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ガチの山好きがワークマンで揃えた全身1万円以下のウェアを試してみた 2017春夏

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何だかんだいって、山道具は高いと思われています。最先端の技術が使われいるから?あるいは命を預ける道具だから当然?もちろんそれぞれ一理あるでしょう。

でも、それがアウトドアにどうしても踏み出せない要因の一つだったとしたらこんな切ない話はありません。実際のところはそんなことないのに。

そんな考えがきっかけで以前レポートした『冬のワークマン特集』は、おかげさまで驚くほど多くのユーザーに読まれ、シェアしてもらうことができました。どんな高価な道具も万能なわけではないのと同様、安価な道具にだって使い方によっては十分機能するものはたくさんあります。日頃は価格によらず最高品質のアウトドア・ギアを追い求めるOGZですが、本格的な道具でなきゃアウトドアを楽しめないみたいな空気によって自然と出会う機会が阻害されてしまうくらいなら、安価でもそこそこ使えるイイモノを積極的に発掘して紹介していきたいと、そんな風に思っています。

そこで前回の特集に引き続き、本格夏山シーズンギリギリ直前企画「ワークマンで揃える登山ウェア特集」の第2弾をレポートしていきたいと思います!

春~秋登山に必要な服装が総額1万円以下でそろう!?

今回もワークマンの春夏モデルラインナップの中から、オリジナルブランドFieldCore製品を中心に登山で使えそうなウェア一式をピックアップ。すると今回も基本的なウェア上下とソックス、そして必須装備であるレインウェアを合わせても1万円以下に!防寒着やらいろいろ加えればちょっとはみ出てしまいますが、普通に山の店で買うよりも半額以下であることは間違いありません。相変わらず恐るべし、ワークマン。

それではここからは6~7月の主に低山日帰り登山に使用し、以下にその使用感をシェアしたいと思います。

目次

1.ベースレイヤー・シャツ

肌サラ長袖ハーフジップ(オススメ度★★★★☆ 1,500円/ここまで総額1,500円)

惜しみなく着倒せる十分な性能と価格

山で着る衣類のうち肌に直接触れるウェアはベースレイヤーと呼ばれています。夏ならば一般的にはいわゆるTシャツです。それには1にも2にもまず素材が大事。大量の汗を吸い生地にため込んでしまう綿はいくら薄くても乾きにくく、身体を冷やしてしまうなど危険です。綿の混紡ウェアは乾いている時の肌触りこそ気持ちいいですが、登山では極力避けたいところ。

一方このウェアに主に使用されているのはポリエステル。軽くて強く、速乾性に優れていることから汗を大量にかいても積極的に発散させてくれる、最近の登山ウェアでは王道の素材です。おまけにこの生地は肌面にポリプロピレンが触れるように作られいるため、吸汗性も高く、発汗時でもサラサラ感をキープしていました。1,500円でここまでやってくれれば言うことなしです。

高品質なモデルと何が違うかというと、やはり裁断はオーソドックスなので極上の着心地という程ではありません。また生地のきめ細かさ、滑らかさもハイエンドもでるには劣ります。ただ恐れていた匂いの吸着はそれほど気になるわけでもなく、思ったよりも使える印象です。半袖・ロングスリープ・ジップネックと、好みに合わせてスタイルが選べるのもありがたい。

2.トレッキングパンツ

エアライトSTRETCHクライミングパンツ(オススメ度★★★★★ 1,900円/ここまで総額3,400円)

動きやすさ抜群、ポケットも豊富

いきなりクライミング用のパンツとは面食らいましたが、伸縮性抜群の生地、股下のマチが効いていてとにかく脚の上げ下げはまったくストレスを感じません。内側の肌当たりもよく、速乾性もあります。クライミングパンツのシルエットですので、シルエットもいつものダボッとしたモノよりはスリム。はじめはワークマンがクライミングって何かの間違いかと思いましたが、これがよく研究されているというか、的確にツボを押さえられています。それでもって価格は2,000円以下。名のあるブランドなら同じようなモデルがあと4着買えてしまいます。

若干生地が厚めでやや重いので真夏には少し暑苦しいかも。その場合は下に紹介する純正トレッキング仕様のモデルがおすすめです。こちらは股下のマチなどがなくストレッチも控えめなため動きやすさは劣りますが、生地が薄い分通気性・速乾性は高く、気温の高い季節にはこちらの方が使いやすいです。

エアライトSTRETCHパンツ

3.レインウェア

透湿レインスーツSTRETCH(オススメ度★★★☆☆ 4,900円/ここまで総額8,300円)

対価格での防水性・機動性は十分

星の数ほど防水ジャケットのラインナップがあるワークマンですが、中でも最も登山向けといえそうなのがこのモデル。シルエットがいわゆる他の低価格雨具などと違って細身でアクティブ、さらにストレッチが効いているなど、何より動きやすさが魅力です。防水性は登山用として高い方ではないけれど、それでも耐水圧10,000mmならひとまずは十分。フードもしっかり顔を覆い、ある程度調節もできます。ただ透湿性は5,000g/m2/24hと、昨今のスタンダードと比較すると今ひとつ、裏地も濡れるとペタペタするので全天候型とは正直まだ言い難いです。普段登山メーカーの本格モデルを着慣れている人にとってはかなり不快と言わざるを得ません。またフードのツバがふにゃっとしているので暴風雨などではちょっと視界が不安です。そして2.5レイヤーにしてはやや重いという点も少しマイナスか。それらを考慮した上で、上下合わせて5,000円を切るという破格っぷりをどう見るかでしょう。

基本的に上下セットなのでひとまずはこれで事足りますが、今年はオプションモデルのパンツがアツい。立体裁断によって付属のパンツよりシルエット・動きやすさが向上、さらにウェストの調節機能や袖口のベルクロがついて快適性はかなりアップしています。

レインパンツSTRETCH

4.ソックス

安全靴用靴下2足組(オススメ度★★☆☆☆ 1,280円/ここまで総額9,580円)

綿100%で行くくらいなら・・・

暑い時期のソックス選びでは通気・速乾性、そして濡れた時の不快感や摩擦など意外と考慮するべき点は多いものです。その意味で個人的にソックスに関してはメリノウール製が至高という考えは変わりませんが、綿100%という最悪のチョイスで行くくらいならこちらのソックスはコストパフォーマンス的に十分アリです。甲部分はメッシュ状になっていて通気性に配慮し、化繊と綿の混紡でつま先・足裏・踵には多めのクッション付き、足首部分もパイル状になって締めつけ感の少ない構造(かといって緩いわけではなく)になっています。疲れにくさなどは科学的な根拠に基づいた高品質なモデルに遠く及びませんが、普通に快適に歩くための要所は押さえられており、比較的穏やかな活動の範囲であれば十分でした。

5.【おまけ】防寒ジャケット

ストレッチソフトシェルジャケット(オススメ度★★★★★)

暖かい時期での備えとしては使い勝手抜群

実は今回のレビューで最も感心したかもしれないのがこちらのソフトシェルジャケット。生地は先ほど紹介したクライミングパンツと同様、ストレッチ性抜群のソフトシェル素材。通気性と耐風性、撥水性をバランスよく備えており、夏の朝夕や稜線でとても使い勝手がいい。またある程度厚みがあり、ご丁寧にサムホール付きのため防寒にも良し。しかもこのデザインと色合いならば街中でもありと、そのコストパフォーマンスは驚異的。個人的には旅行での飛行機の中でも超絶役に立ってくれました。

その他、真夏の軽いアウトドアで最低限のプロテクションを備えたいという場合には下記の軽量シェルも便利。これ一着で軽い防風・防雨・防寒になるので、ランニングや軽ハイキングなどちょっとしたアウトドアには最適です。パッカブル仕様で握りこぶし程度に収納可能なので、万が一のためにバッグに忍ばせておけば安心です。しかしこんなに便利で機能的なアウターが、この価格で手に入るという事実はショックでしかありません。

エアシェルジャケット(オススメ度★★★★☆)

まとめ

今回は第2回目ということで多少身構えてはいたものの、やはりこのコスパの高さには驚きと戸惑いが隠せませんでした。既存の本格登山向け製品の特長をきちんと捉えて、ガマンできる最低限のレベルでそぎ落とせるスペックはそぎ落とし、極力低価格で仕上げるというその手腕の見事さは感嘆するしかありません。正直いろいろツッコミどころはあるのですが、全体として見ればそこそこ使えてしまうという絶妙な完成度が、何かいちいち指摘するのを野暮に感じさせてしまうのです。もちろんより本格的で困難なアクティビティに対しても大丈夫とはいいません。ただこのある意味での製品開発力の高さは、他のアウトドア・ブランドにとっては脅威じゃないでしょうか。

最後に、とはいえ、このサイトを運営する人間としてはどうしてもこれだけはいっておきたい。価格に関わらず、「よい」アウトドア・ギアには、そのブランドにしか出せないスタイルや着心地、使い勝手、そして着る人を高揚させてくれる色気を帯びているものです。

この記事を読んで「意外とイケんじゃね?」と思ったあなた、まずは気軽にはじめてみてください。そうすればきっと今の道具じゃ満足できなくなって、もっといろいろな、自分にとって素敵なアウトドア・ギアを使ってみたくなるはず。それだけは確信しています。

安いものだけでいいわけでも、高いものじゃなきゃダメなわけでもない。大事なのは目的に合わせて適材適所で自分に最適な道具を選択すること。専門ブランドじゃないからといって切り捨てるのではなく、いろいろと使い道を探して自分なりに工夫してみるのもアウトドアという奥深い世界の醍醐味です。山道具が高いからといって敬遠していた人、まずはワークマンで、少しでも自然の中へ足を運んでみませんか?

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