NEWS:『TRAIL OPEN AIR DEMO 4』で全俺がざわついたアウトドア・ギアまとめ
気軽に山道具やトレランギアを試せるイベントとしてすっかり定着しつつある春の風物詩、「TRAIL OPEN AIR DEMO 4(TOAD4)」に今年も参加してきました。しかも今年はTOAD4から直々に当日レポーターとしてご指名を受け、ほぼすべてのブースを回り、注目アイテムをチェックすることができました(回りきれなかったブランドの方スイマセン)。
今回はイベントで出会ったたくさんの興味深いアイテムの中でも、特に個人的にざわついたアウトドア・ギアをまとめてみます。
TRAIL OPEN AIR DEMO 4 で見つけた2018シーズン注目ブランド・アイテム
La Sportiva UNIKA
今回履いた中では衝撃度という点で飛び抜けていたのがこのUNIKA。コンセプトとしては「クライミングシューズを手がけるブランドが理想のトレランシューズを作ってみたら」というもので、初めてにして唯一のヨーロッパメイドモデル。そんな能書きよりも、履いてみるだけでこのシューズの「ユニークさ」はすぐに分かります。アッパー全体がクライミングシューズのようにガッチリと足を包み込み、文字通りシューズと足が一体化する感触と、衝撃をしっかりと受け止める高いクッション性が融合し、これまでになかった走りざわりが味わえます。
RaidLight Hyperlight MP+ Jacket
昨年から気になってはいたのですが、あらためてヤバいです。耐水圧20,000mm/透湿25,000gという十分な性能のmp+メンブレン、2レイヤーで超軽量(115g)、おまけにストレッチ素材というよだれもののスペックをもった超軽量レインシェルは、フランスの本格トレイルランニングブランド、RaidLightから。腕振りでの違和感も少ないので裁断もばっちり。肩部分のずり落ち予防の補強や左袖部分の腕時計用窓など、アウトドアでの使い勝手にも細かく配慮され、そんな隙のなさも含めて侮れない一着です。
MERRELL TRAIL GLOVE 4 E-MESH
昨年のドラマ「陸王」の影響でかさらに認知度が高まったベアフット系のランニングシューズですが、オフロードを走るトレイルランでもベアフットしたい!という方におすすめなのがこのメレルの新作。アウトソールはビブラム製でグリップ力はバッチリなのに加え、アッパーは通気性と耐久性、そしてフィット感抜群のメッシュ・紐締めモデルです。ベアフットの「地面の感触を捉える」快感と、一般的なランニングシューズの安心感がちょうどよくブレンドされていて、なんだか楽しく走れそうな気がしてきます。
Arc’teryx ノーバン LD/ノーバン7 ハイドレーション ベスト
あのアークテリクスが本格的にトレランギアに参入ということで今シーズン話題がもちきりですが、今シーズン新登場のオールラウンド・トレイルランシューズを実際に履いてみて驚きました。何がって、あのアークテリクスには珍しく衝撃的に「普通」の履き味なんです。見た目からもそうですが、クセのないフィット感と軽さ、クッションの良さ、安心のグリップ力、どこをとっても目立った欠点がありません。実際、自分は試履きしていることを忘れて立ち去ろうとしてしまったくらい、自然な履き心地。興味深いのはGORE-TEX®バージョンでもほとんど重量が変わらない点で、その点、スピードハイクにももってこいですね。
Black Diamond ディスタンスカーボンFLZ
今シーズン、トレッキングポール界トップブランドのひとつであるBDのラインナップが全面的にモデルチェンジされます。愛用していた「ディスタンスカーボンFLZ」もしっかりと進化していました。ジョイント部分がさらに強度を増したことでカーボンの弱点である耐久性が向上したにもかかわらず、前モデルからちょっとだけ軽量化。細かい操作性も良くなっていました。さらに3シーズンのハイキング限定であった軽量ポール「ディスタンス」シリーズに、バスケット交換可能な「ディスタンスプラス」シリーズが加わり、そちらも楽しみ。
MONTANE ファング5L/ジョーズ10L/レーザー15
イギリスのライト&ファスト系ブランドMONTANEは数年前からトレイルラン向けのラインナップを強化して展開していますが、日本ではまだ知名度がイマイチ。でももの自体は非常に良くできているのです。特に気に入っているのがバックパック。平ゴムをベルクロで留めるチェストストラップはフィット感・締めつけ具合が絶妙で、僕の知る限りこのモデルだけでしか味わえません。5~15Lのラインナップが今年若干アップデートされ、POLYGIENE®による防臭加工が追加されました。
ZEN NUTRITION
ZEN NUTRITIONとは、天然由来のアミノ酸を配合したスポーツサプリメント。「人がカラダに受け入れるものは天然のものが最も効果的で安全である」というコンセプトのもと天然の原料にこだわり、栽培農家、一時加工工場から入荷までのトレサビリティーの確保と、現地での生産管理、農薬の検査などにより厳しく管理されています。スポーツドリンクなどのサプリメントは人工的に作られた化学合成品でもしょうがないと何げなく思っていた自分にとってはちょっと目から鱗でした。
inov8 TRAILTALON 235 MS
多くのトレイルランナーから熱い支持を得るinov8。今回もブースには試し履きに訪れる人々が後を絶たないくらい盛況でした。個人的にいい感じだったのがこのTRAILTALON 235 MS。いわゆるタフで長距離なコースを走破するというよりも、短めでロードもそこそこあるコースに適したスピードモデルです。ロードのランニングシューズに似た軽量で高通気・柔軟なアッパーと薄いながらも高いクッション性を備え、ロードからトレランに転向する人や、奥多摩や秩父・丹沢などでの入門的なレースにピッタリではないでしょうか。
PaaGo WORKS RUSH28
日本発のバックパックブランドPaaGo WORKSからは、無駄を省きながら快適な背負い心地を実現したファストパッキング向けバックパックRUSH28がすごい。しっかりとフィットする胸のパッドと肩口から重量が覆いかぶさるように設計されたトップスタビライザーによって、一体感があってぶれにくい、快適な背負い心地はシビレます。ストラップ類の使い勝手もさることながら、荷物が小さいときにコンプレッションの役割を果たすなど、最小限の素材で最大限の機能を実現しているところもいい。写真は発売未定の限定モデル。
NATHAN ExoShot Flask
固い、飲んだ後も小さくならないなどの不便さのあるボトルに代わり、ランニング中の水分補給でフラスクを使うことが多くなってきました。ただし量が減ってきたときにふにゃふにゃで収納しにくいという欠点がありました。それを改善しているのがこのNATHANのExoShot Flask。中に薄い芯が入っているため、水が少なくなってもボトルのようにすんなりポケットに差し込むことができます。ちょっとしたことですが、こういう発明、好きです。
Naito トレイルラン向けポール
このイベントではじめて出会った、信州にある小さなポールメーカー、ナイト工芸のトレイルラン向けポールは、一見するとよくある折りたたみ式ですが、ジョイントの芯部分が強靭なゴムになっているところがユニーク。これによってポールをひろげた瞬間、自動的にポールが組み立てられるというありそうでなかった便利ポールです。細かい使い心地や耐久性がどうかなどは未知数ですが、今後注目してみたいブランドとなったことは間違いありません。
GARMIN ForeAthlete 645 Music
GARMINスポーツウォッチに、普段使いからトレーニングなどに最適な新作が登場。まずサイズ感が小ぶりで薄い普段するのにも違和感ないのがいい、ここ重要。新しい特徴としては、単体で音楽再生機能をもち、最大500曲の音楽データを転送し、別売りBluetoothイヤホンと接続して(スマホ無し)でランニング中に音楽を聴くことができます。もちろんGPS・気圧・高度計・ジャイロ・コンパス・心拍計などの基本的なセンサーも内蔵しているので山でも使えるし、スマホとの連携した使い方も可能です。
まとめ
あっという間の7時間でした。お店で買わないのに色々試すのって何となく気が引けるものですが(僕だけ?)、ここではそんな気兼ねをする必要は一切なく、心ゆくまでいろいろな道具を試せる。だからこそ、普段試せなかったものを試してみることができ、そこから思わぬ発見があったり。そんな一期一会の素敵な出会いをくれる希有なイベントだとあらためて実感しました。その他に行なわれたほのぼのとした各種イベントなど、誰もがユルく楽しめるのがTrail Open Air Demoの何よりの魅力です。今年来られなかった人もぜひ来年、会場で会いましょう!では。