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初心者からウルトラ・トライアスリートまで、クッション性に優れたランニングシューズ5足

ようやく慌ただしいランの季節が落ち着いた――。フルマラソンのシーズンが11月頃から始まり、3月に人気の大型レースである東京マラソンが終わる頃、そう感じたあなたはすっかりランナー気質。これから春~夏に向けての時期はウルトラマラソンやトライアスロンのレースが日本各地で開幕されます。

ランナーのみなさんにとっては桜や新緑が芽吹きだした景色に目も華やかで、ジョギングが楽しいシーズン。トライアスリートやウルトラランナーは本番に向けそろそろピーキングに入ります。どちらのランナーにとっても日が長くなるにつれ、明るいうちに練習できる時間も増えてきて嬉しい限りではないでしょうか。

そんなランナーにとって要(かなめ)となるのが自分に合ったシューズ選び。今回は初心者がフルマラソンでも履けて、なおかつ、ウルトラ~トライアスロンまで対応できそうなモデルを探していきたいと思います。そんな便利なシューズあるの?と、疑問に思われるかもしれませんが、それはこれから先の記事をじっくり読みながらお付き合いください。

「ウルトラマラソンには何か特別なシューズいるの?」

「みんな、どんなシューズ履いているんだろう?」

湧き上がる素朴な疑問を、これから何回かに分けて、編集部では市場調査を行いつつ独自の視点で答えを探っていきます。ちなみにシューズ選びは私が女性なので女性用で表記していますが、同等の男性向けは当然ありますので参考になさってください。

申し遅れましたが筆者のわたくし、焦らずゆっくりマイペースなトライアスリート。
フルマラソンの自己ベストはサブ4ですが、ここ数年はサブ4.5レベルですので一般市民ランナーのボリュームゾーンかと思います。今季も暫し冬眠していたにも関わらず、春のウルトラでロングレース復活!改めて現在のレベルに合わせたシューズ選びをすることになりました。

目次

今回のシューズ選びの主な指針

  • 対象:ロングラン初心者から経験者まで
  • シーン:主に舗装路の長距離を完走目的で
  • 対策:ダメージを最小限にする、ソールの厚いプロテクション(エンデュランス)タイプ

ショップやメーカーではシューズ選びの指針のひとつに、サブ3向けやサブ4向けなど、フルマラソンのゴール予想時間に合わせる方法を打ち出しています。

ペースが速くなるにつれシューズの形状はミニマム化されていき、ソールが薄くなるなど軽量化していく傾向が見受けられます。

ウルトラを目指す人は更にもう一歩先、100kmのゴールでサブ9やサブ10という未知の世界の話を耳にし始めるでしょう。

サブ9を達成するには㌔5分25秒以内(サブ4以内)のスピードを保ったままフルの2倍以上の距離を走り続けることになります。実際のところウルトラ100kmで刻む一般の平均的なペースは㌔6分~8分が目安でゴールまでおよそ10時間~14時間も掛かります。

速い選手でも9時間もの間、足を衝撃にさらし続けなければならないのです。

上位レベルを目指すような強者であれば、鍛え上げられた自身の筋肉が長時間のダメージから体を守ってくれるので、余分なクッションなどの機能を削ぎ落としたミニマム系のシューズでタイム向上を狙うも可能でしょう。しかし一般ランナーが、着実にゴールを目指すには、長距離×長時間の蓄積ダメージをいかに軽減して、後半も出来るだけタイムを落とさずに走り切れるかがキーポイントだと考えます。

つまり今回のシューズ選びはスピード重視ではありません。時間のかかる初心者から、エンデュランス系スポーツのウルトラランナー・トライアスリートなどの足を守るクッション&サポート効果の高いシューズをピックアップしていきます。

※シューズ選びは体格・走法・レベル・どんな路面を走るのか等々、他にもまだ色んな要素がありますが、ここでは一般的にわかり易い時間軸で捉えています。

編集部ピックアップシューズ5足 
~長距離×長時間のダメージを最小限に喰い止めよ!~

Zoot Ali’i 16

快適性★★★ クッション性★★☆ サポート効果★★☆ グリップ力★★☆ 重量★★☆

アイアンマンの聖地であるハワイ島コナで1983年に生まれたトライアスロンウェア・シューズの老舗ブランドであるZoot。トライアスロンを初めとするエンデュランススポーツ向けで、特にこのモデルは全世界でも人気ですぐに売り切れてしまうことも。日本人アスリートにも履きやすい標準的な足幅、クッション性、バイクの後の疲れた足でも安定した走りをサポートしてくれます。ALI’1シリーズの特徴は、シューレースがワイヤーで、ボアダイアルと呼ばれる丸いダイヤルを回すことで、細かい調整をおこなえること。これは素早いトランジションが可能なだけでなく、長時間走り続けて足が浮腫んだりしてきても、すぐに微調整をとれる利便性がウルトラマラソンにもお勧めできる秀逸品です。

On Cloudcruiser Women’s

快適性★★☆ クッション性★★☆ サポート効果★★☆ グリップ力★★☆ 重量★★☆

2010年にスイスで誕生した、まだ新生のランニングシューズブランドですが、2013年に東京マラソンのEXPOで日本初上陸を果たして以来、徐々に頭角を現してきた注目株です。最初にブースでアウトソールの3D形状を見た時は、なんて斬新なシューズなんだと驚きました。開発の切っ掛けが風変りで、アキレス腱の慢性的な炎症に悩む元プロトライアスリートが庭の水履きホースを輪切りにしたものをソールに張り付けるところからスタートしています。チューリッヒ工科大学のエンジニアと共に、この独自のアウトソールの研究を重ね、ついに着地衝撃を緩和するCloudTec システムに辿り着いたのだそう。クラウドクルーザーは長距離&高負荷ランニングに理想的なタイプです。軽く速く走るなら今期モデルのクラウドフローが良いかもしれません。

HOKA ONE ONE CLIFTON 3 Women’s

快適性★★★ クッション性★★★ サポート効果★★☆ グリップ力★☆☆ 重量★★★

こちらは2009年にフランスで設立された、もともとはトレイルやウルトラレースをターゲットに生み出されたシューズです。日本では2010年のハセツネカップ(トレイルレース)で優勝した外国人アスリートが着用していて、その従来のシューズの2倍はあろうかという厚底が注目を浴びました。トレイル向けでは、以前はソールが厚い分だけ重さが気になるとの意見もありましたが、現在は超軽量マキシマムクッションに進化し、特にこのロード向けモデルは軽量かつふかふかのクッションという贅沢な履き心地を実現させていることから、ウルトラランナーやトライアスリートの中で話題沸騰中です。マシュマロのような履き心地は履いた瞬間に恋に落ちるかも。

BROOKS TRANSCEND 4 WOMEN’S

快適性★★★ クッション性★★☆ サポート効果★★☆ グリップ力★★☆ 重量★★☆

1984年にアメリカで生まれたBROOKSはアメリカのランニング専門店で2011年では全米シェアNo.1を誇るブランド。2014年のブルックス総業100周年目に、トランセンドが発表されてから、こちらで最新4代目となりメーカーの新技術を集結させた最高峰モデルとなります。BROOKS独自の世界初クッショニングシステムBROOKS DNAは全てのランナーの体形や走り方に応じてクッション性が自動的に変わるという画期的なもので、ここにスーパーDNAを採用したことでクッション性を25%も高めています。走る度に体の変化を捉える様子を実感していくでしょう。この新トランセンドは、クッション性と加速の両方を求めるランナーにおすすめのモデルとなります。

アシックス Lady Gel-KAYANO 23

快適性★★★ クッション性★★☆ サポート効果★★★ グリップ力★★☆ 重量★★☆

言わずと知れた国産メーカーで、ゲルカヤノは1993年に登場してからのロングセラーで、常に進化しながら毎年多くの支持者を集めています。ミッドソールには反発性に優れた進化をとげたSpEVA(スピーバ)と、軽量性に優れたFlyteFoam(フライトフォーム)を組み合わせた構造を採用し、流れるようになめらかな走り心地を実現しています。足長以外のサイズ展開が豊富で同じモデルでも足囲などに合わせてスリム・レギュラー・ワイド・など豊富な展開を揃えています。国産メーカーならではの細やな仕上がりで自分の足形にぴったりフィットしたシューズ選びができるのも魅力です。

 

まとめと次回予告

今回は、長距離×長時間のダメージから守るべく、クッション性とサポート機能を中心にシューズをピックアップしていきました。シューズ選びは多種多様で、私の知り合いではトライアスロン(ロングディスタンス)を自分で作った薄いワラーチ(ランニングできるサンダル)で走る凄い女性もいます。これは極端な例ですが、人によってはクッショニング機能が逆に疲れを招いたりすることもあります。何よりも一番大事なのは己の力を見極めて自分に相性の良いシューズを見つけること。次回は、市場調査とシューアドバイザーによる意見を取り入れながら、更に3つのシューズに的を絞って実際に走行テストをおこない、インプレッションをお伝えしていきます。

 

曽根 倫子

Part Time Triathlete and Full Time Dreamer.
” 焦らずゆっくりマイペース ” をモットーにトライアスロンを楽しむ水陸両用ライター。2015年:企画編集プロダクションを立ち上げフリーランスとして活動中です。優しい言葉でわかり易く心が伝わる記事を提供するよう心掛けています。半径100km以内なら、いつでも自転車に乗って取材に駆けつけるバイタリティーを持ち、ご用命とあらば、山の中を走り、海の中を潜り、世界中を飛んで参ります。自慢できることは、面白そうなコト・モノを探し出す嗅覚が鋭いこと。
企画編集プロダクション:Office Astro Writing 
Blog:Rinko’s Diary

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