Review:Black Diamond ディスタンスカーボンFLZ

最軽量クラスのトレッキングポール、ヤバいのは軽さだけではない

ここ数年で山歩きには無くてはならない存在となっていったトレッキングポールですが、足への荷重を軽減してくれたり、下りや滑りやすい場所で支えになってくれたりと、あればあったで非常に便利なギアですね。ただ一方で、最悪なかったとしても、行動できなくなるわけではありません。

そんなこともあって、個人的にポール選びの基準は「最低限の使い勝手でいかに(重量・容積といった)無駄を省けるか」が選択の大きなポイントになっているわけですが、このブラックダイヤモンドのディスタンスカーボンFLZ は「軽量コンパクト性を徹底追求」したディスタンスシリーズのハイエンドモデル。数ある登山向けトレッキングポールのなかでも最軽量・最コンパクトの部類に入る注目のポールです。今シーズンを通して試用した結果、春~秋シーズンの山歩きにはこれ以上ないほど最適だということを実感。早速このトレッキングポールについてレビューしていきたいと思います。

詳細レビュー

アイテム名(参考価格)

Black Diamond(ブラックダイヤモンド)ディスタンスカーボンFLZ(参考価格:21,384円)

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主なスペックと評価

項目 スペック・評価
サイズ 95~110(34)cm
105~125(37)cm
120~140(40)cm
( )内収納時
重量 95-110cm=345g
105-125cm=355g
120-140cm=365g
シャフト材質 カーボンファイバーシャフト
収納方式 折りたたみ式
長さ調節 ピンロック+レバーロック(フリックロック2)方式
グリップ 軽量EVAフォームグリップ
ミニエクステンショングリップ
ストラップ メッシュ素材と組み合わせ、通気性に優れるストラップ
付属品 ラバーティップ
使いやすさ ★★★★☆
重量 ★★★★★
収納性 ★★★★☆
耐久性 ★★★☆☆
多機能性 ★★★☆☆
価格 ★★☆☆☆
総合点 ★★★★☆

ここがスゴイ!

ここまでやる?徹底した軽量化

このポールを選ぶ理由として、最も大きなポイントになるのがこの「軽さ」にあることはまず疑いありません。使ってみると確かに、アホみたいにとにかく軽い。力の弱い自分でも持っていることすら忘れるくらいに苦も無く操作できます。ポールを使って登ると以外にポールの振り上げ動作によって肩や手首などの上半身が疲れていることがあるので、この軽さは実は非常に重要です。

ところでカーボン製のトレッキングポールは、GRIPWELL カーボンスーパーライトモンベル アルパイン カーボンポールSINANO フォールダーFREE 125など数多く見られますが、それらと比べても軽さで頭1つ抜きんでていられるのはなぜなのか。その違いは細部へのこだわりにありました。

例えば、グリップは濡れても滑りにくく軽量なEVAフォームをさらに肉抜きして軽量化。もちろん、軽量化したからといって握りにくくなっていたりすることは特にありません。またストラップにはポリエステル素材をメッシュにしてこちらもとことん軽量化(通気性UPというおまけ付き)

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グリップは握りやすく、通常の握りの下部は急斜面を登るときに握る「ミニエクステンショングリップ」も付いている。

このように耐久性と使い勝手を損なわないギリギリの軽量化の努力が細部にわたって見られます。

なお、ここまで軽量化してしまってカーボンシャフト自体の耐久性についてどうなのかということについて、カーボンシャフトが現れてから耐久性については色々と議論されてきたことでもあり、ぼくも気にはなっていました。そこでこのモデルに限らず他メーカーのカーボンも含め、時に荷重を強めてみたり、岩に打ち付けてみたりと注意深く使ってみたのですが、事実としては、現在までのところは折れたり明らかに不安だと感じた場面はほぼありません。今のところは通常の使用で安全が脅かされるという心配はやはり無いといってよいのではないでしょうか(いついかなる場合でも当てはまるとは当然言い切れませんが)。

軽いだけじゃない、コンパクトな収納サイズ

とにかく軽いことは事実なのですが、実際のところはもっと軽いトレッキングポール(LOCUS GEAR CP3 など)もあることも確かです。ただそれらと比較してもこのポールの優れているのは、収納方式にあります。従来型のテレスコーピング式(望遠鏡のように径の異なる筒が伸び縮みするタイプ)ではなく折りたたみ式にしたことで、収納サイズを37cm(125cmポール)にまでコンパクトにできます(※トレッキングポールの分類について、詳しく知りたい方はトレッキングポールの選び方を参照)。

数字にするとたった数十センチの差ですが、実際には日帰りハイキングで使うような小さいバックパックの場合、背負った時に出っ張りができるかできないかという大きな違いが生まれる境目でもあり、よりコンパクトな折りたたみ式を採用したディスタンスカーボンはこうした携帯性も含めるとより使い勝手が良いです。しかも、この軽さ・コンパクトさを維持しながら長さの調節までできてしまうのだから本当に隙がないというべきでしょう。

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収納時の長さは並べて比較すると差は明らか。上がディスタンスカーボンFLZ(37cm)下がモンベルのアルパインポール(62cm)。

安全で調節しやすいロックシステム

長さ調節(ロック)方式には、ブラックダイヤモンドが十数年前からスキーポールで培ってきた実績のあるレバーロック方式であるフリックロック2を採用。ここで使用された材質も、当然軽量化が意識されています。

従来のスクリューロック式(ポールを回転させてロックしていくタイプ)は力がいるし、きっちり締めないと緩んでいく危険もありましたが、こちら(レバーロック方式)は固定したい長さでレバーをパチッと閉めるだけでしっかりと固定可能です(さらにグローブをしたままでも操作は簡単)

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今回採用されているフリックロック2。軽量な素材を使用しつつ、強度と使いやすさは損なわれていない。

ちなみにレバーの硬さ自体も、少し緩いと思う場合にはドライバーで調節できます。

ここがイマイチ

交換できないバスケット

ブラックダイヤモンドのディスタンスシリーズは軽量コンパクト性を徹底追求したシリーズとして位置づけられ、メーカーの見解としては「強度や耐久性で同社他シリーズに及ばず、冬期の使用にも適さない」ため、そもそもバスケットを雪面用に交換できないような仕様になっています。その見解は分からないでもないですが、今やスノースポーツといえばバックカントリーやアルパインクライミングに止まらず、スノーシューイングやスノーハイキングなど、ライトなアクティビティにまで多様化しているのだから、この手のウルトラライトなモデルにもスノーバスケットの選択肢があってもいいと思うのは間違いでしょうかね。同じような作りの競合製品である SINANO や GRIPWELL ではきちんとスノーバスケットが付属品として別売りで提供されていることもあり、そうした対応を願ってやみません。

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価格

2万円以上というコストは確かに厳しいです。が、しかし、同程度の性能のモデルに比べて異常に高価という分けではないので、どこまでこの品質にプライオリティを置くかというということになってくるでしょう。ちなみに同じような使い勝手で100g重く、5,000円安価なモデル Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ディスタンスFLZ も十分に優れたポールであることは確認済です。

まとめ:どんな活動におすすめ?

トレイルランニングから通常のハイキング・登山まで幅広く使えて、使い勝手も快適さも他モデルに引けをとらず、そして何より持っていることを忘れてしまうほどにトップクラスの軽さは、持っているといないとでの歩きやすさ、疲れやすさの差は計り知れません。無雪期のアウトドアでは誰よりも頼もしい縁の下の力持ちとなってくれるでしょう。唯一、雪には使えないという点で汎用性に弱点がありますので、雪を含めてどうしても1本で済ませたいという人にはおすすめできませんが、9:1くらいで無雪期が多い人、とにかく春~秋の山歩きを快適に過ごしたいという人、雪に使うポールは別に雪に強いモデルを揃えるつもりという人であれば、間違いなくおすすめです!

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