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【忖度なしの自腹レビュー】Patagonia ストライダー・プロ・ショーツにしたら春夏低山パンツの悩みがすべて解決した

このところ、春は近場の低山での日帰りファストパッキングやトレイルランを楽しむことが増えたからか、はたまた地球温暖化の影響か、山でロングパンツを穿く機会がめっきり減ってきました。山屋上がりの自分としては「山に入る以上はなるべく肌を露出しないようにしたい」という気持ちは今でもありますが、さすがにこの暑さの中で汗を流し続けながらのロングパンツでは(無理ではないものの)かいた汗が引すぐにかず。腿上げ時の微妙な抵抗感もボディブローのように効いてきます。

そんなパンツをめぐる脳内での「安全性と快適性との綱引き」が数年続いた後、ついにトレッキングパンツスタイルを卒業する時が訪れました。代わって主役となりつつあるのは、トレイルラン向けのランニングショーツです。

もちろん移行当初は違和感がなかったわけではありません。慣れ親しんでいたロングパンツから肌剥き出しのショーツへのシフトには時間がかかりました。

まずは恐る恐る、7分丈やハーフのトレッキングパンツへ。そしてある程度慣れてきたらハーフから9インチ程度のランニングパンツへ、そして7インチや5インチというはっきりとした「短パン」へと、傍から見たら何をそんなにもたもたする必要があるのだと思うくらいゆっくりと自分なりの丈探しの旅を納得のいくまで続けていました。そして今シーズン、めでたく行き着いた現時点で「最高のショーツ」がこの一着、2023シーズンにアップデートしたPatagonia ストライダー・プロ・ショーツ 7インチ です。

長い間さまざまなモデルを穿いてきてた自分がこいつに出会ってからというもの、お世辞ではなく春夏の低山ハイキングやトレイルランにおける下半身の不安・不満がほぼすべて解消しました。今回は春夏の低山ファストハイキング用パンツに必要なポイントについて、このショーツを詳細にレビューしながら書いてみたいと思います。

Patagonia ストライダー・プロ・ショーツ 7インチ ダイジェスト

おすすめポイント

  • 軽くてしなやか、肌触りサラサラで快適な生地素材
  • 広い裾回りや股下、適度なストレッチによる抜群の動きやすさ
  • フィット感と調節性の高いウェスト
  • 快適で通気速乾性の高いライナーブリーフ
  • ジェルやスマホが収納できる豊富で無駄のない作りのポケット類
  • 5 or 7インチと選べる丈

気になったポイント

  • 摩耗・ひっかきに対する耐久性
  • 高価

主なスペックと評価

名前Patagonia ストライダー・プロ・ショーツ 7インチ
重量108g(Mサイズ実測)
生地
  • 本体:4方向に伸縮するリサイクル・ポリエステル90%/ポリウレタン10%(PFCフリーDWR加工済み)
  • ライナー:リサイクル・ポリエステル100%のダブルニット
防臭加工
評価
フィット感★★★★★
動きやすさ★★★★★
吸汗速乾性★★★★☆
ポケット★★★★★
耐久性★★★☆☆
スタイル★★★★★

詳細レビュー

長時間の激しいアクティビティをサポートする快適さと大きなアクションでもストレスフリーの動きやすさ

ランニングショーツなんてどれもだいたい同じような穿き心地、そう思うかもしれません。実際確かにロングパンツに比べればモデル毎の差異は小さいかもしれませんが、それでもいろいろと穿き比べ続けていると、やはり本当に快適なウェアには、不思議と確かな「違い」が感じられるものです。

その点、このストライダー・プロの快適な穿き心地には驚かされました。元々トレイルランや長距離アクティビティにフォーカスしたショーツである点から、長い距離、もしくは激しい動きを想定して作られており、それを裏付ける特徴のひとつが長時間着てもストレスのない穿き心地の良さといえます。

生地は軽量で通気速乾性に優れたポリエステル素材(Ocean Cycle認定のリサイクル素材)にポリウレタンを10%ブレンド。非常に軽くてしなやか、そして4方向への伸縮性も十分、汗をかいても肌にまとわりつくこともなく、動きを妨げるようなストレスは一切感じません。

ウエストは平ゴムバンドで全周を覆いながら、さらにドローコードで調整もできる手厚い仕様で、長時間のランニングでも束縛感や緩みがなく、快適でしっかりした感触です。

吸湿速乾性に優れた内蔵ブリーフライナー

インナーにはグリッド状で吸湿速乾性と伸縮性に優れたポリエステル素材のブリーフライナーが内蔵。程よいストレッチによって下着なしで履いても違和感はまったくないどころか、自分がいつも穿いているインナーよりもはるかに脚を動かしやすく快適に走らせてくれました。汗の発散性も高く、常にドライでいてくれるので股ずれといったこととも無縁。さらにこのライナー、ハイキュ・ピュア防臭加工が施されているときたもんだ。至れり尽くせりではないですか。

大きなアクションでもストレスフリーなパターンの素晴らしさ

前述した生地の軽さと各段に向上したストレッチ性に加えて、パンツの裁断(パターン)も秀逸。広めに作られた裾回りやサイドに入った切り込みによって、下半身の大きな動きをサポートしつつ、風通しも良好です。大げさではなく、大きく足を上げたり開いたりしてもツッパリ感が皆無で、まるで何も穿いていないかのごとき心地よさ。

ジェルの入る4つのポケットとスマホも入るファスナー付きポケット

ストライダー・プロの抜け目ないところは穿き心地だけではありません。このショーツにはこの軽さからは考えられないほど多くのポケットが設けられており、一日のコースを走り続けるために必要な小物をすべて持ち運ぶことができてしまいます。

ウエストラインの両サイドには伸縮性のある4つのポケットを備え、大小のジェルやタブレットが、小さいものであればたくさん収まります(下写真)。

またバックにあるジッパー付きポケットにはカードホルダーはもちろん、スマホもサイズでいうと6インチちょっと(標準モデルのiPhone)までなら普通に入れておくことができます(下写真)。

ちなみに自分のスマホは6.7インチの特大サイズで、それはさすがに微妙。一応入るかどうか試してみましたが、カバー無しで無理やり押し込めばギリ入らなくもないといった具合で、入り口が毎回悲鳴を上げてでも入れたいという人以外、あまりおすすめはできません。

その他、超小型のシェルや日焼け止めボトル、ヘッドライトのバッテリーなど、長時間のルートを止まることなく走り続けるために近くに置いておきたいものがたいてい入れておくことができる十分な容量を備えています。当然たくさん収納があることに越したことはないのですが、ストライダー・プロがスゴイのは、これだけの十分な収納性を備えながら追加の重量やかさばりを最小限に抑えている点。この利便性とスタイルと重量との絶妙なバランスセンスが何よりも素晴らしい。

DWR(耐久性撥水)加工を施したメイン素材は軽い水分や汚れをシャットアウト

アウトドア仕様のパンツとして地味に欠かせないのが表面の撥水加工ですが、こちらはPFCフリーのDWR加工(フッ素化合物不使用の耐久性撥水コーティング)がしっかりと施されており、ちょっとした水はねや汚れは弾いてくれます(下写真)。

ただもちろんこれは撥水仕様なので、長時間強い圧がかかれば水は浸透してきます。下の写真は一日の行動後の背面部分ですが、バックパックのヒップベルトに押さえられていた部分だけ汗が染み込んでおり、それ以外の部分は染み込むことなく弾くか蒸発していっていることが分かります(下写真)。もちろん速乾性の高い生地は浸透したとしてもすぐに乾きやすくなっているのでパンツの濡れや蒸れが気になるということもありませんでした。

性能的な唯一の不満点:生地の耐久性

瞬間的な快適性や使い勝手としてはこの上ない優等生ですが、意外と気になってしまった点がこの耐久性についてです。自分はヒップベルト付きの20リットル中盤のバックパックに荷物を入れて何度か試していったのですが、延べ使用距離30キロ程度を経過したところで背面に摩耗による毛羽立ちがやや見られるようになってきました(下写真)。決して引っ張りや引っ掛けに特に弱いということはないので強度的には問題ないのですが、連続使用に対する耐久性までも完璧、というわけにはいかなさそうです。

ただ、元々オン・オフロードでのランニングを想定して作られているストライダー・プロは、バックパックでパンツが擦れるというところまではさすがに面倒見切れないということも考慮しなければなりません。ロードでのランニングや一般的なトレイルランのベスト型バックパックでの行動であれば、恐らくここまですぐに摩耗が始まるということはないでしょう。ただ自分のようにファストパッキングなど大荷物で穿きたい場合には若干注意が必要です。

まとめ:暑さのなかで自然の中を走り続けるために必要なすべてがある

暖かい季節に自然の中を走り抜けるために必要な機能がすべて高いレベルで備わったストライダー・プロ・ショーツは、山でインテンシティの高い活動を行うすべての人におすすめしたい、個人的には理想に近いテクニカルパンツでした。暑い時期にストレスなく快適な山歩き・山走りをしたい愛好家から、本格的な長距離レースに挑戦するアスリート志向のランナー・ハイカー、さらには街でのトレーニングを含めてオン・オフロードに幅広く対応するショーツを求めるひとまで、地球上どこで走るのにも対応してくれます。唯一の悩みどころは価格だと思いますが、この全方位的に対応できる高品質によって、それに見合ったパフォーマンスはほぼ約束されているといっていいでしょう。

ちなみに自分が試したのは通気性とプロテクションのバランスのとれた7インチモデルでしたが、よりアクティブに攻める人には5インチのタイプも用意されています。さらにウィメンズの丈は3.5インチ(ポケットが3つ、ウエストバンドがより幅広)と、スタイルに合わせた微妙なアジャストもされています。

また今シーズンのパタゴニアのランニング向けショーツはこのストライダー・プロ・ショーツを含めて以下の3モデルがラインナップされています。マルチ・トレイルズ・ショーツは生地はストライダー・プロと同じながら、ボクサーブリーフ型ライナーに8インチと山だけでなくカジュアルにも使いやすいデザインが特徴。トレイル・ファーラー・ショーツはインナーショーツなし、また本体はポケットに収納可能と、日常使用や履き替えも想定した多用途対応モデルといえそう。ストライダー・プロ以外の2モデルでも、目的や用途、スタイルに合わせて選べば十分満足できそうです。

ストライダー・プロ・ショーツ

マルチ・トレイルズ・ショーツ

トレイルフェアラー・ショーツ

Japanese