パタゴニアの最新ベースレイヤーは何が変わったか確かめてみた【フルリモデル】
目次
素材も作りも大きくモデルチェンジ!より幅広いユーザーに対応
パタゴニアのベースレイヤーといえば、多くのファンに支持されてきた実績のある化繊「キャプリーン」と上質なウール素材「メリノウール(正確にはキャプリーン等との混紡)」の2つのラインアップがありました。手頃な価格と豊富なラインナップによる使い分けのし易さ、環境にも配慮した安心感で、かくいうぼくもキャプリーン2の愛用者。で、今回それらを含めた全面リニューアルということで、早速何が変わったのかを手にとって確認してみることにしました。
なお、今回は日程の都合上日本で製品を入手することができなかったため、アメリカでの購入・試着レポートということに。購入したのはここ、パタゴニア@シカゴ。
こちらでも新作は大人気のようで、MやSサイズはほぼ売り切れ。しかし幸運にも日本人向けの小さいサイズは残っており、何とか新作をGET。
写真の通り、新しいベースレイヤーはパッケージのデザインからして斬新。しかも糊や接着剤を使わない再生紙100%の板紙でリサイクルについても徹底的に配慮。相変わらずのパタゴニアらしさを感じます。今回試してみたかったのは、主にこれからの真夏に最適なキャプリーンのベースレイヤーということで、上の3製品をチェック。新しいメリノのポロは単純に衝動買いです。ちなみに新たに登場したメリノウール素材「メリノ・エア」については試着までしましたが、活躍するのは秋以降だと判断。使用レビューは後日にしたいと思います。
試着レポート:何が変わった?
独自の最新メリノウール素材「メリノ・エア」が登場(試着レポ)
パタゴニアの新しいメリノウール素材「メリノ・エア」は、何よりその独特な素材感と形状が眼を引きます。従来と同様パタゴニア地方での良質なメリノウールとキャプリーン素材の混紡ですが、秘密はその先の工程にあります。今回新たにより多くのロフト(嵩)のある繊維へと紡ぎ上げられ、従来に比べてオンスごとの保温効果が高まっただけでなく、ムダの無いシームレスな編み上げによる計算されたフィット、並外れた保温性と通気性を両立させた表面の凹凸構造が組み合わさることによって、軽量で温かく通気性があり、携帯に便利なメリノ・ベースレイヤーが誕生しました。
早速お店で試着。まず思ったよりもめちゃくちゃ伸縮します!そのおかげでピッタリと肌に吸いついて着たときのフィット感は抜群、軽いので締め付ける感じもそれほどありません(ただ流石に真夏はよほどの高地でないとちょっとオーバースペックかも)。他のウール100%の競合製品と比較しての保温力次第では、ものすごく機能的で使い易い冬のベースレイヤーになる気がしています。個人的には特にフーディタイプが冬のアウトドア全般で大活躍する予感・・・。
ラインアップ展開が変わった
ここからはキャプリーン・メリノ共通の話しです。これまでパタゴニアのベースレイヤーといえば、例えばキャプリーン1~4のように素材の薄い順に数字が上がっていくモデル展開でしたが、今回それが「デイリー・ライトウェイト・ミッドウェイト・サーマルウェイト」の4パターンに統一されました。デイリーは文字通り日常の街着としての利用を意識し、それ以降はアウトドアにおけるベースレイヤーとして、季節や用途に合わせて使用することを想定しています。
ここで少しややこしいのは、新たな4パターンが従来の1~4に素直にスライドしていないところです。特にぼくの愛用していたキャプリーン2が難しい。普通に考えると、キャプリーン2は順番から言って「ライトウェイト」かと思いきや、お店によると、2はどちらかと言えば「ミッドウェイト」に近いとか。ただ、スペックや実際の着心地から考えるに、「ミッドウェイト」は旧キャプリーン2よりも生地が厚め(3に近い)、一方「ライトウェイト」は旧キャプリーン2よりかなり薄手(1に近い)です。つまりキャプリーン2にちょうどよく対応するラインが見当たらず、このため旧キャプリーン2ユーザーはこの微妙な差異を踏まえて、2と同じものを求めるのではなくゼロベースでチョイスする方が幸せになれる気がしています。簡単に言うと春先や晩秋に重点を置くならばミッドウェイト、夏の快適さを一番に考えるならばライトウェイトといった具合に。
フィット感が変わった
公式にあるように旧モデルからパターニングが変更されました。これまでの「レギュラーフィット」から「スリムフィット」へと変わったことによってより細身のシルエットに。参考までに、旧・新で同じキャプリーン2ジップネックを着用して比較しています。微妙な違いですが、写真で見ると脇下や袖周りのあたりが新モデルはよりスリムになっているのが明らか。個人的にはフィット感もシルエットも上々で気に入っています。
サイズ展開が変わった
これまでパタゴニアのベースレイヤーは「アジア・フィット」ということで、日本製のウェアと似たサイズ感で展開されていましたが、今回からワールドワイドで共通になりました。試着してみた感じでは、それぞれのアイテムでサイズ感が違っていたように感じられたので、購入を検討している人は要注意です。参考までにぼく(身長176cm)の場合、スリムフィット系(ライト・ミッド・サーマル)では、ミッドウェイト・ジップネックはSサイズがちょうどよく、ライトウェイト・ロングスリーブタイプはSでもXSでもいける感じ(ライトウェイトはピッタリと着たかったのでXSをチョイス)、そしてレギュラーフィット系(デイリータイプ)はXSがちょうどいい感じ。ぼくの場合はこんな感じですが、間違いなく個人差はありますので、実際にはお店で試着してから決めるのが賢明でしょう。
肌触りが変わった
新しい素材が登場したメリノウールだけでなく、キャプリーンの方でも肌触り・着心地で微妙な変化がありました。(キャプリーン2を基準に)ミッドウェイトでは、ポーラテック・パワー・グリッド素材による滑らかな表面と起毛して吸湿・保温性に優れた柔らかい着心地の裏地。一方ライトウェイトではより細かい繊維でしなやかな肌触りになっています。
またこれは予想外でしたが、デイリータイプのポロシャツは着心地・使い易さともに大満足。軽くて涼しく、30℃を超える暑さの中でも超快適で臭いも気にならず、今回のアメリカ旅行でほぼ毎日(洗っては乾かし)着てしまっています。素材的にも山で着たってまったく問題ないですし、今回の隠れたおすすめウェアです。
細かい機能が追加
詳細は公式ページにて図解されいてますが、便利なループや昔ながらのロゴ(織りタグ)が復活しています。
- 親指用ループ
- 吊るし用ループ
- テープ処理済みの襟ぐり
- 裾にパタゴニアの織りタグ
- フラットなウエストバンド
まとめ
感じたことをつらつらと書いてきましたが、今回の新モデルは基本的にどのラインもすべて、機能的にもデザイン的にも大満足。どんな季節や用途にも対応できるラインナップの広さと、なおかつデザインや着心地などの”気持ちよさ”をも兼ね備えた新モデルは隙が見当たらず、一気にベースレイヤーの大本命に躍り出た感があります。さらに、それぞれテクニカルウェアとして進化しているだけでなく、日常着としての幅も広がり、より多くの人におすすめできるものになっています。
ただ、大幅なリニューアルだけに従来のモデルから引き継いでいる部分が少なく、そこが分かりにくくなっていることは否めないので、購入の際には上の変更ポイントを参考に、慎重に選んでみた方が良いかもしれません。