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3万円でお釣りがくるソロ用フロアレスシェルター「DD Hammocks DD SuperLight Pyramid Tent」がいい。この価格でここまでできたら十分満足じゃね?【春夏秋冬登山で実践レビュー】

装備は「できるだけ軽く」をモットーに低山からアルプスまで歩く筆者は、テントだって、できることならどこまでもシンプルに、軽くいきたい。

でもさすがにテントを持たずほぼ寝袋だけで夜をやり過ごすなんてのは(そんなスタイルを「カウボーイキャンプ」などと呼んだりしますが)スキルと経験を有した一部のエキスパートだけ。

それでも軽さをあきらめきれない自分のようなハイカーにとって朗報なのは、一昔前までは山岳用テントといえばドーム型テントがほとんどでしたが、幸い最近ではテントの種類も多くなり、オーソドックスなダブルウォールテントからポールやフライを省略したようなシェルター(簡易型テント)、あるいは居住性を高めたツェルト(緊急ビバーク用テント)など、多くの選択肢があることです。

ただ、初めての軽量シェルターはどれから始めればよいのか、それについて参考になる情報はあまり多くはありません。希少性の高い軽量テントやシェルターはさまざまな装備のなかでも特別高価なアイテムで、おいそれと簡単に買って試せるものではないのにもかかわらず、です。

そんな軽量でありながら、山岳での使用も可能、しかもコスパのいいテントを探している人に朗報。それが今回紹介するアウトドア寝具ブランド、DD Hammocksの「DD SuperLight Pyramid Tent 」。筆者が北アルプスや八ヶ岳などで四季を通じて使用した結果、現在でも愛用しているフロアレスのワンポールシェルターです。

携行性・実用性・コスパ」の三拍子揃った信頼性の高いシェルターを探している人におすすめ。早速レビューしていきます。

DD Hammocks DD SuperLight Pyramid Tentの主な特徴

北アルプスの蝶ヶ岳ヒュッテでテント泊した時の写真

DD Hammocksは世界各地を旅行してきたニック・ヴァンシッタールによって設立された英国に拠点を置く、2005年に創業したブランド。ブランド名にも「ハンモック」と入っているとおり、ハンモックを作るブランドとして有名ですが、ハンモックだけでなく、バックパックやタープ、クッカーやカトラリーなどを幅広く製造・販売しています。

そんなハンモックブランドが作るテントが今回紹介するアイテム、DD SuperLight Pyramid Tent。460gの超軽量なテントで、DD SuperLight Pyramid Mesh Tent (別売)のフライとしても使用できる様に設計されています。

フレームなしでシングル構造のDD SuperLight Pyramid Tent は、トップループを使用して枝から吊り下げる方法、あるいはトレッキングポールを使用してセンターを持ち上げる方法で設営する事ができます。ソロキャンパーには十分は空間を設け、3000mmのPUコーティングと大きな通気孔により内部の結露を防ぎます。全部で13箇所あるペグダウンポイントが高い耐候性を確保し、キャンプだけでなく、山岳地帯での使用も可能にしています。

お気に入りポイント

  • 重量460gで軽量コンパクト
  • フロアレスだから土足のままテント内に入れる
  • 山岳地帯での使用が可能な耐候性の高さ
  • 二人が寝ることが可能な広さ
  • 結露してもフロアレスだから浸水しない
  • 3万円でお釣りが来る抜群のコスパ
  • シームテープ処理済みですぐに使用可能
  • 雑に詰め込んでも収納できるしなやかな生地と大きめの収納袋

気になるポイント

  • (当然だが)機密性は高くはない
  • ワンポールシェルターのため居住スペースが床面積の割には広くない(天井が狭い)
  • シングルウォールだから結露はそれなりにある
  • 高価な生地を使用した同形状のモデルに比べるとやや重い

主なスペックと評価

アイテム名DD Hammocks DD SuperLight Pyramid Tent
構造ワンポールテント
就寝人数2名
サイズL 260cm, W 245cm, H 120cm
収納サイズ25×20×7cm(実測値)
重量460g
素材リップストップナイロン PU加工(耐水圧3,000mm)
付属品
  • SuperLightペグ x 13
  • ガイライン (2m) x 5
Outdoor Gearzine評価
快適性★★★☆☆
設営・撤収の容易さ★★★☆☆
重量★★★★★
携帯性★★★★★
耐候性★★★★☆
耐久性★★★☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆

詳細レビュー

筆者がDD Hammocks DD SuperLight Pyramid Tentを使い始めて4年以上、北アルプスや八ヶ岳のような山岳地帯での使用から、海や湖でのキャンプまで使い倒してみて感じたことをレビューします。

重量460gで軽量コンパクト

八ヶ岳・青年小屋でテント泊した時の写真

DD SuperLight Pyramid Tentはトレッキングポールを代用することで設営が可能なテントです。

トレッキングポールを代用するため、フレームが無く、その分ドームテントなどと比べて軽量で、メーカー公表の重量は460gと500gを切る軽さ。収納時にはコンパクトになることから携行性に優れます。

UL(ウルトラライト)テントは大体どれも500g前後がアベレージですので、460gという重量はUL志向の人にとっても合格点といえる軽さです。

500mlのペットボトルとの比較

機密性の低さ

軽さの秘密はフレームがないだけではありません。

シングルウォール構造であることと、「フロアレス」であることも軽さの理由。

フロアレステントのため、どうしてもテントの裾部分には隙間が生まれ、虫などが侵入がゼロではありません。そのため、気温の高い時期や、森林限界を下回る標高での使用時には虫対策が必要になることもあります。

筆者は気温が高い時期に使う時は虫対策として、汎用性の高い防虫ネットを使用しています。

筆者が虫対策として使用しているモスキーとネット。手のひらサイズまでコンパクトになる

フロアレステントは機密性こそ低くなってしまいますが、メリットデメリットは一長一短です。

フロアレスだから土足のままテント内に入れる

フロアレステントは機密性が低くなり、虫などが侵入しやすいことはデメリットとお伝えしましたが、土足のままテント内に入ることができるのは大きなメリットです

テント内に「寝るスペース」と「土間」を用意することができるので総合的に居住スペースが高く、テント内で快適に過ごすことができます。

冬季のテント泊で、雪が降っている時は土足のままテント内に入ることができ、ありがたかったです。

厳冬期の八ヶ岳でテント泊した時。マイナス18度まで冷え込んだ

山岳地帯での使用が可能な耐候性の高さ

DD SuperLight Pyramid Tentはテント本体にペグポイントが8箇所と、張り綱が4本、ベンチレーション用の張り綱が1本で計13箇所のペグダウンをすることができます。

これにより耐候性が高く、強風時にも問題なく過ごすことができます。

北アルプスの蝶ヶ岳ヒュッテでテント泊をした際、強風が吹き続けた中、テントは倒れたりすることもなく、朝まで問題なく過ごすことができました。

DD SuperLight Pyramid Tentは山岳地帯での使用も耐えうる耐候性を備えています。

生地そのものの耐水圧は3,000mmでPUコーティングが施されているので風だけでなく水にも強いテントです。

二人が寝ることが可能な広さ

DD SuperLight Pyramid Tentのサイズは長さ260cm, 幅245cm, 高さ120cmで、二人が寝ることのできるサイズです。

二人分の装備品などを合わせると若干窮屈になるサイズ感ですが、ソロでの使用であれば贅沢すぎるほどの広さ。

この余裕のある広さは悪天候での停滞時にはありがたく、テント内での煮炊きも余裕のあるスペースで行えます。

気になるところとして、ワンポールテントは見ての通りピラミッドのように尖った形状になっていて、床面積に対して居住スペースは限られ、座っていられる場所は限られます。

ドームテントで慣れている人にとってはこの差は大きく感じられ、慣れるまでは窮屈さを感じることもあるでしょう(筆者がそうでした)

結露してもフロアレスだから浸水しない

外気との温度差によりテント内に発生した結露

気になることとしては「結露」があります。

結露はテントの中と外気温との差が生じることで発生します。シングルウォール構造であるDD SuperLight Pyramid Tentはテント内と外気との間に温度差を緩和するような空間がなく、温度差がダイレクトに「結露」になります。

DD SuperLight Pyramid Tentには大きめのベンチレーションが設けられていますが、それでもやはり結露は発生してしまいます。

発生した結露はやがてフロアへと流れ、機密性の高いテントはそこから浸水してしまうこともありますが、DD SuperLight Pyramid Tentの場合、フロアレスなので流れてきた水滴はそのまま地面へと排出されるためテント内が水没する心配はありません。

シングルウォールテントである以上、結露を完全に防ぐことはできないことから定期的に拭き取るなどして、結露対策をする必要があります

吸水シートなどで定期的に拭き取ることで結露の拡大を予防することはできる

3万円でお釣りが来る抜群のコスパ

DD SuperLight Pyramid Tentは2024年10月時点での公式ホームページでの価格は25,300円です。なんと3万円でお釣りがくるコスパの良さ。

インナーテントと合わせるとそれなりの価格にはなりますが、インナーテントが必要ないのであればコストパフォーマンスに優れたテントです。

シームテープ処理済みですぐに使用可能

テントによっては縫い目のシーム処理(縫い目の防水処理)がされておらず、使用前にシーム処理をしなくてはいけませんが、DD SuperLight Pyramid Tentはシーム処理済みのため、そのままフィールドで使うことができます。

    雑に詰め込んでも収納できるしなやかな生地と大きめの収納袋

    テントをはじめ、きちんと折りたたんで収納するのが嫌いな筆者。詰め込むだけで収納できる余裕のある収納袋であることはお気に入りのポイントです。

    DD SuperLight Pyramid Tentは生地が非常に薄く、しなやかなので折りたたまなくても詰め込みやすく、収納が簡単におこなえます(生地の厚さに関しては公表されていないようです)

    まとめ:コストパフォーマンスが高く携行性が高い軽量テントは軽量志向のビギナーハイカーにおすすめ

    昨今では次々に軽量なテントが発売されていますが、どれも高価なテントばかり(中には使うのを躊躇ってしまいそうになるほど高価なテントも・・・)

    そんな中、コスパに優れ、実用性も申し分なしのDD SuperLight Pyramid Tentは軽量なテントを探している人にとっておすすめです!

    コストを抑えて装備を軽くして山歩きへと出かけましょう!

    さらに居住性の高い大きめサイズのモデル用意

    DD SuperLight Pyramid Tentには、高さと面積が少しだけ広いモデル「DD SuperLight XL Pyramid Tent」も展開されています。価格的にもそれほど違うわけではありませんが610gとやや重くなるので、たとえば2人でゆったりと使いたい場合などにはこちらもおすすめです。

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    Yosuke(ヨウスケ)

    不便にならない程度に「できるだけ軽く」をモットーにバックパックひとつで行動する人。

    春から秋にかけては山奥のイワナを追いかけて渓流へ釣りに。 地上からは見ることのできない絶景を求めて山を歩き。 焚火に癒されたくてキャンプ。 白銀の山で浮遊感を味わいにスノーボード。

    一年中アウトドアを楽しんでいるフリーのライター。 自身の経験や使ってみて良かった道具を発信しています。

    opoアウトドアブログ