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さよならGarmin inReach。ようこそau Starlink Direct

先日のオフラインイベントにて参加者の方から教えてもらい、帰ったその日に調べて次の日には契約していた…。それは何かというと、そうアレです。

「au Starlink Direct」

ついにAndroidユーザーも、通信キャリアに関わらずスマホで衛星通信ができるように

つまり、Androidユーザーで、なおかつ非auユーザーである自分も、ついにスマホで衛星通信による緊急SOSのための通信機能が利用できるようになったみたい!(もちろん有料ですが)

 

沢登りだとか冬山だとか、電波の届きにくい山深いエリアに入ってそこそこリスクの高いアクティビティをすることが多い人にとってはこれほどありがたいものはないのです。

かつては場合によっては無線機のような重いものをせっせと担いでいたのが、数年前ついにGarmin inReachのような「衛星通信デバイス」が一般人でも手の届く価格になり、この革命的なデバイスには自分も発売当初からずっとお世話になってきました。

※一応言っておくと、ココヘリは誰かに探してもらうことを前提としたサービスなので、こちらから積極的に救助を要請することができないという意味では(まったく不要とは思いませんが)お守りにしかなりません。

ただその後は、数年ごとに新機種が出るデバイス、たいして進化しないサービス内容、相変わらず英語が基本のUI、なのに月額料金もいつの間にか高くなってきた。そんななか、昨年2024年の夏ごろからはiPhoneユーザーはみんな衛星通信によるSOS機能が標準で実装されたというじゃないですか。

こちとらPixel 9 Pro XL持ちのAndroidガチ勢としては、iPhoneユーザーならほとんど変わらない内容のサービスが無料で受けられるのに、なんでこっちは未だにこんなにもコストかけないかんのかと、正直ちょっとうんざりしていたところでした。

そこへ登場したのがau Starlinkです。Androidユーザーでも衛星通信での緊急通信が可能とか。ただ始まったのは知っていましたが「どうせ金に物を言わせてユーザーを囲い込むためのauユーザー限定展開サービスでしょ」って斜に構えてみてましたよ、ええ(そんな自分はmineoドコモプラン)。

すると何と、ちょっと目を離した隙に、4月からau以外のキャリア利用者に対してもau Starlinkが使えるその名も「au Starlink Direct」なる新サービスが始まっていたとか。何という神展開…これでついにあの金食い虫のGarminからおさらばできるかもしれない!

ということでもう居ても立ってもいられず、イベントが終わった翌日にはサービスに契約していました。

そして先日、実際に山中の電波の届かない場所に行って実際のところを試してみたので、まだ詳細にではないですが使用感を軽くレポートしてみます。

au Starlink Direct とは

簡単に言うと、au 5G/4G LTEエリア外でも、空が見える環境であれば、テキストメッセージや位置情報が送れるようになるというサービスです。

https://www.au.com/mobile/service/starlink-direct/

au Starlink Directは、auのスマホを持っているだけでSpaceX社の低軌道衛星「Starlink」と直接通信できるサービス。auのサービスエリア圏外に出ると、スマホが自動的にStarlink衛星からの電波を探して接続を試みます。空が見える環境であればそこで接続が完了し、一部の通信サービスが利用できるようになると。

ただ、現状では接続できたとしてもスマホでのデータ通信すべてができるわけではなく、利用できるのは下記の一部のサービスのみです。

具体的には、

  • テキストメッセージの送受信(SMS/RCS/iMessage)

  • Googlemapで現在地の位置情報共有

  • AIチャット(GeminiかシンプルAIチャット)機能

  • 災害時に緊急速報メールの受信

逆に言うと、現状では「画像やファイルの送受信」「データ通信(つまりブラウザでネットを見たり、YoutubeやLINEなどのアプリを使ったり)」「音声通話」はできない。そこは結構重要な注意点。今のところ「どこでもネットが繋がる」というサービスなわけではないのです。

※データ通信は「今のところ」利用できないが、夏以降に対応する予定だとか。今後に大いに期待したい!

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/itmedia_mobile/trend/itmedia_mobile-20250410_116?redirect=1

嬉しいことに、料金もかなり良心的。

まずauユーザーなら当面無料。そして自分のような他社回線ユーザーの場合、2025年6月30日までに受付なら「申し込み当月から6ヵ月は無料」で、それ以降が「1,650円/月」(初期事務手数料アリ)

https://www.au.com/mobile/service/starlink-direct/exclusive-plan/

Garmin inReachを利用している自分は年間契約で月額1,780円だから、それと比べても金額的にも全然アリ。しかもあちらは最近プランが刷新されたため新規ユーザーは2,280円以上と月額料金がさらに高くなっているので正直比較にならない。

https://www.garmin.co.jp/products/outdoor/garmin-inreach-subscription/

もちろんあちらは画像やらボイスメッセージやら送れると内容は若干異なりますが、デバイスも買わなきゃいけなかったりを考えると価格的にすでに勝負ありだ。

申し込みからサービス利用開始まではあっという間

※以下はmineoドコモプラン利用のAndroid端末ユーザーによるレポートです。iPhoneユーザーやUQ mobileユーザーはこの限りではありませんのであしからず。

まずサービス加入には、au Starlink Direct対応機種である必要があります。

https://www.au.com/mobile/service/starlink-direct/enabled-device/

そして利用するSIMカードを選択。自分はデュアルeSIMが対応しているので、eSIMを選択。

そこから本人確認やら何やらをスマホでやり取りして申し込み(特に難しいステップはない)。申し込みはすべて「au ID」に紐づいて行われ、いろいろな操作は今後「My au」アプリでできるようになる。

契約が完了するとすぐに注文確認メールが送られてきて、その数時間後にはもう「設定方法のお知らせ」メールが届く。スマホのMy auアプリからeSIMをダウンロードし、それをデュアルSIMのひとつとして有効化すれば、無事「au Starlink Direct」の準備完了です。

完了すると、デュアルSIMを利用しているのと同じように、スマホ画面右上には(スマホによって表示の仕方は異なると思いますが)常に2つのアンテナが表示された状態になっているはず(下写真)。

au Starlink Direct初通信もあっけなく成功

au Starlink Direct自体は、au圏外になったときにはじめて接続されるサービスなので、実際に試してみるにはauのサービスエリア圏外にいかなければならない。ということで、先日ギアテストで行った大弛峠から金峰山のコースに行ってみた。

ちなみにau Starlink Directはau 4G LTEエリア内だと普通のauキャリアのデュアルSIMとしても使えるので、なんかお得な気分です。データ通信量は1GB/月まで無料(超過料金は不明)。

歩きはじめてからしばらくして、森に入ると電波が届かないことが多くなってきます。ただ、エリア圏内だけど電波が届きにくいという場所では、ネットに繋がらないけど衛星にも接続されないというもどかしい状況もあったりして、接続は必ずしもスムーズではない感じも。やはり空がある程度しっかり見えないといけないのだろうか。その辺はまだいろいろな状況でのテストが必要かと。

数時間歩いてようやく通信圏外の稜線に出ると、右上の電波表示がいつもの三角形から通信衛星マークに!

さっそくGoogleメッセージアプリでSMS通信テストをしてみたところ、あっさりとメッセージが送れました。またこのアプリで現在地の場所を送信してみたところ、こちらも難なく送信完了!

相手からのメッセージも受信できました。

さしたるトラブルもなく、期待通り、稜線上ではほぼノーストレスで圏外での通信が可能でした。これで、Androidユーザーでも、スマホの電池さえあればたとえ遭難しても余分な機器を追加せず、下界と連絡がとれることが可能に。未来過ぎる。

まだ接続に関しては不明な部分もあり、沢登りや渓流釣りなどで沢の中にいる時にも使えるのかなど、いろいろな状況で試してみたいと思いますが、まずはこれでGarminからau Starlink Directへの乗り換えを決断するには十分んなパフォーマンスを確認することができました。

もう少し試してみたところでまた詳細なレポートをご報告します。

6ヵ月無料キャンペーン期間は6月30日の申し込みまでなので、気になっていた方はお早めに!