【忖度なしの自腹比較レビュー】 ウィンドシェルにも使えて一石二鳥!200g以下軽量レインパンツ厳選3選をフィールドテスト
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縁の下の力持ちレインパンツ
梅雨、ゲリラ豪雨、夏の北アルプスが近づいてきました。
レインジャケットは、本サイトも含めて多くの方がレビューしていますが、レインパンツは地味すぎるのかレビューの記事が非常に少ないです。
足さばきが良くて蒸れないけど、防水性と耐久性のバランスが良いレインパンツはどれなのか?!さらに軽くてコンパクトなら、なお良いです。
この記事では、地味だけど縁の下の力持ちなレインパンツにフォーカスし、2024年販売レインパンツから重量、防水性、耐久性、透湿性のバランスに優れた厳選3点をフィールドテスト、レビューします!
目次
厳選軽量レインパンツ3選をフィールドテスト
2024年販売、重量200g以下、サイドジッパーがあることを条件に、ファストパッキングを想定した防水性、透湿性、履き心地、足上げのしやすさ等に優れた次の3点を選びました。
Teton Bros. FEATHER RAIN PANT 140g
mont-bell トレントフライヤー パンツ 147g
OMM Kamleika Pant 168g
テスト環境とフィールドテスト結果
軽量だけどバランスに優れたレインパンツはどれでしょうか?
以下の条件でフィールドテストをして検証しました。
テスト環境
- 【期間】5月
- 【山域】大峯奥駈道(奈良〜三重)、比良山系(滋賀)、京都一周トレイル(京都)
- 【天気】晴れ、雨
- 【アクティビティ】ファストパッキング
- 【レイヤリング】短パンにレインパンツを着用
フィールドテスト結果
気になるテスト結果は次のとおりです。
各モデルのインプレッション
総合BEST:mont-bell トレントフライヤー パンツ 最高の透湿性とワイドシルエットの換気力。スピードハイカーにオススメ
レインウエアに揺るぎない自信を持つモンベルにおいて、最高の透湿性と軽量コンパクト性を実現したトレントフライヤーパンツ。
ゴアテックス パックライトプラス ファブリクスを使い、高性能ながら価格は15,900円(税込)と非常にコストパフォーマンスが高いです。
防水テストやフィールドテストをすればするほど、どんどん好きになりました!
まずは履いた状態です。
雨の日にフィールドテストをしていたのでサンダルを履いています。
ロングジッパー&ややワイドシルエットなので、靴を履いたまま簡単に着脱できます。トレランシューズなら余裕があり、トレッキングシューズはぎりぎりオッケーでした。
サイドジッパーは、雨が当たりにくい後ろ側に設けられています。機能美を感じます。
続いて、好きになった点は透湿性と換気力です。
ゴアテックス パックライトプラス ファブリクスの透湿性が素晴らしいうえに、ゆとりのあるシルエットなので歩いているとどんどん空気が入ってきて、透湿の相乗効果が生まれました。
今回の3アイテムの中でもずば抜けています。
それでいて147g(Sサイズ実測)と非常に軽量・コンパクトなので、ファストパッキングスタイルとの相性は非常にいいです。
ウィンドシェルとしても使えば一石二鳥!ザックの中で眠らせておくのはもったいないです。
最後に防水性ですが、浴室でシャワーを長時間当てるテストや濡れている浴槽に座るテストをしましたが、防水性も撥水性も十分すぎるほどの性能でした。撥水性は3点の中でずば抜けていました。
さすがレイン王者のモンベルです。随所に光るファンクションビューティーにも心を打たれました。
気になった点は、黒一色のカラー展開や強風時のバタつきくらいです。しかしながら、コストパフォーマンスと機能美がそれを凌駕しており、素晴らしいレインパンツでした。
ひとつの道具で二役をこなしつつ、透湿性能と換気性能の高さを必要とするファストパッキングスタイルのあたなにオススメのレインパンツです。
軽量BEST:Teton Bros. FEATHER RAIN PANT 少しでも軽量化したいミニマリストなULハイカーにオススメ
140g(Mサイズ実測)と非常に軽量なレインパンツ。それでいて3レイヤーです。
軽量レインパンツの弱点は耐久性ですが、今季は素材を「StretchCordura Super Durable 3L」にアップデートすることで弱点が克服されました。
まずは履いた状態からです。
雨の日のフィールドテストをしていたのでサンダルを履いています。
立体裁断で美しいシルエット。サイドジッパーは18cmと最低限。ローカットのトレランシューズなら着たまま着脱可能です。ただ、ソールが膝辺りで少しだけ引っ掛かるので、着脱には気を使います。美しいシルエットとのトレードオフですね。ミドルカットのトレッキングブーツは、着たままの着脱は難しいです。
後ろから見てもすっきりシルエット。さすがTeton. brosです。
Teton.brosらしさ全開の立体裁断のシルエットは美しく、履いた瞬間から足上げしやすいと感じます。
140gと軽量なのは、ウエストをミニマムなドローコードにしている等、工夫のおかげです。
しかしながら、素材自体は妥協せず、透湿性も耐久性も十分なので、軽いだけのレインパンツではありません。
浴室で防水性を確認するためのテストをしましたが、防水性、撥水性も十分でした。気温が低い時には、ウィンドシェルとしても十分に使えそうです。
嬉しい点としては、ユニセックス展開によるカラー展開の豊富さです。彩度高めのレインパンツが多い中で、淡いlight grayはめずらしいと思います。
気になる点としては、トレランシューズを履いた状態での着脱に少し引っ掛かりがある点です。だだ、それも落ち着いてやればスムーズに着脱可能です。
各性能が万遍なく備わっているレインパンツが欲しい、でも少しでも軽くしたいと思うミニマリストのULハイカーにオススメのレインパンツです。
機動力BEST:OMM Kamleika Pant レインウエアの常識を覆すストレッチ性能!ソフトシェルとして雪山に行く方にもオススメ
耐久性のあるナイロン製で、4ウェイストレッチ、優れた通気性、山岳地でのランニングのために作られたのがOMM Kamleika Pantです。
履いた瞬間にびっくりするのがレインパンツと思えない肌触りとストレッチ性の高さです。本当にびっくりしました。レインパンツと言うより防水性のあるソフトシェルという表現の方がしっくりきます。
まずは履いた状態です。
ジャストフィット。サイドからフロントに回り込むサイドジッパーが特徴的
機能的なシルエット。一体的なオレンジのラインとサイドジッパー
ブランド名をリフレクターを兼ねてバランス良く配置
繰り返しになりますが、4方向のストレッチ性能が素晴らしく、インナーにロングパンツを履いても全く窮屈感がありません。
それでいて細身のシルエットなので、稜線で強風に吹かれてもバタつきの心配がないので、理想的なレインパンツの一つだと思います。
なにより、OMMらしい「色気」を感じます。
防水性も十分でした。
気になった点としては、高負荷の運動時の肌触りに少しベタつきを感じる点です。ですが、インナーに薄手の抜けが良いパンツを履けば快適に過ごせます。
また、インナーを履き、雪山を歩く時のレインパンツとしてピッタリで一石二鳥な使い方ができます。
無雪期のハイカーはもちろん、雪山にも行く方にオススメのレインパンツです。
ジッパー長さは16.5cm、3点の中では最も短いですが、ローカットのトレランシューズなら着たまま脱着可能で、ソールの引っ掛かりもありませんでした。ミドルカットのトレッキングブーツは、着たままの脱着は難しいです。
まとめ
軽量レインパンツ3点をフィールドテストした結果、今シーズン私が一番欲しいと思ったのは、mont-bell トレントフライヤー パンツでした。
決め手は、最高の透湿性、高い換気力、ストレスなく履いたり脱いだりできる点です。個人的には、レインウエアはすぐに履けること、履き続けて不快でないことが大切だと思っており、トレントフライヤー パンツは見事にそこをクリアしています。それでいて、高い防水性、抜群の撥水性があり、耐久性に不安がありません。
フェザーレインパンツやKamleika Pantの色気は魅力的でしたが、それを上回る機能美を感じました。
ただ、今回自分にとってのベストはmont-bell トレントフライヤー パンツでしたが、他の2点もじっくり比較してみるとそれぞれに違った特徴・魅力があり、例えば立体裁断が美しく最軽量のフェザーレインパンツ、レインウエアと思えないほどストレッチするKamleika Pantなど、使用山域や季節、アクティビティ等によって適したモデルも変わってくるかと思います。この比較レビューがそれぞれ判断いただく際の参考になれば幸いです。
参考:その他最終候補に残ったおすすめの軽量レインパンツ
ご参考までに、今回の比較レビューで最終候補まで残った「重量200g以下でサイドジッパーのあるレインパンツ」です。
Salomon BONATTI TRAIL 95g
MONTANE Minimus Nano Pants 100g
THE NORTH FACE フューチャーライトトレイルピークパンツ 115g
Salomon BONATTI WATERPROOF 123g
THE NORTH FACE ストライクトレイルパンツ 125g
mont-bell ストームクルーザー パンツ 195g
村上ハルキ
登山歴5年、UL歴2年。まだまだ試行錯誤中のハイカーです。ロングハイク好き。旅も好きで国内外問わず出かけています。初心者の視点から感じたことを中心に、読者の皆様に「来週も山行くぞ!」と感じてもらえるように分かりやすくお伝えしていきます!