歩かずに死ねるか!アメリカ国立公園への旅(20)樹齢1500年以上の木々が広がる太古の森 レッドウッド国立州立公園

北カリフォルアニには1500年以上も生きてきた木々が広がる太古の森があることをご存知ですか。

世界一背の高い木々が存在し、なんとも言えない静寂感と神聖さを放つ森、レッドウッド国立州立公園があります。ここはカリフォルニア州最北端に位置し、デルノルト・コースト州立公園、ジェデダイア・スミス州立公園、およびプレーリー・クリーク・レッドウッド州立公園という3つの異なる公園でで構成されています。大きさも太平洋沿い南北約55km、139,000エーカー(560平方キロメートル)の総面積を有するとても広い公園です(1980年、ユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録)。

森に足を一歩踏み入れると100m以上の高さを持つ木々に囲まれ、すべてが巨大で、まるで自分が小人になってしまったような感覚に。

自分と森の空間を大いに楽しめる場所で、新鮮な空気と静けさ、全てを見てきた木々が放つ無限大のエネルギーはとても特別な空間、時間を私たちに与えてくれます。森林浴とい 言葉があるように、まさに一旦森に入り込むと彼らが私たちの心を癒し包んでくくれます。

ここは太古の森だけではなく美しいビーチと海、そしてユニークな自然景観と野生動物たちが多く生息するまさに大自然の楽園となっています。

世界一大きな生き物「レッドウッド」とは

レッドウッドとはセコイアの一種で、幹が堅く分厚い樹皮が赤くなっていることからその名が付けられました。ヒノキ科(またはスギ科)セコイア属という常緑針葉樹のことで、植物の中では最も大きく高さ110mを超えるものもあります。高さだけではなく、とても長生きをする木でも有名で平均樹齢はおよそ500~700年とされ、中には2000年超の巨木も現存しています。

2000年もの間、ずっとその場で生息しているなんて、長い時を超え今に至る巨木に尊敬と不思議の気持ちでいっぱいです。

同じカリフォルアのヨセミテ国立公園よりも南側にキングス・セコイア国立公園というセコイアの木が広がる似ているエリアもありますが、こちらとは規模が違います。規模もさることながら、こちらは(時期にもよりますが)訪れる人の数もキングス・セコイア国立公園に比べると少ないため、混雑することなくレッドウッドを観察でき、自分と神聖な森との空間を楽しむことができます。

個人的には空いていて、本当におすすめの場所です。

現在では本当に貴重なレッドウッド

1850年ごろ、現在のレッドウッド国立州立公園がある北カリフォルニア州の海岸線に8,100平方キロメートル以上のエリアには、レッドウッドの原生林が広がっていました。

このエリアにはもともとネイティブアメリカンが住んでいて、彼らは「木は愛の証として創造主からの贈り物である」「これらの木々を破壊すれば、創造主の愛を破壊することになる。そして、もしそれを破壊すれば、最終的には人類を滅ぼすことになる」と考えながら森を崇めて生活していました。彼らの中で木は神聖な生き物であり、「神聖な場所の上に『守護者』として立っている」と言われていました。しかし、そんな神聖な場所も人間のエゴによって破壊されていきます。

1800年代半ばに少し南に下ったところにあるサクラメントリバーで金が発見され、一攫千金を求めた人々がカリフォルアにどんどん集まってきました。それをゴールドラッシュと言いますが、金はそう簡単には見つかりません。

ゴールドラッシュで金を見つけられずお金儲けに失敗した人々は、サンフランシスコや西海岸の他の場所で急成長していた巨木の伐採開発に目を付け、いまあるレッドウッド国立州立公園のエリアにもやって来て、何十年にもわたって無制限な皆伐が行われていきました。レッドウッドは耐久性がありながら加工がしやすい良質な材木として重宝されていたのです。

そのあと、森を守ろうという活動がはじまり、保護のために真剣な取り組みが始まりましたが、レッドウッド国立公園が指定された1968年にはレッドウッドにもともと存在した原生林の90%近くが伐採されてしまっていました。なので今公園内にある昔から生き延びている数少ないレッドウッドは本当に貴重なのです。

さまざまな難関を生き抜いてきている木々たち。今回はそんな古の森が広がるレッドウッド国立州立公園の中でのおすすめトレイルルートをご紹介します。

レッドウッド国立州立公園(Miner’s Ridge and James Irvine Trail Loop)のハイキング情報

森、海、シダに覆われた渓谷を見られるバラエティに富んだ素晴らしいトレイルルート(Miner’s Ridge and James Irvine Trail Loop)情報の概要をまとめます。

ハイキングに携行すると便利な持ち物

持ち物に関してはこれまで同様、一般的なアメリカのハイキングと同じような装備を準備していきましょう。10月から4月の冬場は雨季になるので滑りにくいトレッキングシューズ、レインコート、サンダル(水に浸かる可能性があるので)などがあるとよいですね。

  • 飲み物(夏は多めに、2リットル位)
  • 気温の調整できる防寒着 
  • 帽子
  • サングラス
  • 日焼け止め
  • ハイキング中に食べるスナックなど
  • 常備薬などがある場合は薬やバンドエイドなどのファーストエイド
  • その他、通常ハイキング装備で好みのものを

トレイルデータ

  • 中・上級者以上向け
  • シーズン:年間を通してハイキング可能ですが、通常は10月から4月まで雨季で雨が多く降るので、その時期に行くと水分を吸ったシダ植物たちがとても生き生きしています。天気の良い日を選んでいくと良いですね。4月以降の夏から秋にかけてもとても素晴らしいです。気温、天候含めとても気持ちが良い季
    節だと思います。でも冬場は人も少なく静かでプライベート感があるのは間違いないですよ(夏休みに入ると混み合う可能性あり)。
  • 往復:約20.8km(13mile)
  • 高低差:約 490m(1,614 ft)
  • コースタイム:往復 5時間から7時間(休憩含む)

アクセス(車でトレイルヘッドまで)

トレイルヘッド住所:Prairie Creek Visitor Center:Newton B. Drury Scenic Pkwy, Orick, CA 95555(上地図の1)

カリフォルニア州 サンフランシスコから車で約5時間30分。サンフランシスコからハイウェイ101をひたすら北上する形です(オレゴン州 ポートランドから5時間30分南下)。

サンフランシスコからの日帰りは難しいので宿泊をおすすめします。公園内でキャンプなども可能ですし、レッドウッド国立州立公園の南にユーリカ(Eureka) という町があり、南の玄関口としても知られています。そこはホテル、レストラン、Airbnbなども充実しています。

カリフォルニアの北部に位置しオレゴン州とのボーダーに近いエリアに位置しています。

トレイルヘッド(登山口)からハイキング出発

トレイルヘッドと同じ場所にビジターセンター(Prairie Creek Visitor Center)があり、駐車場やお手洗いなどもあります。

この写真は2月の後半に訪れた時のものですが、替えのシューズもしくはサンダルなどの水に浸かってもよいシューズを持参することをおすすめします。時期的にトレイルの途中で水の中を歩かなければならないエリアが少しありました。

準備を整えて出発です。駐車場の前のフィールドには鹿たちが朝の光を楽しみながら朝食を食べています。

このエリアはエルク(大角鹿)なども運が良いと出会うことができます。

一歩トレイルに入るともう圧巻!普段見る事のできない巨木がすぐに出迎えてくれます。空に向かってどこまでも伸びる様子は本当に圧巻。トレイルに入りすぐにこのダイナミックな光景に足を止め写真を撮りはじめました、、この先のハイキングにかかる時間が思いやられます。笑

トレイルは割と平坦で歩き易いです。

歩き始めて約1.5時間後、分岐が出てきます。時計回りに今回は行くので左のトレイル(マイナーズ リッジ トレイル)へ進みます。(上図ハイキングマップの2)

ここは全てが大きい。。クローバーも普段日本などで見るものより一回り大きいのです。植物たちが伸び伸び成長できる環境が揃っている証拠ですね。

ここのエリアは樹木が育ちやすい湿気がある環境に加え、海と山が近くにあることで霧や曇りの日も多く、少しでも太陽を浴びようと木が競うように伸び続け、ここまで大きくなったと言われています。とはいえ1000年以上生きるのは決して簡単ではないはず。沢山の難関を切り抜けここまで成長してきた木々に尊敬と驚き、不思議な気持ちでいっぱいです。

レッドウッドの30センチほどある分厚い樹皮は、山火事が起こっても焦げる程度で内部を守ることができるそうです。また内部には、水分と火に強いタンニン類を多く含んでいることから燃え尽きることもありません。だから火事の多いカリフォルニアでも生き抜いていくことができたんですね。

木々の間から差し込む美しい木漏れ日を見ながらさらに進んでいきます。

1時間ほど進んでいくと徐々に海の音、香りがしてきます。ビーチが近い証拠です。森を抜けるとキャンプ場、駐車場が出てきます(トイレあり)。

その先にはテーブルがいくつかあり、そこで休憩もとれます。

今までの景観とはガラっと変わり、青い空と青い海原の景色に。。

なんて素晴らしいトレイル!緑深い太古の森を通り過ぎると今度は青い海の世界、、どちらもそれぞれに美しく心が和みます。

休憩をしたらそのあとはビーチにつながるトレイルを進みます。(上図ハイキングマップ3)

ビーチ!ここも誰もいない。どこまでも続く美しい砂浜には自分だけで完全プライベートな空間です。

あまりにも綺麗な空間で、すこしここでも時間を費やしました。写真なども撮りながら歩いてきたので、ここの時点でスタートから3.5時間が経過していました。

ビーチから今度は Fern Canyon に向かいます。ビーチから Fern Canyon の駐車場方面へ抜けるときに小さなクリークがあります。夏場だと、そのクリークの水量も少なく歩いて反対側へ行けるのですが、この時期はまだ2月で雨も多い時期なので水量が多く、水の中を歩き、駐車場につながるトレイルへ行くことになります。靴を濡らさず渡るのは無理でした。(サンダルがあると良いですね。

クリークを渡るとFern Canyon の駐車場が見えてきます。(トイレ有り)

ビーチから駐車場に入り左奥にFern Canyon へ行くトレイルが始まります。

トレイルから歩いて数分で幅の狭い渓谷をシダが覆うなんとも言えない水々しい空間が広がります(上図ハイキングマップ4)。

ここもこの時期は水量が夏場より多く、2月だと水を避けて歩くのが困難だったのでクリークの中をザブザブ歩いて行きました。でもそれが逆にとても気持ち良く、リフレッシュできましたよ。

渓谷の壁一面をシダが覆い、そこを山から流れてくる水が常に滴り落ちています。”マイナスイオン”とはまさにここのことでした。映画の『ジュラシック・パーク2』の中での撮影で使用した場所でもあります。

進みながら道を曲がるたびに、写真を撮ってインスタグラムで共有したくなるような景観が広がります。

ここは駐車場もあるので、もちろん車で来ることもできます。このエリアだけを楽しむこともできますが、私はトレイルヘッドに向けてさらにトレイルを進みます。トレイルはわかりやすいのですが分岐が多々あるので、事前にGPSで地図をダウンロードしておくとスムーズだと思いますよ。

さ、後半もまた太古の森を進んでいきます。

途中途中で倒れた木のアートがあったり、、光に当たる木々や森が本当に綺麗で妖精か森の精がいそうだな、、と想像していました。

ゆっくり歩くことで森の中で時間を費やし森林浴を楽しみました。そのままスタートしたトレイルヘッドまで写真を撮りながら6.5時間かかりました。

今回は1日コースの長いループを選びましたが、ショートバージョンはもちろん、広い公園内は様々なハイキングコースがあります。

その方のレベルや気分に合わせて行くポイントやトレイルの長さも選べます。どのトレイルも素敵で古の森が出迎えてくれますよ。

新型コロナウィルス感染拡大に関するご注意

2021年5月現在、各国では検疫体制強化に伴う入国制限をはじめ、国立公園への入園規制や国内の移動制限など、さまざまな状況があり得ます。そうした条件は予告なく変更になる場合がございますので、旅行の際には必ず各国の大使館・領事館及び外務省海外安全ホームページ(感染症危険情報)、国立公園ホームページをはじめとした現地情報を入手し、乗継地および渡航予定国、訪問予定地周辺の情報を確認してから無理のない計画・行動をしてください。

加藤 さやか

カリフォルニアのハイキング・旅行プランはお任せください。父の影響もあり昔からアウトドアアクティビティーが大好きで、日本にいた頃から登山、国立公園巡りをする中で、アメリカやカナダの大自然に魅了され、その結果念願だったアメリカに辿り着きました。現在は日本人ガイドと行く完全プライベートハイキングツアーなど、お客様と一緒に作る現地オプショナルツアーを提供するANAMI TOURSを営んでいます。現地在住だから知り得る、スペシャルなオプションをご紹介させて頂きます。ご興味ある方は下記HPから。

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