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2023年、実際に使って感動したアウトドアギア 50 & 感動したかったアウトドアギア 50【Outdoor Gearzine 100】

2023年もたくさんの山道具に出会い、その感動をこのサイトで紹介してきました。

ただ毎年山のように出る新作ギアを紹介するにはどうしてもキャパが足りず、紹介したくてもできなかったアイテムがなかったとは言えません。個別レビューが多かった昨年はいつも以上にそんなアイテムが多かったのも事実です。

そこで今回はこのサイトでも初めての試みとして、2023年に編集部が実際に使ってみた多くのアウトドアギアのなかから特に感動したアイテムを一気に50点、遅まきながら紹介します。そしておまけに諸々の事情(主に物理)で使ってみることができなかった、おそらく感動するであろう「使ってみたかったアウトドアギア」も50欲しがってみたいと思います。

なおOutdoor GearzineのDiscordでは「みんなが選んだ2023年ベスト・ギア」も集計しています(1月31日まで)。興味のある方はお気軽に、こちらもぜひメンバーになって投票に参加してみてください!

目次

アイテムの選定基準

  • 基本的に2023春夏、2023秋冬シーズンに新発売されたアイテムの中から選出。
  • 一部、継続販売製品でしたが実際に初めて使用したのが2023年だったため選出したアイテムもあります。
  • あくまでも編集部が実際に使ってよかったものに限られますので、多少好みなどが偏っているのは温かく見てやってください。

2023年に感動したバックパック

1.Deuter AIRCONTACT LITE 40+10(ハイキング・登山)

ここ最近のドイターは日本ではちょっと地味なイメージにまとまってしまっているかもしれませんが、ヨーロッパの老舗バックパックメーカーは今だ健在。とにかく心地よくいラグジュアリーなクッションの肩・背中・腰部分は、軽さが重宝される現代にあってとっても貴重に感じました。実際のところ、それでいて各所で軽量化の工夫を施してあるのでそこまで重くないんです。

2. Durston Kakwa 40(軽量ハイキング)

ここ数年、世界中のコアなUL(ウルトラ・ライト)アウトドア・ファンの間で熱狂的人気を博しているブランド、ダーストンの最新ハイキングバックパック。最先端の防水・軽量・高耐久素材「Ultra Fabric」を使用しているだけでなく、荷重バランスを考えた合理的な背面構造や必要最低限の収納性など、磨き上げられた機能美は見事としか言いようありません。

3. Hyperlite Mountain Gear Unbound 40(軽量ハイキング)

UL界ではおなじみのHMGが久々にリリースした新しいハイキング向けライン「Unbound」シリーズから登場のバックパックは、素朴で無骨、防水・軽量・高耐久なDCH生地の何とも言えない色気を湛えた基本的なデザインはそのままに、新たに最先端の洗練された機能と便利な収納が備わったことでさらに魅力的なバックパックへと進化していました。

4. MYSTERY RANCH ブリッジャー45(ハイキング・登山)

ミステリーランチの魅力であるタフさと快適さを保ちながら「ランニングベストの軽快さと利便性」を融合。このバランスは昨年までの大型モデルでは個人的にアンマッチでしたが、この45リットルではまんまとハマりました。

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MYSTERY RANCH(ミステリーランチ)
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5. Osprey エクソスプロ55(軽量ハイキング)

バックパックは軽い方がいいけど、快適さや丈夫さ、使い勝手もできる限り我慢したくない。そんな人には安心のグローバルブランド、オスプレーのエクソスプロ55がおすすめ。決して最軽量の部類ではないにしても十分な軽さに、快適な背面、まんべんなくそろった収納など、ここまでの機能性をこの軽さで実現した開発力に相変わらず脱帽です。

6. THULE Topio 30L(ハイキング・登山)

北欧スウェーデンの総合キャリアメーカーによる快適なハイキングバックパック。アウトドアへの参入が浅いからこそ、このタイプ(テンションメッシュ型の背面)のバックパックの弱点(重心位置と重さ)をしっかりと補い、さらにTHULEならではの洗練された利便性が付加され、想像以上の完成度の高さでした。

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7. Zpacks Arc Haul Ultra 60L(軽量ハイキング)

北米の元気なULアウトドアブランド、Zpacksの超軽量ハイキングバックパック。やはりこちらも最新の「Ultra Fabric」素材を採用してトップクラスの軽さをキープ。そのうえで背面にはテンションメッシュを採用し、肩パッドを上げ下げすることで背面長も調節できるなど、快適な背負い心地でも頭一つ抜け出ているところもスゴイ。

8. Black Diamond パーシュート30(ファストパッキング)

ブラックダイヤモンドのスピードハイク向けバックパックといえば「ディスタンス」シリーズが人気も評価も高く、個人的にも本命視していただけに、同時期に密かに発売されたこちらには正直期待していなかったのですが、これがまさかの大当たり。ランニングパックベースの身体を包み込むようなフィット感が秀逸。ソフトな肌当たりで安定感抜群のヒップベルト(たくさん物が入って出し入れもしやすいサイドポケットにもなる)が特にお気に入りです。

9. Paagoworks RUSH 30(ファストパッキング)

今や大流行のスピードハイキング向けバックパックですが、このモデルは早くからこの志向を先取りし、「走れるハイキングバックパック」の実用性を磨き上げていました。モデルチェンジする度にチェックしていますが、今回もやはり素晴らしかった。まだ味わったことのない人は、ぜひ相変わらず安定感抜群の背負い心地と最小限のパーツで最大限に使いやすい収納など、その完成度の高さを体感してみてください。

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10. UltrApire エピック XT 3.0(ファストパッキング)

トレランパックではプロのアスリートも信頼を寄せる確かな実力をもったUltrApire。彼らが手掛けるファストパッキング向けシリーズ「エピック XT」は初代の25リットルモデルから愛用していますが、年々ラインナップが広がっていきこの最新モデルはついに35リットルと、ファストパッキングなら数泊できる容量にまで拡大しました。大きくなった分収納は多彩になり、また背面パネルがより重荷に対応できるよう安定性とフィット感、クッション性が高まっていて、もはやランニングやファストパッキングにとどまらず、普通にハイキング用バックパックとしても優秀です。

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11. ORTOVOX AVABAG LITRIC TOUR 40(アバランチエアバッグ)

日進月歩で進化する「アバランチエアバッグ」今年の大注目はアークテリクスとオルトボックスの共同開発で生まれたこの「LITRIC」シリーズが期待通りの完成度で、バックカントリーでの新たな個人的メインパックになりました。。エアバッグユニットはさらに軽くなり、使い勝手がますます向上しています。アルパインパックの品質の高さでは定評のあるオルトボックスですから、バックパックとしての使い勝手もばっちり。さらに40Lという豊富な容量(オプションで容量カスタマイズも可能)。

12. Zpacks Multi-Pack(サブバッグ)

軽量で頑丈、いろいろ入る少し大きめサイズ、複数のポジションに配置されたバックルによって多彩な装着と持ち運び方をアレンジできるという、今までにない便利なサブバッグ。自分は行動中に胸の前に取り付けられるポーチを長らく探していたので、その絶妙なサイズ感とTPOに合わせて持ち方を選べる利便性にドンピシャにハマってしまいました。他メーカーのバックパックと互換性があるのも嬉しい。

2023年に感動したアウトドアウェア

13. Rab Phantom Pull-On & Pants(レインウェア)

その飛び抜けた実力と割り切りの清々しさに感服せずにはいられない、Rabのランニング・ULハイキング向け超軽量レインシェル。最軽量・最コンパクトにして、確かな防水透湿性、その上抜群の動きやすさと着心地の良さは、軽さを最優先したい時にバックパックに忍ばせるシェルとしては間違いなく最良の選択肢です。

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14. Zpacks Vertice Rain Jacket(レインウェア)

ここ1~2年は高い技術力を擁する大きなブランドだけでなく、小さなガレージブランドからも超軽量で透湿性の高い3レイヤーレインシェルが多く登場しました。ZpacksのVerticeは超軽量(152g)でありながら高耐水性(20000以上)高透湿性(B1法56,000以上)を備えた生地を使い、脇下ピットジップを備え、トリコット裏地はサラサラで心地よく、調節式フード、胸ポケットとそれに収納可能なパッカブル仕様と実用性も高いところが大満足。いつかきちんとレビューしたい。

15. Patagonia アントラックド・ビブ(ハードシェル)

満を持して登場した「PFCフリー」の新GORE-TEXを採用したパタゴニアのバックカントリー向けスノービブ。ビブ好きであるぼくのこだわり「耐久性・穿き心地・屈伸時のツッパリ感(の無さ)・前面を必要以上に覆わないロープロファイル仕様・トイレの簡単さ」すべてを兼ね備えていました。サステナブルな時代を先取りする一着です!

16. Rab Generator Alpine Jacket(防寒化繊ジャケット)

「保温」を目的とした化繊インサレーションとしては、個人的には現状考えられる限り最も「暖かさと軽さ」での優れたパフォーマンスと細部まで突き詰められた実用性を備えたジャケットでした。袖長めの体型も自分に合っているということもありますが、デザインも満足。気兼ねなく洗えるので冬のさまざまな場面でついつい着てしまいます。

17. Rab Mythic G Jacket(防寒ダウンジャケット)

「軽さ・暖かさ・着心地の良さをとことん突き詰めたらこうなる」を体現したのがこの最先端ダウンジャケット。とにかく重量あたりの暖かさが抜群で、厳冬期、荷物の重さも気にしながら最大限の断熱性を得たいとおもったら現状ではこれがベストチョイスです。それゆえに軽くて暖かいだけでなく、利便性や機能性もしっかり欲しいという人には向いていないかも。

18. Houdini Pace Flow Houdi(アクティブインサレーション)

Polartec® Power Dry® Meshをいち早く採用したミドルレイヤー。程よい断熱性と熱を効率的に放出する通気性を高い次元で両立した、いわゆるアクティブインサレーションの新顔ですが、着た感じではアルファやオクタなどより吸汗速乾性があり「ベースレイヤーの汗発散性とミッドレイヤーの断熱性」を合わせて通気性を爆上げしたみたいなイメージです。そんな単体もしくはシェルと合わせたりしていろいろ自由な使い方ができるところが気に入りました。もちろん優れた環境対応と洗練されたデザインも申し分なし。

19. Patagonia ナノエア・ライト・ハイブリッド・フーディ(アクティブインサレーション)

ここ数年活気を見せている行動保温着「アクティブインサレーション」におけるPatagoniaの新作。特に冬山でシェルの下に着用するのにうってつけの保温性と抜けの良さを発揮してくれました。朝の寒さを和らげ、アクティブな行動中の蒸れや不快感を抑え、動きの中でのストレスも軽減してくれる、弱点のなさ、バランスの良さが絶妙です。

20. Senchi Designs Alpha 90 Crewneck w/ Half Zip(アクティブインサレーション)

ポートランド発のSenchi Designsもこの1~2年で人気がうなぎ上りしたブランドのひとつ。噂によるとポーラテックアルファの世界的な供給不足の主原因がこのブランドの爆発的人気だったとか。それにしても機能優先で荒っぽい見栄えだったこの生地を、その素材感を逆に活かしてシンプルなのに色やデザインの細部にこだわったことでアウトドアから日常着まで使いたくなる服にまで仕上げたセンスには脱帽です。

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21. Arms of Andes Alpaca Wool Long Sleeve Shirt: 160 Ultralight(ベースレイヤー)

メリノウールを上回るパフォーマンスと噂の「アルパカウール」を使用したベースレイヤーをはるばるペルーから個人輸入してこの冬初試用。部分的には粗削りなところもありますが、ウールと同じような天然素材ならではの特性(暖かく快適、調湿性、防臭性)に加えて、4,000メートルを超える高地で生きる動物ならではの「保温性の高さ」がはっきりと感じられました。フワッとした軽さと風合いも含めて、冬のベースレイヤーとして底知れない可能性を感じます。

22. AXESQUIN Merino Wool Two Toned LS Tee(ベースレイヤー)

2022年に初めて着て衝撃を受けたハイパフォーマンス・メリノウール「Nuyarn(ヌーヤーン)」を使ったベースレイヤーが、より多くのブランドによって作られるようになっていったのがこの2023年。ウールでありながら驚くほどの軽さ、速乾性、耐久性、伸縮性を備えたという魔法のような生地を使ったベースレイヤーがもっと色んなデザインで出て欲しいと願っていただけに、入手しやすく体型も合いやすい日本のブランドが手掛けてくれたことはうれしい限り。

23. ibexのベースレイヤー(ベースレイヤー)

惜しまれつつ事業を停止していたibexが復活し2023年に日本再上陸。復活だけでも軽くうれしいのに、しかも今回はより高機能に、より幅広いシーンにあう多彩なラインナップへとパワーアップして復活ときたもんだから、これは選ばずにはいられません。1年中、アウトドアから日常まで、場所やシーンを選ばず寄り添うメリノウール・シリーズの詳細は下記のレビューに詳しく書きました。

24. MILLET ドライ グリッド クルー(ベースレイヤー)

この秋冬でミレーが新たに開発した化繊ベースレイヤーがひそかにヘビロテでした。特殊なグリッド状の裏面で肌の汗を瞬時に吸い上げ、表面のポリエステル素材が素早く発散させるというハイブリッド構造は、相変わらず暑かった秋の登山やトレランに重宝。普通の化繊速乾ベースレイヤーに比べて肌面がサラサラで、さらに立体的なかさ高感のある生地によってほんのりとした断熱性も心地よい。んでもって意外と(?) デザインもシュッとしているので普段も着ちゃう。

25. NORRONA senja equaliser lightweight long Sleeve(ベースレイヤー)

春夏のファストパッキングからトレラン、そして沢登りとかなりお世話になっていたのがこの薄手高機能ベースレイヤー。メイン素材である軽量で抜群の吸汗速乾性を備えた「Teijin Deltapeak」は伸縮性も備えて動きやすくしなやかな着心地。デザインも身体のラインに沿ったスリムなフォルムがレイヤリングのしやすさ的にもかなり使いやすい。さらに残り部分に採用されている生地は「HeiQ Fresh FFL」という銀を含まない防臭加工によって化繊ながら快適。紫外線にも強く、ここまで快適・高機能ながらしっかりと環境への負荷も抑えたリサイクル素材100%、PFCフリーDWRなのだから、これ以上何を望めるだろうか。

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NORRONA(ノローナ)
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26. Ridge Merino ベースレイヤー(ベースレイヤー)

北米の比較的新しいメリノウール・アパレルブランド(日本未上陸)。決して尖ってはいないけど、素材、パターン、縫製とすべてがオールラウンドに丁寧で良くできている優等生。どんなシーンやアクティビティでも安心して快適に着られました。個人的には、特にタイツがお気に入りで、絶妙なフィット感と動きやすさでこの冬のアンダーウェア不動のレギュラーです。非常に丈夫で洗濯してもまったく縮む様子が無く、耐久性も高いのもありがたい。

27. NORRONA senja flex1 9″ Shorts(ランニングショーツ)

上で紹介したノローナの新しいトレイルランニング向けシリーズ「senja(セーニャ)」のランニングモデルは、暑かった2023年はトレイルランニングに限らずさまざまなシーンで重宝しました。ランニングショーツですがインナースパッツが無いタイプで、膝上丈のちょい長めサイズだからランニング以外のトレッキングにもちょうどよくフィットしてくれます。そして耐久性とストレッチ性、速乾性、サラサラ肌触りの「フレックス1ファブリック」も気持ちいい。

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28. Patagonia ストライダー・プロ・ショーツ(ランニングショーツ)

上のセーニャと並んで23年は個人的にランニングショーツの当たり年でした。このパタゴニアのハイエンドモデルは自然を走るために必要な機能がバランスよく高次元で備わった、理想的なパンツでした。セーニャと違ってスパッツ付き、丈も7インチと短いので、暑い季節のトレランや街ランではこちらの方が使いやすいです。

2023年に感動したフットウェア

29. La Sportiva AEQUILIBRIUM SPEED GTX(軽量トレッキングブーツ)

スポルティバの傑作と名高い「AEQUILIBRIUM(エクイリビウム)」のラインナップが拡充された!それも個人的に熱いスピードハイキングカテゴリで!ということで真っ先に履いてみたが、期待通り絶妙なバランスを保ちながら機動性を向上させ、より「走れる登山靴」へと進化していました。低山だけでなくアップダウンの激しい岩場も好きな自分はトレランシューズも好きだけど何だかんだプロテクションのできる限りしっかりしたものが好みのようです。詳細はレビュー記事へ。

2023年に感動したアウトドアギア

30. Rab Ionosphere 5(マットレス)

2023年のスリーピングパッド(マットレス)ではなんといってもRabのこいつに驚かされました。価格も含めた総合点でバランスのとれた秀作です。詳細はレビューで。

31. Hyperlite Mountain Gear 20-Degree Quilt(スリーピングバッグ)

あのHMGが初めてスリーピングバッグに参入した!見れば見るほどとんでもないスペックと自分好みの仕様でしたが、実際に使ってみたらもっとすごかった。環境に優しいC0撥水加工を施した1000フィルパワーのダウンをふんだんに封入し、足元にはさらにぶ厚いボックス構造。背中側と頭部を省くことで重量を削減した結果、レギュラーサイズで570gという驚きの軽さ。断熱性の高いマットレスと合わせれば十分機能するので、秋冬の超軽量ハイクに欠かせない存在となりました。

32. Rab Mythic Ultra 180(スリーピングバッグ)

2022年発売ですが、23年になっても引き続き個人的にベストな春夏寝袋だったということで選出。これまでも何度か紹介していますが、表地には繊維をチタンでコーティングした世界初の「熱反射性サーモアイオニックライニング」テクノロジーを採用し、中綿に900FPのダウン(撥水加工済み)と、軽量登山の寝袋として欲しかった要素のすべてが詰まった傑作。

33. Durston X-Mid Pro 1(シェルター)

今世界で最も勢いのあるアウトドアメーカーのひとつ、ダーストンの名を一躍世界に知らしめたは、ここ数年のアウトドア・テント史のなかでも間違いなくエポックメイキングな製品といえるほど画期的でした。ユニークで革新的なデザインで、最先端の素材を使い、世界で一二を争う技術力をもった縫製工場で作られたこの2ポールテントは、超軽量で高耐久であるだけでなく、快適な居住性を備え、簡単な設営を可能にしています。これによりかつてのシェルターにあった「軽いけど狭い・弱い・高価」というイメージを完全に払しょくしました。その秘密にたっぷりと迫った詳細はぜひレビューで。

34. Hyperlite Mountain Gear Unbound 2P Trail Tent(シェルター)

今シーズン鳴り物入りで登場したHMGの新作。いわゆるZ PacksのDuplex TentやGossamer GearのThe Two DCFのような2ポールの三角屋根に、側面がシングル、入口がダブルウォールになっているハイブリッド型構造ですが、ZPより使いやすく、GGより居住性が高い、そんな競合より少しずつ洗練された超軽量高耐久シェルターでした。広々快適で通気性も非常に高く、2人でも余裕の広さ、ドアが2つあって出入りも楽(前室もたっぷり)、DCFだからずっと弛まず耐久性も高い(それでいて2人用で680グラムという軽さ)と、雪山以外ならばほぼ文句なしでどこでも使える満足のいく一張です。

35. アライテント SLドーム(テント)

何がいいって、形はシンプルな自立式ドーム型なんですがとにかく生地が薄くて軽い(テントポールフライで980g)。そのくせ耐水圧など耐久性については(海外の超軽量テントに比べれば)安心の日本製テント。2人用とはいえこのコンパクトさならソロでもいい。ただ、難点は換気性。夏は熱がこもってとにかく暑かった。秋冬春などこれからの季節は使いやすいです。

36. PETZL NAO RL(ヘッドランプ)

軽さ、出力、光線のクオリティの高さで誰もが認めるキング・オブ・アウトドア・ヘッドランプ「PETZL NAO」シリーズが満を持してフルモデルチェンジです。ヘッドランプの最前線を知るためには使わないわけにはいきません。前モデルからの進化点としてはまず最大出力が750→1500と大幅向上。前面のライト部分がめっちゃ薄くなって軽量化し、着け心地が大幅UP。これだけでも明らかな進化ですが、さらに電池がUSB Type-C充電となったことで使いやすくなり、バッテリー自体も非常時にはモバイルバッテリーとして機能するなど至れり尽くせり。トレランやウルトラトレイルにはもちろんピッタリ、普段のハイキングにはオーバースペックかもしれませんが、まれにあるナイトハイクや、ご来光のための早がけ登山では、きっと持っていてよかったと思えるはず。

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ペツル(PETZL)
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37. エバニュー Ti SOLO pot NH(クッカー)

毎回思わず笑みがこぼれる突き抜け方をした素晴らしい新作を届けてくれるエバニューのULギア。今作はついにハンドルまでなくなり、550mlの容量でなんと76gという軽さを実現してしまった。取っ手の代わりにシリコンバンドを巻くことによって加熱しても(ポットリフターなど使わず)手で持つことはできるし(熱いけど)、気の利いた目盛り線や注ぎ口など細かいところもしっかりと作り込まれていて安心。飽くなき軽量化への挑戦はまだまだ続く。

38. モンベル チタン アルパインサーモボトル 0.5L(保温ボトル)

ついに出た!圧倒的な保温性能と軽さで登山愛好家に親しまれたアルパインサーモボトルに「チタンモデル」が登場。もう間違いなく買い。保温性能はステンレスモデルほどではないにしても十分なものがあり、使い勝手の良さも当然継承されています。それで注目の重さは「ステンレス:237g → チタン:200g」!これは…もうちょっと軽くできなかったか…?なんて質問は、1グラムでも切り詰める余地があればそれを選択せずにはいられない自分のような人間にとっては野暮でしょう。

39. ミネルバ エアメッシュパネル(バックパックアクセサリ)

大阪に取材遠征した際に梅田の「ロッジ」をぶらついていたらふと見つけてしまい、なんだかこれはイケるのではないかという予感と、手に取りやすい価格から期待せずに購入。なかなか良いです。セッティングした時の収まりが多少緩いのですが、メッシュ自体は軽くてりっかり立体感とクッション性があり快適。背中がペタッとした超軽量バックパックなどにとりつければ手軽に通気性に優れた背面パネルへと早変わり。

40. BLUE ICE ハーファング ツアー(クランポン)

バックカントリースキーでは、万が一のために必ず携行すべきセーフティギアが増えていく傾向にあり、そうなってくると各道具の軽量化が非常に大切になってきます。BLUE ICE ハーファング ツアーはそんなぼくのニーズにど真ん中でハマりました。見た目ではこんな作りで大丈夫か?と思えるのですが、実際には期待通りしっかりと機能してくれました。軽量高耐久なUHMWPE&HTPEのストラップとアルミの8本爪構造の革新的な構造は他の軽量クランポンと比べて軽量かつ収納性に優れ、着脱も容易。僕の今シーズンのBC用軽量クランポンとしてすっかり定着しました。

41. Black Diamond カーボンウィペットポール(スキーポール)

こちらも発売時期は23年ではありませんが、新たに加わったバックカントリースキーの必須アイテムです。バックカントリースキーでは急峻なルートではアイスアックスが必携装備ですが、持っていくかどうか迷うような微妙なルートにはこのようにポールのヘッド部分にアックスが付いたウィペットポールが非常に便利で安全であることが分かりました。ヘッド部分は確かに重くなりますが、急坂の登りだけでなく、意図しないトラバースや不意の転倒などでもいちいちザックを下ろしてポールを仕舞って、、、とやらなくて済むことがこれほど楽だとは。結果的に軽量化・スピードアップ・安全性向上につながっています。

42. SKEATS Claws Alpine Logic(スキークランポン)

スキーアイゼン(スキークランポン)は一般的に急坂になるほど(クライミングサポートをあげると)クランポンの爪が刺さりにくくなるという弱点がありますが、これはその弱点を補ってくれる、板に直付けの軽量クランポン。発売は1年前ですが、今シーズンより強くて鋭いアルパインモデルが登場したので、満を持して使ってみました。(まだそこまでシビアな局面で使用していませんが)確かに急斜面やカリカリ斜面での安定感が向上。また思ったより歩きにくいということもありませんでした。あとは価格がもう少し優しければ。。

43. Insta360 Insta360 X3(カメラ)

正確には2022年に購入したのですが、実際に使い倒したのは2023年に入ってからのバックカントリースキーでした。普通に手で持って前から撮れば迫力の自分撮り、背中に長く自撮り棒を伸ばして壮観な追い撮りなど、カメラの向きを気にせず自由に今まで撮れなかった映像が撮れるって素晴らしい。山の楽しみをさらに押し広げてくれたことに感謝。

44. FLEXTAIL Tiny Pump 2X(デジタルガジェット)

必須ではないけどあると便利な電動エアポンプ。アウトドアを愛するエンジニア集団、FLEXTAILによるガジェット「Tiny Pump 2X」は握りこぶしよりも小さなボディでしっかりとエアーマットに空気が入れられます。それだけなら今までもありましたが、これはランタンにもなるLEDランプがついており、さらにモバイルバッテリーとしても使用できるという工夫が素晴らしい。コネクターが何パターンも付属しているので、特定のメーカーのマットに限らず(すべて試したわけではありませんが)主要なブランドのマットに対応しているようです。

45. Nitecore NB10000 Gen 2 Power Bank(モバイルバッテリー)

海外のウルトラライトハイカーの装備を見ているとよく眼にするけど日本ではなかなか入手困難な超小型モバイルバッテリーは、海外から別の製品を個人輸入した時にあわせて購入してみました。実際に使ってみると確かにここまで軽い(150g)、小さい(薄さ約1cm)、大容量(10000mAh)と三拍子そろったモバイルバッテリーはなかなかない。USB Type-Cの急速充電にまで対応しているから充電も早いし、さらにIPX5までの防滴仕様ときた。なぜ日本で売ってくれないのか。

ライター村上さんのセレクトした2023年「感動したアウトドアギア」

46. 山と道 dw5pocket pants(トレッキングパンツ)

スマホを入れる側面ポケットが本当に秀逸。ストレスなくスマホを取り出せ、ポケットにスッと収納できます。程良い通気性で幅広い時期に使えるので、よく履いてます。後立山縦走のために購入し、4日間毎日履きましたが、足上げもしやすくて快適でした。山と道らしく、スポーティー過ぎないシルエットで、山に街にと出番が多いです(村上 寛)。

47. 山と道 100%メリノフーディー(ベースレイヤー)

メリノウール100%の着心地が良く、フードもあって幅広く使えて気に入っています。後立山縦走のために購入し、4日間毎日着ていましたが快適でした。消臭効果もあり、長めの山行はこれ一択です。山と道らしい素敵なカラーも好きなポイント(村上寛)。

48. OMM SuperSonic Smock(アクティブインサレーション)

188g(実測)と超軽量なアクティブインサレーション。着た瞬間のフワッとした着心地と暖かさがとにかく好きで、ベースレイヤーやTシャツだけでなく素肌に着てもPRIMALOFT® NEXTがしっかり汗を吸い上げて拡散してくれるので、ミニマリストハイカーのさまざまな季節・シーンでにオススメです。簡単にパッカブル、内蔵のウエストベルト、枕にもなること(!)、袖を伸ばすと簡易的なフローブになること等、便利な機能がいくつもあります(村上寛)。

【忖度なしの自腹比較レビュー】実際に着比べて分かった、ミニマリストハイカーに刺さる軽量アクティブインサレーション

49. milestone MS-G3(ヘッドランプ)

大阪発・新進気鋭のヘッドランプメーカー、マイルストーンの2023年新製品「MS-G3 & MS-G4」は、明るさや持続時間といったパワーこそ控えめなものの、ずば抜けた軽量コンパクトさや操作性、価格などの実用性にかけては他に類を見ないほどの充実ぶりを備え、総合的に見た使いやすさが秀逸。詳しくはレビューで(久冨保史)。

50. エバニュー GubiGubi(クッカー)

グラム単位でどれだけ切り詰められるかをとことん突き詰めたとしても、それだけで旅が楽しくなるわけではない。多少かさばったとしても竹のスプーンで食事がしたいと思うように、できる限り素敵な器で酒が飲みたいと思うこともあるでしょう。世界で唯一チタンに入れた槌目模様は、日本のメーカーにしかできない何とも言えない色気があります。自分で釣りあげた岩魚を塩焼きで食べた後、この器で飲んだ骨酒の何と旨かったことか。もちろんただデザインに凝っているだけではなく、極薄チタンは超軽量、コンパクトなサイズは持ち運びも苦にならず、シーンを選ばず活躍してくれますよ(久冨保史)。

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【おまけ】2023年に感動したかったアウトドアギア

バックパック

  • ULA Ultra CDT 54L
  • BCA FLOAT E2 35L
  • Gregory フォーカル 48
  • Durston Wapta 30
  • Rab Khroma 30
  • Arcteryx ノーバン14
  • BLUE ICE クメ 32
  • Rab Khroma Kinetic Jacket

ウェア

  • NORRONA lyngen Gore-Tex Jacket
  • Haglofs Vassi GTX Pro Jacket
  • MAMMUT Eiger Free Advanced HS Hooded Jacket
  • Arcteryx ラッシュ ジャケット
  • ACLIMA WOOL TERRY CREW NECK
  • Black Diamond アルパインスタートインサレーティッドフーディー
  • Rab VR Summit Jacket
  • 山と道 Light Alpha Vest/Jacket
  • ENLIGHTENED EQUIPMENT Torrid APEX Jacket
  • Arcteryx ベータ ダウン インサレーテッド ジャケット
  • TIMMERMADE SUL .75 Down Sweater
  • STATIC YAK BREEZE PULLOVER
  • Arcteryx プロトン クルーネック プルオーバー
  • モンベル 2in1 アルパイン テックグローブ
  • THE NORTH FACE ウォールライドFLトリガー
  • 山と道 Light Alpha Tights

フットウェア

  • MAMMUT Aenergy TR BOA® Mid
  • Hoka Speedgoat 5
  • Topo Athletic TRAILVENTURE 2 WP
  • Scarpa リベレラン カリブラHT

ギア

  • Tarptent Dipole 1 Li
  • Tarptent PROTRAIL Li
  • zpacks オフセットソロ
  • モンベル U.L.モノフレームシェルター
  • STATIC AFTERBURNER SLEEPING BAG
  • PATIZON G800 3 season – Winter
  • OMM Core Liner
  • NEMO TENSOR™ EXTREME CONDITIONS REGULAR MUMMY
  • Garmin epix Pro (Gen 2) 51mm
  • Garmin inReach Messenger
  • COROS PACE 3
  • Gossamer Gear LT5 three piece carbon trekking pole
  • Black Diamond パーシュートFLZ
  • VSSL Java G25 Coffee Grinder
  • Black Diamond ベイパー
  • Black Diamond トランスファーLTブレード
  • Black Diamond ベノムLT テック
  • PIEPS ピープス プロIPS
  • ZEQUE Jaz
  • Sony α7CR
  • Black Diamond ディスタンス1500
  • FUJIKAZE 電熱ゴーグル

まとめ

「究極の装備」を求めて2024年もたくさんの山道具を試し、その感動を皆さんとシェアできたらいいなと思っておりますので、どうか今後ともOutdoor Gearzineをよろしくお願いいたします。