ハイキングや登山に超軽量レインウェアをおすすめする7つの理由と注目の10着

進化し続ける超軽量レインウェア、2016年のキーワードは「多様化」

驚くほどの軽さと、コンパクトさ。にもかかわらず十分な防水透湿性能。登山をはじめとしたアウトドアには必携の装備といわれるレインウェア(雨具)はここ数年で一気に軽量化が進みました。200g台は当たり前、果ては100gを切るにまで軽量化が進む超軽量レインウェアの人気は2016年もまったく衰えることを知らず、今ではもはや出していないメーカーを探すのが難しいほど。年々進化を見せるこのハイテクウェアを早くからウォッチし、さまざまな角度から紹介・レビューしてきたこのサイトにとっては、毎年この季節の新作チェックはまるで我が子の成長を見るかように楽しみな瞬間のひとつです。

超軽量レインウェアとは?

ここで聞き慣れないという方のために補足しておきますね。もちろんこれまでも GORE-TEX PACLITE をはじめとした素材を使った軽いレインウェアはたくさん作られてきました。ただ、当時はまだ肌触りや蒸れにくさなど課題も多く、人気が爆発するまでには今一歩の進化が必要であったのが、つい数年前までの話。それがここ数年、トレイルランやファストパッキングなどの活動的なスタイルの人気によって多くのブランドや素材メーカーが対抗製品(e-Vent や Polartec、Pertex など)を次々に投入。世に言う(言ってない)防水透湿シェル軽量化戦争が勃発です。その結果、軽さはもちろん、快適さや使い勝手などさまざまな部分で進化した素材が数多く生まれ、現在の百花繚乱の状況に至っています。

100g以下やストレッチ素材まで、使い方に合わせて最適なモデルを選ぶべし

各メーカー2016年春夏モデルがようやく出揃ってきたところで、早速カタログをチェックしたり、実際に試着したりとあれこれリサーチしてきました。そして分かったのは、今年の新作たちはただ数が増えただけではないということ。限界まで軽量化に突き進むモデルから、仕立てやパーツ類をランニング向けに特化するモデルまでさまざまなアプローチで新しいことを盛り込んだ、クセのあるモデルが数多く登場するようになってきました。まとめると、これまでの「軽さ」から「軽さ+α」へと多様化・細分化の傾向が顕著に表われ始めたのが超軽量レインウェアの2016年です。

そんな状況なので、とてもじゃないけど今年は注目モデルを一度で紹介しきれません。そこで今回の特集では編集部がこれはと思うモデルを以下の2つのテーマ(2回)に分けて紹介していきたいと思います(「そもそも超軽量レインウェアをおすすめする理由」については引き続き載せておきますので、既読の人は読み飛ばしてもらってかまいません)。

なお、長期の縦走も視野に入れたより本格的なレインウェアについてはこちらの記事にまとめましたので、気になる方はこちらもどうぞ。

目次

超軽量レインウェアをおすすめする7つの理由(改訂前と変更無し)

オールラウンドに活躍する編集部おすすめの超軽量レインウェア10着(300g以下中心)

トレイルランやファストパッキングにおすすめの超軽量レインウェア10着(200g以下中心、別ページ)

超軽量レインウェアをおすすめする7つの理由

1.とにかく軽さ・薄さがハンパない

従来の登山向けレインウェアの重量は約400g~500g前後。一方で超軽量レインウェア(といっても普通の雨具と区別する明確な基準はないのですが)の多くは上着だけで300g以下。350mlの缶ジュースより大分軽いという事実。

2.しなやかで動きやすく着心地も快適

ごわつきがなくしなやかな着心地。腕を通してすぐに分るサラサラとした裏生地の肌触り。これまでのレインウェアではそんなものだと諦めていた着心地は、超軽量レインウェアでは驚くほど改善されています。以前までの(軽いだけの)レインウェアでは、どうしてもそのツルツルとした肌触りが汗をかいた時の不快感として残ってしまいました。それが2015年リリースされた GORE-TEX C-KNIT Backer Technology(以下C-KNIT)では、裏生地に微細な丸編みニットを貼り合わせたことにより肌触りは常にサラサラ。その他動きやすさを重視したストレッチ生地を用いたモデルなども登場し、軽いだけでなく発汗の多いアクティブな活動を無理なくサポートしてくれるのも大きな特徴です。

3.汗をかいてもドライを保つ高い透湿性

元々トレイルランやサイクリングなどの(短時間に激しい動きで、大きな荷物を持たない)アクティビティを想定して生まれた超軽量レインウェアの多くは、従来の一般的なレインウェアよりもさらに高い透湿性能を持った生地・技術を採用しています。このため超軽量レインウェアは激しい動きや真夏の行動でも快適さを保ち、その意味では快適さと対候性能を両立させた最適なアウターとなってくれます。

また透湿性能に関して、昨年までは eVent や Pertex をはじめとした(GORE-TEX 以外の)新素材が優位でしたが、今年は C-KNIT という大本命の登場により素材自体の性能的には各社拮抗しています。さらにウェア自体の透湿性は生地の厚みによっても左右されるので、今後ウェアの快適さのカギを握るのは素材の善し悪しだけでなくウェアの作り全体に比重が高まっていくでしょう。

4.急な雨風にも耐えられる防水・防風性能

最近のモデルはこれほど薄く軽くなったにもかかわらず、通常の雨風に耐えるには十分な防水性能を備えています。耐久防水性能を数値で測定する際に使う「耐水圧」という数値で見ると、例えば軽量素材として代表的な Pertex Shield+ の耐水圧は20,000mm です。大雨を防ぐのに必要な耐水圧が10,000mm といわれていますから、日帰りや低山の登山では十分「使える」実力です。ただし念のため補足ですが、長期縦走や雨の多い地域、2,000m級以上の山での暴風雨では必ずしも十分とはいえないので、これ1着でどんな登山にも使えるとは考えない方がいいです。これまで登山で標準的に使用されてき GORE-TEX で耐水圧は45,000mm 以上らしいので、あくまでも日帰りハイキングやトレイルランなどの穏やかな環境で短期間のアクティビティを前提に考えた方が良さそうです。

5.あり得ないほど小さくなる高い収納性

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OUTDOOR RESEARCH HELIUM HD ジャケットの収納例。ピットジップ付きのウェアでさえこのサイズに収納可能。

これだけの特徴を備えながら、畳む際には手のひらに乗るくらいまで小さくなってしまいます。トレイルランやサイクリングなどはもちろんのこと、ファストパッキングや一般的な日帰り登山など、できる限り荷物を切り詰めたいすべての人にとってこの小ささはメリット以外の何ものでもありません。

6.快晴時に着たままでその後脱ぎ着の必要なし

しなやかで動きやすく、そのうえ高い防水透湿性、防風性を実現しているということは、もはや雨具という枠に収まらない使い方ができることをも意味しています。つまり常時アウターとして、ウィンドシェルのような利用が期待できるということ。例えば肌寒い朝に着始め、樹林帯でのキツい登りや稜線上での急な強風でも、もちろん突然の雨でも脱ぎ着の必要なし。そうなれば特別ものぐさな人でなくとも時間節約という大きなメリットを享受できるのは何ともありがたいことです。

7.街着にも、多様なアウトドア・アクティビティにも最適

元はといえばランニングやバイクなどの激しい運動を想定して発展していったウェア。活用の幅が広がった現在でもさまざまなアウトドア・アクティビティに最適です。スタイルやデザイン的にも細身で動きやすい、スタイリッシュなものが多く、ランニング時のアウターとしても街着としても違和感なく着られてしまうので、これ一枚でかなりの着回しが可能。きっとヘビロテ間違い無しです。

オールラウンドに活躍する編集部おすすめの超軽量レインウェア10着

Rab FLASHPOINT JACKET

重量★★★ 防水性★★★ 透湿性★★★ 快適性★★☆ 機能性★★★ スタイル★★☆

2015年に初登場したとき、その驚くべき軽さ(185g)と抜群の防水透湿性能に度肝を抜かれたモデルが早くもモデルチェンジ。今期から3層のPertex Shield +に生地が変更になりましたが、軽さのなかでも防水・透湿・耐久性を兼ね備えるという基本的なコンセプトは変わらず。フードの調節も後頭部と顔の左右との3点で細かく調整可能など、他のモデルに比べて登山での使用も十二分にきめ細かく考えられています。なにより昨年モデルに比べて身幅が若干絞られスリムになったことで、激しい動きのなかでも擦れなどによる不快感を軽減します。

Mountain Hardwear Stretch Ozonic Jacket

重量★☆☆ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 快適性★★★ 機能性★★☆ スタイル★★★

とにかく身体に無駄なくフィットして、なおかつ動きやすい。1年に何度かある、袖を通した瞬間に惚れ込んでしまったというヤツです。同社のオリジナル素材「ドライQアクティブ」は軽量かつストレッチの効いた防水透湿素材。細身のシルエットながら動きによるストレスはまったくといって良いほど感じません。さらに脇下には着心地を損なわないよう配慮されたベンチレーションを備え、胸・ハンドウォーマーメッシュポケットと合わせて通気性を最大限に高めることができ、暖かい時期のファスト&ライトな旅に大活躍してくれそうです。

Teton Bros. Tsurugi Lite Jacket

重量★★☆ 防水性★☆☆ 透湿性★★★ 快適性★★★ 機能性★☆☆ スタイル★★☆

創造的でアグレッシブなアイテムを生み出し続け、日本が世界に誇るアウトドア・アパレル・ブランドの軽量レインウェア。受賞歴もある同社のハードシェル Tsurugi Jacket をベースに、より温暖なシーズンに合わせて必要な機能は残したまま極限まで無駄をそぎ落とし軽量化を実現。プルオーバータイプで斜めに入った大胆なジッパーや、透湿性抜群の Polartec Neoshell など、独自のアプローチからシンプルかつ高品質なものづくりを追求しています。

THE NORTH FACE Climb Very Light Jacket

重量★★☆ 防水性★★★ 透湿性★★★ 快適性★★☆ 機能性★★☆ スタイル★★☆

2015年の話題を独占した GORE-TEX C-KNIT Backer Technology を採用した代表モデルは今年も依然としてトップクラスのクオリティを維持しています。従来の GORE-TEX から最大で10%の軽量化と15%の透湿性向上を実現しただけでなく、柔らかい肌触りとしなやかな着心地、それでいて防水・防風・耐久性は損なわない隙のなさはさすが。稜線の風を避けたり急な雨に備えるためのアウターとして、または寒い時期での活動量の多いアクティビティにもオールラウンドに活躍してくれます。

関連記事 First Look:最新ゴアテックス素材「C-KNIT」を試してみた

Arc’teryx Alpha SL Jacket

重量★☆☆ 防水性★★★ 透湿性★★☆ 快適性★★☆ 機能性★★☆ スタイル★★★

こちらもリニューアルではなく、ここ数年ほぼ同じ仕様であるにもかかわらず依然としてそのクオリティはトップクラス。2.5層の GORE-TEX PacLite による裏地のペタペタ感はあるものの、立体裁断の動きやすさはさすがといえます。40Dという(軽量レインウェアのなかでは)比較的太めの糸で編んでいることから、今流行の「薄さ・軽さ・蒸れにくさ」が売りというよりは、本格的なクライミングを想定した「軽量・高耐久・クライミング動作での機動性」重視なので、今回紹介したなかでは本格的な登山用に最も使えるモデルといえます。実際雪のちらつく11月に八ヶ岳でも問題なく使えました。

MILLET W7 50000 ST JKT

重量★☆☆ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 快適性★★★ 機能性★★☆ スタイル★★☆

昨年初登場し、その使いやすさで一気に目の離せない存在に躍り出たモデルは「ドライエッジⓇ ダブルセブン50000」という独自素材を採用。透湿性能50,000gというスペックは他を圧倒し、さらに7Dのきめ細かな裏地は肌触りもしなやか、ストレッチ素材で格段の動きやすさも備えており、スピーディで活動的なアクティビティ全般に最適。表地は40Dの生地なので、ある程度ハードな雨具としても安心です。

MONTANE MINIMUS JACKET

重量★★☆ 防水性★★☆ 透湿性★★☆ 快適性★★☆ 機能性★★★ スタイル★★☆

ファスト&ライトを標榜する MONTANE の超軽量レインシェル。PERTEX Shield +は軽さを重視した防水透湿素材として近年多くのメーカーが採用している、今や定番の素材。他社のモデルと比較して優れているのは、表面のざらつきをあえてつくることでバックパックが背負いやすくしていたり、優れた立体裁断の着心地、十分な大きさの胸ポケット、しっかりと雨風を防ぐように考え抜かれたフード・口元のガード部分など、そのディテールのきめ細かさにあります。ベンチレーションが欲しいところではありますが、この軽さと引換えならば十分アリです。

OUTDOOR RESEARCH HELIUM HD JACKET

重量★☆☆ 防水性★☆☆ 透湿性★★☆ 快適性★★☆ 機能性★★★ スタイル★★☆

超軽量レインウェアというジャンルの黎明期から進化を続けているヘリウムシリーズは今年も(改訂はなかったものの)健在です。今や信頼性抜群の Pertex Shield+ による軽量かつ高い透湿防水性能としなやかな着心地、さらにこの軽量さにもかかわらずピットジップ付でこれでもかというくらい快適な通気性。内ポケットに収納して手のひらサイズにもなる携帯性と、色々な面で完成度の高さを感じさせてくれるジャケット。

NORRONA bitihorn dri 1 Jacket

重量★★☆ 防水性★★☆ 透湿性★★☆ 快適性★★☆ 機能性★★★ スタイル★★☆

ノローナ独自素材である、2.5レイヤーの dri1 を使った超軽量レインウェアの2016年は新色追加のみで性能は据え置きのようです。ただそれにもかかわらず、この独特なルックスと機能は未だにオンリーワンのポジションにあるといえます。超軽量、着心地抜群、豊富なポケット類、通気性抜群のベンチレーションなど、現状考えうる軽量レインウェアに必要な機能を独自のアプローチで突き詰めた孤高の一枚。

Patagonia Alpine Houdini Jacket

重量★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★☆ 快適性★★☆ 機能性★☆☆ スタイル★★★

トップクラスの軽量性と胸ポケットを裏返してコンパクトに収納できる携帯性を備えた、クライミング、ファストパッキング向け軽量防水シェルジャケット。実際のところ特に何か機能的にスゴイというわけではないのですが、生地のしなやかさとシャリ感の少なさ、それからスリムでいてキツくない立体裁断の絶妙さなど、スペックに出ない部分で捨てられない何かをもっています。縫い目を活かした配色のデザインもパンチが効いてます。

続き:【2016年版】最新鋭の素材と機能が満載!ランニングやファストパッキングにおすすめの超軽量レインウェア10着

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