【忖度なしの自腹比較レビュー】この時期大活躍!山でも街でも使いやすい軽量・コンパクトなウィンドシェルを着比べてみた【レディース】

日中は暖かいけど朝晩は肌寒い。そんな春先から夏前までの時期に活躍するのが「ウィンドシェル」です。馴染みのある言葉でいえば「ウィンドブレーカー」でしょうか。

レインウェアでも寒さはもちろんカバーできます。が、雨の降っていない山道を、レインウェアを着ながら行動するのは暑い。標高にもよりますが、正直めちゃ蒸れます。なんなら逆に体力が奪われます。

そこで持っていたいのがウィンドシェル。ウィンドシェル=ウィンドブレーカーのようなイメージで「かさばるし、シャカシャカ素材だし」と思っていませんか?

最近のウィンドシェルは違います。「軽い・しなやか素材・コンパクト」なのです。うすら寒い日の街着としても1つカバンに携帯することをおすすめしたいウェアです。

で「どれを選べばいいの?」「おすすめは?」というわけですが、確かにメーカーによって強み・弱みが違います。「実際に使ってみたら想像していた感じと違うやん!」とならないために、さまざまなウィンドシェルを着用・比較してみました。

ウィンドシェル比較レビューについて

比較候補を選ぶ

重さは全部150g(普通サイズのバナナ約1本分!)以下、うたい文句が気になるね・着てみたいよね・街着にもいいかもね、重さ以外はこの3点で選んでみました。ゆるい基準でゴメンナサイ。だってバリバリ厳しく選んでも…、ねぇ。欲しいウェアは楽しく選んで着たいじゃないですか!

  • MILLET:ブリーザー ワイルダー ライト ジャケット【ウィメンズ】
  • STATIC:アポストロ ライト フーディー【ユニセックス】
  • Arc’teryx:チタ SL フーディ【ウィメンズ】
  • Black Diamond:ディスタンスウィンドシェル【ウィメンズ】
  • Peak Performance:W ビスライト ウィンド ジャケット FY【レディース】
  • Teton Bros. :ウインドリバーフーディ【ウィメンズ】

評価ポイント

  • 防風性:風や寒さの侵入を防げるか
  • 撥水性:どれだけ水を弾くことができるか
  • 快適性:肌通り・着心地の良さ
  • 動きやすさ:ストレスなく動けるか
  • ムレにくさ:蒸れにくく適温に調節してくれるか
  • 重量:公式重量のみでの評価
  • 携帯性:持ち運びに最適な大きさか
  • 汎用性:特定のアクティビティのみならず、街着も含め幅広く使えるかどうか

テスト環境

  • 神奈川県にある三浦アルプスの一つ「二子山」への登山中及び山頂で実施
  • 速乾アンダーウェアの上に速乾Tシャツを着用
  • 撥水性は自宅でシャワーをかけてテスト

テスト結果&スペック比較表

スマホ向けの軽量表示で表が見づらいという方はこちら

総合評価AAAAAAAAAAAAAA
アイテムMILLET ブリーザー ワイルダー ライトジャケットTeton Bros. ウインドリバーフーディBlack Diamond ディスタンスウィンドシェルPeak Performance W ビスライト ウィンド ジャケット FYArc’teryx チタ SL フーディSTATIC アポストロ ライト フーディー
ここが◎
  • 防風性
  • 高い撥水性
  • 丁度いい保温性
  • 2つのベンチレーションが通気性に大きく貢献
  • 街着として着られるデザイン
  • 生地が柔らかく着心地が抜群に良い
  • 薄い生地だが保温性もある
  • 汗をかいても肌に生地がはりつかない
  • 高い伸縮性
  • サムホール
  • 街着として着られるデザイン
  • 着用感を感じさせない、ふんわりとした超軽い着心地
  • 通気性が抜群
  • かなりコンパクトに収納できる
  • 街着として着られるデザイン
  • サムループに親指を引っかけることで袖口を絞ることができる
  • 撥水性
  • 裾にシリコン処理が施してあるので、行動中ずれ上がりにくい
  • しなやかな着心地
  • 背面とわき下、腕と体幹部で生地の薄さが違う
  • ポケットが2つある
  • コンパクト収納
  • 環境負荷への配慮が特に高い
  • 街着として着られるデザイン
  • 高い防風性
ここが△
  • 重量
  • シャカシャカ感
  • 公式には通気性が良い生地だが、実際は少し暑く蒸れる
  • 撥水性がもうちょっと欲しい
  • 生地が薄く防風性が低い
  • 撥水性
  • 唯一のポケットが小さすぎる
  • 防風性
  • 蒸れやすい
  • かさばる
  • 価格
  • 防風性
  • 撥水性
  • 収納しづらい
  • 生地が厚くやや暑い
  • シャカシャカ感
  • 撥水性
  • パッカブルではない
防風性★★★★★★★★★☆★★☆☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★★★
撥水性★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆
快適性★★★☆☆★★★★★★★★★★★★★☆☆★★★★☆★★☆☆☆
動きやすさ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ムレにくさ★★★★☆★★★☆☆★★★★★★★★☆☆★★★★★★★☆☆☆
重量★★★☆☆★★★★☆★★★★★★★☆☆☆★★★★☆★★★☆☆
携帯性★★★☆☆★★★☆☆★★★★★★★☆☆☆★★★★☆★☆☆☆☆
汎用性★★★★☆★★★★☆★★☆☆☆★★★★★★★☆☆☆★★★★★
スペック
生地・素材ブリーザー タスラン ナイロン100% 超耐久撥水Pertex Quantum Air15dライトウェイトナイロンリップストップナイロン100%Canim™ – 100%ポリエステル Permair™ 20 – 100% ナイロンgreenlon再生ナイロン生地20dx45d
重量146g95g72g160g95g145g
ポケット類左右下部にあり右腰後ろに1つあり左胸に1つあり左下部に1つあり左右下部にあり左胸に1つあり
その他特徴ポケットがベンチレーションになるサムホール 
  • サムループ
  • 裾のシリコン処理
  

各モデルのインプレッション

MILLET ブリーザー ワイルダー ライトジャケット

とにかく寒くない

何よりもウィンドシェルに大事な機能です。フードは顔にフィットし、首からの冷気もシャットアウト。風が吹く夕暮れ近くの山頂でも保温性は抜群でした。

顔周りをぴったり覆ってくれます。顔は見苦しいのでロゴで隠しました…

ベンチレーションの効果大

生地がしっかりしているので「これは暑いはず」と思っていました。が、おっとどっこい、両脇のポケット兼ベンチレーションを全開にしてみたら、あ~ら涼しい。快適~。これは意外な結果。勝手に生地の厚さだけで判断していました。ベンチレーションがあるだけでこうも通気性が違うとは。

両側にポケット

ポケットの中はメッシュ状でベンチレーションになっています

強力な撥水性

「軽量・超耐久撥水生地「BREATHER(ブリーザー)」が持続力のある強力な撥水性能を実現(※ブリーザー ワイルダー ライトジャケットの説明文より引用)」の通り、バリバリ撥水します。なんなら防水しているくらいの水の弾きよう。レインウェアにもなるんじゃないか?!と思いました。

ジャーっとシャワーをかけても…

ほらこのとおり。完全に弾いています

フワッと軽くはない

気になるのは、着用感がある(重さが感じられる)、少しシャカシャカする、でしょうか。ウィンドリバーフーディーやディスタンスウィンドシェルと比べると、明らかに着心地の良さは違います。レインウェアをかなり柔らかくしたような質感です。でも「めっちゃ気になる」ほどではないです。

Teton Bros. ウインドリバーフーディ

抜群の着心地の良さ

写真でこの滑らかな生地感が伝わればいいのですが、とにかく柔らかくてしなやか。汗をかいても生地がべたべたと肌にはりつきません。正直、多少の蒸れはありますがずっと着ていたいくらいの心地よさです。これもPertex Quantum Airのなせるワザでしょうか。

ホントに柔らかくて軽いんです

伸縮性も高いのでどんな動きもラクラクです。

ぐーんと伸びます

95gと超軽量=生地が薄いのに、防風性がある

ぴったりフィット

生地の厚さ(重さ)と防風性は比例するものだと思っていましたが、違う場合もあるんです!素材の進化に驚くばかり。フードは顔にぴったりフィットし、サムホールもあるので、冷気の侵入もこれで防げます。

気の利いたサムホール

街で着用できるデザイン

機能性に長けていながらもデザインはカッコイイ。タイトなシルエット、腰にプリントされたロゴなどなど。いかにも「アクティブ仕様」な仕上がりになっていないので、街着としても使えます。ちなみにパッカブル収納した後もロゴがキラリと目立ちます。

シュッとしています

腰のロゴ。携帯電話がポケットに入ります。ちょっと背中が重くなりますが、このポケットはありがたい

収納後。ペットボトルより小さいです

ちょっと暑い

べた褒めしながら言うのもなんですが、行動中に着ていたら暑いです。汗をかきました。Arc’teryxのウィンドシェルと重さは一緒なのに、向こうは寒くてこっちは暑い。おそらく生地の違いでしょう。いや~、実際に着て動いてみないと分からないもんですね。これだからウェア選びは難しいし面白い!

Black Diamond ディスタンスウィンドシェル

超軽い着心地

72gって!Lサイズの卵約1個分の重さですよ。着心地はフワフワで、着たことないですけど例えるなら、天女の羽衣のような感じでしょうか。何か1枚着ていたい時に持っていると安心できるシェルです。登り始め・走り始めからピークまでずっと着続けていられる快適さは72gのなせる技かと。

地肌が透けて見えます

通気性が抜群

写真にあるようにインナーが透け透けで、始終スースー通気します。蒸れる瞬間がありません。ずっと動き続けて「つねに体が燃焼中」な方にはぴったり。ただ、動き続けていても「ちょっと数分」くらいの休憩中でも風が吹けば「寒寒寒」と感じました。着る場面とアクティビティを選ぶシェルですね。ちなみに私はトレイルランナーでもファストハイカーでもなく、ごく普通に登山する人です。

五竜岳山荘のTシャツが透けています。少しゆったりとしたシルエットです。

かなりコンパクトに収納できる

ご覧の通りコンパクトに収納できました。インする左胸のポケットですが、残念ながら15cm×7cmの携帯電話が入りません。それが単に大きいだけなのかもしれませんが、入ってほしかったですね~。小さい栄養補給ジェルなどは入りそうです。

細めに収納できます

携帯電話が入ら…ない。残念

撥水性はイマイチ…

公式には「撥水性に優れていて、撥水成分を繊維の1本1本に浸透させているため、追加のスプレーや撥水仕上げの必要がありません」とあります。が、「うーん」と首をかしげる結果に。防水と撥水は確かに違うのですが、すぐ水が浸透してしまいました。たとえ小雨でも長時間このウェアを着ていたら、かなり体が冷えそうです。

ジャーっとシャワーをかけると…

ポケット周り、浸みこみました。ポケットの中も水だらけに。うーん…

Peak Performance W ビスライト ウィンド ジャケット FY

街で着られるデザイン

スウェーデン発のメーカーとだけあって、色使い含め、シンプルながらも洒落ているデザインはお手の物ですね。特にダーク系カラーの使い方がウマくて好きです。背面でウエストを絞っているので、タイトなシルエットになっています。「いかにもアウトドア」なデザインではないので、街中でも活躍しそうです。

丈も短め。落ち着いた色がイイですね

背面でウエストを絞っています。ニクい仕事をしますね。Tシャツは変わらず五竜岳山荘

サムループと裾で冷気を防ぐ(が、無駄を削ぎ落としすぎてその機能に気づきにくい)

袖口にはゴム素材のサムループがあり、ループに手を通すと袖口がしぼむ仕組みになっています。また、行動中にシェルがずり上がらないよう、裾にシリコン処理がしてあります。着用当初、「袖口と裾はオレンジ色なんやー」くらいで両機能に全く気づきませんでした…。特に付属の説明書があるわけでもなくWEBサイトの商品説明を見て初めて知ったので、もしかすると知らないままの方もいるかもしれません。色々シンプルすぎてアピール不足なのが惜しい。行動中、確かにシェルがずり上がってこなかったので、主張せずとも(本当は主張してほしい)良い仕事をする、さすが北欧デザインです。

ひっそり袖口サムループ

主張しない裾のシリコン処理

寒いような、暑いような、肌にはりつくような

ネガティブな形容詞の羅列でごめんなさい。重さが160gあるのでさぞかし防風性があるだろうと思いきや、風に吹かれると寒い…。「じゃあ代わりに通気性が良かろう」と思いきや、行動していると蒸れて暑い…。生地も肌にはりつくし、肌感覚として「ウィンドシェル着ています」感があるし、さてどうしたものか。収納してもコンパクトではないし、北欧価格だし、細かい部分は良い仕事をしているのにもったいなさ満載です。せめてポケットがベンチレーション仕様になっていれば、換気もできてだいぶ違うんですが。

収納したら意外に大きくて残念…

Arc’teryx チタ SL フーディ

背面とわき下、腕と体幹部で生地の薄さが違う

写真で見ると分かるように生地が部位で違い、「防風素材を腕と体幹部に、透湿性を向上する Permairを背面とわき下に採用」されています。この生地の切り替えはなかなか斬新です。ザックを背負って行動していましたが、確かに背面は蒸れず、わきも蒸れないです。また、タイトなデザインではないのでトレイルラン用の数リッター位の小さいザックなら、先にザックを背負ってからシェルを羽織ることもできそうです。触った感じ、生地は少しバリっとしますが、着ると実際はしなやかで肌感はgoodです。

生地が背中上部と下部とで切り替えられています。

わきの切り替え

余裕のある身頃。首元が立ち上がっています

95 gと軽いのにポケットが2つも!

軽量化をめざしたウェアはポケットをつけないことが多いですが、ポケットが2つも有るのはありがたい。しいて言えばこのポケットがベンチレーションになっていれば行動中の通気性が良くなるのに、あー残念。

ここに2つ

携帯電話もすんなりと入ります

1番コンパクトになるけれど、収納に難あり

今回比較したシェルの中で1番小さく収納でき、ペットボトルの約半分の大きさになります。しかし、ここまで小さくするのがちょっと大変。「内部ポケットにジャケットを折りたたみ収納する」とWEBサイトに書いてありますが、まず「内部ポケットってどこ?」と迷います。しかも内部ポケットが小さく、ウェアを収納するのも無理やり詰め込む感じです。なので収納後にウェアを広げたら、かなりシワくちゃ状態でご対面することになります。

無理やり詰め込んだ感あり

内部ポケットは右ポケットの中にあり。小さい…

暑いやら寒いやら。どちらかに振り切って欲しい

襟がたちあがっているので熱気がこもり、首が特に暑く感じます。首が暑いのは私としては辛い。不快感アップです。ジッパーを下げたくなりますが、下げたら寒い。背面とわき下の透湿性が良すぎる分、風が吹くとけっこう寒いです。面積の大きい背面がすぐ冷えるのはマイナスですね。

STATIC アポストロ ライト フーディー

街で着られるデザイン

渋いカーキカラー&モッズコートのような雰囲気で、これを着れば元OASISのリアム・ギャラガーのようになれます。左胸のブランドロゴもカッコいい。アウトドア用とはおそらく誰も思わないでしょう。街中で着るにはピッタリです。

後ろはこんな感じ

もちろん携帯電話は収納できます

フードをかぶると、あなたもリアム・ギャラガー

風を完全に防げる

生地が厚いので風はシャットアウトできます。ミレーといい勝負の防風性ではないでしょうか。でもその分、通気性・透湿性は全然無いので暑いです。行動しながら着ると、かなり汗をかいて汗冷えしてしまいます。大休憩時もしくは寒い場所・時期に活躍するシェルですね。

パッカブルにならず、水は弾かず

唯一このシェルだけがパッカブルになりませんでした。ポケットに収納できそうな雰囲気なんですが。また、最初は水を弾くものの、早い段階でぐんぐん吸収してしまい、大きいポケットの中に水たまりができました。雨天時に着用するのは厳しいかもしれません。

ジャーっとかけると…

浸みこんでしまいました

ナイロンの繊維ゴミを再生した繊維を使用たサスティナブルなウェア

ウェアを作る過程で発生する繊維ゴミ。一般的にこのゴミは焼却または廃棄されます。ですがこのシェルは、繊維ゴミの中からナイロンの繊維を取り出し、その繊維を再生した生地で作られています。また、撥水剤には環境に優しい「NEOSEED」というフッ素を使わない加工剤を使用しています。

アウトドアウェアは日進月歩ハイスペックになっていますが、一方で製造時に大量の水や化学溶剤・エネルギーが使われ、環境への負担が大きいとされています。そこで環境負荷のより低いものを使ってアウトドアアイテムを作っているのが「STATIC」というブランドです。

高機能なウェアを作るためには、環境にダメージがあることを初めて知り、今後は地球環境のことを考えたウェアも視野に入れて選ぶ必要があるなと思いました。

まとめ

最後にパッカブル仕様ではないSTATIC以外をパッカブルにした写真をば。

左から、Peak Performance、MILLET、Teton Bros.、Black Diamond、Arc’teryx。こう見ると、パッカブルにも色々な形があるんですね

今回のウィンドシェル比較。どれもが高いレベルの機能を持つことは前提として、細かい部分で個性の違いがあり、用途やこだわりによって選ぶウェアが異なることがわかります。
オールマイティーを好むなら、「MILLETブリーザー ワイルダー ライトジャケット」をオススメしますし、軽さと防風性を選ぶなら、「Teton Bros.ウインドリバーフーディ」をオススメします。

防風性をとるか、重量をとるか、 着心地をとるか。はたまた、ポケットの大きさ、コンパクトさ、デザイン性、地球環境への優しさをとるのかはみなさん次第です。この比較レビューをきっかけに、実際にウェアを手に取り着用して、自分に最適な一着を選んでみてください。

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