これからアウトドア・アクティビティを再開するにあたって、押さえておくべき新しい考え方・行動・持ち物について調べてみた(随時更新)

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Yasushi Hisatomi

written by Yasushi Hisatomi

待ちに待った、全国での緊急事態宣言の解除。

解除を受けて、休業していた山小屋やキャンプ場、また閉鎖されていた観光用の駐車場などからは徐々に再開のアナウンスが届きはじめています。

これまで数ヶ月にわたり不要不急の外出を自粛していた、多くのアウトドア愛好家たちにとっては待ちに待った解禁。このサイトでも、中止していた山道具のレビューは溜まりに溜まり、悶々とした日々を毎日街ランで紛らわしながら、ひたすらこの時を待ちわびていました。

しかし、ここでむやみにすぐ活動を再開するべきではありません。

このたびの新型コロナウィルス(COVID-19)は、すべての人々の日常生活のあり方を根底から大きく変えてしまいました。それはアウトドア・アクティビティも同じで、新型コロナ禍によってアウトドアを取り巻くさまざまな状況は、大きな影響を受けています。

もちろん、自然と人間との基本的な関係性と、自然の中で遊ばせてもらう上での本質的な心構えは変わりません。ただ、新しい状況に対しては、新しい最善の考え方や備えがあるということをすべての人が認識し、思考をアップデートする必要があることは確かです。なにせコロナ禍は自分だけがよければいいという種類の問題ではなく、自分の振る舞いによって他人やコミュニティに悪影響を与えてしまう可能性があると考えるとなおさらです。そして何よりも、宣言は解除されたとはいえ、感染の恐怖はまだ収まったわけではありません。そればかりか程度こそ収まりつつあるとしても、実質的な状況は宣言の前と後で何も変わっていないとも言えます。

そんななか、最近いくつかの山岳・自然・競技団体などから、この新しい状況に対応した考え方や行動指針(ガイドライン)が提供されています。今回はそれらの中から、より合理的で実用的、自分でも参考になると思った情報ソースを厳選してピックアップしてみましたので、共有します。

これから自分がアウトドア・レクリエーションを再開するにあたって、押さえておくべき新しい考え方や備えについて知り、準備を万全にして再開していくための参考になれば幸いです。ただし(どんなアウトドア知識にも共通することですが)ガイドラインに書いてある具体的なことがらを盲目的に守ればいいというものではありません。重要なのはそれら指針の根拠となる考え方であることは忘れずに。

記事後半には、これもまた深刻な問題ですが、当サイトからも支援した山小屋などの支援プロジェクト情報を共有しました。不足や認識が抜けいている点などもあるかと思いますが、それらは指摘いただき次第、順次アップデートしていこうと思いますので、気がついて教えていただけるようでしたら、FBページなどでコメントください。

これから安全で責任のあるアウトドアを行なうために役立つ情報まとめ

5/29追記:<山岳四団体声明>政府の緊急事態宣言全面解除を受けて 山岳スポーツ愛好者の皆様へ

政府の緊急事態宣言全面解除を受けて 山岳スポーツ愛好者の皆様へ

5月25日付で、山岳四団体(公益社団法人 日本山岳・スポーツクライミング協会、日本勤労者山岳連盟、公益社団法人 日本山岳会、公益社団法人 日本山岳ガイド協会)からもこれからの登山についてのガイドライン声明が発表されていました。こちらは「登山中でもマスクを着用しましょう。」「登山山域内での買い物は地元住民への感染防止の観点から控えてください。」など、ややに極端なところが気になります。

山岳医療救助機構『登山再開に向けた知識「登山実践編」』

引用元:山岳医療救助機構

山岳医療救助機構『登山再開に向けた知識「登山実践編」

山岳医療救助機構が作成した登山者向けのガイドライン(随時更新あり)。中身は非常に具体的・実践的で濃い内容。長いですが、日帰りから小屋泊・テント泊登山の全体において指針を詳細に理由も一緒に書いてくれているので、理解しやすい。それによると以下の持ち物は日帰りハイキングであっても常に携行すべき装備としています(しっかり中身も読んで、なぜ携行すべきとしているのかについて理解してください)。

  • マスク(バンダナ、バフ®等)
  • アルコールジェル
  • ジップロック®(ゴミ袋用)
  • ティッシュ またはトイレットペーパー

なお、これに先駆けて山小屋経営者や救助関係者から一般の生活者にまで広範囲に及ぶガイドライン「登山再開に向けた知識(計画と準備編)」も公開されています(こちらも随時更新)。なお、このガイドラインにさらにQ&A集も公開されているので、より深く知りたい方は合わせてぜひチェックしてみましょう。

一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン (CAJ)『野外に出るときに 5つのガイドライン』

引用元:一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン

新型コロナウイルス感染症が拡大する今 野外に出るときに 5つのガイドライン

日本のアウトドア・フィールドの持続的な保全に取り組む団体と業界との連携の非営利支援組織であるコンサベーション・アライアンス・ジャパンからは、アウトドアで行動するにあたっての基本的な行動指針を公開しています。

 

 

 

NPO法人 日本フリークライミング協会 (JFA)『緊急事態宣言解除後の岩場利用のガイドライン』

引用元:Climbing During the Coronavirus Pandemic

緊急事態宣言解除後の岩場利用のガイドライン(PDF)

フリークライミングの普及および競技の振興を行うNPO法人 日本フリークライミング協会(JFA)も、緊急事態宣言解除後にクライマーが岩場を安全に利用するためのガイドラインを発信しています。ベースとなっているのはアメリカの非営利クライミング支援団体のアクセスファンドが公表したガイドライン「Climbing During the Coronavirus Pandemic」。

 

 

海外の事例

アメリカやヨーロッパでも深刻なピークを脱し、徐々にアウトドア活動を再開する動きが出てきているようです。地域によって環境や文化など細かい違いはあれど、ウィルスそのものは世界中で同じなのだから、これも参考になることが多いはず。どのようにCOVID-19に対応しようとしているのか、参考までにざっと調べてみました。

アメリカ国立公園(National Park Servicwe)

『#RecreateResponsibly』

アメリカの国立公園では緊急事態宣言解除後、時間と場所を限定しながら徐々に公園を再開していますが、同時にさまざまなアウトドアメーカー・流通・各種団体と共同で「#RecreateResponsibly」というキャッチフレーズのもと、自身と周囲への安全を守った責任のある行動を呼びかけています。それらは以下の5つのガイドラインから成り立っています。

Know before you go.

旅の前には必ず現地情報(公園の状態、道路やトイレ、その他の施設の空き状況など)を確認すること。

Keep it close.

訪問を検討しているエリアを管理する州および郡出している方針や命令に従うこと。

Keep your distance.

CDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカ疾病予防管理センター)のガイドラインに従い、どこにいても十分なスペースを確保して行動すること。

Know your limits.

コミュニティが感染拡大防止への対応に集中している間は、自分にとって困難なルートや新しいアクティビティなどは控えること。

Keep it with you.

自分で持ってきたものはすべて自分で持ち帰ること(国立公園の「Leave No Trace」原則)。

海外における山小屋事情(山岳医療救助機構HPより)

海外における山小屋再開事情 (スイス,ドイツ,オーストリア)

先ほどの山岳医療救助機構のHPには、海外における山小屋再開事情として、スイス・ドイツ・オーストリアの事情が紹介されていました。小屋の事情は各国でさまざまに異なるため、予防対策や登山者に求める行動や持ち物もそれぞれ。日本での行動を考えるうえで参考になりました。

山小屋やアウトドア業界支援

知識とマナーをアップデートして、山に行く準備ができたら、最後にこちらも忘れずに。宣言前後の活動自粛・休業によって多くの山小屋やアウトドア施設が危機にひんしているのは御存知の通りです。一度失われてしまったら、もとに戻すのはその何倍もの労力が必要になるでしょう。日本の山小屋は、単なる宿泊施設の域を越えて、周辺の登山道の整備や救急救護活動の拠点としてなど、そこに訪れるすべての登山者にとって多くの恩恵をもたらしていることは間違いありません。

そこで、ここ最近の各種クラウドファンディングサイトや検索で探して引っかかった、山小屋をはじめとしたアウトドア関連の新型コロナ被害救済プロジェクトをピックアップしておきました。ぜひともここは支援しておこう。

【新型コロナ】#山小屋支援プロジェクト

【新型コロナ】#山小屋支援プロジェクト – クラウドファンディング READYFOR (レディーフォー)

山小屋には主に3つの役割があります。 1. 登山者が宿泊・休憩する場所としての役割2. 遭難救助にあたる役割3. 登山道を維持・管理する役割 山小屋は単なる施設ではなく、山のインフラでもあります。山小屋があるからこそ、登山者は安全で快適な登山が楽しめます。 …

登山者の安全と安心を提供する山小屋を、みんなで応援しよう!「山小屋エイド基金」

登山者の安全と安心を提供する山小屋を、みんなで応援しよう!「山小屋エイド基金」 | MOTION GALLERY

登山の自粛が続く中、宿泊場所、登山道の保守、避難場所としてお世話になっている山小屋を応援するため「山と溪谷社」が立ち上げたプロジェクトです。集まった支援金は、本基金に賛同し、分配先となっている山小屋に均等に分配されます。 登山を支えている全国の山小屋を応援したい! …

剱澤小屋

剱澤小屋

ようこそ剱澤小屋のホームページへ。 剱澤小屋は大正時代創業の歴史ある山小屋です。 剱岳を正面から眺望できます。 お泊りの際は予約が必要です。満員の際はお断りする場合があります。 クラウドファンディング     新型コロナウイルスの影響で営業縮小等、厳しい状況とな っております。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。 この度の新型コロナウイルスの影響は山や登山にも出ています。 …

頂上富士館クラウドファンディング

5/23頂上富士館クラウドファンディングを始めました!応援よろしくお願いします! | 富士山 山小屋 頂上富士館

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アウトドア義援隊 ご協力のお願い

新型コロナウイルス感染症に対する支援援助金の受け付けについて(モンベル)

以下の医療機関へタイベック素材の防護服などを提供しました。 国立大学法人 東京医科歯科大学医学部附属病院 新型コロナウイルス対策室(防護服10着) 千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学(防護服20着、レインウエア上下30着) 独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター(防護服10着) 奈良県立医科大学(防護服10着)

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はじめに・ご挨拶 『ほうれんぼうの森キャンプ場』は、奥多摩地域からさらに奥へ進んだ東京の端っこに接する山梨県の小菅村(こすげむら)に所在しています。小菅村は多摩川と相模川の源流部にあたり「多摩源流」の村として近年少しずつ知られるようになってきました。 …

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東京の西端、森林と渓流の里『檜原(ひのはら)村』。コロナで多くの飲食、宿泊、観光施設が営業を自粛、縮小しています。檜原村有志事業者と檜原ファンの皆様が想い合い、また村でお会いできるように繋がりを保つためのプロジェクトです はじめに …

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