当サイトのレビュー記事はアフィリエイトリンクを通して製品を購入いただくことで少額の収益を得ています。

比較レビュー:山好き女子目線から超軽量レインウェアを着比べてみた

NORRONA bitihorn ultralight dri3 Jacket

雨具としてのプロテクションはバッチリ!軽量だからと侮れないミニマル&ハイテクレインウェア

ココが◎

  • 保温性がある
  • 着心地が柔らかい
  • 裾、袖が伸縮ゴム
  • 襟が高くかっこいい
  • ロゴの配置がかっこいい

ココが△

  • 価格が高い
  • 防風・保温性が高くて逆に暑く感じることも
  • スタッフサックやポケッタブル仕様ではないため収納性に欠ける
  • ベンチレーション兼ポケットが中途半端な立ち位置

とにかくデザインがかっこいい

さすが北欧はノルウェー出身のノローナ、デザイン性では文句なしの満点です。着るだけでかっこいい。あっち向いてこっち向いてもかっこいい。北欧デザインのなせる技でしょうか。

一番好きなのはジッパーを全部閉めた時の襟の高さ。

雨風の侵入を防いでくれるのはもちろんのこと、見た目がかっこいい。フードをかぶってもかぶらなくてもかっこいい。いったいここで何回かっこいいを連発しているのかというほどかっこいいです。

背中とジッパーの引手にある、ノローナのロゴの配置具合も見逃せません。

余談ですが、ノローナのロゴはヴァイキングって知ってました?ノローナのヴァイキングは一般的に想像しがちな海賊ではなく、厳冬の山を超えてノルウェー国王を助けた山の英雄に由来しています。筆者、この度初めて知って勉強になりました。もとい、レインウェアにプリントされているロゴ(左胸にもあります)はリフレクタープリントで、暗いところでも反射してくれます。暗闇でも英雄が守ってくれている、というわけですね。

着心地・防風性に安心感

3アイテムの中で一番軽いのですが、最軽量というほど軽く感じず、マウンテンハードウェアの方が体感的に軽かったのは、気のせいでしょうか。日頃、荷物の軽量化に努めていますが、120gの軽さを感じることは難しかった…。その理由は生地にあります。マウンテンハードウェアと比べると、厚みがあり、しっかりとしています。風が吹く岩木山の山頂で3アイテムを交互に着て1分間立っているテストをした際に、「寒っ…」とならずにいられたのはノローナだけで、ランニング中に着て一番暑かったのもノローナでした。

裾と袖を伸縮ゴムにして軽くしている分、生地に重量をもたせたのかもしれません。雨テストでは弱雨強雨ともに生地への水の染み込みはなく、バチバチッとしっかり水をはじいてくれます。

適度な生地の厚さがあるので、一般的な登山をする人間としては着ていて落ち着きます。しかも着心地は柔らかい。ナイスですね。

わがままを聞いていただけるなら…

改善を希望する点は3つ。1つはポケット兼ベンチレーションを、ベンチレーションに特化してほしいところ。パンチングで小さい穴が開いているものの、ジッパーを全開にしても、暑く蒸れます。

いっそのこと脇下か前面にダイナミックなベンチレーションを作っていただければ、暑がりとしてはとてもありがたい。2つ目は収納性。収納方法は特にないので、丸めてフードにしまうスタンダードな方法をとりました。が、他2アイテムと比べるとかさばります。可能なら収納袋、さらに上をいってパッカブル仕様だと言うことなしです。3つ目はお値段。見目麗しい北欧デザインで、120gと超軽量で、生地は適度な厚さで柔らかので、コストが高くなるのはわかります。わかるのですが、お値段を見るとウェアに伸ばしかけた手を引っ込めてしまいます。これは大変もったいない。是非ともコストについては勉強して(関西風)頑張っていただきたいっ。お願いします(小声)。

Mountain Hardwear リロイジャケット

着て、動いた時に感じる「軽さ」は一番!ストレスフリーのふわ軽2.5レイヤーレインウェア

ココが◎

  • ポケットへのパッカブル仕様
  • サラサラな着心地
  • 汗や水がすぐ乾く
  • 実際の重量よりも軽く感じる

ココが△

  • 生地が薄いため稜線の風を受けると寒さを感じる
  • ベンチレーションがないため蒸れ感を感じやすい

重量以上に軽く感じるストレスのない着心地の良さ!

着用してみて「軽っ…」と思わず言ってしまいました。ノローナの方が軽いのに、マウンテンハードウェアの方が体感的には軽く感じます。ふわっと軽く、なんのストレスも感じない着心地。さらにいえば、「今何か着てる?」とまで思います。

独自素材のドライQ先生が奮闘

着心地が「ふわ軽」なんだから、防水性は「染み重」なんでしょ?ノンノン。雨テストでは、染み込み無し。強雨でも水は染み込まず、バッチリはじきました。これはすごい。1位のノースフェイスはじんわり染みて保水したのに、この薄さで水をはじくとは。

かつ、3アイテムの中で唯一フードの「つば」がせり出しており、雨が目に入るのを防いでくれます。「雨からキミを守るから」という情熱をひしと感じます。

雨からザックを守るよ

背負うザックが、ウェアの中に入るのも見逃せない機能です。トレランをされている方のザックなら余裕で入ります。

ただ、一般的な登山をしている筆者のザックを背負ってから着てみましたが、さすがにやっぱりちょっと厳しいでしょうか。

10リッター程度が限界かもしれません。無理をして着るとジッパーが壊れるので、ここはさすがにあきらめてレインカバーなどで対応する必要があります。

普通の山登りにはやや不利なベンチレーションと生地の薄さ

今回総合評価ではノースフェイス氏とノローナ氏にやや水をあけられてしまった、マウンテンハードウェア氏。何が原因だったのか。それは暑くて寒いから、です。「盆地じゃないんだから」という声も聞こえてきそうですね。

まず、ベンチレーションが無く、体にまとった蒸気や熱を換気できない。だから暑い。岩木山山頂で1分間立っているテストをしたら、生地が薄く保温性が無いので「寒っ」。最後の20秒ほどは寒さを耐えるような状況でした。できれば胸ポケットの内側の生地をメッシュにして、ベンチレーションを兼ねたポケットにしてほしかった…。これだけでも換気力が違うのに、惜しい。

ただ、これにはある程度分からないでもない事情もあります。それはこのモデルが日本有数のトレイルランナー、上田瑠偉選手のフィードバックを元に開発されている、トレイルランに特化したモデルだから。常に走って発汗し続けているような状況ですから、雨が降っていても、ほぼほぼずっと「暑い」わけで、極端な寒さを感じる状況も少ないのだろうと思われます。その意味では、登山のような平常ペースで動くアクティビティではなく、がっつり汗をかくこと前提での高心拍数系アクティビティであれば、もっとフィットしただろうことが予想されます。着用時のストレスのない動きやすさや、ポケットへのパッカブル仕様の利便性などは確かなのですから。

まとめ

「実際に着てみないとわからんやん」、身もふたもない感想ですね。めっちゃ軽いやん、かっこええやん、快適そうやん、と思って買ってみても、現地で使ってみるまで自分にフィットするかどうかは正直わかりません。そこで、購入する際の材料になればと、皆さんの代わりに試して、その結果をお伝えしている次第です。

どれも基本的なレベルは高いものでしたが、防水性重視、見た目重視、快適さ重視、軽さ重視と皆さんが重視するポイントはさまざまです。このたびのウェアは、うまい具合に特色がわかれる3アイテムでした。

最低限のプロテクション機能は軽量のレインウェアでも持っているので、今回をきっかけに、安全第一のレインウェア界から軽量レインウェア界へ、足をずんずん進めていこうと計画中の筆者でした。

レインウェアについてはこちらの記事もおすすめ

前のページ 1 2