比較レビュー:山での寝床を考える。気になるスリーピングパッド(マット)で寝比べてみた

フィールドにおいて睡眠の質を左右するのはテント・シュラフ・スリーピングパッド(マット)の3つであることは間違いないでしょう。当方、登山よりももっぱら最近はファミリーキャンプばかりに没頭している日々です。

満点の星空の下、焚き火をしながら家族、友と語らいテントに入り床に就く。しかし、寝床の質が悪いと、快眠するのはなかなか難しいもの。翌日身体のどこかしらが痛くなり、楽しみなアクティビティにも影響が出てしまいます。

かくいう自分も高スペックのシュラフさえ使っていれば、スリーピングパッドはホームセンターで売っている銀マットで何とかなると思っていた時代もありました。ところがあるとき、シュラフでは背中(地面)側の中綿が自重でつぶれてしまうため断熱にほとんど役立たないということを知り、それからというものスリーピングパッドの断熱性を意識するようになりました。

もちろん、スリーピングパッドの良し悪しは断熱性(保温性)だけでは測れません。だからこそ、各メーカーから出ているさまざまな特徴をもったモデルのを納得いくまで調べて、自分の用途や目的にぴったりのモデルを賢く選びたいものです。そこで今回は、そんなパッド選びに悩める皆さんのために、今シーズンの最新モデルを含めて個性派ぞろいのスリーピングパッドを比較評価してみましので、早速どうぞ。

目次

今回比較したスリーピングパッドについて

今回比較したスリーピングパッドは以下の8モデル。

かなりハイスペックになっている現代のスリーピングパッドに驚きを隠せない筆者ですが、それでもまだすべての項目において完璧なマットはありません。どれだけ高価なスリーピングパッドでも、長所と短所が必ずあります。また、どういったフィールド、環境で使用するかによっても選び方や重視するポイントが異なってきますし、寝心地の好みも違うことでしょう。

このためこの比較レビューでは、よくある乱暴なランキングではなく、それぞれのマットを使ってみて、断熱性・収納性・重量・快適性・使い勝手・耐久性という6項目について多角的に評価しています。総合評価はあくまでも筆者が実感したうえでのおすすめ指数です。

  1. 快適性・・・クッションの良さだけでなく、身体のズレにくさなど含めた総合的な寝心地の良さ
  2. 断熱性・・・地面の冷気をどれだけ遮断してくれるか
  3. 重量、収納性・・・テントやシュラフに注目がいきがちですが、パッドも意外と荷物になる
  4. 使い勝手・・・セッティングのしやすさや畳みやすさなど、使用時にどれだけストレスなく使えるか
  5. 耐久性・・・使い物にならなくなるリスクがどれだけ少ないか(エア注入式は特に注意)

テスト結果&スペック比較表

総合評価 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★ ★★
アイテム NEMO(ニーモ・イクイップメント) テンサー 20R NM-TSR-20RNEMO TENSOR™ 20 THERMAREST(サーマレスト) アウトドア用マットレス ファスト&ライトシリーズ ネオエアー Xサーモ ベイパー 【日本正規品】ThermaRest NeoAirXTherm SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) マット ウルトラライトインサレーションマット レギュラー 1700484Sea To Summit ウルトラライト インサレーティッドマット エバニュー(EVERNEW) Fpmat 125 EBA504エバニュー Fpmat 125 Klymit 絶縁静的V LITE 4シーズンスリーピングパッドKlymit インシュレーテッド スタティック V ライト SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット) ウルトラライトS.I. レギュラー マット オレンジSea To Summit ウルトラライトS.Iマット THERMAREST(サーマレスト) 寝袋 マット Z Lite Sol Zライト ソル シルバー/レモン R (51×183×厚さ2cm) R値2.6 30670 【日本正規品】Therm-a-Rest Z Lite Sol NEMO ZOR™ 20
参考価格 16,200円 34,560円 15,660円 3,240円 17,280円 10,260円 7,776円 12,420円
ここが◎ 寝心地のよさ、収納性、重量 断熱性、収納性、快適性、エアポンプ 寝心地のよさ、収納性、重量、エアポンプ、注入・脱気の簡単さ 重量、収納性、使い勝手、価格 身体が安定する寝心地のよさ、断熱性 快適性、セッティングのしやすさ 使い勝手、耐久性、重量 重量、快適性
ここが△ 耐久性 若干身体がずれやすい、価格 やや薄い 快適性、断熱性 重量、収納性、脱気のしにくさ 重量、収納性 収納性、断熱性 耐久性、断熱性
快適性 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆
断熱性 ★★★★☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ ★★☆☆☆
重量 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★★ ★★☆☆☆ ★★☆☆☆ ★★★★☆ ★★★★★
収納性 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★☆☆
使い勝手 ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆
耐久性 ★★☆☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆
スペック
アイテム NEMO TENSOR™ 20 Therm-a-Rest NeoAir Xtherm Sea To Summit ウルトラライト インサレーティッドマット エバニュー Fpmat 125 Klymit インシュレーテッド スタティック V ライト Sea To Summit ウルトラライトS.Iマット Therm-a-Rest Z Lite SOL Nemo ZOR™ 20
タイプ エア注入式 エア注入式 エア注入式 クローズド・セル エア注入式 セルフインフレーティング式 クローズド・セル セルフインフレーティング式
断熱素材 4枚のサーマキャプチャー層 サーモライト ポリエチレンフォーム Klymalite™(クライマライト) ウレタンフォーム 軽量EVAフォーム ウレタンフォーム
重量 360g 430g 480g 200g 556g 550g 410g 380g
単位当たり重量 2.0 2.3 2.6 1.6 3.0 3.0 2.2 2.1
生地 20Dポリエステル
  • 表面:30D高強度ナイロン
  • 裏面:70Dナイロン
40Dリップストップナイロン ポリエチレンフォーム 30Dポリエステル 30Dポリエステル 軽量EVAフォーム 20Dポリエステル
R値 5.7 3.3 4.4 2.6 2.6
収納サイズ φ8×20cm φ10×23cm φ10×23cm φ12.7×20.3cm φ13.5×26cm 51×13×14cm φ11×23cm
厚さ 7.5 6.3 5.0 5.0 6.5 2.5 2.0 2.5

総評 ~タイプ別おすすめモデル~

まず今回の比較で筆者が総合的いって最も惚れ込んだのはNEMO TENSOR 20(テストで試用したのはMサイズ)。断熱、快適、収納の項目で非常にハイスペックでした。特に寝心地については言うことなし。まぁ耐久性については若干不安な部分もあり、あまりハードに使うことはおすすめできませんが、そこを考慮してもおすすめしたくなるスリーピングパッドでした。またこのシリーズは内部にPrimaLoft®をラミネートして保温性を飛躍的に高めたインシュレーテッドタイプもありますので、状況に応じてより適したモデルを選ぶことができます。

また、エバニュー FPmat 125は収納、重量、使い勝手、耐久性に優れており値段から考えてもかなりコスパが良いです。バックパック内の収納スペースに余裕があれば是非携行して欲しいアイテムの1つです。日帰り登山でのちょっとした休憩時に使用するのもあり、メインのスリーピングパッドの下に敷くのもあり、バックパック内の道具を広げる際に敷くのもあり、もちろんメインのパッドとして使用するのもあり。などなど、さまざまな使い方ができるのが魅力で登山以外のアクティビティにも大活躍してくれそうです。

秋から冬にかけての寒い季節にお勧めするのはTherm-a-Rest NeoAir Xthermです。何と言っても冷気を断熱するだけではなく、背中側からじわじわやってくる暖かさは唯一無二ですね。もはや、断熱性よりも保温性と言ったほうが正しいかもしれません。8つのスリーピングパッドで比較すると一番高価ですが、価格に見合った性能を体感することはできると思います。

寝心地を重視するなら、エア注入式パッドがお勧め。中でもNEMO TENSOR 20Mについては前記のとおり。klymit インシュレーテッド スタティック V ライトSea To Summit ウルトラライト インサレーティッドマットは気室がそれぞれ独立しているため寝返りをうつ際にマット全体が動くことがなく安定感を提供してくれます。なおこちらの2モデルも断熱性の高さによって夏向け・冬向けが選べるようになっていますので、用途に合わせて選ぶことができます。

できるだけコンパクトな装備でいきたいときにおすすめなのはNEMO TENSOR 20(M)エバニュー FPmat125ですね。どちらも軽量かつ収納性が非常に優れています。NEMO TENSOR 20Mはハードシェルなどの大きめのポケットに入るほどコンパクトです。

ちなみにパッドの縦サイズですが、冬の寒い時期に使用するのであればなるべくキッチリ身長分あった方が安心です。下半身からくる寒気は意外と馬鹿になりません。一方それ以外の季節であれば、万が一身長分なくても、下半身は余っているギアで代用するなどして、ある程度何とかなるというのが今回比べてみての実感でした。その分軽量・コンパクト化できるのも大きなメリット。スペックの高いマットの短いサイズを選び、価格を抑えるのもよいでしょう。

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