後悔しないトレッキングポールの選び方【タイプ別早見表付】

買ってみてわかる、トレッキングポール選びの難しさ

20世紀ではほとんど見向きもされないアイテムであったトレッキングポールでしたが、いつの日からか、あっという間にハイカーの間ではごく一般的なアウトドア・ギアとして認知されるようになりました。その理由はさまざまあると思いますが、端的に言うと

  • 足裏や下半身の関節にかかる負担を軽減する。
  • リズミカルに足を運ぶ助けになり、疲れにくくなる。
  • 滑りやすい地面や、小川の渡渉など、不安定な地形を安全に歩く際の補助になる。

など、多くのメリットが科学的な研究や利用者の間で認められていったからです。

かくいうぼくも数年前から愛用しはじめ、昨年も新たにトレッキングポールを買いかえたりしています。現在の装備はブラックダイヤモンドのディスタンスFL という、これまでの安物から自分なりにかなりランクアップしたもの。これが春夏秋まではすこぶる快適に使えていたのですが、ここで思わぬ落とし穴が待ち受けていました。バスケット(先端に付いているリング上の部分)が固定式だったため、積雪期の登山には使い物にならないということに気がついたのです・・・(自作で他のバスケットを付け替える猛者もいるようですが)。

いや確かにぼくの不注意といえばそれまでですが、このようにトレッキングポールとは意外と選ぶ際に細かい検討ポイントが多く、自分が思っていた最適なモノを選ぶためにはコツが必要です。そこで今回ですが、(悔しいので)あらためて現在出回っているトレッキングポールの最新傾向を調べて、2015年版の選び方をまとめてみました。

※なお、今回の検討範囲はハイキング~本格的な山登り(場合によってはトレイルランニング)です。このためグリップ部分はI字型といわれるストレートな形状で、両手に1本ずつ持って使用する、いわゆるダブルストックでの使用を想定しています。実際、よほど特殊な事情が無い限り、現在ではこの使い方が適しているハイカーがほとんどかと思われるので、T字型のグリップは除いています。また、バックカントリースキーも用途の範囲から外しています(今後需要があればこちらは別記事でまとめたいと思います)。

編集部おすすめトレッキングポールがすぐに知りたい方はこちら

目次

ポイント1. 材質を選ぶ

ポイント2. 収納性(シャフトの繋ぎ方・数)で選ぶ

ポイント3. 調節(ロック)方式を選ぶ

最後に残った候補で重量や機能、付属品等をチェック

まとめ

【参考】2015年版トレッキングポール ざっくりタイプ別早見表

賢くトレッキングポールを選ぶ3つのポイント+α

いろいろと比較するポイントが山盛りなトレッキングポールは、以下のように3つのポイント+αで順番に整理していくと分かり易いです。

ポイント1.材質を選ぶ

素材 メリット デメリット 代表的な製品
アルミ※
  • 価格が安い
  • 衝撃があっても折れない(曲がる)ので少しくらい痛んでも修復が可能
  • 素材の比重はカーボンよりも重い

mont-bell アルパインポール アンチショック

モンベル(mont-bell) アルパインポール アンチショック ダークチャコール 1140169

カーボン
  • 軽量
  • 荷重に対しての強度が高い
  • しなやかで衝撃を適度に和らげる
  • 価格が高い
  • 1点への衝撃に弱く、岩などにぶつけてくぼみや裂け目ができるとそこから簡単に折れて使用不能になる
  • 選択肢が少ない

Black Diamond ディスタンスカーボンFLZ

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ディスタンスカーボンFLZ BD82332 105-125cm

ハイブリッド
  • 重量と強度の良いところどり
  • 選択肢が少ない

mont-bell アルパイン カーボンポール アンチショック

モンベル(mont-bell) アルパイン カーボンポール アンチショック ネイビー 1140175

※「ジュラルミン」や「Titanal」はアルミ合金の一種ということで、便宜上アルミとしてまとめています。またアルミとカーボン、どちらが耐久性がある(長持ちする)かについては諸説あり、アイテムによっても一概には言えないので今回は触れていません。

【編集部のおすすめ】

軽くてしなやかで扱いやすいカーボンが(よほどハードな使い方をしない限り)おすすめです。ただ、カーボンは選択肢が少なく、モデルによってはカーボンより軽量なアルミ製品がありますので、そこまでどちらかに決め打ちしないでもいいかもしれません。

※カーボンポールは種類によっては「トレイルランニング用」として、極限まで軽量化されたウルトラライトタイプがあります。そうしたタイプは登山・ハイキングに必要な強度を備えていないことが多いので、それらを選択する際にはよくよく検討する必要があります。

ポイント2. 収納性(シャフトの繋ぎ方・数)で選ぶ

  • テレスコーピング式・・・テレスコープとは望遠鏡のこと。径の異なるシャフトを望遠鏡の筒のようにはまり込ませる、昔ながらの収納方法。
  • 折りたたみ式・・・同じ径のシャフトをワイヤーで連結するタイプ。長さが調節できるように上段シャフトだけテレスコーピング式になっているタイプが主流になりつつあるようです。
方式 メリット デメリット 代表的な製品
テレスコーピング式
  • 一般的に強度が高い
  • 長さ調節が可能
  • 昔からあるタイプなので信頼性が高く、最安モデルも多い
  • 収納性が低い

GRIPWELL カーボンスーパーライト

グリップウェル カーボンスーパーライト ブラック

折りたたみ式
  • 軽量
  • 畳んだときにコンパクト
  • 相対的に強度は低い
  • 長さ調節ができないモノもある
  • 比較的高価なモデルが多い

Black Diamond ディスタンスカーボンFLZ

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ディスタンスカーボンFLZ BD82332 105-125cm

【編集部のおすすめ】

主流はテレスコーピング式で、選択肢も多いのが現状ですが、予算がゆるせば折りたたみ式(長さ調節可能なモデル)の方がおすすめ。特にハードな登り方をするわけでもない初~中級の方であれば、強度にはそこまでこだわらなくてもいいと思いますし、なにより畳んだときにザックにすっぽり収納できる40cm以下のサイズは魅力。

ポイント3.調節(ロック)方式を選ぶ

  • スクリューロック式・・・連結されたシャフト同士をねじる(緩める・締める)ことで好みの長さに調節し、ロックする方法。
  • レバーロック式・・・連結部分にレバーが付いており、レバーを開けて長さを調節し、レバーを締めてロックする方法。
  • ピンロック式・・・シャフトを引っ張りテンションをかけ、伸ばした状態でスプリングピンをシャフトの穴などに引っかけて固定する方法。長さ調節はできません。
  • ハイブリッド式・・・1本のなかで方式を適材適所で両方配置する方法。
方式 メリット デメリット 代表的な製品
スクリューロック式
  • 昔からあるタイプなので信頼性が高く、最安モデルも多い
  • 締めるのに力が要る
  • 締めすぎて壊すなどの危険

mont-bell アルパインポール アンチショック

モンベル(mont-bell) ポール アルパインポール アンチショック タイム 1140169

レバーロック式
  • 締めるのに力が要らないので、調整が簡単
  • ジョイント部分が枝などに引っかけやすい

LEKI SPD2サーモライトXL

トレッキング アウトドア ステッキ LEKI SPD2サーモライトXL オレンジ 1300317 335

ピンロック式
  • 最も軽量
  • 強度が劣る
  • 長さ調節ができない

Black Diamond アルパインカーボンZ

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) アルパインカーボンZ BD82340 120cm

ハイブリッド式
  • 使い易さと信頼性の良いとこどり
  • 操作(構造)がやや複雑

LEKI マイクロバリオ カーボン

LEKI(レキ) マイクロバリオ カーボン トレッキングポール ブラック 1300287

※強度については、LEKI社の製品ではスクリューロック式の方が強度が高いらしいのですが、すべてのメーカーで当てはまるかどうかは未確認です。

【編集部のおすすめ】

ここ数年でバリエーションも増え、技術も安定してきていることから、レバーロック式、またはハイブリッド式がおすすめ。個人的には最適な長さは人それぞれ微妙に異なるので、はじめから長さ固定のピンロック式を選ぶのはやめた方がいいでしょう。

ポイントα. 重量や機能、付属品等をチェック

上記3ポイントで絞られた候補から、以下のうち自分がこだわる項目があればそこもチェックしましょう。

  1. グリップはより握りやすい(滑りにくい)方を選ぶ
  2. アンチショック(衝撃を緩和するクッション)機能は付いていた方が楽だが、絶対必要なモノではなく、価格も高くなる
  3. 軽い方が当然よいが、個人的経験では、50g以下の差であれば違いはあまり感じられない
  4. バスケットが交換可能(4シーズン対応)である方がぜったいお得
  5. 石突チップ交換ができる方が長持ちできる
  6. スノーバスケット、石突きカバー、収納袋などの付属品がある方がよい

まとめ

数あるトレッキングポールのなかから最適な1本を選ぶための考え方を整理してみましたが、まとめると編集部的現在のおすすめは「カーボンで、4段折りたたみ式で、レバーロック(ハイブリッド)」ということになります。今後は具体的に使えるポールの比較レポートをお伝えしたいと思います。最後に今回の基準に合わせた2015年1月現在での簡単な製品比較表をまとめみましたので、トレッキングポール選びの参考にしていただければと思います!

【参考】2015年版トレッキングポール ざっくりタイプ別早見表

アルミシャフト

メーカー名省略表記について: LK→LEKI、BD→Black Diamond、HL→Helinox、MB→モンベル、SN→シナノ、MM→マジックマウンテン、KD→KOMPERDELL、GW→GRIPWELL

  テレスコーピング式 折りたたみ式
スクリューロック式

 

レバーロック式

 

ピンロック式  
ハイブリッド式

カーボン・ハイブリッドシャフト

  テレスコーピング式 折りたたみ式
スクリューロック式

 

レバーロック式

 

ピンロック式  
ハイブリッド式  
  • LK マイクロバリオ カーボン/W’s
  • BD ディスタンスカーボンFLZ
  • SN フォールダーFREE 115/125
  • KD カーボンエクスペディションVARIO 4
  • KD カーボンウルトラライトVARIO 4/コンパクト
  • KD カーボンアプローチVARIO 4/コンパクト
  • KD カーボンアプローチVARIO 3

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