今年もワークマンの新作ランニングウェアでロードからトレイルまで走り込んでみた 2019
当サイトではおなじみとなっている毎年恒例のワークマンチェック、今シーズンは昨年に引き続いてランニング系、そして2年ぶりにハイキング・登山系アイテムも実施しました。今回は前編ということで、まずはランニング・トレイルランニング系のギアレビューから始めていきます。
テスト期間は4~6月にかけての約2か月。レビュワーは当サイトライターでありトレイルランナーであり、そして筋金入りのワークマンユーザーの東條さん。ロードからトレイル、日常生活まで、ワークマン一色の生活をしてもらい使い心地を徹底的に調べてみました。
なお、昨年レビューしたアイテムたちも一部を除いて引き続き今年も販売しているようですので、興味のある方は合わせて参考にしてみてください。
東條 一矢
茨城県に育ち学生時代は水泳を中心に活動。社会人でトライアスロンデビュー。社会人1年目に第1回日本山岳耐久レース(=ハセツネ)を完走。マウンテンスポーツの達成感に心酔する。30代で埼玉県に転居独立。奥武蔵をT氏に案内されトレランとウルトラマラソンに魅了される。現在では国内のトレイルレースを中心に活動。信越五岳、上州武尊、KOUMI100のロングレースを連戦完走。また、NPO法人小江戸大江戸トレニックワールド、NPO法人彩の国ウルトラプロジェクト(SUP)でレースサポートを手掛ける。またギアの性能を引きだしトレランの安全確保の啓蒙に励んでいる。
目次
シャツ編
今回のテストは4モデル。ニューモデルとアップデートモデルをそれぞれ試してみた。
ランニングで使用するにあたり、肩甲骨周りのストレッチ性とバランスを求めて評価してみました。まず、今シーズンは全モデルをとおして着心地が良くなった印象です。理由はフラットシーマ(マチ部分のステッチ)が改良されて以前より薄く平面になっていた。昨年のモデルではステッチの厚みにより肌擦れするモデルが多くフルマラソンなどロング走には不向きだった。ところが今回は50㎞以上走っても問題ないモデルが見つかった。
各モデルの評価
MOVE ACTIVE AIR 長袖クルーネック
吸汗性◯ 速乾性◯ 通気性◎ ストレッチ性◯ 肌触り◯
背中と脇にメッシュを多用したハイブリッドモデル。背面のポリエステル生地は通気性があり長袖であることを忘れさせてくれる。メッシュ部分の接触冷感をあまり感じさせないところがランニングには丁度良く疲れないのがポイント。前面はポリウレタンとポリエステルの混合生地で吸汗性と通気性は期待できないが春から秋まで着用するにはバランスのとれてる仕上がりだった。
MOVE ACTIVE ICE 半袖ミドルネック
吸汗性△ 速乾性◎ 通気性◯ ストレッチ性△ 肌触り△
独特な肌触りとひんやり感が強いICEモデル。トレランでは接触冷感のひんやり感が過ぎるところもあり汗冷えをおこしてしまったのでトレイルでの使用はお勧めできない。透けて向こうが見えてしまうほど薄手の生地で通気性もよく軽量なつくりはロードランニングでは最良だ。ラグラン袖は腕振りがしやすくコンプレッションもきいていてシルエットが美しくスポーツウェアーらしい1枚だ。引締まったカラダを目指すなら手にしたいモデルだ。
冷感コンプレッション半袖ミドルネック
吸汗性△ 速乾性◎ 通気性◯ ストレッチ性△ 肌触り△
旧モデルとの違いはマチ部分のステッチがより平面になったことで肌との干渉が少なくなりストレスが軽減した点だ。この効果は大きく、旧モデルでは10㎞走ると違和感があったが今期モデルでは30㎞走っても問題はなかった。さらに特徴としてはわき部分のメッシュは前面部分に配置し汗抜けを早める効果を実感できた。残念な点は肩周りに窮屈感があるところは旧モデルと同様でランニングギアとしてはあと一歩だった。
冷感リフレクティブフランク半袖Tシャツ
吸汗性◎ 速乾性◯ 通気性◯ ストレッチ性◎ 肌触り◎
トレイルからロードまでこなすオールマイティーなシャツ。肌触りの柔らかさとストレッチが効いて動きやすいのが特徴。速乾性と通気性は普通の印象なのに吸汗性がよく肌離れ感が優れているおかげで濡れていても快適という秀逸のバランスで仕上がった1枚だ。
50㎞以上走ろうと思った時に自然とチョイスしてたのがコイツでした。4枚の中では最安値ながら最も長時間着用していたストレスフリーなシャツが580円とは驚きだ。リフレクターも前後に多く配置され朝から晩まで走りまくれる最高な相棒を見つけてしまった。
ソックス編
ランニング向けの5本指ソックス(くるぶしモデル)2タイプをロードからトレイルまでテスト。昨秋に試した高機能ソックスと比較して使えるのか厳しくチェックしてみた。共通した特徴は甲部分に通気メッシュを採用した通気性◎の夏モデル。足裏には特に滑り止めなどの機能性を持たせていないのはエンデユランス向けともいえる。
各モデルの評価
FOOT ARMOUR MESH 3PAIRS
吸汗性△ 速乾性△ 通気性◎ ホールド性△ 耐久性◎
耐摩耗に優れた耐久靴下をウリにしてる1足。20~30㎞の街ランであれば十分に使用できる品質。気になったのはゆったり作られているサイズでフリーサイズのみで展開されてること。長期間のテストで生地が伸びてくるとシューズの中でダブつく感がある。雨天時、汗濡れでは余った生地がトラブル原因となる。3足499円ならば使用環境を選択すれば満足できるつくりだ。
16355 Action Saveショートタイプ2PAIRS
吸汗性◯ 速乾性△ 通気性◎ ホールド性◎ 耐久性◯
アーチをサポートするつくりは疲労軽減に役立つ1足。5本指の先から足首までホールド力は強めでシューズの中で邪魔になることはなかった。トレイルの使用でも不安は少なかった。程よい厚みにはクッション性もありトレラン初心者が使用するにはお薦めだ。綿を含む生地は履き心地は良いが速乾性はイマイチなので水場にドボンや雨天時の使用は避けるのがベスト。長期間テストで耐久性も問題なくコスパ最高のソックスだ。(2019.07.04現在、オンラインストアでの取り扱い無し)
ランニングパンツ編
新作となる2モデル。足運びの快適性を厳しく評価しながら検証してみた。共通点は1)股下が25㎝ほどあるセミショートタイプ、2)街ランでは便利そうな両サイドにポケットを配置している2点だ。
各モデルの評価
1182 MOVE ACTIVE ショートパンツ
吸汗性△ 速乾性◯ 通気性△ 走りやすさ◎ 快適性◯
ポリエステル100%のショートパンツで通気性と吸汗性の無い生地だが柔らかめに仕上がっている。真夏の使用に不安はあったが大腿部の開きが広く通気性は気にならないものだった。しかも開口部の広さはセミショートながら足運びにストレスを感じさせないつくりとなっていた。トレイルで滝汗をかいても大腿部に生地がまとわりつく嫌な感じは少なめだった。50㎞ロングランでも比較的使いやすく肌と擦れるなどのトラブルはなかった。後面にはファスナー付きポケットがあり小物を収納できる。至れり尽くせりのパンツだ。(2019.07.04現在、オンラインストアでの取り扱い無し)
マッピングメッシュ ショートパンツ
吸汗性◯ 速乾性◯ 通気性◎ 走りやすさ△ 快適性◎
ポリエステル100%のショートパンツでもメッシュ生地を採用して通気性に優れている。大腿部の開きは狭く足運びに不安はあったがストレッチ性がありストレスは少なかった。細身のつくりなのでランニングではワンサイズ上でも使えそうだ。弱点はウエスト部のゴム部分で20㎞程度走るのには問題ないが長距離ランニングには不向きで肌と擦れてしまい残念。おしゃれなデザインはスポーティーでジョギングでは使いたい1本だ。
MOVE ACTIVE フルレギンス
吸汗性◯ 速乾性◎ 通気性◎ 走りやすさ◯ 快適性◎
昨年に引き続き、ランニング用のコンプレッションタイツとして激オシアイテム。昨年からの進化店としては、サイドにメッシュ地の部分ができたことで、より通気性が向上。ますます真夏のランでも快適になりました。相変わらず速乾性◎なのでフルレギンスでも不快にならずに着用できます。裁断にこだわった成型は股下にゆとりがあり足上げをジャマせずトレランでも使いやすいアイテムでした。リフレクト(反射素材)を3か所に配置してるのでナイトランでも安心。ヒップ部にはジップポケットがあり軽いジョグならばキー&小銭をもって出かけられる、相変わらずの使い勝手でこの価格。
グローブ編
新作としてやっとでてきた指あきグローブ。トレランギアとしてで使えるグローブなのか検証してみた。接触冷感素材を使った夏仕様。
接触冷感カットグローブ
吸汗性◯ 速乾性◎ 通気性◯ グリップ力◎ 耐久性◯
多種多様なグローブをそろえるワークマンの堅牢なつくりはトレラングローブにジャストマッチだった。手の甲部分の速乾性と通気性がよく雨天時の使用も問題なかった。親指部分のタオル風素材は汗拭きに使えて便利なつくり。手のひら部はクッションを薄くし滑り止めがしっかりしてるのでレスポンスの良さが感じられる。完成度の高さと値段の安さに驚かされる逸品だ。
まとめ
ワークマンのまじめなスポーツギア開発は最近メディアでも取り上げられている。今回テストしたギアはニューモデルも多くユーザーの期待を上回ることだろう。コストパフォーマンスが良いのは間違いないが、安いから選ぶではなく品質が良いから選ぶに変わってきそうな予感がある。今後もワークマンのスポーツギアからは目が離せない状況が続きそうだ。