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比較レビュー:春秋、夏、シーズン別にトレッキングパンツのベスト候補を穿き比べてみた

夏真っ盛りのトレイルランならいざ知らず、やっぱりトレッキング・登山にはロングパンツが使いやすい。天候が変わりやすかったり、下草が多かったり、虫や紫外線、そして怪我など様々な危険要因からも守ってくれるなど、日本の山ではロングパンツでよかったと思わされることが多々あります。

山で穿くトレッキングパンツは基本的には丈夫なことが大事なのは確かですが、動きやすさも欲しいし、蒸れにくさや乾きやすいともっといい、気温に合わせて涼しいのや暖かいの、おまけにスタイルがいいに越したことはないなど、あれこれ欲しくてとても悩むところです。

今回は今シーズン各ブランドから出ているハイキング・トレッキング向けのロングパンツを穿き比べ、「春・秋用」と「夏用」のシーズン別に、各シーズンに最適なパンツを考えてみました。

目次

今回比較したトレッキングパンツについて

以下は今回比較したトレッキングパンツ9モデル。様々な3シーズン用トレッキングパンツをチョイスしてみました。特徴が幅広すぎて一つにはまとめにくかったため、今回は特に薄手タイプ(夏向け)と、中厚手タイプ(春・秋向け)の2タイプに分け、前後半でレビューをお送りします。

薄手タイプ

  • Arc’teryx サブリオパンツ
  • Houdini ルシイドパンツ
  • Mountain Hardwear ローンマウンテンストレッチパンツ

左からルシイドパンツ、サブリオパンツ、ローンマウンテンストレッチパンツ

中厚手タイプ

  • The North Face マグマパンツ
  • Patagonia コージー・パイク・パンツ
  • Norrona Bitihorn lightweight pants
  • Mammut ソフテック トレッカーズパンツ
  • finetrack カミノパンツ
  • Mountain Hardwear ロックグラウンドパンツ

左から、カミノパンツ 、コージー・パイク・パンツ、ソフテックトレッカーズパンツ、ロックグラウンドパンツ、Bitihorn lightweight pants、マグマパンツ

テスト環境

評価項目については、以下の5点を指標に設定しレビューしました。

  1. 快適性・・・いかに快適にストレスなく穿き続けられるかの指標
  2. 機動性・・・トレッキングパンツとして、動きを妨げずに動けるか
  3. 機能性・・・ポケット等の機能が充実していて、それが実用的かどうか
  4. 通気・透湿性・・・夏は特に気になる衣服内のムレ
  5. 重量・・・実際の重量のみでなく、実際に使った重量感も考慮
  6. スタイル・・・下山後や普段穿きなども含めて多様なシーンで使えるかどうか

以上の5点を意識して、実際に穿いて山道を歩いてみました。パンツの下は下着のみ着用で、上着は同じものを選択。環境を全く同じに合わせるのは難しいですが、なるべく同じ天候の状況下で行いました。速乾性は、水に数分付けたのち、完全に乾くまででなく、「まあ不快なく穿けるな」という状態になるまでをみてみました。

各評価の☆数は、全体の絶対評価ではなく、あくまで薄手部門・中厚手部門内での相対評価としました。

テスト結果&スペック比較表(薄手タイプ)

スマホ向けの軽量表示で表が見づらいという方はこちら

総合評価AAAAAAA
アイテムArc’teryx サブリオパンツ Houdini(フーディニ) メンズ ルシイド パンツ Mens Lucid Pants 267864 Houdini ルシイドパンツ Mountain Hardwear マウンテンハードウェア ローンマウンテンストレッチパンツ メンズ Mountain Hardwear ローンマウンテンストレッチパンツ
参考価格(税抜)¥14,000¥19,000¥13,000
ここが◎
  • 穿き心地
  • スムーズな機動性
  • 穿き心地
  • 軽量性
  • ゆとりのあるフィッティング
  • 速乾性
  • パッカブル
ここが△
  • コンパクトさ
  • フロントのスナップボタン
  • ハードな登山には不向き
快適性★★★★☆★★★★★★★★★☆
機動性★★★★★★★★★☆★★★☆☆
機能性★★★☆☆★★★★☆★★★★☆
通気・透湿性★★★★☆★★★☆☆★★★☆☆
重量★★★★★★★★★★★★★★☆
スタイル★★★★☆★★★★★★★★☆☆
スペック
公式重量220g198g230g
実測重量209g205g229g
素材Fortius™ DW 1.0Liquid Rock™4 ウェイストレッチプレーンウィーブ
ポケット
  • サイド×2
  • サイド×2
  • バック右
  • フロント×2
  • バック右

各モデルのインプレッション

Arc’teryx サブリオパンツ

ここが◎

  • 穿き心地
  • スムーズな機動性

ここが△

  • コンパクトさ

ポケットの位置は少し低めだが、ハーネス等に干渉しないので、使いやすい。

200gという軽量性、過剰でない適度なストレッチ性とフィット感を体感させてくれるトレッキングパンツです。なんと言っても、アークテリクスの作りの良さをじっくりと堪能できる、動きの中での穿き心地のよさが素晴らしい。穿いていて気持ち良いと感じさせてくれ、ふとした時には穿いてることすら忘れるほどの軽量感としなやかさを感じさせてくれます。それだけでなく、適度なストレッチ性でアクティビティー中もストレスなく穿き続けられます。速乾性もまずまずで、濡れてもすぐに乾きます。

ジッパー仕様のポケットは、サイドに2つのみ。両方ともメッシュ仕様なので、ベンチレーションの代わりにもなります。位置は他のパンツと違い、少し下に配置されているので、大きめのザックのウェストストラップで腰を固定していても、干渉されずアクセスできますが、出し入れしやすいかというとやや疑問。ザックを背負うことを考えれば、ポケットは2つで十分ですが、他のパンツに比べるとポケット自体も小ぶりなので、パンツのみで使用するときは、やや収納が少なく感じることもありそうです。

生地はとても薄く通気性は高いですが、ある程度の防風性も兼ね備えているので、単体で3シーズン使用できそうです。アークテリクスのウェアは全体的に高めの価格設定ではありますが、このパンツは高性能ながら比較的手頃な値段なので、アークテリクスの良さを気軽に体感できる良いパンツです。

Houdini ルシイドパンツ

ここが◎

  • ストレスフリーなはき心地
  • 物理的にも軽量

ここが△

  • フロントのスナップボタン

フロントはジッパーではなくスナップボタン仕様

Houdiniの200gを切る軽量性、高い通気性・ストレッチ性を兼ね備えたトレッキングパンツです。生地は薄めの横方向2wayストレッチのLiquid Stretch。2wayならストレッチ性はイマイチと思いきや、Made to Moveという動作中の人から型を起こすというHoudini独自の立体裁断により、ストレスを感じさせません。こちらも穿き心地は極上で、生地も薄いくしなやかなので通気性も抜群です。

ポケットはサイド×2、バック1つの合計3つで、バックポケットはジップがついたパッカブル仕様。通常フロントはジップ仕様になっていますが、こちらはスナップボタン使用なので、急いでトイレに行きたい時はやや手間取るかも……。

しなやかな生地、ストレスのない機動性など非常に使い勝手は良いですが、どちらかというとトレッキングよりは、軽いハイキング、テントサイトでの着替え用、街穿きでの使用方法の方が重宝しそうです。

Mountain Hardwear ローンマウンテンストレッチパンツ

MOUNTAIN HARDWEAR(マウンテンハードウェア) ローンマウンテンストレッチパンツ【ASIAN FIT】 OE8219 425(Hardwear Navy) L 2019春夏モデル
Mountain Hardwear(マウンテンハードウェア)

ここが◎

  • ゆとりのあるフィッティング
  • 速乾性
  • パッカブル

ここが△

  • ハードな登山にはやや分が悪い

パッカブル仕様は何かとありがたい。手のひらサイズに収納できます。

ストレッチ性の高い、パッカブル仕様のマウンテンパンツです。穿いてみると、腰回りは他のパンツと比べるとかなりゆとりのある仕様で、ゆったりとリラックスして穿けます。ストレッチ性と、股の機動性が高く、登山以外でもクライミングなど大きな動きをするアクティビティでもストレスなく使用できます。

ポケットはフロント2つ、バック1つの合計3つで、フロントのポケットのみジップ・メッシュ仕様となっています。バックポケットはパッカブル仕様になっているので、予備パンツとして持ち運ぶのに便利です。

パッカブルなのとフィッティングに余裕のある作りなので、メインで穿くというより、キャンプサイトや山から降りた時の着替え用などにザックに入れておくと、重宝しそうです。洗ってもすぐに乾くという点もポイント高めです。

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