリアルな登山やハイキングではどうでしょうか。小雨やちょっとした雨でもレインウェアを着るかというと、そんなことはありません。樹林帯を歩いている時などは雨が降ってとしても影響は少なく（程度にもよりますが）、そのまま歩き続けてしまうこともあります。トレックライトパンツは撥水性を備えていますので活動中に雨がパラパラと降ってきても多少ならそのまま活動し続けることができます。

水滴を垂らしてみるとしっかりと撥水し、しっかりと圧をかけない限り染み込むことはなかった

トレックライトパンツに備わっているのは撥水機能であって防水ではありません。そのため強い雨だったり、稜線上で雨をさえぎるものがないような状況ではレインウェアの着用が必要になります。ですが、レインウェアを着用しての活動ではやはり一定の蒸れを感じますし快適性は悪くなりますから、トレックライトパンツのように撥水性を兼ね備えたパンツは山では重宝します。

通気性の高さ

長時間行動が基本のハイキングや登山では「蒸れ」に対してどのように対策をするかで快適に歩けるか大きく変わってきます。基本的には暑くなって蒸れてきたらウェアを脱ぐことで換気・調整を行いますが、容易に脱ぎ着できるのは上半身のウェアの話しで、下半身はそうもいきません。

登山やハイキングでもっとも負荷がかかるのは下半身の筋肉で、特に大腿四頭筋（だいたいしとうきん・太ももの筋肉）への負担が大きいです。大腿四頭筋は人間の体でもっとも大きい筋肉で、行動中に負荷がかかり続けることで熱を発するため、選ぶパンツを間違えるとオーバーヒートの原因にもなってしまいます。

トレックライトパンツは透湿度は70,000g/m²/24hと高い数値を誇り、蒸れにくくなっています。この数値、各アウトドアブランドが作るハイエンドギアに匹敵（または凌駕）する数値で、そんな性能を誇るパンツが1,900円で帰ると言うのだから驚きです

実際に着用してのフィールドでのテストで数時間歩き続けましたが、負荷がかかり続け熱を持ち、発汗が続くようなシーンでも蒸れはごくわずか、ストレスになるほどの蒸れ・暑さは感じず、発汗により蒸れが生じた際にしっかりと透湿してることを体感することができました。

通気性の高さだけでなく、耐風性も備えているのがトレックライトパンツ、風をプロテクトしてくれるため、状況に応じてウィンドシェルパンツなどを省くことができ、レイヤリングをシンプルにすることができます。3月初旬に低山でテストを行った時は、山頂エリアで風が吹いていましたが、トレックライトパンツを着用していたことで風による体温の低下などは感じずに過ごすことができました。

岩綾帯を歩くことを想定した時の生地の薄さ

非の打ちどころがない完成度の高いトレックライトパンツですが、強いて言うなら耐久面です。急峻な岩稜帯を歩く（登る）際には岩に擦り付けてしまっても破れない耐久性が求められますが、トレックライトパンツはリップストップ構造になっているものの、非常に薄い生地が使われているため岩場、クサリ場が多くあるような山での使用は頼りなさを感じました。岩綾帯の険しいトレイルを登るようなシーンでは生地のしっかりしたパンツの方が安心です。

生地が薄いため、使用時期は3シーズンで、気温が氷点下にならないような低山など岩綾帯のない環境での使用がおすすめです。

軽さ

筆者がチョイスしたのが3Lで、重量は実測値で189g。非常に軽量なトレックライトパンツは着ていて重さを感じることはなく、UL装備で軽快に歩きたいハイカーや、ファストパンキング、トレイルランニングの使用にも対応できるパンツです。

189gという重量はトレイルランニングブランドやUL系のブランドの軽量パンツと比べても劣らない重量。使用される生地の素材や厚さによって特性は変わってくるため、重量比較だけでは不十分ですが、フィールドテストをした上でトレックライトパンツは性能も負けていないと感じました。伸縮性、撥水性、透湿性の高さを考えると重量面も優秀なパンツです。

ポケットに収納できるパッカブル仕様

トレックライトパンツは右前ポケットに収納可能です。収納時のサイズは25cm × 15cm × 5cmで、生地が柔らかいためさらに圧縮することもでき、携帯しやすくなっています。アウトドアシーンでけでなく、ランニングや日常着にも使えるデザインですから、旅行先での軽いハイキングや散策、出張の時でもトレックライトパンツを忍ばせておけば気軽に運動をすることができます。