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比較レビュー:曇りでも雪面がクッキリ。噂のスキー・スノボ向けハイコントラストゴーグルを比較してみる。

暖冬だといわれる今シーズンですがそれでも雪は降りますし、降ればパウダーが楽しめます。日本にうまれて本当に良かった!と最近つくづく感じています。

さてウィンタースポーツ。中でもスキー・スノーボードを楽しむために一番大切な道具といわれたら、あなたは何を想像しますか?

そりゃぁ滑るために必要な板やボードでしょう!
それはもちろん板・ボードとのつなぎ役、ブーツだよ!
やっぱり見た目が一番大事!ウェアでしょ!

などなど色々な意見があると思いますが、僕が考える一番大切なギアはズバリ「ゴーグル」です。

人間は情報の90%を視界、つまり目から得ているといわれています。目隠しをしたら90%の情報が無くなるわけです。ですから見るために大切なアイテムのゴーグルがもっとも大切だと僕は考えています!

そんな考えもあり、ある時から僕はゴーグルのメジャーブランドのSMITHを愛用してきました。

きっかけは色盲の先輩パトロールがつぶやいたこの一言。

「いろいろ試したけど、SMITHのこのレンズカラーだけ見えるんだよ。」

それ以前は、OAKLEYのAフレームを愛用していましたが、その先輩の一言でSMITHを使うようになり、これといった不満もないことから約10年間はSMITH一筋で使ってきました。つまりこのレビューを始める前までは、完全にSMITH党。

ただ最近のSMITH(その他の大手ゴーグルブランドも含め)を見ていると、

「本当に安いゴーグルとは質が違うの?」
「本当にその価格に見合った価値あるの?」
「他のブランドも同じようなこといってるけど、本当のところどれがいいの?」

という疑問が湧いてきているのも事実。

そこで今回、人気の大手ブランド3社+ベンチマークとして1社をピックアップして、最新のレンズ技術であるハイコントラストレンズゴーグルを比較してみたいと思いました!

目次

今回比較したスキー・スノーボード向けゴーグルついて

今回比較に使ったゴーグルはこちら。※()内はレンズ種類と可視光線透過率(以下VLT)

  1. SMITH Squad XL (Cromapop Storm Rose Flash lenz 50%)
  2. OAKLEY Line Miner XM (Prizm Rose 26%)
  3. POC Retina Big Clarity (Spektris Rose Gold 35% ※付属レンズはSpectris Orange 22%)
  4. (ベンチマーク)SWANS RIDGELINE-U (ULTRAレンズ 35%)

この4モデルを選ぶうえで、まず僕が試してみたかった前提基準は以下の3点です。

  1. ハイコントラストレンズを装着していること
  2. 平面レンズタイプであること
  3. 国内シェア大手のブランドであること

どうしてハイコントラストレンズを選んだのか

スキー向けゴーグルのレンズで、最近特に流行している最先端技術のひとつがこの「ハイコントラストレンズ」。ものすごく簡単にいうと、よりハッキリ・クッキリと見える技術(参考:SMITH「Chromapop」)で、雪の凸凹などが各段に見やすくなるとか。

最新のレンズはどれだけ進化しているのか?ギア好きとしては試さずにはいられません。また、最新技術のハイコントラストレンズを選んだのにはもうひとつ理由があります。それが価格です。

製品技術レベルが上がるにつれて、最近ではゴーグルの価格も上がり続けています。が、本当に価格に見合う価値があるのか?これまでだって不満な靴替えているんだから、必ずしもハイコントラストレンズの高価なモデルを今、使う必要があるのか?そんな疑問は、実際に試してみないと分かりません。

どうして平面レンズで比較することを選んだのか

何よりもまずはカッコいいから(笑)。
単純に最近の流行りは平面レンズだと、筆者は思ってます(笑)。

ただ、理由はそれだけではありません。オリンピック・X games等に出場しているプロのライダーさん(あの人この人)も平面を好んで使っていると知ったからです。

理由を聞くと、平面の方が歪みが少ないからとのこと。自分で試した限りでは、何度も付け替えて見比べてやっと視界の端っこに差があるかな?くらいの違いですが、確かに平面の方が歪みが少なく、自然な視界が得られます。瞬間的に繊細で正確な動作が求められる世界では外部からの情報がより正しい方を選びたいという意味で、僕は非常に納得しました。

一般的に球面レンズはその分視界が平面レンズよりも広いなどのメリットもあるといいますが、それも結局、平面レンズで視界が広いものもあります。そんなわけで、最新という意味合いも含めて今回は平面レンズを選択しました。

どうしてこの3ブランドにしたのか

まずSMITHOAKLEYが世界的にみてもトップブランドなのは間違いない事実だと思います。どちらもハイレベルなライダーさんをサポートしていますし、ライダーさんのなかにはゴーグルならSMITHOAKLEYの二択。とまでいっている人もいるらしい。

もうひとつ、POCは、最近ゲレンデやバックカントリースキーヤーで見かける外国人観光客がよく使っている印象なので!候補に入れました(目利きもブランディングも上手なフルマークスさんが国内代理店を務めるということもあり、その実力を確かめたいということも実はあります)。

国内での使用率や国産ブランドということで、本当ならSWANSも入れたかったのですが、平面レンズモデルで適当なものが無かったため、今回はラインナップ中のハイエンドモデルをピックアップし、比較対象としてみました。

他にもDRAGONなども日本人向けハイコントラストレンズモデルがあったり入れたい候補はたくさんあったのですが、ここから僕と編集長で相談し、最終的に比較モデルを上の4モデルに絞り込みました。ちなみに筆者はパウダーが大好きなテレマークスキーヤーですので、パウダーを滑る、あるいはバックカントリーで使用することを想定して判断しています。

テスト環境

テスト状況としては、1~2月にスキー場、バックカントリーエリアで、快晴~曇り、朝~夕方それぞれを使用してテストして、見え方、つけ心地などを考察しました。また曇りにくさなど細かい考察を室内環境などでもテストしました。

なお各モデルの評価は以下の5項目を重要度によって荷重配点し、それぞれの採点項目は以下のように設定しました。

  1. 見やすさ・・・今回のきっかけとなった、ハイコントラストレンズは雪の中でどれだけ見やすいのかだけでなく、視界の広さを含めてどれだけ快適な視界を得られるかどうか。さまざまな視点からチェック。
  2. 曇りにくさ・・・バックカントリーでパウダーを楽しむのには、曇らないゴーグルはとても重要。
  3. 快適性・・・フィット感、クッション性、通気性など、全体的な装着感をチェック。
  4. 使いやすさ・・・ベルトの着脱しやすさ、ベルトの調節、レンズ交換しやすさ、作りの良さなど、使用するうえでの細かい満足感を比較。
  5. コストパフォーマンス・・・上記の機能・性能の良さと価格のバランスを評価。

テスト前の予想は?

テスト前の予想としては、筆者がSMITH信者なのもあり1位はやっぱり王道「SMITH」です。

そこにもう一つの老舗ブランドOAKLEYがどう食い込むのか?
そして北欧の新鋭ブランドPOCは?
結局ベンチマークのSWANSが良かったり?

順当に行けば、SMITH > OAKLEY > POC、という感じだと思いますが、実際のところはどうだったのでしょうか!さっそく結果を発表します!

テスト結果&スペック比較表

スマホ向けの軽量表示で表が見づらいという方はこちら

総合評価AAAAAAAA
アイテムOAKLEY Line Miner XMPOC Retina Big ClaritySmith Optics大人用Squad XL雪ゴーグル、ブラックフレーム/Chromapop SunレッドミラーSMITH Squad XL【国産ブランド】SWANS(スワンズ) スキー スノーボード ゴーグル くもり止め プレミアムアンチフォグ搭載 ミラー 撥水 メガネ使用可 RIDGELINESWANS RIDGELINE-U
参考価格17,280円27,000円24,840円27,000円
ここが◎
  • 見やすさ(コントラスト)
  • 曇りにくさ
  • 作りの良さ
  • 見やすさ(解像度・視界の広さ)
  • 使いやすさ
  • 曇りにくさ
  • 快適性
  • 使いやすさ
  • コスパ
  • 快適性
  • 全体的な作りの良さ
ここが△
  • 視界の広さ(ラージサイズモデルを選べば問題なし)
  • アジア系の顔にとってはややクセのあるフィット感
  • 全体的なパーツ・作りがやや雑
  • 見やすさ(明るさ・解像度・コントラスト)
  • 曇りにくさ
見やすさ★★★★☆★★★★☆★★★☆☆★★★☆☆
曇りにくさ★★★★☆★★★☆☆★★★★☆★★☆☆☆
快適性★★★★☆★★★☆☆★★★★★★★★★☆
使いやすさ★★★☆☆★★★★☆★★★★☆★★★☆☆
コストパフォーマンス★★★★☆★★★☆☆★★★★★★★☆☆☆
スペック
レンズPrizmレンズClarityレンズCromapopULTRAレンズ
レンズカラーPrizm RoseSpectris Orange(レビューではSpektris Rose Gold)Storm Rose Flashアイスミラー×ULTRAライトパープル
可視光線透過率(VLT)26%22%(レビューでは35%)50%35%
付属品
  • ソフトケース
  • ソフトケース
  • レンズ2枚付属(CP Everyday Red Mirror / CP Storm Rose Flash)
  • ソフトケース
  • ソフトケース

1つ選ぶとすれば? 僕のおすすめ

今回選んだ商品はどれもが有名ブランドなのもあり基本性能に大きな問題はなく、見やすさ、曇りにくさ共に大きな欠点は見当りませんでした。

ただ、パウダーやバックカントリーで使用するとなると、基本性能+αの部分がとても重要です。このためより細かい視点で比較チェックしていきました。レンズの性能・フィット感・曇りにくさ・作りの良さ・コスパなどを総合的に観察して、今の自分が選択するオススメのゴーグルは、OAKLEY Line Miner XMです!

オークリー OAKLEY ゴーグル 【品名】 LINEMINER XM 【品番】 OO7094-02 【カラー】 Matte Black 【レンズカラー】Prizm Torch Iridium 【18-19 モデル】

正直、レンズの性能に関してはどれも基本的には満足で甲乙つけがたく、ただ最もコントラストのはっきりとした視界が得られ、その他のレンズ性能・装着感で隙がなく、バックカントリーで使用しても安心というのがこのモデルでした。さらにもうひとつ、これを選んだ決め手は作りの良さ、クオリティの高さです。

パッドの取付、レンズの貼り合わせ、フォームの作り、レンズの作り、どれも細かい部分までクオリティが高く、価格に見合った商品だと感じました。例えばレンズの貼り合せ部分を一例として説明すると、二枚のレンズが綺麗に貼り合されていて、ズレやはみ出し、シワなどもほとんど無いことが分かります。

全体が綺麗に貼り合されていて、ズレやはみ出し、シワなどもほとんど無い。

当たり前のようでいて、こういう見えない部分までキッチリと仕上がっているメーカーは数少ないものです。ちなみにSMITHは接着のはみ出しなども結構気になりなす。

作りの良さは細部を比べてみるとわかる。写真のような接着のズレは性能や耐久性に細かく影響する。

ただし、レンズカラーは別のものを購入します。今回のテストで使用したPrizm Roseレンズ(VLT26%)は少し色が濃すぎるので晴れ間は良いのですが、うす曇りや雪が降っている条件だと、他の明るいレンズより見にくいと感じました。

色が濃いので晴れ間は気にならないが、この程度の薄曇りでもかなり赤くてストレスを感じた。

ですので、VLTはもう少し明るく(35~50%くらい)、晴れから薄曇りまで使えそうな、もっと薄い色のレンズの方がトータルでは見やすと感じました。

ただし、もしまだ本格クオリティのゴーグルを使ったことがないなら、はじめての1つとしてはSMITH Squad XLもオススメです。組み立てのクオリティーはOAKLEYに劣りますが、特にフィット感は高いレベルで、レンズ2枚組みという高コスパもはじめてのモデルとしてはプラスです。

このレベルの商品になると、性能的には拮抗してくるため、フィッティングの良し悪し → 要望に合ったレンズかどうかとなってきます。レンズが2枚付いているのは、ゴーグルを2個持つのに等しく、万が一1つのレンズが使えなくなっても、もう1枚でどうにかカバーできます。

そう考えるとSMITHが人気なのもうなづけますね。

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