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アウトドアライターがおすすめする、用途別登山向けレインウェア10着【ハイキングやトレッキングに】

まずは使いやすさで選びたい!ベーシックな登山に使えてかつ軽量なレインウェア5着

MILLET TYPHON 50000 ST JKT

快適性★★★  防水性★★☆ 透湿性★★★ 機能性★★☆ 耐久性★☆☆ コスパ★★☆

前モデル「W7」シリーズでは50,000mmという驚きの透湿性を誇っていたミレーの軽量・高機能防水シェルが早くも、そしてあらゆる点で大幅にバージョンアップ。

まず良くも悪くも胴回り・袖周りのゆったりした日本モデル的サイズ感であった前モデルが全体的に見直され、より細身の海外モデルに多いスタイリッシュなフォルムへと変貌を遂げています。また防水・透湿性能に関しては前モデルの優秀さを継承。独自素材の極薄メンブレン「ドライエッジ ティフォン50,000」は20,000mmというレインウェアとして十分な耐水圧を備えていながら50,000gという驚異的な透湿性を実現しています。そのメンブレンを15Dのニット状裏地で挟み込む3レイヤー構造は前モデルよりもさらに肌触りが良くなり、軽くて柔らかくて自然な着心地に。スリムなシルエットながら立体裁断とストレッチする生地は歩行時の自然な動きを妨げず、快適そのものです。ポケットの裏地メッシュや前面のダブルジッパーによってさらに換気調節も可能です。細かい調節機能だけでなく額にフィットするエラスティックが付いたフードもよくできています。

今回ピックアップしたモデルのなかではかなり薄手の部類に入るため、3シーズンでもあまり低温の状況で使用する場合には注意が必要ですが、雨具としてだけでなく穏やかな天候でのちょっとした防寒や、稜線上の風よけ、果ては日常羽織るアウターとしても最適な使い勝手のよいジャケットといえます。ちなみに先日このアイテムについてのレビューでも書きましたが、このシリーズの見どころ「晴れの日のトレッキングパンツにもなるレインパンツ」もぜひチェックしてみてください。

Marmot Thru Hiker Jacket

快適性★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 機能性★★★ 耐久性★☆☆ コスパ★☆☆

本国アメリカでは総合アウトドアブランドとしてオーソドックスなモデルが多い印象ですが、日本ではライセンス提供が中心。このため日本企画のアイテムに関しては本国のイメージとは異なる思い切った企画が時折見られます。今回紹介する最新モデルも、ここ最近同ブランドが日本で特に力を入れているウルトラライトフォーカスしたアイテムシリーズのひとつ。ゆえに最初に断っておきますが、このモデルに関してはオールラウンドというよりも「無雪期の急峻でないコースのハイキング向け」というややクセのあるモデルであることは留意しておいてください。

正面から見ると、一見GORE C-KNITのシンプルなレインウェアのようですが、まずポケットが見当たらない。どこだと思って探してみると、脇腹には何と下端までフルオープンになるベンチレーションが付いているではないですか。さらに裏地を見ると左右に内ポケットが付いており、ベンチレーションを開けることによってアクセスできるこれらがポケットのすべて。ゴムのみの袖口・裾・フード調節、ヘルメットを前提としていないフードなど、ベーシックな山用雨具としてはハッキリいって物足りない機能ですが、一方で高温多湿な日本で長期間快適にハイキングするための必要機能というテーマで考えると、実は非常に合理的ともいえます。

とはいえぶっちゃけこれ一着でOKとは決して言えるものではないのでちょっと今回のテーマから外れている気がしないでもないですが、多くの人にとって重要な無雪期ハイキングに特化した思い切ったアプローチのおもしろさから見逃すわけにはいきませんでした。ぜひとも試してみたい一着ではあります。

finetrack エバーブレス フォトンジャケット

快適性★★☆ 防水性★★☆ 透湿性★★☆ 機能性★★☆ 耐久性★☆☆ コスパ★★☆

日本ならではのアウトドアにフォーカスし、常に独自のアプローチでユニークかつ高機能なギアを世に送り続けるファイントラックからは今シーズンリニューアルした軽量レインウェアを紹介。

劣化しにくいポリカーボネート系ポリウレタンの多孔質膜を採用した独自素材「エバーブレス」は相変わらず3層タイプのしなやかな肌触りに加え、生地全体の高いストレッチ性によって自然な身体の動きを妨げない、行動時も快適な動きやすさを実現。独自のベンチレーション「リンクベント」は他のファイントラック製ウェアと合わせて着ることにより、蒸れの排出効果を最大限に高めることが可能です。その他今回のリニューアルでは裁断パターンの見直しによるフィット感の向上や、よりスリムなシルエットへの進化、小さな内ポケットに加えて外側に大きめの胸ポケットが追加された収納など個人的に特筆すべき変更点が多く、確実により快適・スタイリッシュ・使いやすくなっているといえます。

ちなみに、ファイントラックからは同じ防水透湿シェルジャケットでは厳冬期を除くオールシーズン対応のエバーブレスバリオがあり、実際にはそちらの方が汎用性は高いかもしれません。ただ今年どちらを選ぶかといえば、リニューアルしてより進化した着心地・フィット感は、少し汎用性を犠牲にしても選ぶ価値があるといえ、今回であればこちらのモデルを検討してみることをおすすめします。

mont-bell ストームクルーザー ジャケット

快適性★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 機能性★☆☆ 耐久性★☆☆ コスパ★★★

いち早くGORE C-KNITを採用して大成功したモンベルの定番レインジャケットは、価格と品質のバランス、クセのなさなど多くの点で未だに購入候補の先頭を走り続けるロングセラー。リニューアルから3年目を迎える今年も間違いなく注目モデルの筆頭のひとつです。

まず何より特筆すべきは GORE C-KNIT の特徴を存分に活かしたトップクラスの軽さ。20Dという生地厚は他モデルと比較して耐久性の面では万全とはいえないものの、温暖な3シーズン用と考えれば十分及第点。ポケットの位置や浸水しにくいカフの伸縮性など細かい点もさすがきちんと作られており、おまけに色のバリエーションも豊富。若干気になるゆとりのある身頃の野暮ったさも、中に防寒着を着るための余裕だと割り切れば、このコストパフォーマンスで勝てるモデルは無いと断言できます。誰がどの目的で買ってもほぼ損はないという、これぞオーソドックスな1着といえるでしょう。

THE NORTH FACE Climb Very Light Jacket

快適性★★★ 防水性★★☆ 透湿性★★★ 機能性★★☆ 耐久性★☆☆ コスパ★☆☆

2015年の話題を独占したGORE-TEX C-KNITを採用し、ノースフェイスが揃える多くのラインナップのなかでも軽さと耐候性のバランスが素晴らしい本作。丁寧でオーソドックスなつくりからロングセラーとなり、今年も機能的には継続ですが、それでも依然としてトップクラスのクオリティといえます。従来のGORE-TEXから最大で10%の軽量化と15%の透湿性向上を実現しただけでなく、柔らかい肌触りとしなやかな着心地、それでいて防水・防風・耐久性は損なわない隙のなさはさすが。ヘルメット対応フードやハーネスに干渉しない高さにある左右のハンドウォーマーポケットはクライミングなどのアクティビティにもピッタリ。比較的薄手のためオールシーズンこれでいくには厳しいかもしれませんが、3シーズンや残雪期、または寒い時期での活動量の多いアクティビティならばオールラウンドに活躍してくれるでしょう。

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