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モンベル 2025年春夏の新製品をチェック!レインウエアのラインナップ一新、軽量防水バックパック、今シーズンも内容てんこ盛り

冬もハイシーズンを迎える中、各ブランドは春夏アイテムの準備を始めています。そんなわけで今回は日本を代表するアウトドア総合ブランド、モンベルの2025年春夏の展示会にお邪魔させてもらってきた時の様子をお伝えします。

オールウェザーカテゴリーのラインナップが一新されたり。山岳救助の最前線で活動する人からのフィードバックを受けて作られたパンツが登場したり、軽量なフレームレスのバックパックや50周年記念アイテムなどなど。モンベルの展示会は今年も話題が盛りだくさん。語り尽くせないほどの内容ですがその中でもOutdoor Gearzineとして気になったアイテムをピックアップし紹介します。

それでは早速みていきましょう。

目次

レインウェアのラインナップが一新!フラッグシップモデル含む定番モデルが独自素材へとモデルチェンジ

今シーズン、なんといっても衝撃的なニュースなのは、高機能・低価格・多様な品ぞろえでこれまで盤石の布陣であったモンベルのレインウェアラインナップが全面的に一新されたこと。

まずモンベルのレインウエアのフラッグシップモデルであったストームクルーザージャケット、軽量本格モデルのトレントフライヤー ジャケット、超軽量モデルのバーサライト ジャケットが素材を独自素材であるスーパードライテック®︎を採用してリニューアルしました。

このアップデートが発表されるや否や「モンベルはGORE-TEXの取り扱いをしなくなるのか」なんて憶測が即座にSNS・動画界隈でザワついていましたが、結論としてモンベルのGORE-TEX製品はなくなるわけではなく、むしろより選択肢が広がっただけでした。(この後、GORE-TEXレインウェアも紹介します)。いずれにせよこの世間の反応を見るに、それだけ多くの登山愛好家にとって注目の出来事であるということには違いありません。ただ事情をよく知らない人からすると、この大幅な刷新は、新旧のモデルがごっちゃになるとやや分かりにくい部分もあるので、これから購入しようという読者の皆さんは多少の注意が必要です。

モンベルの独自素材「スーパードライテック®︎」は透湿性20,000~60,000g/m²・24hrs、防水性は耐水圧50,000mm以上という高い性能を持ち、ストレッチ性を備え、おまけにPFAS(有機フッ素化合物)を含まない環境に配慮された防水透湿メンブレンです。

この独自素材を、フラッグシップモデルであるストームクルーザージャケットにGORE-TEXに代えて採用するという部分にはブランドとしてこの素材に対する大きな自信を感じます。GORE-TEXが高性能であることは周知の事実ですが、それに対しスーパードライテック®︎はどこまで迫れるのかも気になるところですね。

ラインナップの最軽量モデルであるバーサライト ジャケットも素材をWINDSTOPPER® プロダクト by GORE-TEX LABS からスーパードライテック®︎にアップデート。

生地の厚さは10デニールから7デニールとなり、糸を使って縫うことをできるだけせずに熱圧着により加工されています。平均重量は143gでレインウエアとしては間違いなく最軽量クラス。装備を1gでも減らしたいハイカーやスピードハイクをする人におすすめです。

GORE‑TEX レインウェアも健在。環境対応の新メンブレンを採用した「テンペスト ジャケット」「ピークシェルジャケット」

先述した通り、モンベルはGORE-TEX素材が使用されたウェアも健在です。GORE-TEXの新素材ePEメンブレンが使用されたテンペストジャケット。厚さ20デニールの3レイヤー生地が使用されており、平均重量は247g(メンズ)と軽量な仕上がりに。

このモデルもストームクルーザー ジャケットと並び、オールウェザーカテゴリーに入ります。発汗量の激しいアクティビティに対応するため、左右の胸ポケットや脇下ベンチレーションを備えており、アクティブ志向のプレーヤーにはぴったりなアイテムではないでしょうか。

行動中の通気を確保できるベンチレーション付き

軽量&コンパクトモデル「ピークシェルジャケット」の生地がスーパードライテック®からGORE‑TEX

GORE-TEXを使用したレインウエアの軽量モデルがピークシェルジャケットです。もともとはスーパードライテック®︎が使用されていましたが、素材がGORE-TEXにアップデートされました。15デニールの3レイヤーが使用されており、平均重量は185g(メンズ)と軽量志向のユーザーで、GORE-TEXの素材に信頼をおいている人は選びたくなるアイテムとなっています。

バーサライト ジャケットと同様に糸を使っての縫製は最低限に、熱圧着による加工で作られています。200gを切る軽量さを持ちながら通気性を確保するためのベンチレーションを備え、軽量さと快適性のバランスが取れた一枚。アウトドアウェアの価格も高騰する中、32,000円で購入できるのも魅力的です。(ウィメンズは31,000円)

登山靴を履いたまま着脱可能なフルジップレインパンツ

レインパンツからはフルジップタイプが登場。登山靴を履いたまま着用ができることにより、突然の雨などでも素早く着用することができます。

ローカットならまだしも、ハイカットの登山靴を履いているとレインウェアの着脱は億劫になりがち。フルジップタイプであれば着脱が容易になることで積極的にレインパンツを使用できるでしょう。ジッパーが付いていることで重量は増えてしまいますが、「軽さ」をとるか「快適さ」を優先させるかは好みが分かれるところです。

フルジップタイプのパンツはGORE-TEXレインパンツとスーパードライテック レインパンツの2つをラインナップしています。

山岳警備隊からフィードバックをもらい完成させたパンツ「クリフガイドパンツ ライト メンズ」

写真の真ん中がクリフガイドパンツ ライト

富山県警の山岳警備隊からのフィードバックを受け、完成したクリフガイドパンツ ライト メンズ。救助に伴う長時間の行動によるオーバーヒートを防ぐためにベンチレーションが設けられ、必要なものをたくさん入れておけるよう大きめに設計されたポケット。

ベンチレーション付きで通気性を確保できる

裾に向かってややテーパードのかかったシルエットはどんな体型の人にもマッチすることが容易に想像することができます。

縦横2方向へのストレッチ性を備えたクリフガイドパンツ ライト メンズは多彩な機能と履き心地を備えたパンツでした。

すっきりとした見た目で山と町をシームレスに、「クリフライトパンツ イージーフィット」

クリフライトパンツ イージーフィット(写真左)

すっきりとしたデザインで、ウエストはゴムと紐でフィット感の調整ができるパンツ。ストレッチ性があり、動きやすく、はっ水加工されているため多少の水なら弾いてくれます。

ウエスト部にベルトのバックルがなく、ももにもポケットがないため、クライミング用として使用した際にはハーネスとの干渉がしづらく、登山用としてだけでなくクライミング用としても使いやすいでしょう。

シンプルなクリフライトパンツ イージーフィットは山だけでなく、日常での着用にも違和感がなく、一本もっていれば活躍の場は多そうです。

UL志向のハイカーに朗報 軽量で防水性に優れるバックパック「アルチプラノ パック20L / 30L」

アルチプラノ パック30L

堅牢なイメージのある雨蓋のついたバックパックを多く取り揃えているモンベルですが、最近の主流になりつつあるロールアップシステムの軽量なバックパックがラインナップに追加されます。

本体の形にフィットする防水インナーバック、アクアバリアサックが付属していることで高い防水性を持つアルチプラノパックは20Lと30Lが用意され、30Lで548gと軽量でながらも背面パットが最低限のフレームの役割をしてくれることでフレームレスとは思えない安定性の高さを提供しています。

備えている機能は十分ながら、低価格なのも魅力で、20Lが15,000円、30Lが17,000円と予算を抑えつつUL化を目指す人に優しい価格になっています。

腰荷重で背負う必要のないULハイキングでの活躍が期待できそうです。

通気性を求めている人に「V.B.Pバックパネル」

登山やハイキングにおいて切り離すことのできない問題が背中の汗蒸れです。必要なものをバックパックに入れて背負うとバックパックと接する背中は特に蒸れやすくストレスの原因となります。

そんな背中の蒸れを軽減させてくれるのがV.B.Pバックパネルです。背中とバックパックの間に空間を作り出すことで通気性を高め、快適な背負い心地を実現してくれます。取り付けの際の汎用性が高く、30Lくらいまでのバックパックに装着可能となり、今持っているバックパックへの取り付けもOK。空間を作り出すためにしっかりとしたフレームが入っているため重量は298gとやや重めではありますが、本体の背中の汗蒸れで悩んでいる人の解決策になりそうです。

道具の運搬に便利な2Way仕様の「ギアコンテナパック」

クライミングギアやキャンプギアを運ぶのに便利なギアコンテナパック。シンプルなデザインから普段使いにも違和感の感じないデザインです。

背負うことと、手に持つことができ、2wayで使え、サイドからのアクセスも可能になっており、ただギアを運搬するだけではなく、実用性も備わったバックパックです。ついつい増えてしまうキャンプギア。運搬の手間やストレスを軽減させてくれる助っ人になってくれそうです。

横にハンドルがあり手持ちバックに(写真左)サイドからのアクセスが可能(写真右)

サイズは20Lと35Lの2種類、チェストベルトと簡易的なヒップベルトも付いているため軽登山やハイキングも可能な機能を備えています。

50周年を記念した限定モデルも多数、昔からモンベルを知っている人には分かるロゴデザインも

今年で50周年を迎えるモンベル。それを記念して限定アイテムが発売されます。創設当時のロゴデザインのあしらわれたアイテムは昔からモンベルを愛用しているベテランハイカーには懐かしさや愛着を感じるのではないでしょうか。50周年記念アイテムはTシャツやバックパック、帽子、ステッカーなど豊富。ゼロポイントのギアコンテナはレトロなデザインながら現代にもマッチするビビットなカラーリングで人気になりそうな予感がします。

ムーンライトテントのイラストTシャツ。ムーンライトファンにとってはついほしくなるデザインではないでしょうか

その他の気になるアイテム

気になる製品をピックアップし、紹介してきましたが、ほんの一部です。

ここからは読者にはぜひ紹介したい便利だったり、おもしろいと思ったアイテムについてサクッとお伝えします。

女性に嬉しいアンダーウエア「ジオライン L.W.スムース」シリーズ

生地の端に縫い目がなく、滑らかな肌触りのアンダーウェアがラインナップに加わります。締め付けが少なく、薄手のため表にラインがひびききにくくなっています。

隠れた人気アイテム?パジャマにも注目

知らなかったのですが、モンベルはパジャマも作っており、これがリラックスウェアとして隠れた人気になっているのだとか。

パジャマシリーズにハリがありシワになりにくいパジャマが追加されます。触ってみると確かにハリを感じますが、さらっとした質感は気温が高い季節の着用によさそうな手応え。

コットンのような自然な風合いと優しい肌触りを持ちながら、速乾性と通気性を兼ね備えた化学繊維の独自素材のウイックロン®が使用されており、睡眠中の発汗時も快適なパジャマとなっています。

夏にTシャツ、短パンで寝ていて不快感を感じる人はトライしてみるといいかもしれません。

エアパッドのスタッフバックがポンプバック機能付きになってより便利に

スリーピングマットの中でもエアパッドシリーズは本体のアップデートはないものの、スタッフバックにポンプバック機能がついたことで設営がより快適になりました。

バックそのものが小さいためポンプバックとしての機能は低いのではと思いましたが、しっかりと考えられており、収納バックが大きくなるよう折り返されていて、広げることで大きなポンプとなり、一度にたくさんの空気が入るように工夫されています。

収納袋の折り返しを広げると大きくなる

一人でも二人でもOK。マルチに使える「マルチフォームパッド」が登場

2層構造になったマルチフォームパッドは一見ごく普通のジャバラ式のマットですが、広げた状態でさらに大きくすることができる便利なマットです。

この機能により1人で使うことも2人で使用も対応でき、冬場の断熱力のブーストや、テントマットなど使い方はアイデア次第。1層(全て広げた状態)のR値は1.4、2層(半分)のR値は2.1となります。

最大まで広げた状態。幅が100cmあり、2人が横になれる

ファンブローシリーズにロングスリーブタイプが誕生

ファンブローパーカ

暑い時季の強力な助っ人。強制的に空気を取り込むファンブローシリーズにロングスリーブが登場。バックパックを背負った時に干渉しない位置に取り付けられたファンがウェア内に空気を取り込み、汗を瞬時に乾燥させる画期的なウェア。

立っているだけでも汗が滲むような季節。文明の利器を活用することで味わったことのない快適な登山やハイキングを体験してみては。

充電式のエアーポンプが登場!しかもランタン付き

エアマット使う人にとって、設営には大量の空気を封入する必要があり、手間がかかるためストレスになりがち。設営の手間をほぼゼロにしてくれるエアーポンプ「リチャージャブル ブロワーが発売されます。

このエアポンプにはさらにランタン機能までついていることから一台二役で活躍してくれる便利なアイテムです。エアポンプだけなら単なる嗜好品になってしまいますが、ランタンも兼ねているのであれば装備に加えることも検討できそうです。

座りやすさが向上した「ヘリノックス・チェアワン(re)」

モンベルが取り扱う輸入ブランド「ヘリノックス」。超軽量アウトドアチェアの元祖とも言えるチェアワンがアップデート。現行モデルと比べてみると、高さが少し高くなり、座面も広くなったことで座り心地が良くなっています。

フレームは1番負荷のかかる座面下のフレームを丸から四角に変えることで強度アップが図られています。それだけでなく、リサイクルされた素材を使うことで環境にも配慮されてリニューアルされます。

座面の背後にはポケットが配置されたことにより、ドリンクや小物を入れておくのに便利になりました。

まとめ:50周年を迎えたモンベル、2025年春夏も紹介しきれないほどの製品盛りだくさんな内容に

 

モンベルの2025年春夏の展示会の様子を紹介しました。紹介したアイテム以外にも紫外線対策に便利なアームカーやハンドカバー、帽子などラインナップも充実だったり、汎用性の高い浄水器、手軽にタンパク質が摂取できる食品などなど、盛りだくさんの内容でした。

春夏シーズンの新製品については公式ホームページをご確認ください。