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Review:MYSTERY RANCH STEIN 62 デザインだけじゃ終わらない、思わずうなる合理的な機能の数々

大型ザックはここ数年で超軽量なものから重厚な安定感のあるモデルまで、選択肢も飛躍的に多くなりました。もちろんそれは多くのユーザーにとって最適な選択肢が増えたことにほかならず素晴らしいことなのですが、一方でどれも基本的な作りに関してそこまで大きな違いがあるわけでもなく、決め手に欠ける……。そんなことを少しでも感じたことがある人ならば、フィット感から機能の隅々まで、これまでにない新しい切り口で極上の荷物運搬体験を追求しているバックパックMYSTERY RANCH STEIN 62を一度試してみては。

大まかな特徴

MYSTERY RANCHは元々はダナデザインの創設者たちが作った新しいバックパック専門ブランド。ダナ時代からの高い性能をそのまま受け継ぐ形で、本国アメリカでも非常に高い評価を受けています。今回紹介するSTEIN 62は、エクスペディションカテゴリーに位置し、広くアウトドア活動にマッチする機能を多数搭載しながらも同時に軽量化も実現させたモデル。軽量かつ強靭なファブリックと各部のシェイプアップにより大幅に軽量化されたボディ、カーボンファイバーロッドと軽量フォームで構成される背面パネルなど、快適な運搬性能を誇る同ブランドのなかでもトップクラス。独自のコンセプトによるポケット・アタッチメント類も使い勝手良く、強烈な個性のなかに合理的な機能がたくさん詰まった唯一無二の一品。

おすすめポイント

  • サブザックにもなる機能的なトップ
  • 内部へのアクセスが容易にできる
  • 機能的で無駄のない収納の多さ
  • 適度な厚みで重さをしっかり支えてくれるパッド

気になったポイント

  • パーツが多くザック周りが騒がしい
  • トップからオプションパーツがはみ出しやすい

アイテム外観

前面

側面

背面

主なスペックと評価

項目スペック・評価
素材400D Nylon
カラー
  • モス
  • クレイ
サイズ/背面長M
容量62L
重量2.1㎏
バリエーション(女性向けモデル)STEIN 62 ウィメンズ
メインアクセストップ・ボトム・サイド
背面システムフューチュラヨークシステム
背面長調整
ハイドレーション対応
レインカバー×
収納・機能 ・アタックパックとして単体で使用可能なトップリッド
・ダブルフロントポケット
・素早いアクセスが可能なスピードジップコンパートメント
・サイドジッパーでメインコンパートメント内部に素早くアクセス
・ハイドレーション対応
・摩擦や水濡れに強い耐性を発揮するダブルレイヤード ディファレンシャルボトム
快適性★★★★☆
重量★★★☆☆
安定性★★★★☆
使いやすさ★★★★☆
収納・機能性★★★★★
汎用性★★★★☆
耐久性★★★★☆
総合点

★★★★☆

詳細レビュー

こだわり抜いた驚きの背面調整システム「フューチュラヨークシステム」

ユーザーの背面長や体格に応じて、ジャストフィットができるように、パックの背面長を無段階調整できる「フューチュラヨークシステム」が特徴的です。パック本体とヨーク(ショルダー1体パーツ)がベルクロで止められています。その中にはフレームシートアジャスターと言われる丈夫で柔軟なプレートが内蔵されています。これは背中のカーブに合わせて模られているので、ちょうど肩から背中のカーブとピタッと重なり抜群のフィットが得られるという訳です。パーツの1つ1つを丁寧に組み合わせながらフィットさせるという作り手の丁寧かつ強いこだわりが見られます。調整して背負った感覚も驚くほどによく、パッド自体も厚みがあり重い荷物も安定して長時間担ぐことができました。

ショルダーパーツとザック本体にあるベルクロで背面を無段階に調節可能。

背面長の調節の際にはフレームシートを背面のベルクロ部分に刺して背面調整すると楽。 裏面にはメーカーの代名詞である製品管理票が確認できる。

ヒップベルトのクッションは厚く信頼感あり。

多彩な収納の数々

トップリッド

トップには2つの独立した収納があり目を引きます。すぐに使う道具を整理、分割できる便利さはこのザックで初めて体験しました。他のザックでは物足りなくなりそうです。

トップリッドには横長のポーチ状のポケットが2つ連なる。

サブザック

一旦パーツを取り外してからトップとショルダーパッドを連結すると、サブザックとして使うことが可能です。この形態にするのに、ちょっと手間はかかってしまうのはご愛敬でしょう。

フロント・サイド・ボトム

独立した収納が多数あります。また大型ザックにしては珍しくサイドからも内部へのアクセスが可能です。これだけファスナーを付けてそれほど重たくもならない点にも驚きです。

ボトムにはポイスピードジップ デザインと呼ばれるファスナーの配置で横への直線で長いジッパーにより開口部が非常に広いです。つかってみて何気に一番使いやすかった部分です。

気になるところ

ザック周りが煩わしいことも

細かいことですが、ストラップやバックルが機能の数に並行するように多く、ストラップ自体も太いので安定感や安心感がある一方でパーツの主張が少し強く出てしまい、それがかえってザック周りを騒がしくさせてしまっています。ストラップとファスナーが干渉してしまったり、特に頻繁に動かすトップからサブザックにさせるためのパーツの収納場所が開きっぱなしの状態なため、頻繁にはみ出ることが多々あり少し煩わしく感じることがありました。

何度整えて収納しても出てきてしまうストラップ。きれいに納め続けるには工夫が必要です。

まとめ:どんな活動におすすめ?

背負い心地もよく、収納機能も豊富、トップをサブザックにできたりと多彩な顔を持つ非常に器用なザックでしょう。基本的には登山やロングトレイルなどのハイク系活動で広く活躍できるポテンシャルをもっています。気を付けたいのがザックから出ているストラップが太くて数も多いため、どこかに引っ掛けてバランスを崩してしまうなんてこともあるので、バランス重視の岩稜や障害物の多い藪をこぐような活動での使用には気を使う場面も出てきます。そうした活動を好む方との相性はよくないでしょう。ザック自体もついている機能の数とパーツの多さから考えて比較的重くない点も魅力であり、最初の大型ザックを買おうというかたにも大型ザック独特の重苦しさが無いためおすすめです。また独自の背面調整システムと特徴的な2つのトップ収納から、普通のザックには無い変わったデザイン、機能が好きな方にもおすすめ。2つめの選択肢や使い分けの選択肢として充分アリでしょう。重い荷物を背負うことへ辛さに対してザック職人が出した答えがこのザックであるならば1つ試してみてもいいのではないでしょうか。

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