Review:La Sportiva UNIKA ~イタリア名門シューズブランドから満を持して、初の”ヨーロッパメイド”トレランシューズが登場~

みなさんは何を基準にトレイルランニングシューズを選んでいるだろうか。

まずは足幅だろう。それから、自分の走力に似合った衝撃吸収性、反発力、軽さ、フィット感、グリップ、プロテクションなどなど、優先順位は各々だと思うが、大なり小なりを判断するだろう。できる限り、求める性能がバランスよく備えられていたら……。

そこで、以前から自分が気になっていた、スポルティバ初のメイドインヨーロッパトレランシューズ「UNIKA(ユニカ)」。今春、日本に上陸してきたもんだから、実際に履いてフィールドテストしてみた。トレイルランニングシューズとクライミングシューズの技術を集結したスポルティバ渾身の一足。その結果はいかに!?

テスト環境

東京都青梅市高水山周辺、千葉県鋸南町にある鋸山周辺。

どちらも比較的整備が行き届いたフィールドで、高水山はドライな感じトレイルで、走りやすいフィールドだった。一方、鋸山はややウェットなところや、岩場が目立ち、ところどころ急傾斜があった。総じて「UNIKA(ユニカ)」をテストするには、どちらも格好なフィールドであったのではないだろうか。

評価項目

  • 快適さ(フィッティング、通気性、ホールド感)
    足入れした時の印象、走行中の快適性などを評価している。特にアッパーやラスト、ヒール部分といった点を鑑みた。
  • 使い勝手(トレイル適応力、グリップ、蹴り出しやすさ、距離)
    トレイルコンディションに対する適応力、グリップ性、蹴り出しやすさ、また、適した走行距離の範囲などを評価した。
  • クッション(反発力、衝撃吸収、安定性)
    クッションは衝撃吸収性、反発力などに要のパーツ。そのクッショニング性能と、安定性などをトータルで判断。
  • 素材性能(軽さ、耐久性)
    ミドル・ロングディスタンス向けのトレイルランニングシューズそのものの軽さや耐久性など、素材性能を評価。

主なスペックと評価

項目スペック・評価
重量約375g(27.0cm片足実測)
スタックハイト8mm ドロップ
アッパー生地Sock-Like/Lace-up Harness
ソール

Infinitoo Techology/低密度/高反発/Rock-Guard Skinコーティング/Frixtion White

快適性★★★★★
使い勝手★★★★☆
クッション★★★★★
素材性能★★★★☆

詳細レビュー

快適さ:トレランシューズとクライミングシューズを融合させた一体感

足先をシューズに入れたら、ヒールフックを引っ張り上げ、かかとをヒール部分にしっかりとフィットさせる。伸縮性のシューレースをつま先の方から徐々に締め上げていくと、シューレースホールドが引き上げられ、外側のバンド部分がアッパーを締めていくように、フィットしていく。まさに袋状構造。

また、サイド部分がプロテクションとなり、がっちりとホールドしつつ、足をソフトに包み込む。シューズとの一体感はかなり快適。トューボックスはやや広め。というか、程度なテンションで、靴下のように足を包み込んでくれる。外反母趾の自分でも圧迫感をまったく感じない。ヒール部は従来シューズよりも、クライミングシューズのような、密着したホールド感が得られる。インソールはアーチ(土踏まず)部分を若干押し上げるようなサポート形状が心地よい。長時間履いていても、蒸れを感じさせない通気性も兼ね備えている。

足の甲を優しく包みつつ、しっかりとプロテクトしてくれる袋状構造のアッパー。心地いい一体感がGOOD!

ヒールカウンターとヒールフック。クライミングシューズにも精通しているスポルティバならではの技術。

シューレースを締めていくと、同時にバンドも締まり、足を包みプロテクトする構造だ。

使い勝手:ミドル・ロングで、頼れるオールラウンドモデル

着地時は吸いつくような安定性があるやや厚めのソール。ソールパターンはオールラウンド型で、ごく普通の登山道だけではなく、ガレた岩場、泥っぽい悪路など、様々なトレイルコンディションに対応できるタイプ。ウェットでもドライでもガンガンいけそうだ。パターン部分に土などが若干目詰まりしやすい気がするが、機能性にはほぼ支障なし。

アスファルトなどの硬い路面や滑りやすい石の上、斜度がある下りのトレイルなどでは、粘り気のあるグリップすら感じる。スポルティバシューズ独自のインパクトブレーキシステム(路面の衝撃を吸収し、摩擦力を高めて傾斜地でのグリップ力を高める革新的なシステム)をより体感できるモデルではないだろうか。

スポルティバのFRIXIONシステムはグリップ性と耐久性の両方を高めたアウトソールだが、UNIKAにはマウンテンランニング、インドアクライミングに適したFrixtion White スーパースティッキーが採用されている。

つま先と踵のドロップ差は8mmで、実際に蹴り出ししやすい印象を受ける。屈曲時でも柔らかい動きやすいアッパーもいい。

適応距離については、30km未満のショートコースでは、ウェイトがある方だし、クッショニング効果が強い。個人差はあるだろうが、概ね50km前後のミドルや100km以上のロングディスタンスで、実力を大いに発揮してくれそうだ。

アウトソールはアキラ、BUSHIDO2と同じオールラウンド型のパターンを採用している。

クッション:優れた衝撃吸収性&前に出る反発力

見た目どおり、着地時の衝撃吸収性はかなりいい。大げさではなく、通常よりも膝や腰への負担が抑えられている感じだ。トレランやりはじめの方やロングディスタンスをターゲットにしている方でも、安心して履けるシューズだろう。ミッドソールには、衝撃吸収に優れ、ミッドソールの原型をキープし続ける安定性に富んだユニカ唯一の新素材「INFINITOO(インフィニート)が選ばれている。ただ、フィールドによると思うが、時折、クッションがほんの幾ばくかクッションが沈み込む感触がある。おそらくクッション素材等によるものだろう。人によってはやや慣れがいるだろうか。とはいえ、衝撃吸収・反発力に優れ、フレキシブルな動きを持続的にできるクッション性能は脱帽ものだ。

石やガレ場などのトレイルでも、優れた衝撃吸収性がヒカる!

素材性能:思わず走りたくなる軽さと強固な耐久性

やや肉厚なソールだが、43モデルで見た目より軽めの実測375g(カタログでは42サイズ重量のため320g)。ウェイトだけをピックアップすると、「BUSHIDO 2」はカタログ値約305g。ミドルディスタンス向きの「カプティヴァ」は約280g。どれも「Mid long」にカテゴライズされている。また、約330gの「AKASHA」は「Ultra long」に位置付けられていることを考えると、ややロングディスタンス向きではないだろか。トューボックス先端のプロテクションや、シューレースを締め上がることで引っ張りあげられる側面プロテクション、いずれも、かなりの耐久性だ。アッパー部分のソフトなところが、汚れやすい気がしなくもないが。アウトソールは耐久性に優れた素材のFrixtion White スーパースティッキーを採用。これまた摩擦に強く、耐久性に優れている。

まとめ:こんな人におすすめ

日本初上陸のメインドインヨーロッパ 「UNIKA」。クライミングシューズとトレランシューズとの技術を集結したシューズだけあって、その出来栄えは、かなり斬新だ。足入れした瞬間の足との一体感。他のシューズでは味わえない心地よさが、なんとも言い難い。シューレースを締めていくと、袋状構造のアッパーが足にぴったりとフィットする感じは本当に心地よい。そして、フィット感、衝撃吸収、グリップ力、プロテクションなどが、高得点でバランスよく備わっている。オールラウンドにして、ミドル・ロングトレイルにもってこい。ややふっくらめのトューボックスなので足幅がやや広めの方には、ぜひ一度試してほしいトレランシューズだ。今、最も多様性に満ちたマルチなトレランシューズと言えるのではないだろうか。

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