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ALTRA LONE PEAK 9+ レビュー:ブランドを代表するトレイルランニングシューズが Vibram® MegaGrip をまとってフルモデルチェンジ!【実践レビュー】

トレイルランナーやハイカーの間で人気のALTRA(アルトラ)の定番ハイキングシューズ「LONE PEAK(ローンピーク)」がモデルチェンジされました。

新しくなった「LONE PEAK 9+」はALTRAを代表するモデルで、筆者もかれこれ2年ほどLONE PEAKを愛用しております。(使用しているのは7)旧モデルを愛用しているということもあり、新作が登場したタイミングで試させてもらう機会をいただきましたので、早速トレイルを歩いたり走ったりしてきたインプレッションを紹介します。

ALTRA LONE PEAK 9+の主な特徴

2025年2月にアップデートされたALTRA LONE PEAK 9+ は、2011年の発売以来、ハイカー、トレイルランナー問わず多くのユーザーを獲得してきたアウトドアアドベンチャーシューズ。

旧作のアウトソールに使用されていたMaxTrac™から刷新し、Vibram Megagripが搭載されたことであらゆるコンディションで優れたグリップ力を発揮し、改良された靴底のラグパターンにより、従来モデルとは一線を画す高いグリップ性能を実現。

リップストップメッシュのアッパー部分は縫い目のないオーバーレイパーツが採用されることで耐久性が強化されただけでなく、高い通気性を確保しつつ、中足部や踵周りのフィット感が向上されています。

足指を自由に動かすことができるゆとりのあるフットシェイプは歩行時に本来の人間の自然な歩行を可能にし、歴代のLONE PEAKを引き継いだナチュラルな履き心地に。2重構造のトゥガードが広範囲にわたって足先を保護し、トレイルでのトラブルからしっかりと足を守ります。

従来と同じアルトラEGOミッドソールフォームを採用しつつ、踵からつま先まで25mmに統一されたスタックハイトは足裏感覚での歩行を実現。足元の負担を軽減し、長時間の使用でも快適な履き心地を提供してくれます。

おすすめポイント

  • 圧迫感を感じない履き心地とフィット感
  • ゆとりのあるフットシェイプながら、歩行中の「ズレ」が起こりにくい構造
  • Vibram Megagrip アウトソールによる優れたグリップ力
  • 厚すぎないソールのスタックハイトが感じさせてくれる大地との一体感
  • 長時間の歩行でも疲れにくい、クッション性の高さ
  • 濡れてもすぐに乾く抜群の速乾・通気性

気になったポイント

  • 重たい装備を背負うことを想定した時の安定感

主なスペックと評価

項目ALTRA LONE PEAK 9+
公式重量重量:327.7g(Mens US10.5 / 28.5cm)
ドロップ0mm
スタックハイト※125mm
アッパーリップストップメッシュアッパー
ミッドソールAltra EGO™ 
アウトソールVibram® Megagrip
フットシェイプオリジナル
Outdoor Gearzine評価
快適性★★★★★
重量★★★★☆
グリップ★★★★★
クッション性★★★★★
プロテクション★★★☆☆
安定性★★★☆☆

※1:スタックハイトとは、足裏から地面までの距離を指す数値です

ALTRA LONE PEAK 9+でトレイルを歩いたインプレッション

旧作のLONE PEAK 7では無積雪期の北アルプス、八ヶ岳から低山まで2年間で歩き回ってきました。そんな経験をもとに、 LONE PEAK 9+を履き、さまざまなフィールドを歩いてみて感じたことをお伝えします。

テストではLONE PEAK 7とLONE PEAK 9+を片足ずつ履いてみて比べたりもしてきましたので参考にしてみてください。

LONE PEAK 7と9+を片足ずつ履いて履き比べ

圧迫感を感じない履き心地とフィット感

すでにアルトラのシューズを知っている人にとっては言わずもがなかもしれませんが、とにかく履き心地が良く、LONE PEAK 9+も例外ではありません。

靴の形状を見てもらえれば分かる通り、ずんぐりとしたフォルムになっているLONE PEAK 9+は指先に向かって広がっていくことにより、自然な足の形状になっているラスト(足形)が足を覆ってくれるため、圧迫感を感じることがありません。他のシューズとインソールの形状を比べてみるとより分かりやすく、アルトラのインソールは親指部が1番長く、指の位置がワイドになっているのが分かります。

他社シューズとのとのソール形状を比べてみると一目瞭然

アルトラのシューズにはかかとからつま先までの幅が異なる様々な足に対応するように設計されており、足が自然に収まるスペースを確保し、より快適な走りを実現できるようモデルによって3つの異なる足形パターンがあり、それぞれ「オリジナル」「スタンダード」「スリム」がありますが、LONE PEAK 9+はもっとも最も広いスペースが確保されている「オリジナルシェイプ」が採用されており、シューズの中で足指を動かせるゆとりが設けられているためシューレースを締めても圧迫感を感じない足形になっています。

チョイスするサイズを適正にすることで足のトラブルの原因となる厄介なトラブルを回避できる快適さ・履き心地のよさを備えていました。

かかと部のホールド力は大幅に向上されている

LONE PEAK 7に比べ、かかとが硬めでホールド力が向上されたLONE PEAK 9+

LONE PEAK 7ではかかと部が浅く感じ、また柔らかく、ホールド力にやや頼りなさを感じていましたが、LONE PEAK 9+はかかと部のホールド力が大幅に改善されており、硬めになっていることでより高いフィット感です。

サイズ感について

筆者はソックスを履いた状態で実測が約29.5cm、LONE PEAK 9+はUS12.5をチョイスしましたが、サイズ感はちょうどよかったす。ここで言う「ちょうどいい」とは、履いた時につま先に若干のゆとりがあり、足指を自由に動かせること。その状態でかかとがズレることなくホールドしてくれる状態です。

ジャストサイズよりも少し大きめにすることで下りでつま先がシューズに干渉してしまうことも防ぐことができ、指を動かせるスペースがあることでしっかりと足指に力を入れて歩くことが可能です。

ゆとりのあるフットシェイプながら、歩行中の「ズレ」が起こりにくい構造

これまで登山靴に履き慣れた人にとって、初めて履くアルトラシューズは余裕のあるフットシェイプに不安を感じるかもしれません。(私がそうでしたから)ですが、LONE PEAK 9+はつま先にゆとりがありつつもズレにくく、トレイルでの下りでもしっかりと足とシューズをホールドしてくれます。

それを実現しているのがシューレースの構造です。足と靴がズレるのを防ぐことができるように配置されていることでズレにくくなっています。

足首の周りしっかりと締めることでズレを防いでくれる

筆者は専門家ではないため、詳しい解説は割愛させていただきますが、LONE PEAK 9+は足の距骨(きょこつ・足首の付け根の部分の骨)をしっかりとホールドできる構造になっているため、ローカットでありながら高いホールド力・フィット感で、ローカットでトレイルを歩くのが不安に感じる人もLONE PEAK 9+のホールド力・フィット感を体感すれば不安は軽減するでしょう。

Vibram Megagrip アウトソールによる優れたグリップ力

アウトソールに採用されたラバーはVibram Megagrip。濡れた岩や路面からぬかるみまで、悪路での強さは誰もが認める 信頼の高いソールで、LONE PEAKシリーズにVibram Megagripが採用されたのは初めてです。

あらゆる場所で驚くほど優れたグリップ力を発揮し、深い溝のラグパターンと足の大きさよりもかなり広く形作られた接地面が、安定性を高めてくれることでより路面状況に影響されず安心して歩くことができます。

所々に雪の残る早春の丹沢でも抜群のグリップ力を発揮してくれた

フィールドでテストする中でヌカるんだコンディションや積雪路も歩きましたが、冬結路やヌカるみのひどい場所などでは滑ることはあっても(これはどんなシューズでも滑りますから)、積もったばかりの雪や、圧雪され締まった雪、すこし水分を含んだ土など「これは滑るかな」と思うようなシーンでしっかりとグリップしてくれ、不安を感じることが少なく歩き切れました。

基本的には文句のつけようのないグリップ力ですが、気になった点としては装備が重たくなった時の安定感。LONE PEAK 9+はローカットで軽量なため、数日分食料を背負うようなシーンでさらに重たい荷物を背負って岩稜帯を歩くような山行では足元はもう少ししっかりとしたミッドカット、またはハイカットのシューズの方が安心できます。

ソールのかかと部に切れ込みが入ったことで歩行中の引っかかりがなくなった

旧作との違いとして、かかと部のアウトソールに切れ込みが入ったこと。これはすでにOLYMPUSシリーズなどで採用されていた形状で、接地面積が広くなることで安定性は損なわずに、かかとが引っかかるのを防いでくれます。

トレイルを歩いていると、かかと部のでっばりが引っかかってしまうことがありましたが、切れ込みが入っていることで引っかかることが格段に減りました。

厚すぎないソールのスタックハイトが感じさせてくれる大地との一体感

LONE PEAK 9+のスタックハイト(足裏から地面までの距離を指す数値)は25mmで、アルトラのシューズでもっともソールが薄いSUPERIOR(スペリオール)シリーズに次ぐソールの薄さです。

それに加えゼロドロップ構造になっていることで、足裏感覚で歩くことが可能になっており、靴の中で自由に動かすことのできる指がまるで裸足で歩いてるかのような感触を得ることができます。

地面の凹凸や柔らかさ、凍結した地面の硬さなど直に感じることができ、大自然を歩く中で大地との一体感を感じさせてくれます。

長時間の歩行でも疲れにくい、薄いソールでもEGOミッドソールフォームが発揮してくれるクッション性の高さ

ラインナップされるアルトラのシューズの中ではソールの薄いLONE PEAK 9+ですが、ミッドソールに採用されているEGOミッドソールフォームは高いクッション性を確保してくれており、衝撃を吸収してくれることで長時間の歩行でも疲れにくくなっています。

長時間の歩行だけでなく、スピードを求める際でも着地の際の衝撃も吸収、緩和してくれ、膝や腰への負担も少なくスピードを求めるようなシーンでも体への負担を軽減してくれます。

衝撃を吸収してくれるEGOミッドソールフォーム、そして必要以上に足を圧迫させないラスト形状が長時間の行動やランニングでの足の負担を軽減してくれています。LONE PEAKを愛用するようになってから、下山後に登山靴を脱いだ時の開放感を感じることがなくなりました。

小石などが入らないよう、対応したゲイターの装着が可能

ローカットシューズの弱点として、行動中に靴の中に小石などが入ってしまうことがありますが、LONE PEAK 9+は前後にゲイター装着用のアタッチメントが配置されていることで、対応したゲイターであれば容易に装着することができます。

LONE PEAK 7はシューレースにフックを引っかけることができる構造になっていましたが、LONE PEAK 9+は専用のホールが設けられています。

濡れてもすぐに乾く抜群の速乾・通気性

リップストップメッシュのアッパーは抜群の通気性。長時間の行動でも靴の中に蒸れを感じることはありません。発汗し続けるようなシーンでも高い通気性が汗を留まらせることなく放出してくれ、靴の中は常にストレスフリー。

通気性の高さの恩恵はまだあります。靴の中が蒸れにくいことで足の皮膚がふやけにくく、トラブルが起こりにくいです。実際に筆者がこれまでLONE PEAKを履いていて靴擦れなどトラブルは一度もありません。

高い通気性を備えているLONE PEAK 9+ですが、防水性能が備わっていないため(防水モデルもあります)、雨や水たまりに入ってしまった際にはダイレクトに足が濡れてしまいます。ですが速乾性が高く、中に水がたまらないよう排水してくれるため不快感がありません(ゼロとはいいませんが)

多くの登山靴が防水仕様になっていることから、非防水シューズを登山用として使用することに対しては賛否が分かれるところではあるかと思いますが、防水仕様のシューズの場合、濡れに対するプロテクトは強いですが、一度濡れてしまうと乾きにくく、常に濡れた状態になってしまうデメリットもあるため、状況や環境によっては非防水シューズの方に分があることも多く、一概にどちらがいいとは言えません。濡れに対するアプローチをどうするかは個人の考え方によって変わってくるでしょう。筆者の場合、凍傷などのリスクが避けられるシーンであれば通気性の高さから積極的に非防水シューズを取り入れています。

抜群の通気性を誇り、速乾性の高いLONE PEAK 9+であれば、仮に濡れてしまってもすぐに乾くため、不快感を感じることなく快適に歩き続けることができますから、非防水シューズに慣れてしまうとヤミつきになります。

プロテクションと耐久性

つま先の全体をカバーするように覆われたトゥガードは二重に強化されプロテクトされていることでちょっと油断して接触してもダメージを最小限にしてくれます。ダメージの軽減のみでなく、靴そのものの耐久性の高さもアウトドアアドベンチャーシューズとして高い安心感を得ることができます。

ただし、本格的な山岳地の岩稜帯を歩くために作られた堅牢な登山靴と比べればつま先やボディのプロテクト力は低いため、訪れる場所や環境に合わせて使い分けは必要でしょう。

必要に応じて追加できるアイレット(穴)と平紐で緩みにくいシューレース

LONE PEAK 9+には平紐が採用されており、アイレット(シューレースを通す穴)も平紐用に対応した形状になっています。

長距離ランナーに適していると言われるアンダーラップ(穴の下から上に靴ヒモを通す方法)で靴紐を通しやすくなっており、アンダーラップは圧迫感を少なくしてくれる効果があるシューレースの通し方です。さらにホールド力を高めたい人にはやや広い位置に配置された追加のアイレットを使うことでより外側からホールド力を高めることができるため、早いスピードでの行動時や急な斜面の多い環境で利用することでホールド力の調整が可能になっています。

追加のアイレット。シューレースを通すことでよりフィット感を高めることができる

LONE PEAK 9+には足首の付け根あたりにサブホールも設けられているため、かかとの幅が細くシューズがフィットしずらい人は、「ヒールロック」と呼ばれる結び方にすることでホールド力を高めることができます。ただし、追加のアイレットを使い、ヒールロックの結び方をしようとすると靴紐の長さが短くなってしまうため靴紐の交換をした方がいいかもしれません

※ヒールロックでの結び方は、「ヒールロック 結び方」で調べるとわかりやすい解説が出てきます

まとめ:履き心地、フィット感、安定性、耐久性。言うことなしの一足

履き心地のいいゆとりのあるつま先にフィット感、柔らかさもありつつ接地した時の安定感が高く、滑りにくい。モデルチェンジされたLONE PEAK 9+はより自然な歩きやすさが向上しており、より長く歩きたい人にとって最良のシューズと言える一足でした。してこの機能性の高さから、自然のフィールドだけでなく、日常での生活でも活躍してくれるでしょう。

万が一通気性よりも防水性を高めたいという人には「WP(ウォータープルーフ仕様)」が用意されています。そちらを選べばもう文句なしです。

優れたグリップ性能にプロテクションにクッション性、そして高い通気性はアウトドアアドベンチャーでの足のトラブルや疲労をどこまでも小さくしてくれるはずです。モデルチェンジされたLONE PEAK 9+を履いてハイキングやランニングに出かけましょう!

「ALTRA LONE PEAK 9+」の詳細と購入について

最新モデルの入荷情報や製品の詳細については公式通販サイトをご確認ください。

Yosuke(ヨウスケ)

不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

20年以上アウトドアを嗜み、一年中アウトドアを自分流に楽しむフリーランスのライター。数十以上のアウトドア系WEB媒体での記事執筆経験をもとに、自身の経験や使ってみて良かった道具を発信していきます。

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