比較レビュー:登山向けレインウェア頂上対決。王者GORE-TEXか?ダークホース東レか?

秋めいてきた今日この頃。山での天候は変わりやすい季節でもある。ポカポカ陽気もひとたび雨に見舞われると、絶望的なまでの寒さが襲ってくるのは秋の山の恐ろしいところだ。そこで欠かせないのがレインウェア。防水のみならず、防風、防寒にも役立つ。近年ますます快適に、動きやすく、そして軽くコンパクトになってきつつある。そこで、今シーズンも気になる5着の新作レインウェアを比較してみた。

目次

今回比較テストしたレインウェアについて

本格登山向けながら200gを切る軽量モデルから300gオーバーの堅牢モデルまで。生地素材もバリエーションに富んだモデル、そして何より自分が着てみたくなる色気をもったモデルをチョイス。結果的にはGORE-TEXのPaclite Plus、C-Knitバッカー、SHAKEDRY™など最新にして多様なバージョン、そして、今シーズン新登場の注目素材、東レ「Aqua Breath」を採用したモデルなど、特徴のばらけた以下の5着となった。

  • GORE-TEX ガーメント WITH PACLITE® PLUS プロダクト テクノロジーを採用した本格山モデル、MAMMUT コンベイ プロ ゴアテックス ハードシェル ジャケット
  • 透湿性抜群、mont bell ピークドライシェル
  • 完成度高めのオールラウンド、mont bell ストームクルーザージャケット
  • 東レの新開発高通気防水メンブレンを搭載、Teton Bros.ツルギライトウィズアクアブレス
  • 高いプロテクションに加えクライミングを想定した運動性・快適性を強化、THE NORTH FACE スーパークライムジャケット

評価ポイント

評価項目については、下記の通り7つの指標を設定。テスト結果の評価数値はテスターである筆者のインプレッションによる。

  • 防水性 ・・・ここでいう防水性とは、単純な耐水圧といった数字で表される性能だけではなく、長時間にわたって雨水の衣服内への侵入を防ぐ性能全般を意味する。例えば撥水性能、フードのカバー範囲、ジッパーや袖、裾等の部分的な防水性など。
  • ムレにくさ・・・こちらも透湿性といったスペック値だけに頼らず、心理的な蒸れ感の少なさも含めた実質的なムレにくさで評価。さらにベンチレーションの有無によってもムレにくさは変わってくるため、評価を2つに分割した。
  • 快適性・・・袖を通した際の肌触りやフィット感、着心地の良さ。
  • 機動性(動きやすさ)・・・行動時の腕振り、身体のひねりなどによって、服のずり上がりやツッパリ感といった、ストレスを感じにくいかどうか。
  • 機能性・・・ポケットなどの収納の利便性、フードや袖・裾の調節性、収納の簡単さなどの他、メーカーのこだわりや独特な機能などによる使い勝手のよさ。
  • 重量・・・公式重量ではなく、あくまでも自分の体型に合ったサイズでの実質重量を比較。
  • 耐久性・・・生地の素材と厚み、表面の質感、パーツ周りの作りの良さなどによる壊れにくさと洗濯や経年などによる劣化の少なさを評価。

テスト環境

全体的なフィールドテストは丹沢のハイキング(うち1日は雨天)、その他公園・部屋など様々な環境で着比べてテストした。とりわけ、丹沢でのフィールドテストでは、発汗に差が出ないように、続けて着用することは避け、一着ごとに10分程度の間をとってテストした。防水テストは極力同条件で比較するため、一定時間シャワーを浴び続けるなどして実施した。

テスト結果&スペック比較表

スマホ向けの軽量表示で表が見づらいという方は こちら

総合評価AAAAAAAAAA
アイテム mont bell ストームクルーザージャケット

mont-bell ストームクルーザージャケット

mont-bell ピークドライシェル

Teton Bros.ツルギライトウィズアクアブレス

Teton Bros. ツルギライトウィズアクアブレス

ノースフェイススーパークライムジャケット

THE NORTH FACE スーパークライムジャケット

MAMMUT コンベイ プロ ゴアテックス ハードシェル ジャケット アジアンフィット メンズ

MAMMUT コンベイ プロ ゴアテックス ハードシェル ジャケット

ここが◎
  • 防水性
  • 耐久性
  • 細部にわたる機能性
  • 超軽量
  • 防水性
  • 透湿性
  • 透湿性
  • 快適性
  • 動きやすさ
  • ベンチレーション
  • 防水(特に撥水)性
  • 動きやすさ
  • 耐久性
  • 機能性
  • 軽量・パッカブル
  • 防水性
  • 機能性
ここが△
  • 重量
  • 色・デザイン
  • ベンチレーションが欲しい
  • フードが浅い
  • ポケットが少ない
  • 耐久性
  • 防水性
  • フードが浅く調節しにくい
  • ポケットの使い勝手
  • 重量
  • ベンチレーションのごわつき
  • 丈が独特(袖丈・着丈が短め)
  • 透湿性
  • 動きやすさ
  • フロントジッパーがかたい
防水性★★★★★★★★★☆★★☆☆☆★★★★★★★★☆☆
ムレにくさ★★★☆☆★★★★☆★★★★☆★★★☆☆★★★☆☆
ムレにくさ(ベンチレーション含)★★★☆☆★★★★☆★★★★★★★★★☆★★★☆☆
快適性★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★☆☆★★★☆☆
動きやすさ★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★★★★★★☆☆
機能性★★★★☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★★☆★★★★☆
重量★★★☆☆★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆★★★★☆
耐久性★★★★★★★☆☆☆★★★☆☆★★★★☆★★★☆☆
スペック
実測重量(g)255(Mサイズ)185(Mサイズ)252(Mサイズ)295(Sサイズ)217(Sサイズ)
公式重量(g)254185225340(Lサイズ)240
素材ゴアテックス ファブリクス3レイヤー[表:20デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ]ゴアテックスシェイクドライ™15dメカニカルストレッチリップストップナイロン100%(Toray AquaBreath)20D Stretch GORE-TEX C-Knit(3層)(表:ナイロン90%、ポリウレタン10%、中間層:ePTFE、裏:ナイロン100%)GORE-TEX® PACLITE®Plus 13DEN x 13DEN 100% Polyester
生地のレイヤー数32332
防水性(mm参考値)50,000mm以上50,000mm以上13,000+mm非公開 非公開
透湿性(g/m2/24h参考値)35,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)80,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)0.6cfm 2l/㎡/sed-ISO 9237(通気性)非公開非公開
カフ(袖)の形状ベルクロ+伸縮ゴムベルクロ+伸縮ゴム伸縮ゴムベルクロ+伸縮ゴム 伸縮ゴム+フラップ
ポケット左右2胸1大1左右2左右2、胸1
フード調節
ベンチレーション××
収納の仕方スタッフバッグ付き スタッフバッグ付き無しスタッフバッグ付き 工夫次第でパッカブル

各モデルのインプレッション

総合力に磨きがかかった、登山向けレインウェアのベンチマーク
mont bell ストームクルーザージャケット

ここが◎

  • 防水性
  • 耐久性
  • 細部にわたる機能性

ここが△  

  • 重量
  • ベンチレーションが欲しい
  • 色・デザイン

mont bell ストームクルーザージャケットは、学生からプロガイドまで、多くの登山家がお世話になり長らく日本の登山向けレインウェアのスタンダードとして君臨しているといっていいだろう。機能的にはこれ以上望むものはないといえるほどの逸品だが、今シーズンのアップデートによってまた一歩完成に近づいた。

表地はいかにもレインウェアっぽいシャカシャカ生地だが、従来のナイロンと比べて約2倍の強度を持つ独自素材「バリスティックナイロン」。この生地、撥水がよく水を弾きやすいところも気に入っている。そう、このモデルの何より頼もしい部分はこの防水性能。軽くて薄くて湿気を通すモデルが多い昨今にあって、長時間の暴風雨にもしっかりと耐えられる防水性能を備えたモデルは意外と少ない。フードや袖・裾のフィットと密閉性、フードのツバもしっかりあって視界を妨げない。こうした豪雨への対応の良さは今回の比較でも特に目立った。

 

一つ上の耐水性と耐久性を備えたバリスティックナイロン。

雨に対する堅牢な構造に加えて、裏地には、GORE-TEXのなかでもしなやか・高透湿の極薄ニット素材を使用した「GORE® C-ニット™バッカーテクノロジー」を取り入れている。そのため、サラサラした肌触りで不快なベタつき感はない。 

ドライで滑らかな肌面。ここにベンチレーション機能があれば最高……。

さらに今シーズンのアップデートによって、動きやすさが大幅に進化した。「K-monoカット」と呼ばれる独自の裁断パターンは、着て腕を上下してみたらすぐにわかる。まったく裾がずり上がらない!ストームクルーザーの機能的な唯一の弱点が埋まったことでもはや雨具としての使い勝手では敵なしといえるまでになってしまった。

ただムレにくさに関して、生地のスペック値的には35,000gと普通のレインウェアからすれば相当高いのだが、今回の比較でいえば平均。山で動いていると、一気に換気したくなることもあるが、その時ピットジップ(ベンチレーション)が欲しくなる。フィールドテストでも、肌面は全体的にサラッとしているものの、脇下あたりがやや蒸れてくる感じがした。防水性能をここまでしっかりすると重量的にもここまでが限界である。

常識外れの透湿性&防水・撥水性。瞬発力ではNo.1
mont bell ピークドライシェル

ここが◎

  • 超軽量
  • 防水性
  • 透湿性

ここが△

  • フードが浅い
  • ポケットが少ない
  • 耐久性

GORE-TEXのラインナップの中で最も「高透湿・高撥水・軽量」な生地「GORE-TEX SHAKEDRY™ ガーメント」を採用したレインウェアは、その限られた耐久性ゆえ、ランニングやトレイルランニングに特化したモデルがほとんどだった。そんななかmont-bellから今シーズン登場したピークドライシェルは、トレイルランに限らず、マウンテンアクティビティ全般に向けた作りが個人的に大きな驚きだ(mont-bellだからこそできるのだろう)。山でどれだけ使えるか、興味津々で試してみた。

表地は一見、レザーっぽい質感。これはメンブレン(防水透湿性素材)がむき出しになった状態であり、基本的に水を吸う素材ではない。つまり原則雨などによって付着した水がとどまる場所がない、つまり撥水性は抜群。実際に水の弾き方はハンパない!しかもいつまでたっても撥水性は落ちることがない。

ビニールのような、合成皮革のような質感。撥水力はご覧の通り。

 

そのうえメーカーサイトによれば耐水圧は50,000mm以上と、防水性能に関してもいつものGORE-TEX同様、万全だ。ただ、シャワーによる防水テストでは、フード回り、袖口の浸水は若干甘い。ファストパッキングなどのミニマルなアクティビティに寄せているからか、ツバの浅いフードや若干緩めの袖口など、やはりストームクルーザーと比べると防水性は一段落ちる。

カフ のベルクロはやや広く、深くしっかりと止めないと浸水しやすい。

ムレにくさは、どうやって測定しているかは知らないが、桁違いの80,000gという透湿性スペックは確かに伊達じゃない!ベンチレーションは不要なレベルで、登りや走っている最中も、湿気の抜けは明らかに大きく感じた。逆に少し寒さを感じるくらい内外の湿度差(&温度差)がすぐなくなっていくのが分かる。

肌面にはシームテープが丁寧に張り巡らせている。

185gという超軽量に加え、肩や脇下周辺の縫製箇所を最小限にとどめ、動きやすさを実現した「K-monoカット」によって着た時、動いている時のストレスはかなり低い。

ただ、それと引き換えにポケットが胸1つだけと利便性には欠け、また表地の耐久性に関しても正直やはり怖い。ひっかけやすく、ひっかけた際の傷つきやすさに加えて擦れなどによっても摩耗しやすいため、重たいザックで何度も使ってしまうとあっという間にヘタってしまうのは覚悟しなければならない。シルエット的にも脇下・身頃にややゆとりがあり、スタイリッシュさには欠ける。

まるで呼吸するレインウェアは着心地・動きやすさ含めて噂以上の快適さ
Teton Bros. ツルギライトウィズアクアブレス

ここが◎

  • 透湿性
  • 快適性
  • 動きやすさ
  • ベンチレーション

ここが△

  • 防水性
  • フードが浅く調節しにくい
  • ポケットの使い勝手

2009年、日本で創業された本格アウトドアブランドTeton Bros.。そのブランドの代表格ともいえるツルギライトジャケットが今シーズン、ツルギライトウィズアクアブレスとして生まれ変わった。製品のコンセプトは変わらずだが、根幹ともいえる防水透湿メンブレンがPolartec社のNaeoShellから、東レと共同で開発された「Aqua Breath」になったのだ。透湿性はそのままで耐久性・耐水性を向上させたというが、その真価は?

着てみると、まず軽い。従来のツルギライトジャケットよりも軽くなったという重量(実測252g)からだけでなく、しなやかな生地感、そしてて巧みな裁断によるストレスのないフィットからくる印象だろう。しかもこの高度なエンジニアリングに加えて微妙なストレッチがあるため、動きやすさは今回の中でもピカ一だ。襟の口元は起毛裏地で肌当たりも良好で、このあたりの快適性への配慮は随所に感じられた。

構造的にはややクセがある。センタージッパーを排したプルオーバータイプ。なおかつベンチレーションを兼ねた着脱用ジッパーが鎖骨から脇下まで、斜めに配置されている。これによって多少着づらさはあるが、バックパック着用時でもスムーズに換気動作が行えるという利点がある。さらに正面にある大型ポケットもメッシュになっていてベンチレーション的に使える。急速に換気ができるゆえに蒸れが気になりにくいし、温度調節もしやすい。

脱着用とベンチレーション用のジッパーは右上の鎖骨部分から左下の脇下へと配されている。

ここまでベンチレーションが豊富に備わっている時点でムレにくさは十分及第点だが、東レの最新素材「Aqua Breath」もまた驚きだった。厳密にいうとこのメンブレンは透湿ではなく通気機能をもっている、つまり水蒸気だけでなく空気も通す。晴れている時にこれを着て走ってみると、GORE-TEXの時には感じられない、風による涼しさがほんの少しだけ感じられる。このため今回、蒸れを解消するスピードはトップレベルであった。このレインウェア、完全防水でありながら、呼吸してやがる。

一方、防水性能についてはそこまで期待できないだろう。シャワーテストでは確かに水が生地を通り抜けてしみ込んでくるということはなかったものの、3分もかけ続けていれば撥水力は落ち、表地は水浸しに。フードは浅く(というか後頭部が短く?)調節してもおでこまで深くかぶれないため正面からの雨は防ぎにくい。カフは伸縮ゴムタイプだが、調節が効かないため腕の細さによっては水が入ってくる。

防水性は基本的には問題ないが、撥水性はすぐになくなるため豪雨には弱そうだ。

スタイルの良さと雨以外での快適性については抜群だけに、激しい暴風雨での頼もしさに関してはやや悔やまれる結果となった。

耐久防水性と機動性を両立した、垂直系アクティビティのための次世代型レインウェア
THE NORTH FACE スーパークライムジャケット

ここが◎

  • 防水(特に撥水)性
  • 動きやすさ
  • 耐久性
  • 機能性

ここが△

  • 重量
  • ベンチレーションのごわつき
  • 丈が独特(袖丈・着丈が短め)

街向けから本格アウトドアまで多くのラインナップを擁するTHE NORTH FACEからは、今シーズン華々しくデビューしたスーパークライムジャケットをチョイス。このブランドの原点ともいえるクライミングをはじめとした垂直系アクティビティを想定して開発された、3層構造の本格レインウェアだ。

驚かされたのは、3層のGORE-TEX プロダクトでありながら、表地にポリウレタンを10%混紡し、ストレッチ性をもたせている点だ。通常GORE-TEXは採用するための制約が厳しいため、同じような生地構成になりがち。だからこそこのような特殊な生地でGORE-TEXが使用されているというのは他のブランドにはないアドバンテージになる。実際、これによって生まれた動きやすさは確かだ。裏地はサラサラ、高透湿、柔軟な丸編みニットのC-KNITバッカーを採用しており着心地は抜群。ただ重量は実測で296gと、今回のラインアップでは軽量とはやや言い難い。伸縮性を出すために配合されたポリウレタンの影響か。

丸編みニットで形成された裏地。その質感は、実に柔らかでドライ。 ストレッチ性が高いため、ユーザーの動きに、干渉することなく、とても滑らか。

防水性能はさすがクライミングを想定してあるだけあって、山の奥深くまで連れて行っても安心のクオリティだ。3層のGORE-TEX、20Dという最近では十分な厚み(このため他と比べて若干保温みを感じる)、そして何より驚いたのは撥水力の高さだ。防水テストでシャワーを当て続けても、いつまでたっても滑り台のように水滴が落ち続けていた。

Stretch GORE-TEXの基本的な防水性の高さに加え、表地は撥水性高し。暴風雨でも問題なさそうだ。

手足を使う岩稜歩きやクライミングを想定したパターニングとストレッチ性によって、腕振り、腰曲げなどでもストレスなし。裾やフードに設けられたアジャストドローコードはシンプルで、片手でサッと調整できる。カフ のベルクロは細身だが、密着強度は強く、防水性もかなり高い。なお、フードは大きく、明確にヘルメットの上からの使用に対応している。脇下ベンチレーションは広めで、湿度・温度調節性ができるため、ウェアの全体的な換気性能が確保されている。ハーネスに干渉しない位置に設けられた広めのサイドポケットも高評価。

脇下には大きめのピットジップ。ウェア内の蒸れを逃し、素早く換気できる。

スタンダードな作りではあるが、やはりディテールに光るところがある。汎用性が高く、通年で使用できる1着だ。

万全の防水性と軽量・コンパクトさを兼ね備え、実用性重視の本格派
MAMMUT コンベイ プロ ゴアテックス ハードシェル ジャケット

ここが◎

  • 軽量・パッカブル
  • 防水性
  • 機能性

ここが△

  • 透湿性
  • 動きやすさ
  • フロントジッパーがかたい

1862年、スイスで設立されたアウトドアブランド MAMMUTからは、コンベイ プロ ゴアテックス ハードシェル ジャケットがエントリー。生地には透湿性・軽量性に特化した、次世代防水素材「GORE-TEX ガーメント WITH PACLITE® PLUS プロダクト テクノロジー」を採用しており、裏地なしの2層構造で、軽く、薄い。手にとってみると、その軽やかさとしなやかな手触りがわかる。メーカーサイトによると、重さは240gだが実測は217g(Sサイズ)と超軽量ハードシェルだ。

着ようとフロントジッパーに手をかけたところ、期待に反して硬い(泣)。止水ファスナーと圧着フラップを使用したフロントジッパーだと言うが、もう少し滑らかさがほしい……。さてさて、着心地はと言うと、サラッとしたドライな印象で、心地良いいし、なんといっても軽い。PACLITEが最新バージョンになって肌に当たる裏面は耐摩耗加工が施されているため、アクティビティ中の着心地は実に滑らか。

フード下のエアホールベンチレーション。そして、チェストポケットにはジッパー部分がむき出しならない止水コンシールファスナー。

防水性はさすが安心のGORE-TEX プロダクト、長時間シャワーに当て続けてもまったく動じない。後述するがフードなどパーツの作りもここまで軽いにもかかわらず用意周到。薄手であるがゆえにムレにくさもかなり高いと感じた。何より従来のPACLITEにあったペタペタ感が軽減され(それでも裏地のあるモデルに比べればべたつくが)、よりムレ感を感じにくくなっている。

また、フード前と脇の下には熱気や湿気を逃すエアーホール・べンチレーションを装備してあり、蒸れにくい構造にはなっている。ただサイズ的にもそれほど大きいものではなく、そこまでの効果が感じられなかったのは自分だけか。

脇下のエアホールベンチレーション。ないよりはマシだが、一気に換気できるほどではない。

フードに備わっている3本のアジャスターコードは操作性もよく、ジャストフィット。頭部と口元やあごを雨風から守ってくれヘルメットにも対応可能だ。手がすっぽり入り、使い勝手がいいサイドポケットとチェストポケットには、ファスナー自体が表面に出ていない防水性に優れた「止水コンシールファスナー」(←ここのファスナーは滑らか!)を採用。手首周りのアジャスターは伸縮性のあるタイプなのだが、手首まわりがやや細身のような気がする。人によってはパツンパツンかもしれない。 防水テストでは胴回り、フード、ファスナー等の防水性がかなり優れており、まったく問題なし。ただ、伸縮ゴムのみという構造上、カフから水の侵入を許してしまうことに……。もう少し、すぼまっていたら、防げたか。

なお、メーカーサイトにはないが、フードにウェア全体を収納し、アジャスターコードを引っ張ればコンパクトに収納できるというパッカブル構造はプラスアルファ評価だ。

◎マムート 1010-27090・Convey Pro GTX HS Hooded Jacket AF Men/コンベイ プロ ゴアテックス ハードシェル ジャケット アジアンフィット(メンズ)【35%OFF】

まとめ

今回のレインウェア比較レビュー。どれもがベースとしてトップレベルの性能を誇ることは前提としつつ、細かい部分で個性の違いがみられ、用途によって選ぶことが重要であるのが再確認できた。

まず誰が選んでも間違いないといえるのが、mont bell ストームクルーザージャケットだろう性能的には申し分ない。しかし(本当に素晴らしいんだけど)あまりにも欠点が無さすぎて、面白みに欠けると思ってしまうのが人間でもある。ちょっと色気を欲する人にとってはその完成度の高さだけではどうしても満足できない部分が出てくる。

そんな人にとってはmont bell ピークドライシェルTeton Bros.ツルギライトウィズアクアブレスTHE NORTH FACE スーパークライムジャケットが選択肢になってくる。それぞれ強みと弱みが表裏一体となっているので用途やこだわりに合わせて選んでみてほしい。

どれが一番、とは一概にはいえないものの、防水性をとるか、快適性をとるか、 動きやすさをとるか、またベンチレーション、ファスナー、カフ、フード、ファスナー、裾などの構造やディテールなどの仕上がり具合や使い勝手をとるか。このレビューをきっかけに、ディテールまでとことんみて、実際に袖を通してみて、最高の一着をじっくりと選んでみてはいかがだろうか。

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