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Review:inov8 TERRACLAW250 足とシューズの一体感が最高に気持ちいい!山を駆けるための一足

トレイルランニングシューズはその名の通り山道を走るのが目的。土や砂利の上でもしっかりグリップして、石や木の根に足をぶつけたときには守ってくれる、ランニングと登山の要素を兼ね備えたシューズが求められます。とくに「走る」ためには欠かすことのできない軽快さは最重要。それは単純にシューズが軽いというのではなく、足を入れた時の一体感や地面に着地した時の接地感、滑りやすい路面でも自由自在に駆け回れる安心感などが結びついて初めて軽快さにつながります。

今回レビューするTERRACLAW250は山を走ることに特化した非常に完成度の高い一足。今年のハセツネでも実戦投入し、濡れた路面という状況でありながらも安心して最後まで走りきることができました。そんなTERRACLOAW250を前モデルであるTRAILROC255と新旧比較しながらしながらレビューしてみます。

詳細レビュー

アイテム名

inov8 TERRACLAW250

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主なスペックと評価

項目スペック・評価
重量284g(片足26.0cm)
アッパー生地合成繊維/人工皮革/合成樹脂
アウトソールゴム底
快適性★★★★☆
重量★★★☆☆
グリップ★★★★★
プロテクション★★☆☆☆
安定性★★★☆☆
総合点★★★★☆

ここがスゴイ!

CLAW(爪)という名に相応しいグリップ力

ソールの鋭い突起が生み出すグリップはとにかく強力で、CLAW(爪)という名に相応しい仕上がり。ガレ場や岩場はもちろん、雨上がりのぬかるんだ路面でもしっかり地面を噛んでグリップします。タテ方向だけでなくヨコ方向にも滑りにくく、よくある片側に傾斜のついたシングルトラックを走る時も安定して体を前に運ぶことができる。このグリップの高さがそのままブレーキ力にも直結していて、減速する際には踏ん張りがきくという安心感を与えてくれます。

絶妙なのが突起の数と深さ。突起の数をこれ以上増やすと幅が狭まって隙間に石が挟まりやすくなるし、突起をこれ以上深くすると地面に引っかかる。グリップ性能を最大限高めつつ、走る時に支障が出ないよくできたつくりだと感じます。
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旧モデルTRAILROC255のソール。TERRACLOW250のソールはより鋭くより深くなったことで、グリップ性能が数段アップしました。
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足底腱膜のバネ構造をヒントに開発したという柔軟性を高めたシャンク構造

ロードシューズのように走る動きを自然にサポートしてくれる柔軟なシャンク構造が素晴らしい。個人的に特に気に入っているのが同シューズのラスト(足型)で、前足部分に余裕を持たせた形状は日本人の足型に多いしゃもじ型にぴったり。サロモンのシューズを履いてみたけど細くて断念したという人にはぜひおすすめしたい。前足部分に余裕があることで着地時や蹴り出す時に指を広げて踏ん張ることができ、接地時の足裏感覚をよりダイレクトに感じさせてくれます。例えば、わざと横滑りさせてスピードを調整するような場面でこの足裏感覚は役立ちます。

最低限のプロテクションを残したギリギリの軽さ

ソールは前足部8mm、踵部16mmと程よい厚さ。TERRACLOWのラインナップは220、250、280の3種類。数字が大きくなるほどソールが厚くプロテクション能力が増すかわりに重量が重くなります。220はさらに裸足感覚に近づきますが、ここまで軽いシューズを履きこなすためには、ダメージに耐えうる相応の脚力が求められます。250は踵部の厚さが16mmあるので着地時の突き上げを程よく緩和。重量284g(片足)は走るのにも最適です。
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旧モデルTRAILLOCK255のソールは14mmとやや薄かった。
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また、アッパーソールにX状に貼り付けられたテープが前足部をしっかりホールド。足とシューズのフィット感を高めています。ただし、アッパー素材は薄くて柔らかいのでプロテクション能力は高くありません。木の根に引っかけたり石にぶつけた時は相応のダメージを受けるでしょう。
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絶妙なフィット感が生み出すシューズと足の一体感(=快適性)

薄くて柔らかいアッパー素材が甲全体を包み込むようにフィット。加えて適度な厚さと反発力をもったアウターソールが走る時の蹴り出しから着地までをしっかりサポート。足とシューズの一体感がとにかく快適で、不整路なのにロード感覚で軽々と自由自在に走り回れてしまう。山を駆けるという行為をこれほど楽しいと感じさせてくれるシューズはなかなかありません。

ここがイマイチ

つま先の耐久性

今回からつま先構造が包み込む形状になったことで、人によってはつま先が剥がれる可能性も。筆者は、ハセツネ(71㎞)ゴール後に先端が少し浮いているのを確認できました。
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まとめ:こんなシーンで使いたい!

グリップ力と軽快さを兼ね備えた山を走るためにうってつけのTERRACLOW250。悪路はもちろん、ぬかるんだ路面でも十分使えます。プロテクション能力はそれほど高くないので中~上級者のミドルレンジに最適。尖ったソールはトレイルでこそ威力を発揮しますが、舗装路では接地面の少なさから若干グリップの甘さを感じるかもしれません。トレイル比率が高いコースで本領を発揮できるとシューズだと思います。